2015年4月28日(火)
鞭が気持ちいいです! 舞台『逆転裁判2』インタビュー第3弾は狩魔冥を演じた楠世蓮さんと藤嵜亜莉沙さん
4月29日~5月10日に東京・俳優座劇場にて公演される、舞台『逆転裁判2 ~さらば、逆転~』。本作の出演キャスト、関係者へのインタビュー連載を掲載する。
舞台『逆転裁判2 ~さらば、逆転~』は、カプコンの人気AVG『逆転裁判』シリーズの舞台化第3弾。公演は、舞台1作目と同じくADKアーツの主催にて行われ、カプコンは監修を担当している。
キャストインタビュー第3弾として、狩魔冥を演じた楠世蓮(くすのき せれん)さんと藤嵜亜莉沙(ふじさき ありさ)さんへのインタビューを掲載。普段から仲のいい2人が考える狩魔冥の人物像やキャラクター性、演じる際に気をつけていることなど、さまざまなことを聞いている。なお、インタビュー中は敬称略。
⇒カプコンの江城元秀さんと山崎剛さん(※)、演出の大関真さんへインタビュー!
⇒成歩堂龍一役の渡辺大輔さんと御剣怜侍役の和田琢磨さんへインタビュー!
⇒綾里真宵役の荻野可鈴さんと椎名ひかりさんへインタビュー!
※山崎さんの“崎”は正しくは異体字。
▲楠世蓮さん |
大分県出身でソニー・ミュージックアーティスツ所属。高校在学中より、大分にてモデルとして活動。2011年に上京をはたし、本格的に芸能活動を開始し、ファッション誌を中心に人気を得る
2012年のドラマ『ガールズトーク~十人のシスター達~』でヒロイン・黄色の横田として女優デビュー。2014年10月から放送された『実在性ミリオンアーサー』にて、メインキャストの“アーサー -剣術の城-”で主演を務める。
▲藤嵜亜莉沙さん |
埼玉県出身でEver Green Entertainment所属。DHC シンデレラアワード2012にて、スペシャルビューティー賞を受賞した。趣味は茶道、古墳を調べること。特技は書道と着付けで、書道4段の腕前だ。
2011年に『仮面ライダーフォーゼ』の繁野ジュンを演じる。その後、さまざまな作品に出演し、2014年10月には『実在性ミリオンアーサー』でメインキャストの“アーサー -技巧の場-”として人気を博する。2015年になってからはさまざまな舞台に出演中。
――まず最初にお名前と演じられるキャラについて簡単に教えてください。
楠:狩魔冥役の楠世蓮です! メイちゃんは強がりでカワイイですね。私、結構メイちゃんと似ているんですよ!
――え? 鞭を振るわれるんですか?
楠:いやいや(笑)、鞭は今回初めて振りました。強がりな性格と、素直にカワイくなれないところがすごく似ています。
藤嵜:似てる、世蓮は本当に似ているよね。
楠:だから、やりやすいと思いました。ただ、原作があるキャラなので、そこを逸脱しないようにしつつ、演じています。
藤嵜:同じく狩魔冥役の藤嵜亜莉沙です。メイちゃんは、ツンツンしていて鞭を振りまわすような強気な性格の持ち主でありつつ、頑張っているキャラです。根底が私とは正反対なので、大きく強く演じようと思っています。そういう強気な役を演じることが多いので、似たようにならないように注意していますね。人気キャラなので、プレッシャーはあります。
――確かにメイちゃんは“おいしいキャラ”で人気という印象がありますね。
楠:出るところでズバッと出て、去っていきますからね。すごいいいキャラですよ。
藤嵜:「ここは私の独壇場!」くらいの気持ちでやっています。
藤嵜:私は役が決まる前に見ていました。自分が“舞台『逆転裁判』”に出られると思っていなかったので、あの世界観の中に立てるのかと思ったらプレッシャーもありつつ、やはりうれしかったです。
▲舞台公演『逆転裁判 ~逆転のスポットライト~』の様子。 |
――狩魔冥を演じるに当たり、役作りしたことはなんですか?
楠:動画を見ました。声の雰囲気を似せようということを意識しています。
藤嵜:同じですね。動画を見て、舞台を見た人がどういう風にメイちゃんを捕えるかを想像しました。最初に受けた印象を大事にしようとしつつ、芝居に生かしています。舞台にはゲームを遊んでいない人もいらっしゃるので、その人たちを置いていかないように考えています。
――出演が決まった際には、周りの方からどのような声がありましたか?
