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2015年6月12日(金)

『インペリアル サガ』レビュー。“ひらめき”や“連携”などシリーズらしいバトルはかなりアリ!?

文:まさん

 スクウェア・エニックスが、オンラインゲームポータル・Yahoo!ゲームにて6月よりサービス開始予定のPC用RPG『インペリアル サガ』。本作のレビューを掲載します。

『インペリアル サガ』

 2015年はサガイヤー! グワーッ! よくわかないテンションから始まりましたが、皆さんこんにちは。『サガ』シリーズが大好きなライター・まさんです。今年はサガイヤーということで、電撃オンラインではシリーズ全作品を振り返る“『サガ』シリーズ25周年記念特集”を掲載してきました。自分も座談会で『サガ』の思い出をいろいろ語ってきましたが、やっぱりファンとしては最新作が気になるところですよね。

『インペリアル サガ』

 そんなある日、電撃オンライン編集部から「今度出る『インペリアル サガ』を先行プレイしてみない?」と神の一声が。そんなの遊ぶに決まってるじゃないですか! というわけで、今回は最新作『インペリアル サガ』の先行体験レポートをお届けしていきたいと思います。

■ワグナス! 評議会は新たな『サガ』シリーズをブラウザゲームの『インペリアル サガ』と決定したぞ!

 さて、さっそくインプレッションと行きたいところですが……そもそも『インペリアル サガ』を知らない人のために軽く解説させてください。『インペリアル サガ』は、スクウェア・エニックスが送るPC用ブラウザゲームです。それも『サガ2015(仮)』と一緒にサガイヤーの目玉として発表された、まったく新しい『サガ』シリーズ。

 ゲームは、闇の瘴気に覆われた複合世界“ディスノミア”を舞台に、主人公“半神アデル”とサガシリーズの英雄たちが登場するというオールスター的な作品になっています。

『インペリアル サガ』

 オールスターと言えば、スマホで展開している『エンペラーズ サガ』もそうですね。あちらはカードバトル型のソーシャルゲームでしたが、こちらはコマンドバトルや陣形の要素など、かなりコンシューマの『ロマンシング サ・ガ』シリーズに近いゲーム性となっています。

 スタッフも、エグゼクティブプロデューサーの河津秋敏氏をはじめ、サウンド担当の伊藤賢治氏、メインキャラクターデザイン担当の小林智美氏と超豪華! まさに新作の『サガ』シリーズというメンバーによるゲームになっています。

 とくにBGM! 今回の記事のためにチュートリアル以降もプレイしていたのですが、新曲がどれも『ロマンシング サ・ガ』シリーズっぽくて素晴らしい! 歴代シリーズの曲もバンバン流れて感動しますし、サウンド担当は伊藤賢治さんですが、曲自体もオールスターな感じです。

『インペリアル サガ』
『インペリアル サガ』
▲歴代シリーズの曲が流れるクエストやイベントシーンはもちろん、ボス戦の新曲もカッコイイ本作。戦闘の攻撃時のキャラクターアニメーションが、どれも『サガ』っぽくて……イイ!

■お兄様! チュートリアルから歴代『サガ』キャラクターのオールスターが登場するわ!

 そんなわけで、まずはゲームを始めてプレイヤーネームを入力。名前を入れ終わると、世界観説明のムービーが流れたあとに最初のチュートリアルクエスト“ヴァルク城への帰還”が始まります。

 どうやら、この世界ではアルタメノス帝国という国家が、歴代キャラクターたちの力を借りながら魔軍と呼ばれるモンスターの集団と戦っているようです。その中心になっているのは、主人公の皇帝・アデル。

 ん……まさか、こ・う・て・い? 半神じゃないの!? これまで、アデルは半神という紹介をされてきましたが、プレイ開始時は“皇帝”のようです。

『インペリアル サガ』
▲世界観の解説ムービーはワクワクする単語がいっぱい。プロローグによるとアン・ルー、ネブルザグ、ヴァダガラという“三凶神”の名前も出てきますが、序盤じゃ影も形も出てきませんでした。いつか戦えるんでしょうか? 七英雄や四魔貴族みたいな存在なのかな? 

 皇帝という位を見ると『ロマンシング サ・ガ2』のような“皇帝継承”があるのか気になるところ。じつは、イベントをクリアするごとに自分の帝国史が年表として刻まれていくシステムもあり、もしかするともしかして……? と、いろいろな期待が膨らみます。

 それにしても『サガ』シリーズのキャラクターが集合している世界観だけあって、チュートリアルから歴代キャラがガンガン登場するのがうれしい! 『ロマンシング サ・ガ2』の軍師コウメイと『サガフロンティア』のアセルスが言い争っているところから始まり、皇帝として『ロマンシング サ・ガ3』のミカエルと協力する主人公や俺たちゃ海賊なキャプテン……キャプテンホークの参戦など、導入部からワクワクしっぱなしです。

