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2015年9月25日(金)

セガオンリーのゲーム音楽コンサート開催迫る! 会場限定パンフに掲載のインタビューを一部公開

文:電撃オンライン

 来たる2015年10月10日に東京芸術劇場にて開催される、『GAME SYMPHONY JAPAN(GSJ)』の第14回公演。これまでもさまざまなゲームの楽曲が演奏されてきたコンサートであるが、今回はとくに世界初の“オーケストラによるセガオンリーのゲーム音楽コンサート”ということで、多くのセガファンが今から期待に胸を膨らませていることだろう。

“GSJ 14th Concert SEGA Special”

■Game Symphony Japan 14th Concert SEGA Special

●日時:10月10日(土) 16:30開演(15:45開場) 予定
●会場:東京芸術劇場 コンサートホール
●料金:S席8,500円/A席7,500円/B席6,500円
●チケットの取り扱い
チケットぴあ(TEL:0570-02-9999(Pコード:267-372))
イ-プラス
ローソンチケット(TEL:0570-000-407/0570-084-003(Lコード:34794))
公式サイト

 開催まであとわずかと迫る本コンサート。まだチケットを入手していない人は今すぐチェックだ。

 そして前回の記事でも紹介したように、このコンサートでは、通常のパンフレットとはひと味違う雑誌“電撃GAME SYMPHONY JAPAN SEGA特集号”が会場限定で販売される。演奏される曲とその元となるゲーム紹介だけでなく、さまざまなゲームクリエイター、サウンドクリエイターの声を収録したセガファン必見の内容だ。

“GSJ 14th Concert SEGA Special”

 そこで今回は、そのパンフレットに掲載される対談の一部を、ちょっとだけ先行公開! 3部構成となるコンサートにあわせ、計6名のクリエイターによる3つの対談を掲載する。

飯塚隆氏×瀬上純氏~『ソニック』らしい楽曲を作るためのコツは?~

 コンサートの第1部は、セガを代表する『ソニック』シリーズから5タイトルの楽曲が演奏される。そこで対談では、『ソニック』シリーズプロデューサーの飯塚隆氏と、『ソニック』シリーズ サウンドディレクター瀬上純氏に、作品作りや楽曲作りの思い出をうかがった(文中敬称略)。

“GSJ 14th Concert SEGA Special”
▲『ソニック』シリーズ サウンドディレクター瀬上純氏(左)と『ソニック』シリーズプロデューサーの飯塚隆氏(右)。

――瀬上さんが作曲された曲が多数コンサートで演奏されますが、いくつかについて制作時の思い出などをお聞かせください。まずは『Emerald Coast Zone(『ソニックアドベンチャー』より)』からお願いします。

瀬上:『Emerald Coast Zone』はわりと緩急があって、スピードを感じられるステージ。このあおられ方だったらもっと速い曲調をイメージしがちですが、そうじゃなくて、リゾート地というステージの雰囲気に合わせた曲調を狙って作りました。風貌としては『ソニック』らしからぬ“エレクトリック・シタール”という楽器を使っているんですが、音の伸びがイメージにマッチしておもしろいかなと思い、選んでみました。

──『City Escape(『ソニックアドベンチャー2』より)』はいかがですか?

瀬上:これは最初のイメージで作り切った感じですかね。まだテクスチャーもない、ハリボテの街を見せられて、ソニックが上から落ちてきて、あそこの坂に着地してボードで滑り下りるという説明を聞いた瞬間に、“デンデンデケデン”というベースのイントロから始めよう、次にテンポはこんな感じというように、第一印象を大事に勢いで作った曲です。

飯塚:ボーカル曲にしたのは、瀬上からの提案ですね。ただ物語の途中のステージで、突然ボーカルの曲が入るのもアレなんで、やるなら一番最初のステージだろうということで、『City Escape』になりました。

──最後は『Live & Learn(『ソニックアドベンチャー2』より)』ですね。

瀬上:『Live & Learn』は『PSO』に『アドベンチャー2』の体験版を付ける話があって、タイトル曲は必要だろうってことで、まずイントロだけの原型を作って、それを体験版に入れたんです。それで『アドベンチャー』のときに、タイトル曲が最終ボスの曲のイントロになっていたという流れがあったので、またそのフォーマットを活かす形で、そのイントロから後日作り上げていった感じですね。『Crush 40(瀬上氏とジョニー・ジョエリ氏を固定メンバーとするロックバンド)』でも、よく演奏する曲なんですが、今回オーケストラで、どんな風になるのかとくに楽しみな曲です。

──作曲の際、『ソニック』の楽曲ということで気をつけられている点はありますか?

