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2015年4月25日(土)

舞台『逆転裁判2』インタビューで関係者を直撃! 今回のポイントは自分自身をどう逆転していくか!?

文:kbj

 4月29日~5月10日に東京・俳優座劇場にて公演される、舞台『逆転裁判2 ~さらば、逆転~』。本作の出演キャスト、関係者へのインタビュー連載を掲載する。

舞台『逆転裁判2 ~さらば、逆転~』

 舞台『逆転裁判2 ~さらば、逆転~』は、カプコンの人気AVG『逆転裁判』シリーズの舞台化第3弾。公演は、舞台1作目と同じくADKアーツの主催にて行われ、カプコンは監修を担当している。

 インタビュー連載の最初に出演いただいたのは、監修を行ったカプコンの江城元秀さんと山崎剛さん(※)、演出担当した劇団スーパー・エキセントリック・シアターの大関真さん。前回の公演の反響に続いて、衣装や演出のこだわり、キャスト陣とのコミュニケーションなど今回の舞台で心がけていることを語っていただいた。なお、インタビュー中は敬称略。

山崎さんの“崎”は正しくは異体字。

舞台『逆転裁判2 ~さらば、逆転~』
▲左から山崎さん、江城さん、大関さん。

⇒成歩堂龍一役の渡辺大輔さんと御剣怜侍役の和田琢磨さんへインタビュー!
⇒綾里真宵役の荻野可鈴さんと椎名ひかりさんへインタビュー!
⇒狩魔冥役の楠世蓮さんと藤嵜亜莉沙さんへインタビュー!

■『逆転のスポットライト』で一番こだわったのは……あのキャラの衣装!?

――2013年に舞台公演『逆転裁判 ~逆転のスポットライト~』が行われましたが、反響はいかがでしたか?

江城:すごくいい反響をいただきました。企画自体はかなり前からいただいていたのですが、オリジナル脚本ということもありしっかり練りつつ、あのタイミングで行うことになりました。大関さんは『逆転裁判』への理解があり、こだわりもある方。法廷劇だけでなく、歌あり、笑いあり、最終的には感動があるという、素晴らしいエンターテインメントに仕上げていただきました。舞台のファンには『逆転裁判』を知っていただけましたし、ゲーム『逆転裁判』のファンの中には、気に入っていただき通ってくださった人もいると聞いています。

山崎:ゲームのファン、舞台のファンともに、どちらもうれしい公演になったとすごく感じました。シリーズユーザーには「ゲームのキャラが出てきた」という印象で、舞台ファンには「舞台と『逆転裁判』のマッチングがいい」と感じていただけたのではないでしょうか。

大関:普段はオリジナルの作品を作っているので、最初は原作への恐怖心がすごかったです。ゲームにしろ、小説にしろ、マンガにしろ、原作がある場合はそれまでのイメージがある。それを壊さずに、舞台でやることの意味、おもしろさを出す必要があるわけですね。それをすごく意識して構築していったんですが……ともすればコスプレショーになることを非常に懸念していました。ただ、衣装にしろメイクにしろ、優秀なスタッフの努力により、非常になじむ形に仕上げてくれたので、違和感はありませんでした。

山崎:そうですね。本当にマッチしていました。

大関:地毛でやるなど、いろいろな工夫をしているんですが、違和感なくなじんで見られたのは大きかったと思います。

江城:我々は監修する立場なのですが、絶妙な加減でした。衣装やキャラのセリフなどさまざまなところを見るのですが、完全にゲームそのままにしても意味がないですし、逸脱しすぎてもダメ。現実にありそうでないという、ゲームで気をつけていることをいい塩梅で落とし込んでいただきました。

舞台『逆転裁判2 ~さらば、逆転~』
▲舞台公演『逆転裁判 ~逆転のスポットライト~』の様子。

大関:ここで言いたいのは、スーツの色が大変だったということです! 中でも成歩堂のスーツが本当に大変でした。

(一同爆笑)

――ちょっと意外な話が飛び出してきましたね。あの青いスーツですか?

