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2015年9月18日(金)

『スター・ウォーズ バトルフロント』レビュー。主役の影で散っていく兵士の思いを40人対戦で実感【TGS2015】

文:イトヤン

 現在開催中の東京ゲームショウ2015で、エレクトロニック・アーツブースにて試遊可能な『スター・ウォーズ バトルフロント』。ここでは会場で実際にゲームを試遊した感想をお届けします。

『スター・ウォーズ バトルフロント』

 『Star Wars バトルフロント』は、大ヒットSF映画『スター・ウォーズ』シリーズのなかでも、“初期三部作(オリジナル・トリロジー)”と呼ばれるエピソード4~6の世界が舞台となっています。

 銀河皇帝パルパティーンの率いる帝国軍と、その支配に対抗する反乱同盟軍とが、ホスやエンドア、タトゥイーンといった惑星で繰り広げる地上戦に、プレイヤー自身が各勢力の兵士となって参加します。また、ルーク・スカイウォーカーやダース・ベイダーといった、映画でおなじみのキャラクターたちを操作することも可能です。

 本作の開発は、ミリタリーFPS『バトルフィールド』シリーズで知られるEA DICEチームが手がけており、同シリーズで定評のある大規模なマルチプレイヤー対戦の魅力を、本作でも十分に味わうことができます。

 東京ゲームショウ2015の会場では、20人vs20人のマルチプレイ対戦が楽しめる“ウォーカー・アサルト”と、2人協力プレイの“タトゥイーン サバイバル”という、2つのゲームモードを試遊することができます。今回は各モードをそれぞれ試遊できたので、以下ではモードごとの特徴や、プレイ感覚の違いについて説明していきましょう。

40人対戦の“ウォーカー・アサルト”で氷の惑星ホスでのバトルを完全再現!

 まずは、本作でも最大規模となる40人対戦が楽しめる“ウォーカー・アサルト”から。このモードでは、氷の惑星ホスに築かれた反乱同盟軍の秘密基地エコー・ベースに、帝国軍の大部隊が攻撃を行うという、映画『スター・ウォーズ 帝国の逆襲』前半のクライマックスが完全再現されています。

『スター・ウォーズ バトルフロント』

 帝国軍は、巨大な歩行兵器“AT-ATウォーカー”とともに白銀の平原を進撃して、エコー・ベース防衛の要であるパワー・ジェネレーターを破壊すればバトルに勝利できます。

 一方の反乱同盟軍は、すべてのAT-ATを破壊して進撃を阻止すれば勝利できますが、通常の攻撃ではAT-ATにダメージを与えることができません。そこで重要になるのが、マップ上の各所に配置されている通信ステーションです。

 通信ステーションをいくつか作動させて通信に成功すると、Yウイングが飛来して爆撃を行い、AT-ATを一定時間のあいだ弱体化させることができます。弱体化しているあいだに攻撃してダメージを与えれば、AT-ATを破壊できるのです。

『スター・ウォーズ バトルフロント』

 そのためこのモードでのバトルは、通信ステーションを巡って両軍の兵士たちが激しくぶつかり合うことになります。ちなみにこのモードでは、プレイヤーは基本的に、帝国軍のスノートルーパーまたは反乱同盟軍の歩兵という、1人の兵士として参戦します。

 映画を観た人ならお判りのとおり、『スター・ウォーズ』の世界での一兵士といえば、ルークやハン・ソロといったヒーローたちが決死の戦いを繰り広げている、その後ろのほうで倒れたり吹っ飛んだりしている、けっこう影の薄い存在です。それゆえか、このゲームでも敵ブラスターのビームが数発命中すると、あっという間にやられてしまいます。

 ただし先ほど説明したとおり、勝利に必要な条件はパワージェネレーターまたはAT-ATの破壊だけで、一兵士であるプレイヤーがどれだけ倒されようが、勝敗にはまったく影響しません。その上、プレイヤーはたとえ倒されても待ち時間なしですぐゲームに復帰できます。

 1チーム20人と規模が大きなこともあり、このモードではプレイヤー自身の生死にあまりこだわることなく、気軽な気持ちでプレイできるのです。そのため「『スター・ウォーズ』は好きだけど、オンライン対戦はちょっと……」というFPSやTPSに不慣れな人でも、すんなりと入り込めるようになっています。