楠:すごく反応がありました。私の周りはもともとゲームが好きな人が多くて、『逆転裁判』を遊んでいる人が多い。Twitterで出演についてつぶやいたら友だちから「本当!?」や「絶対に行く!」という連絡や、「メイちゃん!? 超好きだから頑張ってね」という激励がありました。
――発表直後の声は役にハマっているというものと、心配する声ではどちらが多かったのでしょうか?
楠:私の素の部分を知っている人は「合っているかも」と言ってくれるんですが、ファンの人は性格を知らないので「どうなんだろう」という声が多かったです。
――それを聞いてどう思われましたか?
楠:「とにかく舞台を見に来て!」って思いました。
藤嵜:私もすごい反響が大きかったです。メイちゃんは人気キャラなので、反響が大きいことは予想していたんですが、それ以上にすごかったです。あとは、世蓮とWキャストということでも盛り上がりましたね。もともと違う作品で同じ名前の役をやっていて、今度も同じ役なので。
楠:確かに、ファンの方には喜んでいただきました。
藤嵜:あと、世蓮はメイちゃんに近い感覚でやれるタイプなので、私は工夫してキャラに寄せていこうと考えました。ただ、とにかく反応がありましたね。強がっている役、ちょっとSな役を私がやるのが好きなファンが多いので、メイちゃんを喜んでくれたのはうれしかったです。
――演じられるキャラを現在はどのようにとらえられていますか?
藤嵜:強がりですが、カワイイですね。ちゃんと考えていることがあり、一生懸命で信念が強い子……カッコいいしカワイくて、演じていて愛おしくなります。
楠:わかる! まだ未成年で若くて、柔軟な考えをできないところがある。そういう時期は誰でもあると思うので、「私もこういう時期、あったなあ~」と共感しました。だからこそメイちゃんの不器用さを、どう表現するかが楽しいです。
▲冥ちゃんの衣装を身にまとった楠さん。 |
――脚本をご覧になって、いかがでしたか?
楠:「おもろい!」ってビックリしました。
藤嵜:うん、おもしろい! もともと“舞台『逆転裁判』”がおもしろいことを知っているからこそ、台本を読んで「ステージ上ではこうなるのかな?」と想像するのが楽しかったですし、そこに自分が入ることを考えたらもっと楽しくなった。台本をいただいただけで楽しめましたね(笑)。
楠:あまりに楽しくて5分くらいで読んでしまいました。いや、5分は盛りましたけど!(笑) でも、「次がどうなるの?」って気になって、気付いたら読み終えてしましたね。一番最後は盛り上がりつつ、先が気になる終わり方をするので「も~~~! 次の台本はよっ!」って!!
藤嵜:ゲーム中の大事なシーンや盛り上がっているシーンが台本に出てくると「おお~~~!」って思いましたね。
――現在、稽古の真っ最中ということですが、現場の雰囲気はいかがでしょうか?
藤嵜:すごい楽しいですね。
楠:いい雰囲気で楽しいです。
藤嵜:すでに出演されて、一緒にやられている方が多いこともあると思うんですが、現場の雰囲気が明るくて入りやすかったです。
楠:強気なキャラで鞭を振ったり、叩いたりする暴力的なキャラなんですが、すでに土壌があって、受け入れてくれるスタイルができているので、やりやすいです。初めてお会いする方が結構いたので緊張するかと思ったんですが、すごく優しくて「なんでも来いよ! 受け止めるぜ!」というスタイルで、いろいろなことに挑戦できています。
藤嵜:こうしたら、こう返してくれるだろうなと想像しながらお芝居できているので、演じていて楽しいです。安心してメイちゃんになれています。
楠:わかる! ズッシリ感がすごい。
――ある程度の雰囲気ができている中に飛び込んでいかれたわけですが、2人がお互いを知っていたというのは、心強かったのでしょうか?
藤嵜:ありますね。やっぱり心強いんですよ。
楠:いや、それはこちらこそ……ってなんやねん、このやりとり!
(一同笑)
楠:亜莉ちゃんは芝居の経験が長いので、Wキャストで出番は異なるんですが信頼しながらできていると思います。それは自分の中ですごくあります。
藤嵜:もともとお互いを知っていて信頼関係ができているので、その中でWキャストというのは大きかったと思います。世蓮でなかったらまた違うことになっていたと思うので。それはすごく大きいですね。
▲冥ちゃんの衣装を身にまとった藤嵜さん。 |
――逆に同じ役だからこそ、お互いを意識することはありますか?
