誘拐された真宵ちゃんを救うことができるのか!? 舞台『逆転裁判2 ～さらば、逆転～』ゲネプロ公演レポート

文：kbj

　4月29日～5月10日に東京・俳優座劇場で公演される、舞台『逆転裁判2 ～さらば、逆転～』。本公演のゲネプロ（通し稽古）が行われたので、その模様をお届けする。

　舞台『逆転裁判2 ～さらば、逆転～』は、カプコンの人気ADV『逆転裁判』シリーズの舞台化第3弾。これまでの舞台と同様にADKアーツの主催で行われ、カプコンが監修を担当している。今回は、3キャラクターがダブルキャストとなっているのがポイントだ。

　物語は、ゲーム『逆転裁判2』で描かれた“さらば、逆転”をベースにしている。助手である綾里真宵を人質に取られた主人公の成歩堂龍一が、弁護士として人として、悩み葛藤する姿を見ることができる。

　開演に先駆けて、主要キャスト陣によるフォトセッションと舞台あいさつが行われた。以下にコメントを掲載する。

▲Aキャストは、綾里真宵を荻野可鈴さん、狩魔冥を楠世蓮さん、綾里春美を漆原志優さんが演じる。

▲Bキャストは、綾里真宵を椎名ひかりさん、狩魔冥を藤嵜亜莉沙さん、綾里春美を高野友那さんが演じる。

▲左から渡辺さん、和田さん、太田さん、荻野さん、林さん、磯貝さん、富田さん。

富田翔さん：虎狼死家左々右エ門（ころしや さざえもん）役、富田翔です。“虎狼死家左々右エ門”という名前からは想像できないと思うのですが、今回は殺し屋の役です。（林さん「想像できるよ！」）　人は命あってこそです。命の尊さ、はかなさ、大切さ……それらを殺し屋を通して表現できればと思います。ぜひ皆様、殺し屋にも注目していただければ幸いです。

磯貝龍虎さん：一体何が正義で、何が悪なのか……糸鋸圭介役の磯貝龍虎です。僕はこの役を通して、人を裁く尊さ、人と人とのつながりの大切さ、ねたみ、そねみを表現して、伝えられたらと思います。裁判では懲役が下されます。懲役自体は悪いことではなく、その期間を通して学べということです。しかし、世の中には無期懲役があります。これはどういうことなのか……僕はこう思います。“バカは死んでも直らない”。どうもありがとうございました。

林明寛さん：（磯貝さんが）何が伝えたかったのか、まったくわかりませんね（笑）。矢張政志役の林明寛です。今回は芸能記者ということで、本日来ている方々はライバルに当たります。そんな中で頑張りたいなと思います。“事件のカゲに、ヤッパリ矢張”ということで、トラブルメーカーとしてこの作品をかきまわしつつ、もう1人のトラブルメーカーであるオバチャン（大場カオル）と汗をかき、涙を流し、皆様の心に火ぶるものをお伝えできればと思います。

荻野可鈴さん：綾里真宵を演させていただきました、荻野可鈴です。私が初めて真宵ちゃんを演じた時は17歳だったんですが、今回は19歳になりました。真宵ちゃんの年齢は変わらないので戸惑いもありましたが、稽古を通して元気さや純粋さを取り戻せた気がします。今回も明るい真宵ちゃんを演じていけたらいいと思うので、応援をよろしくお願いします。

太田基裕さん：王都楼真悟役の太田基裕です！　僕は舞台『逆転裁判』は初参加。キャラがそれぞれ濃いうえに、キャストも濃い方ばかりで、毎日楽しく稽古させていただきました。せっかく人が演じるので、人間臭さや泥臭さを表現できればいいと思います。千秋楽まで頑張りますので応援よろしくお願いいたします。

和田琢磨さん：御剣怜侍を演じる和田琢磨です。今回で僕は3回目になります。これまでは舞台オリジナル作品ということで、我々も探り探りのところが多かったのですが、今回はゲーム原作でやらせていただいています。もともとのゲームのよさに加えて、舞台でしか出さないような、僕らでしか作れないような『逆転裁判2』になっています。いろいろと見どころはありますが、法廷シーンにぜひ注目していただければうれしいです。

渡辺大輔さん：成歩堂龍一役の渡辺大輔です。今回は初の成歩堂龍一ということで若干のプレッシャーはありますが、自分なりの成歩堂龍一を皆様にお見せできればと思っています。スタッフの皆様の努力により、法廷のシーンだけでなく、どのシーンも美しいセットに仕上がっています。さらに映像もあり、ゲームに出てくる音楽もあります。キャラクターはもちろん、そのようなところにも注目していただけるとより楽しめると思います。よろしくお願いいたします。