『インペリアル サガ』
▲歴代作品の中でも人気が高いアセルス。彼女は、ナビゲーター兼参謀役としてプレイヤーである皇帝にいろいろと助言をしてくれるようです。

 このゲームのクエストは、ボードゲーム風のマップを1マスずつ移動して、ボスがいるマスを目指していくのが基本的な流れになります。マスごとにさまざまなイベントが発生し、なかには選択肢が出現してイベントが分岐するものも。

 クエスト自体の結果が変わるわけではなさそうですが、途中経過が変わるのがフリーシナリオっぽくてニヤリとしますね。選択肢の結果はクエスト内のイベントに影響しますが、メインストーリーから外れたミニイベントの中には、資金であるクラウンがないと選べない選択肢などもあり、なかなか悩ませてくれます。

『インペリアル サガ』
▲クエスト中に発生する選択肢。どちらでもよさそうですが、滅茶苦茶悩みます。『ロマンシング サ・ガ3』のモニカを救いたいところですが、送らないとユリアンが出てくるんじゃないかとか、ファンならではの余計な考えが頭をめぐるからです!
『インペリアル サガ』
▲チュートリアルよりも先では貴重なクラウンを払う選択肢も。当然のちのちのイベントで恩恵があるのですが悩みどころ。断る時の口調が冷たいのも、らしいですね。

 クエスト中のマップにはルート分岐も存在しています。分岐点では、5人を別々のルートに分けて合流地点まで移動することになるのですが、当然ながら戦力を分散させることになるので厳しい戦いになることは必須。

 ですが、分散すればアイテムを回収できるという利点があります。分岐でパーティを分けるか、それとも5人一緒に進むのか……。この選択は、非常に重要ですよ。

『インペリアル サガ』
▲各マップには、道中とボス直前にルート分岐が発生。部隊を二手に分けて進行します。アイテムやイベントを回収したり、マップの踏破率を100%にするなら避けては通れません。部隊をわけないで進むこともできるので、育成したい時や分散すると勝てなそうな時は無視してもOK。

■“陣形”を組んで技を“ひらめき”、“連携”でトドメ! それが評議会の言う正しいサガのバトルシステムだ

 本作の見どころは、なんといっても『サガ』らしいコマンドバトルではないでしょうか。チュートリアルでは、アデルのほかにジェラール、キャット、ハリード、アイシャの5人パーティを組んでバトルを楽しめます。バトルは敵アイコンがあるマスに止まると発生。ブラウザゲームだとオートで戦うものも多いですが、本作では自分で技のコマンドを選び、部隊の行動を選択できます。

 このバトルがもう、どこを切っても『サガ』。まず、5人でフリーファイトやインペリアルクロスといった陣形を組めるところからして懐かしい。もちろん、組んだ陣形によって、敵からターゲットされやすいキャラなども変わってきます。陣形は最初フリーファイトしかありませんが、ゲームを進めるといろいろ手に入るようです。

 さらに、これが重要。本作には“ひらめき”があります。……そう、ひらめきがあるんですよ! ひらめく技もパリィとかエイミングとか懐かしい技ばかり。

 戦闘中、頭の上に電球アイコンがピコーンと輝き、新しい技を覚える。あの「キターッ!」という瞬間もバッチリ再現されていますよ。

『インペリアル サガ』
▲『サガ』シリーズといえば“ひらめき”。頭に電球がひらめいてピコーン! 余談ですが、仲間にしたベアがボス戦でどうでもいい“パリィ”をひらめくなど、シリーズファンなら思わず懐かしくなるようなことも起きます。

 そして、最近の『サガ』ではすっかりおなじみとなったアレ。順番で技を出していくと、技同士がつながる“連携”も存在しています。連携すると技がつながってヘンテコな連携名になるのも、楽しみの1つですよね。

 サービスが始まったら絶対探そう。あるかどうかわかりませんが、自分は歴代だとかわづがけとチンクラッシュとチンクラッシュの連携名が大好きですね!

『インペリアル サガ』
▲連携もありますが、発動率はややシビア。「美しい連携だったな」とヴァジュイール様もほめたくなるような連携をするには、結構考えないといけないのかもしれません。なお、本作だと写真のように敵も連携してくるので油断できませんよ。
『インペリアル サガ』
▲勝利後にキャラクターが成長すると、クルクル回ってケリのポーズを取りながら「●●がアップ!」と宣言。「愛がアップ!」ってマネしましたよね!? え、したことない!?

 そんな感じでバトルを楽しんでいると、いよいよボス戦です。……って最初の敵から『ロマンシング サ・ガ』のデスがボスなの!? 勝てるとは思えないくらいビビりましたが、アセルスの指示に従ってプレイしていれば、まったく問題ありません。なぜなら、ここでボス戦の重要な切り札が発動するからです。

 それが“全軍突撃”。この全軍突撃は、ログインボーナスなどで入手可能な“帝国軍旗”を使うことで発動できる、ボス戦専用の超必殺技です。部隊の全員が生存した状態でボス戦に突入し、5人が揃うと突撃開始! 帝国の全員が力を合わせて、ボスに大ダメージを与えます。

 文字通り、ケタ違いのダメージが出てデスも消し飛ぶ究極の切り札と言えるでしょう。まあ、チュートリアルのデスは偽物ですけどね……。

『インペリアル サガ』
『インペリアル サガ』
▲全軍突撃が発動すると仲間たちが戦闘に参加。全員で術を唱えてボスに大ダメージを与えます。見る見るうちに上がっていくヒット数の表示もキモチイイ!