瀬上:今回コンサートでも演奏される『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』と『ソニック・ザ・ヘッジホッグ2』の楽曲は『DREAMS COME TRUE』の中村正人さんが作曲されているんですけど、あれはワンループがそんなに長くないんですよね。普通の歌謡曲が1分半ぐらいのところ、50秒程度でワンループ。そして、印象的なフレーズしか基本的に残されていなくて、いい意味でムダがない。そういった部分はなるべく継承するようにしていますね。

――そこが『ソニック』の爽快感を生み出す要因の1つになっているんでしょうか?

瀬上:曲のスピードは決して速いわけではないんですよね。ゆったりしたテンポの曲もありますし。組み合わせの妙といいますか。

飯塚:ワンループが短いうえに、フレーズが印象的なんですよね。つい口ずさんじゃう、メロディがずっと残っちゃうというよさは、中村さんの曲にはすごくありましたね。

瀬上:徐々に盛り上がっていって、サビでキター! という曲もいいなとは思いますが、『ソニック』の曲は印象的なフレーズが、すごく大事なポイントだと思いますね。

――さらに面白い話も!? 気になる続きは会場販売のパンフレットで!

Hiro氏×光吉猛修氏 ~ゲームの中で流れる音楽は“BGM”~

 コンサートの第2部は、往年の傑作や超有名作、そしてセガならではの個性的な作品の楽曲がひしめくバラエティ豊かなコーナー。そこでコンサートでも実際に登壇してボーカルを披露する予定の光吉猛修氏と、“Hiro師匠”の名でおなじみのHiro氏に、セガのゲームサウンド全般についてお話を聞いてみた(文中敬称略)。

“GSJ 14th Concert SEGA Special”
▲セガ・インタラクティブ サウンドセクション Hiro氏(左)。同じくセガ・インタラクティブ サウンドセクション 光吉猛修氏(右)。

──『きみのためなら死ねる』『赤ちゃんはどこからくるの?』の2作品はテーマ曲のインパクトがかなり強かったですよね。

光吉:今『チュウニズム』という音ゲーのサウンドを担当していて、ニコニコ動画の中で鳴っている音楽だったり、若い人たちが聴く音楽に埋もれて仕事をしているんですが、この2タイトルもネットから火がついた作品ですね。ネットからブームが生まれるという意味では、現在の歌い手の状況と、すごく似てるなと思います。そういうプロセスで盛り上がった曲やゲームという意味では先駆けだったのかなと思いますね。当時、自分の知らないところで波紋が広がってて、ヒット曲はこうやって生まれるのかというのを、目の当たりにした気がしてます。

──ご自分の作品以外のセガ作品の楽曲で、印象に残っているものはありますか?

Hiro:『ジェットセットラジオ』、あれは世界観も曲もいいですね。あとは『NiGHTS』ですかね。どっちも音楽と世界観がお互いに高め合っている感じで、好きですね。

光吉:ボクはタイトルというよりも幡谷尚史の曲ですね。今でも彼が作った『バーニングレンジャー』のテーマ曲を歌わせてもらったりしているのですが、彼は同期なんですよ。幡谷はコンシューマ、ボクはアーケードで、お互いに意識し合って切磋琢磨しているなかで、ときどき一緒に仕事をするというのが心地よくて。で、曲を作る前にひとつひとつコンセプトを立てて、彼の頭の中ではもう音が鳴っていて、こういう理由で、こういう音じゃないとダメみたいな作り方をしているのを見て、自分にはマネできないなと(笑)。しかも『NiGHTS』や『バーニングレンジャー』だけでなく、『きみのためなら死ねる』みたいな曲も作れて、音楽の幅もありますし、毎度毎度刺激をもらっていますね。

──Hiroさんは今年で音楽を作り始めて30周年ですね。この30年を振り返って、ゲーム音 楽の作り方にもやはり変化がありますか?

