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2015年5月15日(金)

『プラスティック・メモリーズ』水柿ツカサ役・内匠靖明さんが語るお仕事ドラマとしての本作の魅力

文:電撃オンライン、マグロ

 心を持ったアンドロイド“ギフティア”の少女・アイラと18歳の少年・水柿ツカサのピュアな恋模様を描き、人気を博するTVアニメ『プラスティック・メモリーズ』。今後の展開がますます気になる本作の魅力に迫るべく、水柿ツカサ役の内匠靖明さんにお話を伺った。

『プラスティック・メモリーズ』

●内匠靖明(たくみ やすあき)

 10月23日生まれ、愛知県出身。おもな出演作はTVアニメ『クロスファイト ビーダマンeS』(御代カモン)、ディズニーチャンネル『なんだかんだワンダー』(ワンダー)など多数。


【#06までのあらすじ】

 舞台は現代より少し科学が進んだ世界――。

 18歳の少年・水柿ツカサが就職したのは、心を持ったアンドロイド、通称“ギフティア”を製造・管理する企業の一部署“ターミナルサービス”。新人のツカサはギフティアの少女・アイラとパートナーを組んで、寿命を迎えるギフティアを回収している。

 寿命を過ぎてワンダラーとなったマーシャの回収騒動のさなか、けがをしたアイラと、ソウタとの約束を守れなかったツカサ。それぞれの想いが交錯しながら、アイラとツカサは新たな一歩を踏み出す。


『プラスティック・メモリーズ』

――いよいよ#07の放送直前です。内匠さんがオススメする、本作の見どころを教えてください。

 そうですね、会社内での家族のように距離の近い人間関係はおもしろいですね。ツカサの所属する第1ターミナルサービスは、世界的な大企業のSAI社の中にある部署で、寿命を迎えるギフティアの回収を行っています。でも、すごくアットホームな部署なんですよ。

 ツカサがアイラに完全無視をされて困っていた時も、課長をはじめコンスタンスやヤスタカ、レンなどが親身にアドバイスをくれて。会社というより、家族のように協力して悩みを解決しようするところが微笑ましいですね。#07でもツカサがアイラをデートに誘おうとするんですけど、見守る職場のみんなの雰囲気もなかなかよくて。そういうところを観ていただけたら、楽しいと思います!

――藤原監督はあの部署の雰囲気を、昭和のなつかしい会社風景をイメージして作ったと聞きました。

 ダルマや招き猫、神棚が何か落ち着くんですよね(笑)。上司のカヅキさん曰く、オーナーから寿命を迎えるギフティアを回収する仕事で一番大事なのは、当事者たちの心に寄り添うこと。そのため必要経費に他支局の5倍のコストがかかってしまうことも。第何話になるかは秘密ですが、他の支局の人が第1ターミナルサービスへ来て働くエピソードもあるんですよ。同じ会社の部署なのに、支局が違えば考え方が違っていたり。

 もちろん、企業だから利益は必要だし、経費も削減したほうがいい。でも、お金には換算できない“心”について配慮しなくてよいのか……。現代社会で働いている人なら、少なからず悩む問題だと思うんです。こういったリアルなお仕事ドラマの部分も見どころの1つですね。

『プラスティック・メモリーズ』
▲心を大切にする方針の第2ターミナルサービス。だから仕事以外の悩みにも親身になってくれるのだ。

――続いてキャラクターについてお聞きします。水柿ツカサを演じる上で、いつも心がけていることはなんですか?

 18歳という年齢はすごく意識しています。あとは事前に練習しすぎないことですね。新入社員ということもあるので、その初々しさを全面に出した演技ができるようにです。実際、監督の要望で先のシナリオも教えてもらえませんでした(笑)。

――内匠さんだけ先のストーリーを知らないまま収録されていたんですか?

 僕だけです(笑)。僕だけは先入観のないまっさらな状態でアフレコに挑みました。僕はもともと、事前の練習をバッチリして本番に臨むタイプなんですよ。だから、ちょっと怖かったです。緊張したり、慌てたり、本当に右も左もわからない新人のような気分になって(笑)。そもそもツカサの家族設定もよくわからないし。これは僕の勝手な想像ですけど、ひとりっ子ぽいのかな?

――父親がSAI社の伍堂部長に口を聞いてくれて、コネ入社したんですよね? 大企業のエライ人とつながりがあるって、いったい……。

 父親、謎めいてますよね。ツカサはボンボンなのかな(笑)。あと、#03でツカサが上着を脱いで筋トレをするシーンがあるじゃないですか。僕も実際に体幹トレーニングをやっているんですけど、そのインストラクターさんがあのシーンを観て言ったんです。「ツカサの持ってるダンベルの重さ、12Kgはあるね。あの肉体は高校時代にラクビー部とかやってないと作れないよ」って。ツカサ、お前は何者だよっていう(笑)。

――マッチョで着やせするタイプだという、新たな事実が判明しましたよね!

 そうですね。毎回、新しい発見があります。オリジナル作品ならではの、演じながらキャラクターを作り上げていく醍醐味を味わっています。

『プラスティック・メモリーズ』
▲12kg(推定)のダンベルを笑顔で持ち上げてみせたツカサ。一体どんな学生生活を送っていたのか……。

――では#06までの内容で、印象に残っているエピソードはありますか?