大関:舞台を見ている人は気にされないと思うのですが、成歩堂が着ているスーツの青ってあまりないんですよ。本当に微妙なラインでこだわった衣装です。

山崎:確かに伝わりにくいのですが、実はかなりこだわって探しています。

大関:真宵とかは特徴的なんで作りやすいんですよ。御剣も……胸のヒラヒラの数はこだわりましたけど(笑)。

山崎:御剣のヒラヒラは、最初は数がちょっと違ったので修正していただきました。

――ファンは細かくチェックしますからね。

江城:成歩堂のスーツの色は、実際に着ている人は少ない青なんです。「これだと青すぎてパーティ感が強すぎる」や「この一般的な紺色だと違う」と何度も何度も直しています。蛍光灯の下だとよく見えても、舞台のライトだと黒っぽくなってしまうものもありましたね。それも考慮して色味を選んでいます。前回もそうですが、衣装の監修は特に大変ですね。今回だと狩魔冥を始め、特徴的なキャラが多いんですよ。しかも冥は鞭を持っています。

――あの長い鞭を振りまわしているのですか? 子どもの時のメイちゃんの鞭は短かったと思いますが。

舞台『逆転裁判2 ~さらば、逆転~』

大関:めちゃめちゃ振りまわしていて、証言台とかにバシバシ当たっています(笑)。一回、稽古場の端で振りまわしていたら、見ていた僕に当たって「痛い! 痛い!!」って。

江城:ゲームだと、違和感のない中で大きさをいじれるので、振ると長くなり持つと短くなるのですが、実際にそんな縮尺自在の鞭はないじゃないですか。それでも印象的なポーズができるような長さがあり、かつゲームらしい色味の鞭を用意していただきました。ただ、色や形が似ていて、いい感じに音がする鞭なんてそんなにないんですよね。

大関:カプコンさんは、ありそうで現実離れしているデザインを作るんで……いろいろと苦労しています。全部の衣装や小道具を作るわけにはいかないので(苦笑)。

江城:今回はゲーム原作のキャラが多いので小道具さんには苦労していただきました。

――舞台をやるに際して宝塚さんでやられたものはご覧になられましたか?

大関:映像は見させていただき、そことどうやって差別化するかを意識しました。宝塚さんはエンターテインメントとして完成しているうえに、日本人役ではないという大きな特徴があり、宝塚版だからこそ成立している要素が多い。僕らはそこを目指すのではなく、ゲームをベースにした舞台化を考慮しました。ただ、証言台は客席を向いていてもいいなど、舞台設定や世界観については参考にさせていただきましたね。

――昨年に再演が行われましたが、新作として約2年ぶりに行われることになりました。こちらはどういう経緯で始まったのでしょうか?

江城:再演を含めて、アンケートや意見で「また見たい」という声が単純に多かったからです。再演中から「次をやりたい」と相談していたのですが、大関さんや公演会場、役者のスケジュール問題があり、ようやく実現することとなりました。

■原作がいいからこそゲームの物語を舞台化したかった!

――ゲームでおなじみのキャラがいるようですが、今回の脚本はゲームになぞったものになるのでしょうか? ゲームの話をベースにしたオリジナルエピソードになるのでしょうか?

大関:前回『逆転のスポットライト』は舞台オリジナルの台本をやったのですが、その時から『逆転裁判』というゲーム自体が舞台にそのまま乗せられるという感覚を強く持っていました。そこで今回はタイトルに“さらば、逆転”と入っているところからもわかるように、がっちりなぞっています。ここは声を大にして言いたいんですが、『逆転裁判』は物語がすごくいいんですよ!

(一同笑)

大関:僕自身、舞台やドラマにかかわる際にいろいろな脚本を読んでいるのですが、『逆転裁判』は物語を読んでいておもしろいんですよ。セリフもいいし、ギャグも笑える。そういう気持ちがあったので、以前からゲームベースの舞台をやりたいと相談していました。そのため、今度の舞台化ではゲームの物語に沿ったものでやれることになりました。

舞台『逆転裁判2 ~さらば、逆転~』

江城:ゲームでプレイするとかなりのボリュームがあって、そんな尺の舞台はできません。さらに初めて見た人でも人間関係や状況を理解できるように、情報を整理していく必要があるのです。