Hiro:昔はチープな音源でいかに表現するかが課題だったりしましたが、ハードの性能も上がり、今は一般の音楽との境界線もなくなってきて、どうゲームらしさを出すかが課題になってきていると思います。容量の制約もなくなり、CDと同じような音楽を入れられますが、ゲームで流れる音楽はあくまで“BGM”なんですよね。なので曲だけで立ってしまうと、ゲームをジャマしてしまう。場面の状況に合わせ、さらにユーザーの心情も考えながら作らないと、ゲーム音楽ではなくなってしまう。

 もしかしたら単音のピアノだけの音の曲のほうが場に合うこともありますし、それをバンド形式でやってしまったら、音楽としてはいいけれども、ゲーム音楽としては全然ダメだったり。押し引きを考えて作る必要があるのかなと。映像と物語とプレイヤーの感情が一緒になって、その場で音楽が鳴っている。それが融合したときに、いいBGMとして評価されるのかなと。そこがゲーム音楽作りのおもしろいところだと思ってます。

――さらに面白い話も!? 気になる続きは会場販売のパンフレットで!

ササキトモコさん×幡谷尚史氏 ~曲作りの勉強をしながら作曲した『NiGHTS』~

 コンサートのクライマックスとなる第3部は、セガサターンの名作『NiGHTS』の楽曲が一挙に21曲演奏される。とくに名曲中の名曲『DREAMS DREAMS』は必聴! もちろん対談では、その数々の曲を手がけたササキトモコさんと幡谷尚史氏にインタビュー。あの曲たちはいったいどのように生まれたのか?(文中敬称略)。

“GSJ 14th Concert SEGA Special”
▲『NiGHTS』シリーズ メインコンポーザー ササキトモコさん(左)と『NiGHTS』シリーズ サウンドディレクター 幡谷尚史氏(右)。

──初めて作った曲はどれですか?

幡谷:オーケストラの原型になった曲と『DREAMS DREAMS』の原型になった曲。あとは『Message from Nightopia』。リプレイとかで使っていた曲なんですけど、プレゼンビデオ用にまずその3曲を作りました。

──“夢”というテーマを一番意識した曲は、やはり人気曲『DREAMS DREAMS』ですか?

幡谷:そうでしょう! もうあのフレーズを徹底的に引用、使っていくという設計でしたしね。だから「ちょっと使い過ぎ?」ってくらい使っちゃっていますけどね。

──『NiGHTS』は全編を通すと全60曲近くなりますが、かなりご苦労があったのでは?

ササキ:私は会社に入った当時、作曲した数も少なく、入ってから曲を作る練習をした感じでして。『NiGHTS』のときも音色の知識とかなくて、勉強しながらやっていたんですけど、今聞くと「すごくイイの作ってたな」って(笑)。今はもう作れない(笑)。大変でしたけど、おかげでかなりスキルアップできました。とくにインストの作曲はうまくなったと思いました。ただそこが短い絶頂期で(笑)、『NiGHTS ~星降る夜の物語~』では久しぶりにインスト曲を作るのにリハビリが必要でした(笑)。『NiGHTS』はゲーム機も最盛期だったというのもあり、制作に時間をかけられてじっくり作れたというのが、すごく大きかったと思いますね。

──楽曲以外で『NiGHTS』の制作にかかわられていた部分はありますか?

幡谷:『ChristmasNiGHTS』でストーリーをやったんだよね?