 とにかく、ボス戦で使うと驚くほど強力な全軍突撃。確実に発動したいところですが、特にボス戦の前に部隊を分けると生きて全員が合流するまで数ターンかかるため、判断が難しいところ。基本的には、ここぞというクエストで帝国軍旗を使い、発動することになるかもしれません。

■アルタメノス~アルタメノス~うるわしの~と歌いたくなるような帝国の発展など、見どころがいっぱいですよ、陛下!

 そんな感じでチュートリアルのクエストを2つ終えると、アルタメノス帝国ヴァルク城に帰還。ここからは、自分で自由にクエストを選んで冒険できるようになります。

 本拠地となるヴァルク城にはいろいろな施設がありますが、最初は家臣を雇う“結託の砦”と、陣形などを設定する“作戦本部”。自分の帝国の歴史や仲間キャラクターの相関図が見られる“ヴァルク城”と、家臣のHPを回復する“宿屋”があり、他の施設はゲームを進めることで建設可能になります。

 結託の砦では、いわゆるガチャでパーティに加える仲間を雇うのですが、この演出が普通のガチャとは違うのがおもしろいところ。アデルが「我が下に集え!」と呼びかけると、候補となるキャラクターが、なぜかレースを開始するのです。

 そして、レースに勝ったキャラクターが仲間になる。このちょっと変わった感じが、とても『サガ』っぽくないですか?

『インペリアル サガ』
▲結託の砦では通常の仲間の他に、最初から能力値が高いレアな仲間が手に入る施設も。仲間は歴代の戦闘キャラが出るようです。個人的にはキドラントの町長とか使えるようになるとうれしいのですが。私が町長です。

 ゲームを進めていくと建てられる施設は、術を習得する“術法研究所”や、新たな武器を作る“工房”などさまざま。少しずつ帝都が発展していく様子は『ロマンシング サ・ガ2』みたいですね。他にもいろいろあるのですが、そこはプレイしてのお楽しみということで……。

『インペリアル サガ』
▲作戦本部で陣形設定。陣形はクエストをクリアすることなどで手に入ります。キャラクター同士の相関図なども見られるので、仲間をどんどん雇いたくなるかも。

■序盤から難易度が高いけど、そこがまたサガらしい!

『インペリアル サガ』

 このような感じでチュートリアルからひと通りプレイしてみました。遊んでみて思ったのは、システム面が予想以上に『サガ』だということ。

 バトルの部分では言いきれませんでしたが、シリーズ同様HPに加えてLPも存在しています。LPはHPが0になると1減少し、そのクエストから戦線離脱してしまいます。そして、LPがなくなった仲間キャラはなんとロスト! もう一度同じキャラを結託の砦で仲間にしない限り、もう二度とパーティに入れられません。シビアだ……。

『インペリアル サガ』
『インペリアル サガ』

 HPは宿屋に泊まって時間が経過するか、支給品の傷薬を使うことで回復しますが、LPは今のところ回復手段がないので、仲間のLPには気を配りたいところ。なお、主人公のアデルはLPが無限です。本作ではスタミナ制ではなく何度でもクエストを受けられますが、無理は禁物ですよ。

 他にも、調子に乗って手ごわいクエストに挑んで全滅すると、入手アイテムやクエスト中にひらめいた技がなかったことになるといった要素も。当然、手ごわいクエストに挑んだほうがひらめきやすいのですが、全滅のリスクも大きいです。このように、いろいろな面でコンシューマの『サガ』を彷彿とするバランスになっています。

『インペリアル サガ』
『インペリアル サガ』
▲宿屋のベッド数増加や、レア以上の初期能力が高いキャラを雇える結託の砦など、基本無料らしく課金による救済措置もあります。もちろん、課金しなくてもすべての要素が楽しめるのでご安心を。

 正直な感想を言えば、予想以上にバランスが『サガ』。序盤から、かなりピーキーで難しいように思えました。しっかり育成しないと厳しいゲームバランスは、あらゆる意味で『サガ』っぽかったです。

 もちろん、ブラウザゲームですのでユーザーの反応しだいで難易度が変わるかもしれませんが、『サガ』を求めている人には間違いなく『サガ』だと断言できるバランスでした。

 すでに“事前登録”も始まっており、サービス開始も近い本作。今ならスタートダッシュに間に合うので、新しい『サガ』を遊んでみたくてガマンできない人は、今すぐ公式サイトから事前登録しちゃいましょう!

本レビューは開発中バージョンのため、正式リリース版とは異なる可能性がある。

(C) 2014,2015 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. ILLUSTRATION: TOMOMI KOBAYASHI

データ

▼『インペリアル サガ』
■メーカー:スクウェア・エニックス
■対応機種:PC
■ジャンル:RPG
■サービス開始日:2015年初夏
■プレイ料金:基本無料/アイテム課金

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