 今回の脚本は、前回『逆転のスポットライト』を担当された斎藤栄作さんにお願いしました。前作でシリーズに理解があったうえに、ゲームをプレイしていただいてから台本を書いてくださったため、抜いていい情報と抜けない情報をしっかり把握されていました。そのため、上がってきた台本を読んでも違和感はありませんでした。

 むしろ「よく、この尺に収めてもらったな」と驚かされましたね。舞台用にアレンジしていたり、原作では登場しないキャラクターがいたりするんですが、展開は忠実に再現されていました。そこから大関さんの演出が入り、膨らんでいくのが舞台。『逆転のスポットライト』とは違う方向に向かっていると我々は考えています。

山崎:原作ものの舞台をやることが決まった時に、どこのエピソードを描くのか、いろいろな候補が出てきました。“蘇る逆転”や“逆転サーカス”も候補に挙がったのですが、“さらば、逆転”は成歩堂自身が葛藤する。そのため、成歩堂が主人公の舞台としてはマッチすることが決め手で決まりました。ただ、“さらば、逆転”は第4話で、それまでの1~3話の展開があったうえでのエピソードなんですね。初めて見に来ていただいたお客さんに理解していただきつつ、2時間に収めるハードルは高かったですね。

大関:いや、本当にそうなんですよ!

(一同爆笑)

大関:今回初めて見られた人や、舞台版だけを知っている人からすると「狩魔豪って誰?」ということになりかねない。1~3話までの伏線だけでなく、『逆転裁判』を踏まえての物語になっているので……本当にハードルが高かったです。

――『逆転のスポットライト』はオリジナルのエピソードのために流していても平気だったところにも、ゲーム原作にすることで気を配る必要が出てきたというわけですね。

大関:今回の舞台で表現していることは完全に人間ドラマなんですね。どちらかというと、前作よりも成歩堂が葛藤する演劇的な部分で勝負しています。彼を取り巻く人間関係や『逆転裁判』との繋がりについてを、どこまで簡潔にお客さんに伝えるかは、この公演の課題の1つですね。

 あとは再現率ですね。それをどこまで持っていけるか……。

山崎:原作と違って楽しいところはあっていいんですが、ゲームでおなじみのシーンが出てきた時に「全然違う」とファンにがっかりされたくない。そこは気をつけています。

舞台『逆転裁判2 ~さらば、逆転~』

大関:法廷シーンを際立たせるために他のシーンをそぎ落としていくのが僕の考えでした。裁判はセットを含めて再現度が高かったので、他をシンプルにしていきました。言葉は乱暴ですが、前回は法廷シーンをしっかり見せれば枠組みとして成立していたんです。ただ、今回はホテルから始まり、いろいろなシーンが出てきます。……またね、ぬいぐるみがものすごい数出てくるんですよ!

(一同笑)

大関:いや、笑いごとじゃないくらいにすごくてですね。こんなにぬいぐるみを出せないから「勘弁してください」と。ただ、ここについては解決方法が見つかったので、あとでお2人に相談します。

 話を戻すと、初めて見る方もファンの方も違和感なく、なおかつ演劇的な手法でどう見せるかが、僕の課題だと認識していますね。

――舞台を見て、気になったからゲームをやってみる、もしくは再びプレイしたくなったという人が増えるといいですね。

大関:もちろんそうですね。

江城:原作サイドの僕らからすると、それは願ったりかなったりですね。前回の舞台を見た人がまた来てくださるのも当然うれしいんですが、前回見逃した人が「何としてでも今回は見たい」と来てくれるのもありがたいです。そのうえで『逆転裁判2』が気になった人、ゲーム中のエピソードをまた見たいと思った人に、現在好評発売中のニンテンドー3DS『逆転裁判123 成歩堂セレクション Best Price!』を購入してもらえれば幸いですね。

舞台『逆転裁判2 ~さらば、逆転~』

大関:さりげなく宣伝を差しこんできましたね(笑)。

江城:一緒にやらせていただいて、僕らが思い描いていた目標の1つとして、舞台を見た人がゲームをやりたくなることを掲げていました。大関さんがおっしゃられたように“舞台でどう表現するか”という工夫と同様に、“舞台からゲームへの流入”を考えています。そこがうまくハマった時、新しいエンターテインメントになると思っています。

■演じるということは“キャラを完全にコピー”することではない!?