楠&藤嵜:ありますね。
楠:亜莉ちゃんがやっているのを見て、自分の時もそう動けるというのがわかってすごく勉強になります。
藤嵜:シングルだと周りの人との空間がわからなくなる時があるんですね。でもダブルだと離れて見られるので「ここでこう動いたらおもしろくなるな」というのを客観視できる。すごくありがたいですね。あと、世蓮は私ができない強がる表現をさらっとできるので、そこも勉強になります。
――先ほどプレッシャーがあったとお話されていましたが、演じるうえでどういうことを考えて克服されましたか?
楠:キャラがとにかく強気なので、メイちゃんとして行こうと決めました。メイちゃんとしていれるようになったら、プレッシャーはなくなりました。
藤嵜:役が決まって、台本をいただくまではプレッシャーがあったんですが、自分でやるとなったらプレッシャーはなくなりましたね。まあ、本番で幕が上がる段階になったら、プレッシャーを感じるかもしれませんが(苦笑)。
楠:緊張はするでしょ(笑)。
藤嵜:でも、自分が作り上げていく段階でプレッシャーはないです。楽しみながら演じています。
――メイちゃんは鞭を振るのも外せないキャラですが、稽古されていていかがですか?
楠:鞭は……気持ちいいですよ!(笑)
藤嵜:気持ちいい! 私も自分の中に本当はこういう感情が眠っているんじゃないかっていうくらいに。
楠:今回の舞台で呼び覚ましちゃった!?
藤嵜:もともと、Sな役をやる時にちょっと思っていたですが、今回あまりにもスッキリするので目覚めちゃったのかなって(笑)。やっていて楽しいです。
――“SのUTSUWA”があったと。
楠:そうね、あったね。
藤嵜:UTSUWAはもともと大きいんですけどね。
楠:鞭の練習をしている時なんですが、演出の大関さんの足首に、鞭の先端がパチンって当たってしまって、すぐに謝りました。
藤嵜:鞭が長くて最初のころは距離感がわからないので、稽古していると知らない間に被害者が出ていましたね。芝居中は普通にしているんですが、カットがかかってから「ゴメンなさい! 大丈夫ですか?」って。あと、休憩中に鞭の練習していると、周りの人が驚きます。
楠:前の方で稽古を見ている人は、結構おっかなビックリでしたね。あと、結構音が大きいんですよ。最初は鞭の音をSEであわせる予定だったようなんですが、私たちが慣れてきて音が大きくなったので生音でいくことになりました。
▲演出を担当する大関さん。 |
――メイちゃんと言えば豪華な衣装も特徴的ですが、すでに衣装あわせは済んでいるのでしょうか?
楠:終わっています。肩がすごくて、「どうやってあげるんだろう?」となっています。でも、あれを着てお芝居したら絶対に気持ちいいです!
藤嵜:“ゲームのキャラ”という豪華な衣装になっていて、すごいです。普通に裁判のドラマだったらあの衣装は出てこないんですよ。ゲーム原作だからこその衣装なんですが、おもしろいです。早く着たいですね。
楠:あのスカートの短さで鞭を振るので、目で見ておもしろいと思います。
――現在、稽古されている中で、印象的なキャストはどなたでしょうか?
藤嵜:ゲームには出ていますが、今回から加わるキャラもいるので“舞台『逆転裁判』”として新鮮だと思います。あとは“はみちゃん(綾里春美)”がカワイイ!
楠:カワイイ! はみちゃん、カワイイ!
藤嵜:私は舞台で子役の方と共演するのが初めてだったんですが、普段の稽古場から癒されています。もう「よしよし、ワシャワシャ~!」って感じになります(笑)。
楠:鞭を振っていると遊びに近寄ってくるんですよ。「鞭は危ないから1回だけだよ~」って貸すとバチーーン!って。
藤嵜:重心が低いので、すごい音が鳴って「うちらよりうまいじゃん!」って(笑)。そしたら喜んじゃって、またバチーーン!と鳴らす。カワイイですね。
▲春美ちゃんを演じる漆原志優さん(左)と高野友那さん(右)。 |
――電撃オンラインはゲームを中心にしたエンタメサイトですが、普段からゲームは遊びますか?
楠&藤嵜:します!
――ハモりましたね。
(一同笑)
楠:ゲーム……しちゃうんですよね~!
藤嵜:普段はしちゃうけど、舞台中はあんまりできないんだよね。
楠:本当に!?
――椎名さんがお2人と『モンスターハンター4G』を遊ばれるとお話されていましたが、どの武器を使われているんですか?
