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2015年9月26日(土)

『がっこうぐらし!』最終話の印象的なシーンはどんな気持ちで演じたのか? 声優陣のインタビューを掲載

文:電撃オンライン

 9月24日に最終話が放送されたTVアニメ『がっこうぐらし!』について、声優陣のインタビューやBD/DVDの発売記念動画が公開された。また、9月29日からは秋葉原UDX東京アニメセンターで“『がっこうぐらし!』展”が開催される。

『がっこうぐらし!』

 インタビューでは、第12話のアフレコを終えた後の水瀬いのりさん(ゆき役)、小澤亜李さん(くるみ役)、M・A・Oさん(りーさん役)、高橋李依さん(みーくん役)が、最終話や作品全体の話を振り返っている。メインキャストの4名が、TVアニメ『がっこうぐらし!』の収録を通じてどんな思いを抱いたのか、以下のインタビューで確認してほしい。

『がっこうぐらし!』
▲左から、高橋さん、水瀬さん、小澤さん、M・A・Oさん。

『がっこうぐらし!』は毎週の内容が本当に、濃すぎるくらいに濃かった

――いよいよアフレコも最終話を迎えました。まずは率直な今の心境から伺えますか?

水瀬いのりさん(以下、水瀬):なんですかね、自分のなかで『がっこうぐらし!』という作品が、こんなに大きなものになっていたんだな……と、最終話の収録を迎えて思いました。3カ月という短い期間ではあったんですが、オープニング主題歌でユニットをやらせていただいたり、なんというか、この学園生活部の4人が集まったときの――女の子たちのふわっとした感覚がすごく心地よくて。ゆきという役を演じ終えたこともそうなんですが、このメンバーでのアフレコが終わってしまったということが、なにより寂しいなと思います。

高橋李依さん(以下、高橋):これまで、毎週のアフレコが当たり前になっていたので、“終わった”という実感がまだわかないんですよね。アニメの本編でも、この先もみーくんたち4人が一緒に活動していくんだろうなという様子が描かれていたので、またどこかでこのメンバーが集まって、演じられたらいいな、と思いますね。

小澤亜李さん(以下、小澤):アフレコをしている最中も感じていたことなのですが、放映が始まった段階でいろんな反響を聞く機会が多かったんですね。大きな話題になったこともあって、気が引き締まるというか、これまで感じたことがないような収録になりました。しかも、李依ちゃんが今、話してくれたことにも通じるんですけど、自分のなかでは抜け切れていないというか、まだまだ『がっこうぐらし!』に関わっている感覚があって。きっと私はこれからも、アニメを観たり原作を読んだり、『がっこうぐらし!』を楽しんでいくんだろうなと思っています。

M・A・Oさん(以下、M・A・O):そうですね……。『がっこうぐらし!』は毎週の内容が本当に、濃すぎるくらいに濃かったんです。だから1話ごとはすごく充実していたんですが、振り返るとあっという間だったなと思います。あとやっぱり最終話のサブタイトルが“そつぎょう”というところが、すごく寂しくて、帰り道にちょっとした虚無感に襲われそうな感じがします。

――なるほど(笑)。

M・A・O:まだオンエアが続いているので、寂しい気持ちは放送を観ることで埋められるんですが、最終話を迎えたら、自分は一体どうなるんだろうか、とも思いますね(笑)。

小澤:ああ、そこでまた気持ちは変わるかもしれないですね。

――最終話は内容的にも見どころが多かったんですが、特に印象的だった場面はどこでしょうか?

M・A・O:やっぱり、ゆきちゃんのアナウンスですね。私たちが見ていた世界とゆきちゃんの世界が、ここで一致したという感じがしました。

水瀬:私はどこだろう……。ああ、でもあそこですね。ゆきが《かれら》をバーンと跳ね飛ばしたところ(笑)。金属バットで殴りつけるんですけど……。

M・A・O:びくともしなかったですね。

小澤:あそこで金属バットを使うんだっけ?

水瀬:そうそう。あそこを観て「ああ、ゆきもすごく戦ってる!」と思ったんです。今までのゆきは《かれら》を見て見ぬふりというか、見えていなかったわけですけど、ついに立ち向かっていったというか。そういう強さを彼女も持っていたんだなと思えて。そこがすごく嬉しかったんですよね。

 これまでもゆきには、みんなに潜在的な助言をする場面があったりして。すべてを受け入れて愛す……じゃないですけど、《かれら》に対してもただ「やっつけてやろう」という感じではなくて、みんなが幸せになれるような道をずっと探している。そういう彼女の気持ちがあふれているシーンになっていて、私には戦うゆきが女神的ななにかに見えました。

小澤:ゆきの変化もすごく印象的だったんですけど、どうしても頭から離れないのが、最後にひとりだけ帰ってきた《かれら》なんですよね。みんなが「下校だよ」って帰っていくなかで、ひとりだけ学校に戻ってきた子がいて……。彼女はみーくんの大事な相手のようにも見えて、そこに切なさだったり、いろんな気持ちを感じさせてくれて。今でも頭から離れないんです。

高橋:あれを見た美紀がひと言、「学校が大好きなんだな」って口にするのが、またすごく深くて。

小澤:しかも微笑んでたでしょう。

水瀬:ちょっと泣き笑いみたいな。

高橋:そうそう。諦めたわけでも、悟ったわけでもないんですけど……。なんて言えばいいんでしょうね、あの感じって。受け止めたうえで前に進む、というか。

――そんな高橋さんの印象的なシーンは?