――稽古されている中で、キャストの反応はいかがですか?

舞台『逆転裁判2 ~さらば、逆転~』

大関:前回が評判だったということもあり、キャストはキャストでプレッシャーを感じているようです。人気キャラに対して、ファンが抱いているイメージがそれぞれあります。ただ、僕がいつもキャストに言っているのは「一役者として、君がこの役をやる理由はなんですか?」ということ。ゲームに出てくるキャラを完全にコピーすることが正解なのか?

 これまでにユーザーが抱いているイメージを壊さない中で、例えば渡辺大輔君であれば彼が成歩堂をやる意味を考えていかないと、誰が演じてもよくなってしまうわけです。個人的な考え方かもしれませんが、自分が演じるからこそ、こういうキャラクターになるということを考えてほしいんですね。そのうえで僕やカプコンさんが最終的な調整をして、外してはいけない部分は直していく。最初は硬い部分もあったんですが、徐々に慣れてきていろいろなことをやれるようになってきたので、おもしろいものになると思っています。

――なるほど。3組のキャラをWキャストにされたのにはどういう狙いがあるのでしょうか?

大関:それはぜひ、右の方から聞いてください。

(一同笑)

――大人の都合ですか?

江城:大人の都合というよりは、今回の公演が長期に渡っていることが挙げられます。あと、見た人にも「別のキャストが演じたキャラはどうなるんだろう」という興味を持ってもらえる。Aキャストの舞台を見るとBキャストの舞台は見られないので、また宣伝になるんですが、ぜひ両方のキャストさんの舞台をご覧いただければと思います。

舞台『逆転裁判2 ~さらば、逆転~』

――ずるい仕組みだと思いました。

江城:アハハハハ。実は綾里春美役はオーディションさせていただいたんですね。選考する人間にもよっていろいろな意見が出る中で、それであればWキャストにして、それぞれのはみちゃんを見せてみようと。

 メイちゃんもベースとなるキャラは同じなんですが、2人がそれぞれのメイちゃんを演じられているので、違う狩魔冥が出ています。そして、例えば狩魔冥のキャストが変わると、それに対して共通のキャストさんのリアクションも変わるんですね。それは前回できなかった新しい試みとして用意させていただきました。個人的に僕も楽しみです!

大関:はみちゃんは他のキャラとの絡みがおもしろいので、セリフを足していっています。

舞台『逆転裁判2 ~さらば、逆転~』 舞台『逆転裁判2 ~さらば、逆転~』
▲春美ちゃんを演じる漆原志優さん(左)と高野友那さん(右)。

――演出において、前回と今回で変えられたところ、意識されたところはどこでしょうか?

大関:キャラクター感は引き続き意識しています。調子に乗っていろいろと手を加えた結果、キャラクターが崩壊するのはダメ。ギリギリを攻めつつ、様子を見ていますね(笑)。

山崎:カプコンサイドは監修する立場なので『逆転裁判』の世界観をキープしつつ、役者さんのよさが出るように、いい塩梅で見ていきたいと思っています。

――現在、稽古されている中で、印象的なキャストはどなたでしょうか?

大関:それは裁判長役の外波山さんですね。

舞台『逆転裁判2 ~さらば、逆転~』

江城:出たーー!(笑)

山崎:ホンモノの裁判長ですからね。

江城:今回、ぜひ出ていただきたいということで調整しました。“特別法廷”やボイスドラマで裁判長役をお願いしている方が、リアル裁判長として舞台に出演される。本読みの段階で、特別法廷のような絵がまぶたに浮かびました。

大関:僕は昔、親子役で共演させていただいたので、感慨深いものがありましたね。もしかしたら今回は裁判長が歩くシーンがあるかもしれません。

山崎:ゲームでは一切出てこないのに、歩かれるんですね?