楠:双剣、大剣、太刀……結構いろいろ使いますね。
藤嵜:(左手でアナログパッドと十字ボタンを操作する“モンハン持ち”をしつつ)私はPSPの時からハンマーをやっていました。『モンハン4』でもハンマーだったですが、世蓮から「亜莉ちゃん、双剣が向いていると思うよ」と教えられてからはずっと双剣ですね。
――女性は双剣ハンターが多いという印象ですね。
藤嵜:私は特攻隊気質なので、立ち回りとか難しいことを考えずに突っ込みたいんですよ。ハンマーは頭をガンガン攻撃して気絶させればいいんですが、重いのでちょっと動きはにぶい一面もある。でも双剣はモーションやアクションが気持ちよくって!! 「こんなに突っ込んでいけるんだ!」って分かってからずっと双剣です。楽しい!
楠:私は最初は双剣が好きだったんですが、練習中の弓がすごい楽しいですね。フィールドに攻撃する範囲が出るのがすごくわかりやすくてカッコいいので好きです。
最近は『モンスターハンター フロンティアG』を始めました。ひかり(椎名ひかりさん)にも「やろうよ」と誘ったんですが、ひかりはまだ始めていませんね。ハンターランク100まで無料なので、ゆっくり遊んでいます。ただ……課金しちゃうと思いますね。だって、楽しいもん!
藤嵜:世蓮はガチ勢だからなあ~。私はエンジョイ勢だから無理かもなあ。
――稽古の合間にリフレッシュする方法を教えていただけますか?
藤嵜:ゲームやったり、本を読んだり、時間が合えば違う作品を見に行ったり……。
楠:そうね。先日も2人で芝居を見に行きました。
藤嵜:あとは私はアニメが好きなので『アイカツ!』を見たり、カラオケで『アイカツ!』の歌を歌ったり……あとは、ドラマですが、『実在性ミリオンアーサー』という作品がありまして(笑)……そのBDが先日発売されたのでそちらを見たり、4月にカラオケに歌が入ったみたいなので、歌いに行ったりする予定です。
楠:やかましいわ(笑)。
――先ほど、真宵ちゃんを演じた2人のインタビューをご覧になりながら、「漫才みたいだ」とおっしゃられていましたが、今回も十分に漫才されていますよ。
(一同笑)
楠:私はゲームが日課なのでプレイします。あとは人と会うこと、寝ることですかね。
藤嵜:ただ、仕事の日も休みの日も2人でいることが多いんですよ。
楠:ほぼ一緒にいますね。ホント、休みも会っているので(笑)。
藤嵜:オンオフが激しい2人なので、稽古場では仕事に集中して全然しゃべらないんですが、終わったら一緒にどこかに行ってガーッとご飯を食べて、お酒を飲んで……お酒もリフレッシュの1つですね。あとは世蓮といるのがリフレッシュなのかな?
楠:あれれ? 仲よしコンビかな? でもそんな感じですね。すぐにLINEで会話しています。
――では最後に、今回の舞台の見どころをずばりお願いします。
楠:見どころは“2”です。『逆転裁判2』の舞台なんですが、新しいものを見せたいと思います!
藤嵜:御剣怜侍とメイの関係性を見ていただきたいです。これ以上は言えないんですが!
楠:メイはその関係に支えられているところはありますよね。
藤嵜:そうね、いろいろな意味でつねに意識している人……メイとしてそう考えています。今までのゲーム『逆転裁判』というイメージや舞台『逆転裁判』というイメージがあると思うんですが、それらを踏まえたうえで新しいものを感じていただきたいと、私自身としては考えています。
楠:絶対に楽しめると思います。裁判パートもあるんですが、そこも見ていておもしろいです。御剣と違ってメイちゃんは勢いがあるので、違ったよさがあると思います。
藤嵜:なるほどくんと御剣の法廷シーンとは対照的に、頑張っているメイとなるほどくんの法廷シーンは見ていただきたいです。
楠:そこでいろいろなことが起きるので、ぜひ劇場でご覧ください!
⇒カプコンの江城元秀さんと山崎剛さん(※)、演出の大関真さんへインタビュー!
⇒成歩堂龍一役の渡辺大輔さんと御剣怜侍役の和田琢磨さんへインタビュー!
⇒綾里真宵役の荻野可鈴さんと椎名ひかりさんへインタビュー!
※山崎さんの“崎”は正しくは異体字。
■舞台『逆転裁判2 ~さらば、逆転~』概要
【公演期間】2015年4月29日~5月10日
【場所】俳優座劇場(六本木)
【原作・監修】カプコン
【主催・企画・制作】ADKアーツ
【価格】
●プレミアム傍聴席:9,800円(税込)
※客席前方ブロック
※プレミアムグッズ(非売品)付き
●指定席:6,800円(税込)
【チケット取扱サイト】
・ローソンチケット(Lコード:36526)
・カンフェティ
(C)CAPCOM / ADK Arts
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