高橋:やはり太郎丸のシーンでしょうかね。私はこれまでペットを飼ったことがなくて、これまでの太郎丸とのやり取りは“初めてペットを飼った”という感覚だったんです。なので、その別れが本当にツラくて……。マイクの前で号泣しちゃったんです。

――そうだったんですね!

高橋:もう、涙がずーっと出たままお芝居をしていて。本当に、あのリアルな気持ちが声に乗せられたらいいな、と。「太郎丸のことが本当に好きでした」という思いを、詰め込んだ場面になりました。

――後半では“卒業式”の場面もありました。

高橋:結構、大変でした……(笑)。

水瀬:ゆきのセリフはそんなに長くないんですけど、みーくんがすごく長かった(笑)。

高橋:パッとセリフだけ見ると普通の女子高生の送辞っぽいんですけど、『がっこうぐらし!』のなかで言うことで、ひと言ひと言の意味合いが違ってくるという。「立ち向かう勇気」って言葉が出てくるんですけど、その“勇気”の重みが違う。そういう重さをうまく乗せたいなと思ってましたね。

水瀬:ゆきの答辞について言うと……。「丈槍由紀さん」と呼ばれて、前に出て話し始めたゆきを見て、私としては「ああ、大きくなったなあ」と思ったんです。なんだろう、ゆきが何かを発するだけで、みんなの気持ちが柔らかくなるというか。そこは彼女の才能だなと思うんですよ。しかも、ゆきが泣くとみんなもウルウルする。そこが学園生活部らしいところで。

――そうですね。

水瀬:いつも通り、ボケボケっとしたことをしたすぐあとに切り替わって、真面目な顔で読み始めるっていうギャップも、演じていてグッときたところなんですけど、頑張って一生懸命に読んでるんだけど、気付いたらこう、紙に涙が落ちてて……。あそこもたぶん、第1話のゆきだったら、グズグズになってたと思うんです。でも、最終話では我慢しながら読み続けていて。そこは本当に、成長している感じがしました。

――M・A・Oさんと小澤さんのおふたりは、卒業式の場面をどんなふうにお感じになられましたか?

M・A・O:りーさんも、ちょっと立ち向かえるようになったのかな、と思いました。これはドラマCDの話なんですけど、実はりーさんは、怖くて本当は学校から出たくなかった、みたいな話があったんです。でも最終話では、くるみちゃんに「太郎丸がいたら笑われるからな」と言われて、「そうね」と返す。そこでちょっと、りーさんも成長できたのかな、と感じました。

 あと仲間を頼ることができるようになりましたね。みーくんが来てくれたことによって、くるみちゃんにそれまで話せなかった弱音を吐くようになったり……。すべてを言わなくても、この2人はわかっているというか、そういう部分が後半では描かれるようになったと思うんです。いつかりーさんは、これまで溜め込んだ感情が爆発するんじゃないかと、ハラハラしていたんですが、そういう部分でも成長できたんだな、と思いました。

小澤:くるみも終盤、他人を頼れるようになったのかなと思いましたね。最初のころは、りーさんに対しても「まぁ、心配すんなよ」みたいな感じで、あまり聞く耳を持たなかった感じなんですけど、ひとりで行動した結果、《かれら》化しそうになって……。でも仲間のみんなが頑張ってくれたおかげで、命が助かった。だからきっとこれからは「ひとりで無茶はしない」と感じたんじゃないかな、って思います。今回の大失敗で(笑)。

――では最後に、みなさんにとって『がっこうぐらし!』はどんな作品になりましたか?