 画面表示も一人称視点だけでなく、自分のキャラの姿が見える三人称視点にボタンひとつで切り替えることができるのも、FPSが苦手な人には嬉しいところでしょう。

 また、マップ上にはさまざまな種類のアイコンが存在しており、それを拾うと強力な武器やバリアを一度だけ使用できるほか、帝国軍ならTIEファイターやAT-STウォーカー、反乱同盟軍ならXウイングやスノー・スピーダーといったメカを操縦することも可能です。

 メカの操縦、特に戦闘機の操縦は慣れるのにやや苦労しますが、兵士として戦うよりもずっと火力が高いので、上手に使いこなせば大きな戦果を上げることができます。特にスノー・スピーダーは、映画で描かれていたAT-ATの足にワイヤーを巻き付けて倒すアクションも可能らしいのですが、筆者が操縦した時にはうまくできませんでした……。

 この“ウォーカー・アサルト”の最大の魅力は、『スター・ウォーズ』のシリーズでも屈指の名場面である惑星ホスの戦闘に、プレイヤー自身が入り込むことができるという点に尽きます。なかでも、巨大なAT-ATを兵士の視点から見上げた光景は、非常にインパクトのあるものになっています。

 エコー・ベース内部の通路や、戦闘機の格納庫なども映画そのままに再現されているほか、ブラスターの発射音をはじめとするサウンドエフェクトも、ファンなら聞き覚えのあるものばかりです。

 そんな完璧に整った舞台の中で、40人もの敵味方が入り乱れて戦う様子は、ある意味で映画以上に『スター・ウォーズ』の世界をリアルに感じさせてくれるものだと言えるでしょう。その圧倒的な感覚を、ぜひ東京ゲームショウの会場で味わってみてください!

2人協力プレイで帝国軍を撃退する“タトゥイーン サバイバル”は手応えバツグン!

 東京ゲームショウ2015の会場で試遊できるもう1つのゲームモードが、“タトゥイーン サバイバル”です。これは、砂漠の惑星タトゥイーンに不時着した反乱同盟軍の兵士2人が、救援が到着するまでのあいだ帝国軍の波状攻撃を撃退して、生き残ることを目指すというものです。

 このモードは、製品版ではシングルプレイやオンライン協力プレイでも遊べるとのことですが、会場では画面分割による2人協力プレイの形で試遊できます。

 帝国軍の攻撃は計6回のウェーブ形式となっていて、敵の数や種類が回を重ねるごとに手強くなっていくという、FPSやTPSではポピュラーなルールです。各ウェーブの勝利条件は敵の全滅だけでなく、救援物資の入ったポッドを守りきるといったものも用意されています。

 特に後半のウェーブでは、遠距離から攻撃してくるスナイパーや、2本足のAT-STウォーカーといった強敵も出現して、かなり手こずることになります。じつは筆者がプレイした時には、最後のウェーブがクリアできなくて敗北してしまいました……。

 このモードでは2人の兵士が協力して戦うわけですが、敵の攻撃で1人が倒れると、ライフを消費して復活できます。ライフは2個、つまり2回まで復活可能なのですが、じつはライフの残数は2人で共有されています。

 仮に1人のプレイヤーが2回倒れて復活した場合、次にどちらのプレイヤーが倒れても、ゲームオーバーとなってしまいます。いくら倒れても問題なかった“ウォーカー・アサルト”とは対称的に、こちらは比較的シビアなルールとなっているのです。

 それだけに、友人同士でプレイすると「お前もう死ぬんじゃないよ!」といった感じで互いに声を掛け合って、ワイワイと盛り上がって遊ぶことができます。FPSに慣れたプレイヤーと初心者がコンビを組んで、立ち回りの基本を練習するといった用途にもピッタリでしょう。

 このモードは映画の再現ではなくゲームオリジナルの展開だけに、本作のシューターとしての手応えがよく感じられるものとなっています。東京ゲームショウの会場で、2つのモードをぜひ遊び比べてみてください!

■東京ゲームショウ2015 開催概要
【開催期間】
 ビジネスデイ……2015年9月17日~18日 各日10:00~17:00
 一般公開日……2015年9月19日~20日 各日10:00~17:00
【会場】幕張メッセ
【入場料】一般(中学生以上)1,200円(税込)/前売1,000円(税込)
※小学生以下は無料

Star Wars (C) & (TM) 2015 Lucasfilm Ltd. All rights reserved. Underlying technology and game design (C) EA. All rights reserved.

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