『World of Warships』特集ページ開始！ キーマンたちが目指す“進化の方向”とは？

文：電撃オンライン

　9月17日より正式サービスが開始した『World of Warships（WoWS）』。その特集ページの記事第1弾として、本作のキーマンたちへのメールインタビューをお届けしていく。

　本作は、『World of Tanks（WoT）』で知られるWargamingが制作するPC用オンライン海戦ストラテジー。大海原で繰り広げられる、大型艦艇による迫力あるバトルが楽しめる。ゲームに登場する艦船（航空母艦、巡洋艦、駆逐艦、戦艦）は、開発チームが現地まで赴き、細部の造形にいたるまでを実際の艦船を入念に調査して再現されている。

　メールインタビューに答えてくれたのは、柳沼恒史アジアプロデューサーと、開発ディレクターであるDaniil Volkov氏、Sergey Vorobyev氏の3人で、記事の前半は柳沼氏とVolkov氏の合同回答。後半はVorobyev氏の回答となっている。

　このインタビューから『WoWS』が今後向かっていくであろう方向を読み解いてもらいたい。

柳沼氏とVolkov氏の合同回答

▲柳沼恒史アジアプロデューサー

――9月17日から日本で正式サービスが開始しましたが、率直な感想をお願いします。

　まずは、今までβテストを遊んでくださった皆様、ありがとうございます。βテストなどの情報をフィードバックすることでゲームの完成度は高まりました。これからできるだけ多くの人にプレイしていただければ幸いです。

――『World of Warships』を制作するうえで、特に注意しているのはどんな点なのでしょうか。

　艦艇の強さについては特に気を配っています。艦種で大きく成績が変わらないかどうか、特定の艦艇が飛びぬけて良い結果にならないかどうかなどです。必ず一般公開テストで確認したり、プレイヤーの皆さんのご意見を踏まえたりしてバランスを調整しています。

――現状、それぞれの艦艇の使用頻度はどのような感じなのでしょうか。

　まだまだ技術ツリーに沿って各艦艇を研究している途中という人も多いのですが、日本の艦艇の人気は高いです。

――βテストでは、プレイヤーの皆さんはどれくらいの回数プレイされていたのでしょうか。

　アジアサーバーは、他のサーバーよりもコンテンツの消費スピードが速かったですね。200戦以上プレイしている熱心なプレイヤーの割合が非常に高くなっていました。

――これからの実装要素についてお聞かせください。今後、日本語音声が追加される予定はあるのでしょうか。

　もちろん実装を検討しています。現在は字幕も出ないので、英語音声だけだと状況を判断できないケースがあるかもしれません。どんな音声にするか、どういった台詞にするかなどを練っている途中ですが、皆さんに満足してもらえるものにできればと考えています。

――初心者向けのアシスト機能、例えば、照準アシストなどが実装される可能性はあるのでしょうか。

　本作の操作は比較的シンプルに仕上がっており、戦闘部分のペースもゆったりしているため、多くのプレイヤーは操作面での問題は感じていないように思えます。今後、ゲームをより親しみやすくするための要素は追加する予定ですが、照準アシストなどは追加する予定はありません。

　実のところ、アルファテストや最初期のクローズドβテスト中では照準アシスト機能が存在していたのですが、戦闘そのものを単調化してしまったため削除しました。

――新たなゲームモードの実装予定についてはどうでしょうか。

　つい先日、アップデート0.4.1でランク戦モードが実装されました。これは、シーズンごとに開催されるランキングバトルで、経験値を溜めると開放される“アカウントレベル”9以上でプレイ可能になります。また、それ以外にも多数のチームが入り乱れて戦うモードなどをテストしているところです。

――では、アカウントレベル10ではどのような要素が開放されるのでしょうか。

　まだ秘密ですが、ぜひご期待ください！　今後はより多くの新要素を登場させる予定です。

――『World of Tanks』のようなプリセットチャットが使えると便利だと思われますが、実装予定はあるのでしょうか。

　はい。これは比較的近いタイミングで実装する予定です。

――戦闘リプレイを記録する機能も実装されるのでしょうか。

　こちらも実装する予定です。ただ、とても複雑な調整を必要とするので、正確なリリース時期については未定とさせてください。

――プレミアム弾薬（課金などで入手する強力な弾薬）の実装予定については。

　これはNOです。ほぼ確実にプレミアム弾薬を実装することはないと思います。ゲームの世界観にも合わない要素と考えていますので。

――長門や大和など、各艦艇は基本的に一番艦が登場していますが、同型艦が別の艦として今後実装されることはあるのでしょうか。例えば、陸奥や武蔵などがプレミアム艦で登場する可能性は？

可能性は十分にありますので、今後のニュースリリースなどをぜひチェックしておいてください。

――βテストなどで入手できたプレミアム艦を、再度入手できる機会はあるのでしょうか。

　Iwaki AlphaとArkansas Betaは、αテストやβテストに参加した人たちのために配布したので、今のところ再配布の予定はありません。ごめんなさい。ただ、重雷装艦として話題になったKitakamiについては再度入手するチャンスがあります。ご期待ください。