M・A・O:そうですね……。いろいろと胸をやられる作品だったんですけど(笑)、ひとつ教訓としてあったのは「見た目でごまかされてはいけない」。

一同:あはは(笑)。

M・A・O:“かわいいからほのぼの系”と思っていたら……という感じですね(笑)。あとはオープニングにしても、どんどん回を重ねるごとに変わっていったり、スタッフのみなさんの愛情がいっぱい詰まっていた作品だなと思いました。観ていて気付けなかったときの悔しさというか、「愛が足りなかったのか、私!!」という瞬間も何度かあって(笑)。

高橋:「やられたー!」みたいな(笑)。

M・A・O:アフレコをしていても、できあがったものをオンエアで観ていてもすごく楽しめる作品になったと思います。濃い3カ月間を送らせていただいて、ありがとうございました。

小澤:演じている間は、本当に必死でした。私はこれまで、前に進んでいく強さやツラさを抱えたキャラクターというのを、ほとんどやったことがなくて。『がっこうぐらし!』でくるみを演じて、勉強にもなりましたし、いろいろ挑戦もさせてもらったな、と思います。あと、今ここにいない太郎丸役の加藤英美里さんや、めぐねえ役の茅野(愛衣)さんも含め、このメンバーでできたことがすごく楽しかった。またこの学園生活部の4人のその後――彼女たちが進んだ先の物語がアニメで描けるといいな、と思います。

高橋:オーディションのときに、原作を読ませていただいてから、すっかりファンになってしまったんですが、こうして大好きな作品のアニメの制作に一緒に加わることができて、スタッフのみなさんが『がっこうぐらし!』を本当に好きなんだなということを、肌で感じました。私たちも、キャラクターの言葉の重みや心情の動きをしっかりと詰め込んだ作品なので、また何度も観直して、細かいところまで楽しんでもらえると嬉しいです。

水瀬:この3カ月間、ゆきちゃんたちを見ていて、「どれだけツラい状況であっても、絶対に幸せはある」と思いました。困難なことがあるからこそ、その幸せはより一層強く輝くんだな、と。今回の『がっこうぐらし!』で、初めて主人公を演じさせていただいて――当初は不安も大きかったんですけど、でもゆきを演じられて、今、とても幸せだし、初めての主人公がゆきでよかったな、と思います。『がっこうぐらし!』が、これからもずっと愛され続けるように私たちも祈っているので、ぜひこれからも、原作ともども応援していただければと思います。

『がっこうぐらし!』BD/DVD第1巻は本日発売! 記念の動画が公開

 本日9月26日に『がっこうぐらし!』のBD/DVD第1巻が発売されたことを記念し、水瀬さん、小澤さん、M・A・Oさん、高橋さんらの出演する動画が、公式サイト内のスペシャルページで公開された。

 同商品には、2016年2月6日に開催されるイベントのチケット優先販売抽選申込券や、書き下ろしドラマCD、リバーシブルフルカラーポスターなどの初回限定特典が用意されている。『がっこうぐらし!』を繰り返し楽しみたい人は、BD/DVDをコレクションしてみては?

『がっこうぐらし!』
『がっこうぐらし!』

■初回限定特典(※人物名は敬称略)
●千葉サドル描き下ろしスリーブ&飯塚晴子描き下ろし特殊パッケージ仕様
●イベントチケット優先販売抽選申込券 昼の部(夜の部の申込券は第2巻に封入)
 会場:ディファ有明
 日程:2016年2月6日(土)
 《昼公演》13:30開場/14:30開演/16:30終演予定
 《夜公演》17:00開場/18:00開演/20:00終演予定
 出演キャスト:水瀬いのり、小澤亜李、M・A・O、高橋李依、茅野愛衣、加藤英美里
 出演アーティスト:学園生活部(水瀬いのり、小澤亜李、M・A・O、高橋李依)、黒崎真音
●書き下ろしドラマCD
・“夢に砂糖をひとさじ、ふたさじ”収録
『監修:海法紀光(ニトロプラス)、脚本:東出祐一郎
 出演:水瀬いのり、小澤亜李、M・A・O、高橋李依、茅野愛衣、加藤英美里
●特製ブックレット12P(予定)
●リバーシブルフルカラーポスター(予定)
 表:千葉サドル描き下ろしのパッケージスリーブを特製ポスターに
 裏:“学園生活部どきどきすごろく”ドタバタな学園生活部の毎日を一緒にすごせるすごろく
●トレーディングカードゲーム プレシャスメモリーズ PRカード封入
●音声特典 第1話オーディオコメンタリー【水瀬いのり(丈槍由紀)×茅野愛衣(佐倉慈)】

9月29日から秋葉原で“『がっこうぐらし!』展”が開催

 TVアニメ『がっこうぐらし!』の展示会が、秋葉原UDX内東京アニメセンターで9月29日~10月12日に開催される。同展では、アニメ本編の制作に使用された生原画や資料の他、描き下ろしイラストポスター、関連商品など、多数のアイテムが展示されるという。また、物販コーナーにてグッズの販売も行われるとのことだ。なお、期間内で10月5日のみ休館となる。

■“『がっこうぐらし!』展”概要
【開催期間】9月29日~10月12日(※10月5日は休館)
【開館時間】11時~19時
【場所】秋葉原UDX内東京アニメセンター
【入場料】無料

(C)Nitroplus/海法紀光・千葉サドル・芳文社/がっこうぐらし!製作委員会

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