　続いて、公演の序盤部分についてレポートする。核心に迫るネタバレはないが、もし会場に足を運ぶ予定の人で新鮮な気持ちで見たいという人は、舞台を見てから読んでいただきたい。

▲雑誌のスクープのために、ホテル・バンドーに潜入しようとする矢張。しかし、その前にホテルの警備員をするオバチャンが立ちはだかる。

▲このようにアクロバットな演出も見どころの1つだ。

▲もちろん、笑えるギャグシーンも豊富に含まれている。

▲そのころ、ホテルのある一室では、声明発表を予定していた藤見野イサオに怪しい影が迫っていた。

▲狩魔豪におびえるなるほどくん。夢を見ていたなるほどくんを、真宵ちゃんとはみちゃんが起こす。

▲3人の前に現れたのは、糸鋸圭介刑事。そんなイトノコ刑事のところに来たオバチャンが事件の発生を伝える。

▲真宵ちゃんが何者かに誘拐されてしまい、なるほどくんの手元にはトライシーバーが届けられる。殺人容疑で逮捕された王都楼真悟を無罪にしないと、真宵ちゃんの命はないという！

▲『大江戸戦士トノサマン・丙！』のトノサマン・丙役を務める王都楼真悟のところに向かい、弁護をさせてほしいとお願いすることに。殺しをしていないというオートロも、ぜひ弁護してほしいと思っていたようだ、

▲アメリカから来日したのは、父を負かしたなるほどくんへの復しゅうに燃える狩魔冥（かるま めい）。その手には、鞭が握られている。

▲誘拐されている真宵ちゃんは、自殺したという天野由利恵と出会う。彼女の口からは、藤見野イサオとの純愛の様子が語らえる。

▲事件の情報が足りないなるほどくん＆はみちゃんは、オートロのマネージャーである華宮霧緒から話を聞いたり、被害者の藤見野イサオの部屋を探索したりしていた。

▲そんな中でなるほどくんは矢張から、藤見野イサオと華宮霧緒のスキャンダルについての情報を耳にする。

▲情報がまったく集まらない中で、法廷が開廷してしまう。殺し屋からの要求は1日目での無罪を勝ち取れということだったが……。

▲セットや俳優陣の演技など、法廷シーンは見どころが満載だ。

▲さまざまな証言が飛び交う法廷。なるほどくんはオートロの無罪のために討論していくが、無情にも1日目が終わってしまう。

▲そんな中、あるプレゼントが殺し屋から贈られるという。困惑するなるほどの真横で、冥が狙撃され負傷する。

▲そこにかけつけたのは御剣検事。いったい、裁判はどこに向かっていくのだろうか……!?

　個人的な感想だが、原作ゲームの物語におけるよさを摘出したうえで、わかりやすくしているため、とても見やすく好印象であった。また、キャラクターそれぞれのイメージを壊さず、アドリブを加えつつ、物語が進んでいく様子は見ていてとても爽快であった。

　キャラクターの心情を描きつつ、笑いも随所に見られ、あっという間の2時間。見終わった後に、「もう1回見たいなあ」や「ゲームの“さらば、逆転”をプレイしたくなったなあ」などを思いつつ、編集部に戻ったのであった。

　なお、先ほどのレポ―トでは使わなかったが躍動感のある2枚を最後に掲載する。ステージ狭しととにかく暴れていたオバチャンの写真だ。ぜひ劇場で確認してほしい。現在電撃オンラインでは関係者、俳優陣へのインタビューを掲載中。こちらもあわせてチェックしてみてほしい。

⇒カプコンの江城元秀さんと山崎剛さん（※）、演出の大関真さんへインタビュー！
⇒成歩堂龍一役の渡辺大輔さんと御剣怜侍役の和田琢磨さんへインタビュー！
⇒綾里真宵役の荻野可鈴さんと椎名ひかりさんへインタビュー！
⇒狩魔冥役の楠世蓮さんと藤嵜亜莉沙さんへインタビュー！
※山崎さんの“崎”は正しくは異体字。

■舞台『逆転裁判2 ～さらば、逆転～』概要
【公演期間】2015年4月29日～5月10日
【場所】俳優座劇場（六本木）
【原作・監修】カプコン
【主催・企画・制作】ADKアーツ
【価格】
●プレミアム傍聴席：9,800円（税込）
※客席前方ブロック
※プレミアムグッズ（非売品）付き
●指定席：6,800円（税込）
【チケット取扱サイト】
・ローソンチケット（Lコード：36526）
・カンフェティ

(C)CAPCOM / ADK Arts

• 舞台『逆転裁判2 ～さらば、逆転～』公式サイト
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