大関:ちょっと提案してみたら、外波山さんが自由に歩きまわってしまったので、どうするかは本番までに検討します。

江城:『逆転裁判』のファンで、“特別法廷”やボイスドラマを聞いている方はたまらないと思います。「裁判長が目の前に!」って。

大関:あとは狩魔冥も特徴ですね。劇画タッチというか、1人で燃えていて世界観が違ううえに鞭を持っている。でも、彼女は彼女なりの葛藤があり、頑張っているキャラです。

 そんな彼女だからこそ、弱さが出た時に頑張っていたことが見えて愛されるわけです。そういう人が何をできるのか……ギャップで笑いを作れるんですね。本当にいいキャラですね。衣装もセクシーですし。

舞台『逆転裁判2 ~さらば、逆転~』 舞台『逆転裁判2 ~さらば、逆転~』
▲狩魔冥を演じた楠世蓮(くすのき せれん)さん(左)と藤嵜亜莉沙(ふじさき ありさ)さん(右)。

山崎:衣装は苦労したキャラですね。肩のふくらみやトータルのシルエット、ボタンも用意していただき、ブローチの大きさやリボンの質感まで……。こだわって再現していただきました。

江城:僕はオートロこと王都楼真悟ですね。彼は春風のように爽やかですよ。ファンの人はなんとなく流れがわかると思うんですが、手元のブレスレットで会話をするんですね。それがパカッと開くように小道具さんにお願いしています。とぼけた感じもあり、二枚目の彼らしさがしっかり出ているのでぜひ見てください。

舞台『逆転裁判2 ~さらば、逆転~』

大関:渡辺君はしっかりしているし、前回から引き続き演じるメンバーは安定しています。特に大場と矢張がうるさくて(苦笑)。

山崎:本読みに立ち会わせていただいた時なんですが、渡辺さんが最初に発声された時から違和感はなかったですね。もちろん、前回の成歩堂とは違うんですが、新しい成歩堂になっているのでご期待ください。他には“はみちゃん”がとにかくカワイイですね。

大関:はみちゃんの2人は頑張っていますよ。

――キャストの中には、シリーズファンの方もいらっしゃるのでしょうか?

江城:ゲームになじみがないキャストさんでも、『逆転裁判』はプレイされていたり、名前を知っていたりという方が多くてありがたいです。

舞台『逆転裁判2 ~さらば、逆転~』

山崎:華宮霧緒役の石井美絵子さんがゲーム好きで、もともと『逆転裁判』をプレイされているそうです。小さい時にお兄ちゃんと一緒にセリフを言いあう遊びをしていて、霧緒ちゃんをやっていたそうです。

■『逆転裁判』を通してゲームから舞台、舞台からゲームに興味を持ってほしい

――以前にインタビューした際にもお聞きしましたが、舞台化以外に『逆転裁判』シリーズでやってみたい野望とかありますか?

舞台『逆転裁判2 ~さらば、逆転~』

江城:つねにたくさんありますね。ユーザーさんからは「アニメ化してほしい」という声がきますし、他にも「あれやって」「これやって」というお願いをいただきます。「『逆転検事』の続編希望」とか「続編を早く出してほしい」というのも多いですね。

――4月24日からは東京ジョイポリスでアトラクション“逆転裁判 in ジョイポリス”が行われますね。

江城:『逆転検事』の時のアトラクションが評判で、その流れで『逆転裁判』でもやることになりました。シナリオを含めてしっかりと協力してやらせていただいているので、ファンの方でも楽しんでいただけると思います。

――先日、『大逆転裁判』の発売日は発表されました。先ほどファンからは続編を希望する声が出ているということでしたが、『検事』チーム、『5』チームは何をされているのでしょうか?

江城:今ですか? (山崎さんを見ながら)……何をしているんですかね?

山崎:……仕事……しています。

(一同笑)

舞台『逆転裁判2 ~さらば、逆転~』

江城:なにがしかの仕事をしているようです! そういう意味ではシリーズとして『大逆転裁判』が発売されるので、まずはそちらを楽しみにしていただければと。発表できる時になったら電撃さんでドドーンと!(笑)

――ぜひ電撃オンラインの特報でお願いします。大関さんとして、他にも今回ここがおもしろい、ここが見どころというのがあればぜひ語っていただけますか?