 やっぱり、#01のニーナとチヅさんは絶対外せないです。ツカサ個人のシーンだと、#03で着たゴスロリのドレスですね。台本のト書きに「中二病芝居」と書いてあったので、ついに来たなと(笑)。

 普段、ツカサを演じる時は常にフラットな立ち位置でいるよう心がけているんです。それは視聴者に近い位置にいるツカサがシリアスになりすぎると作品全体が重くなってしまうからです。でも、ツカサがフラットでいれば他のキャラに感情移入することもできるし、ツカサを観ることで心が救われることもある。だから、演技の振れ幅の大きい#03は強く印象に残ってます。一見、ギャグに見えるんですけど、アイラに心を開いてもらおうと大真面目にやっているところもツカサらしくて好きでした。

 あとは#05でマーシャを強制的に停止させるシーンですね。リハーサルの時から、感情の置き場所がとても難しかった。ツカサの苦しみやマーシャさんへの想いがこもった叫びじゃないですか。それがリハの時は、藤原監督や音響監督にはバトルアクション作品みたいな格好良い声に聞こえたりしたみたいで……。演じていて一番しんどかったです。だから無事OKが出た時はホッとしました。

『プラスティック・メモリーズ』
▲5月16日にニコニコ動画で配信される振り返り上映会にて、#03も#05も観ることができる。内匠さん入魂の演技をもう一度確認しよう。

――お話は変わりますが、電撃オンラインの読者にはゲーム好きの方がたくさんいます。内匠さんが今までに熱中したゲームなどはありますか?

 当時は野球少年だったので、実はそこまでゲームはやってこなかったんです。でも『ファミスタ』(『プロ野球ファミリースタジアム』)シリーズ、『実況パワフルプロ野球』、『プロ野球スピリッツ』などは、野球仲間といっしょにやりこんでました。あとは『桃太郎電鉄』や『熱血硬派くにおくん』シリーズには熱中してました。最近調べたら、新作が出ているようなのでびっくりしました。また、遊んでみたくなりましたね!

――野球好きの少年だったのですね。それがなぜ声優になろうと思ったのですか?

 僕、中学3年生の時に腎臓を傷めて入院したんです。医者から「命にかかわるから」って大好きな野球を禁止され、気分はどん底でした。当時、小児科の4人部屋で、僕以外は5歳以下の子供たちだったんです。重病なのに、なぜかみんな明るくて……。

 病室が世界のすべてで、外で遊べない子供たち。そんな彼らに勇気と元気を与えていたのは、テレビで観たアニメやヒーローだったんです。その時、ハッと気づいたんですよね。「体は動かないけど、声なら出せるじゃないか」と。それで母親に「オレ、声優を目指すわ」と打ち明けたんです。

 ただ当時、僕も声優の仕事をよくわかっていなかったけど、母親はそれ以上にわかってなくて(笑)。でも、お前が元気になるならいいって応援してくれたんです。あれからもう15年以上経つんですよね。夢を諦めて、また夢を見つけた――。苦しい思い出ですが、それと同じくらい大切で感謝したい思い出です。

――最後になりますが、放送を楽しみにしているファンの方にメッセージをお願いします。

 まずは宣伝部長として、告知を!! このインタビューが掲載される翌日の5月16日21時30分より、ニコニコ動画で#01から#06まで一挙放送をします。

 一度も本作を観ていない方、まだ本編に追いつけます! オンエアを観ているという方も、復習をかねて6話分を一気に楽しんでいただけたら新しい発見が必ずあると思います。物語はこれから後半へ突入し、ツカサとアイラの思い出もたくさん増えていきます。忘れたいこと、許せないこと、大切なこと、悲しいこと、うれしいこと……。ぜひその思い出をみなさんにも共有していただき、2人といっしょに一喜一憂していただければうれしいです。

 個人的には、脚本の林さんが書いた0P&EDテーマ曲の歌詞が物語とリンクしていて、そこに佐々木さんと今井さんの歌声が相まって後半の物語をより優しく彩ってくれると思います。アイラの心情を考えながら聴くとまた、心動かされるものがあると思うので、こちらもぜひ注目してください!

 次回のインタビューには、絹島ミチル役の赤﨑千夏さんが登場! “G’sマガジン.com”でも内匠靖明さんへのインタビューを掲載中。記事はこちらをクリック!

『プラスティック・メモリーズ』
▲次回は絹島ミチル役の赤﨑千夏さんのインタビューをお届けする。

■TVアニメ『プラスティック・メモリーズ』概要
【放送情報】
 TOKYO MX……毎週土曜24:30
 チバテレ……毎週土曜24:30
 群馬テレビ……毎週土曜24:30
 とちぎテレビ……毎週土曜24:30
 テレ玉……毎週土曜 24:30
 tvk……毎週土曜24:30
 BS11……毎週土曜24:30
 AT-X……毎週土曜24:30
 岐阜放送……毎週火曜25:00
 三重テレビ……毎週火曜24:20
 ABC朝日放送……毎週水曜26:14
 ※放送日時は変更になる場合があります。

【スタッフ】(※敬称略)
 原作・脚本:林直孝(MAGES.)
 監督:藤原佳幸
 キャラクター原案:okiura
 キャラクターデザイン・総作画監督:中島千明
 プロップデザイン&総作画監督:菊池愛
 色彩設計:石黒けい
 美術監督:川口正明
 美術設定:高橋武之
 撮影監督:桒野貴文
 メカニカルデザイン:谷裕司
 3D・CG :渡邉悦啓
 編集:平木大輔
 音楽:横山克
 音楽制作:MAGES.
 音響監督:土屋雅紀
 音響効果:小山恭正
 アニメーション制作:動画工房

【出演声優】(※敬称略)
 水柿ツカサ:内匠靖明
 アイラ:雨宮天
 絹島ミチル:赤﨑千夏
 ザック:矢作紗友里
 桑乃実カヅキ:豊口めぐみ
 コンスタンス:日野聡
 縹ヤスタカ:津田健次郎
 ほか

(C)MAGES./Project PM

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