ササキ:はい。あと、ホームページも作りました、HTMLを組んで。今もまだ残っていますね(笑)。(セガサターン版『NiGHTS』サウンド公式サイト

幡谷:生きたBGMって言っていましたけど、同じ曲でもシチュエーションで変化するシステムがありまして、当時そういうことをやっているものがなくて、それは苦労しましたね。そのためのバリエーション違いの曲を、僕とササキさんと熊谷(文恵)さんという人で分担したんですが、そうすると整合性が合わなくなったりするんで、一回作曲した人に戻して修正してもらったり。そういうやりとりが大変でした。

 サウンドのプログラマーに「そんなのやらないで、1曲よいものを作ればいいじゃん」みたいなことをよく言われましたよ(笑)。確かにそうなんですけど、システムのせいで音楽の印象が弱くなったみたいに思われたら本末転倒なので、そのあたりは相当気を使って作りましたね。

──最近では増えてきているシステムですが、当時は先駆け的存在だったんですね。

幡谷:今は『ファンタシースターオンライン2』のサウンドが、それのかなり本格的で緻密なことをやっていますね。

──今回、オーケストラで演奏される曲のなかで気になるものはありますか?

ササキ:ボス面がオーケストラっぽくない曲なので、それをどう再現するのか興味があります。あと合唱の方もいるということで、どういうふうに入ってくるのかが楽しみですね。

幡谷:ワイズマンのテーマはすごく壮大なので、後半で盛り上がってエンディングに向かうのかなと、ワクワクしています。クラリス(主人公の女の子)の歌も気になりますね。あとは人気曲の『Growing Wings』『Suburban Museum』とか、そのへんが聴きどころだと思います。『Growing Wings』は最初の単音のメロディがどう再現されるのかな? でも、さっき聴いたら、薄いというかすごくシンプルで(笑)。

ササキ:テーマになっている“タタター”っていうメロディラインがすっごくシンプルで、3音だけで回しているんですよ。当時の自分、とんでもなく思い切ったことをしているなって(笑)。でも、それが逆によかったのかな。ちなみに、空を飛べたよっていうよろこびをシンプルに表現したメロディなんですよ。

――さらに面白い話も!? 気になる続きは会場販売のパンフレットで!


 以上、ここでは3つの対談を紹介したが、ここに掲載したのはほんの一部。全文はぜひ、会場のパンフレットでチェックしてほしい。なお、飯塚氏・瀬上氏・光吉氏はコンサートでゲストとしても登壇。チケットの購入がまだの人は、急いで公式サイトで確認を!

“GSJ 14th Concert SEGA Special”

■“Game Symphony Japan 14th Concert SEGA Special”
【日時】2015年10月10日(土)16:30開演/15:45開場予定
【会場】東京芸術劇場 コンサートホール(JR池袋駅西口より徒歩2分)
【司会】(※敬称略)
 M・A・O(『セガ・ハード・ガールズ』ドリームキャスト役)
 井澤詩織(『セガ・ハード・ガールズ』メガドライブ役)
 髙山ゆうこ(『セガ・ハード・ガールズ』マスターシステム役)
【ゲスト】(※敬称略)
 飯塚隆(『ソニック』シリーズプロデューサー/株式会社セガゲームス所属)
 瀬上純(『ソニック』シリーズ サウンドディレクター/株式会社セガゲームス所属)
 光吉猛修(サウンドクリエイター/株式会社セガ・インタラクティブ所属)
 かがわの水割(芸人、『ルーマニア』シリーズ“ネジタイヘイ”役モーションアクター・CV、太田プロダクション所属)
 うらら(『スペースチャンネル5』特殊報道チーム所属 ※衛星中継による生出演)
 他
【演奏】(※敬称略)
 志村健一(指揮)
 東京室内管弦楽団(管弦楽)
 東京混声合唱団(合唱)
 マイネマイヌク(バンド)
 待山一生(ドラム)
 Ryuta(キーボード)
 他
【チケット料金】S席8,500円、A席7,500円、B席6,500円
【チケット先行受付】6月10日より各プレイガイドにて
【チケット一般販売】6月20日10時
※取扱いプレイガイド ぴあ/ローソンチケット/イープラス/他
【協力】
 セガホールディングス
 セガゲームス
 セガ・インタラクティブ
【主催】
 アイムビレッジ
 サンライズプロモーション東京

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