大関:さっきの話に近いのですが、ゲームを思い出していただけるとうれしいですね。100%の再現は難しかったとしても、あるキャラが倒れているシーンで「この形で倒れていた」とか「ここに何か証拠品があったな」というのをしっかり再現して、見ている人がイベントカットを思い出してもらえるように意識しています。

 あとは人間ドラマをどう描くかですね。犯人がわかった成歩堂が、どのように逆転していくかが楽しいです。今回は自分自身をどう逆転していくかがポイントだと思っています。そこを観客の方に感じてもらえるといいですね。

江城:前回はオリジナル脚本で、「『逆転裁判』を舞台にするとこうです」という製作側からの1つの提案でした。今回はゲーム原作なので、ゲームシナリオに忠実にしつつ、どのように圧縮しつつ、わかりやすくしていくかを意識しています。

 前回見ている人からすると、いい意味で違っているのがわかるかと。我々も脚本ができてきた時に、『逆転裁判』でありながら新鮮さも感じました。もし、今回の舞台を初めて見られた人であれば、前回の舞台のDVDを購入していただき、見ていただくと違うよさがあると思いますよ。

――最後に『逆転裁判』シリーズファンへのメッセージをお願いします。

舞台『逆転裁判2 ~さらば、逆転~』

大関:音楽はゲームのものを使わせていただきます。音楽は演劇にとって重要なパーツで、演劇が総合芸術であることを『逆転裁判』ファンにも感じていただきたいです。そうでない方には演劇としてのおもしろさを提示できるストーリー、作品なので、ぜひフラットな気持ちで楽しんでいただければと思います。そのうえで、ゲームファンには舞台に興味を持っていただき、舞台が好きな人にはゲームをさわっていただければ幸いです。

山崎:今回はゲーム原作のお話ですが、舞台にあわせてアレンジを加えています。例えば矢張はゲームの“さらば、逆転”には出ていないんですね。なのでゲームをプレイされている人でも、「どこで出てくるのかな?」と新鮮な気持ちで見ていただけます。ゲームを知らない方でも1つの作品として楽しめるように、皆で知恵を絞ってまとめているので、フラットな気持ちで見てください。

江城:舞台として2作目で、3回目の公演になります。前回、出演キャストやADKアーツ様と一緒にやらせていただく中で、すごくいい巡り合わせでやらせていただいたと思いました。打ち合わせから舞台の稽古まで、原作を理解していただきつつ、観客に楽しんでいただくための熱量がすごかったです。

 この熱量や雰囲気というのは、写真や映像では伝わりにくいので、ぜひ会場に足を運んでいただきたいです。今まで舞台をご覧になられたことがなく、ハードルが高いと思われている人がいらっしゃるかもしれませんが、もし迷っておられる方はぜひ劇場まで足を運んでいただければ幸いです。脚本を読んで、内容を知っている僕らが見ても楽しいものになっています!

大関:今回は見ておいた方がいいですよ! タイトルに“さらば、逆転”とありますから、これで終わるかもしれませんからね。

(一同爆笑)

江城:そうですね。“さらば”ですからね。

山崎:わかりませんよ、そこから蘇るかもしれませんよ!

江城:“さらば、逆転”からの“蘇る逆転”!

(一同笑)

大関:『逆転裁判』を知っている方も、知らない方も、ストーリー、キャラクター、音楽を存分に楽しんでください!

⇒成歩堂龍一役の渡辺大輔さんと御剣怜侍役の和田琢磨さんへインタビュー!
⇒綾里真宵役の荻野可鈴さんと椎名ひかりさんへインタビュー!
⇒狩魔冥役の楠世蓮さんと藤嵜亜莉沙さんへインタビュー!

■舞台『逆転裁判2 ~さらば、逆転~』概要
【公演期間】2015年4月29日~5月10日
【場所】俳優座劇場(六本木)
【原作・監修】カプコン
【主催・企画・制作】ADKアーツ
【価格】
●プレミアム傍聴席:9,800円(税込)
※客席前方ブロック
※プレミアムグッズ(非売品)付き
●指定席:6,800円(税込)
【チケット取扱サイト】
ローソンチケット(Lコード:36526)
カンフェティ

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