――先日発表されたドイツのものと同じように、新たな国の技術ツリーがこれからも増えると考えていいでしょうか。

　フランスとイタリアは第二次大戦中、強力な海軍を保有していました。この2国の艦艇は確実に登場します。

――開発チーム内で特に人気の艦艇などがあれば教えてください。

　難しい質問ですね（笑）。皆それぞれお気に入りの艦艇が違いますので……。強いて言えば、アメリカの駆逐艦や日本の巡洋艦が人気と言えるかもしれません。

――開発チームがオススメする艦長スキルはありますか？

　皆さんのプレイスタイル次第で変わると思います。いろいろと試してみていただければ！

――“エンジンブースト”などおもしろいアイテムがゲーム内に登場していますが、にもユニークなアイテムを実装する予定はありますか？

　はい、現在ゲームに実装している消耗品システムには我々も満足しており、プレイヤーの皆様も楽しんでいただいていると思います。よりおもしろい要素を追加できるよう、今後も拡張していく予定です。

――開発時の裏話などがあれば、お聞かせ願えますか。

　特に記憶に残っているのは、プレイヤーコミュニティからの意見によって、ゲームをほぼ最初から作り直すことになってしまったことですね（笑）。とはいえ、そうした手順を踏むことで、クオリティが高くなっているわけですが。

――プレイヤーから挙がっている要望で、将来的に実装を検討しているアイデアなどはあるのでしょうか。

　随時プレイヤーの皆様からのご意見をチェックしているのですが、なかでも多くの要望をいただいているのは天候と潜水艦の追加です。潜水艦についてはまだ分かりませんが、天候については追加を検討しています。

――『World of Tanks』の『Blitz』のような、スマートフォン版のリリースは予定されているのでしょうか。

　ちょっと気が早いですね（笑）。もちろん、PCで良い結果を出せればスマートフォン版も検討したいのですが、現在は、正式サービス開始以降の本作の状況を見守りたいと思っています。スマートフォン版だと、基本的なゲームデザインの部分から考えないといけませんから。

――最後にプレイヤーの皆さんへのメッセージをお願いします。

　正式サービス開始後も、ゲームを楽しくするためにさらに努力していきます。また、さまざまなゲーム内イベントを実施する予定もあります。プレイヤーの皆さんをあっと驚かすようなイベントを作っていくつもりですのでご期待ください。

Vorobyev氏の回答

▲Sergey Vorobyev氏

――初心者向けのアシスト機能、例えば、照準アシストなどが実装される可能性はあるのでしょうか。また、

　初心者が操作に慣れるためのチュートリアル的ミッションは導入する予定です。またプレイヤーは操作だけではなくチーム連携や戦略についても指南が必要と感じています。

　ゲーム内イベントですが、現時点ではアニメ『蒼き鋼のアルペジオ ‐アルス・ノヴァ‐』とコラボしています。4月には宇宙マップと船を試作で作ってみたり、他にもいろいろと案はありますが、現在チームの中での優先度はそれほど高くはありません。

　それよりはプレイヤーのゲームへの導入・成長部分とプレイヤー間のコミュニケーションに重点を置いています。

――現在『WoWS』は12対12のモードのみとなっていますが、今後複数のチームによる対戦形式など導入する計画はありますでしょうか？（例：12対12対12など）

　近いうちにランク戦を導入する予定です。7対7の戦闘となり、個人のプレイヤースキルよりチームプレイが重要となります。他のチーム形式も試しているので、今後のアップデートでお披露目できるかと思います。

――“Gamescom”で発表されたドイツ艦ツリー以外にもフランス艦やイタリア艦が導入されると伺っていますが、これらの技術ツリーは既存のアメリカと日本艦のツリーと同じ形になりますでしょうか？

　船の作成には時間がかかることとプレイヤーに自分の好きな船に満足してほしいと思っているため、枝分かれしたツリーでリリースしようと考えています。詳細やアップデートについてはポータルのニュースやYouTubeチャンネル（『World of Warships』Asia）で確認してください。

――今後、アカウントレベル10以降ではなにが開放されるか、またいつごろ開放予定か教えていただけますでしょうか？

　まだレベル10で開放される機能について述べることはできませんが、皆さんの期待に答えられると思います。それ以降のレベルについてもチーム内でいろいろ案は出ていて、それらランクに到達するのにふさわしい内容になるでしょう。

――『WoT』のようなチャット用プリセットメッセージは導入する予定はありますか？

　ユーザーコミュニテイでも要望が多くあがっていたため、近いうちに実装したいとは思っています。

――戦闘のリプレイシステムは導入する予定はりますか？ある場合、いつごろでしょうか？

　一旦完成はしましたが、満足できるレベルには達していない状況です。来年のアップデートで実装できる予定で進めています。

――『WoT』にあるようなプレミアム弾薬を実装する予定はありますか？

　よく話題には上がりますが、この記事に前半で2人が回答しているように、現時点では予定していません。

――開発チーム内ではどの船がいちばん人気でしょうか？

　全員が特に好きな船というのはないですね。ただし全員ランクバトルに向けてTier7にフォーカスしています。

――開発チームがオススメする艦長スキルはありますか？

　船にもよりますが、自分は駆逐艦が好きなので“管理”と“隠蔽専門家”を好んで使っています。

――プレイヤーからいただいたメッセージや案で、今後実装予定のものはありますでしょうか？

　プレイヤーの意見は注意深く聞いており、現在入っている機能も今後導入予定の機能もなんらかのプレイヤーによる影響を受けています。

　すべてのアイディアを反映することはできないですが、コミュニティでの書き込みは開発の参考にさせてもらっています。

(C) Wargaming.net

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データ

関連サイト

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