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2015年10月10日(土)

色あせない人間ドラマがここに。『アンチャーテッド 砂漠に眠るアトランティス』徹底紹介【ネタバレあり】

文:電撃PlayStation

 SCEから10月8日に発売するPS4用ソフト『アンチャーテッド コレクション』の魅力に迫る連載記事の第3回をお届けする。

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この記事はストーリー展開(ネタバレ)を含みます。未プレイの方はご注意ください!
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『アンチャーテッド コレクション』

 『アンチャーテッド コレクション』は、PS4用にリマスターされたシリーズ3作品を、1本で遊べるソフト。2016年3月に発売される最新作『海賊王と最後の秘宝』に向けたシリーズの予習/復習におすすめの1本だ。

『アンチャ コレクション』の注目ポイント
(1)PS3で発売された過去3作が1つに!
(2)PS4の性能に合わせ、グラフィックの質を向上
(3)操作方法が統一され、プレイが快適に!

⇒『アンチャーテッド コレクション』の詳細はこちら

『アンチャーテッド コレクション』
▲1作目の『エル・ドラドの秘宝』から3作目の『砂漠に眠るアトランティス』までが、これ1本で楽しめる!

 今回は、シリーズ第3作『アンチャーテッド 砂漠に眠るアトランティス』の魅力を紹介。物語は広大な砂漠が舞台となり、主人公・ネイトは歴史の陰に潜む巨大な陰謀に巻き込まれていく。ネイトとサリーの出会いが描かれる、少年時代のエピソードにも注目だ!

⇒連載第1回はこちら(第1作『エル・ドラドの秘宝』編)

⇒連載第2回はこちら(第2作『黄金刀と消えた船団』編)

※以下の画像はPS3版『アンチャーテッド 砂漠に眠るアトランティス』のものです。

想いの交錯する人間ドラマが熱い! 『アンチャーテッド 砂漠に眠るアトランティス』

『アンチャーテッド コレクション』
『アンチャーテッド コレクション』
『アンチャーテッド コレクション』
▲生意気で手クセの悪いネイト少年。身体能力の高さもこの時からのようで、街を縦横無尽に動き回っている様子が描かれる。

ストーリー:幻の古代都市に眠る秘密とは――?

 少年時代のネイトが手に入れた、ドレイク卿の遺物の指輪。その指輪は、ドレイク卿が生前に隠した“何か”を知る手がかりになっていた。その謎を解くべく、ある組織と取引をしたネイトは、相手の裏をかいて、もう1つの手がかりである暗号解読機を手に入れる。

 解読した暗号が示したのは、イギリスの考古学者、トーマス・エドワード・ロレンスが探したと言われる幻の都市“砂漠のアトランティス”についての情報。そしてネイトは、さらなる情報を求め冒険へと旅立った。

『アンチャーテッド コレクション』
▲相棒のサリーに、前作に登場したクロエ、新登場のカッターと協力して謎を解いていく。しかし、行く手にはマーロウ率いる秘密組織が立ちはだかり、ネイトを苦しめる。
手がかりに従いイエメンへ
『アンチャーテッド コレクション』
▲フランスとシリアで手に入れた手がかりをもとに向かったのは、中東のイエメン。エレナが合流し、さらなる探索を開始する。しかし、ネイトとエレナの間には微妙な空気が……。

トレジャー:真鍮の容器

 当初の目的は“砂漠のアトランティス”を見つけることだった。しかし、マーロウたちが求めるものは、都市に封印されている、ある遺物ということが発覚。これには、3000年前にソロモン王が使役していた魔物たちが封じられているという。

 砂漠に眠る都市をめぐり、全世界を股にかけたシリーズ最大規模の冒険が繰り広げられていく。

『アンチャーテッド コレクション』
▲ネイトは、マーロウたちの秘密組織が進める謎の計画を阻止することができるのか。

メインキャラクター

『アンチャーテッド コレクション』
▲ネイサン・ドレイク(CV:東地宏樹)

 通称ネイト。スゴ腕のトレジャーハンターで、少年時代から卓越した身体能力と知識を備えていた

『アンチャーテッド コレクション』
▲ヴィクター・サリバン(CV:千葉 繁)

 ネイトの相棒。本作では2人の関係が始まった、(今より)若い頃の姿も描かれる。愛称はサリー。

『アンチャーテッド コレクション』
▲エレナ・フィッシャー(CV:永島由子)

 深い考古学の知識を持つフリージャーナリスト。前作のあと、一時期ネイトと交際していた。

『アンチャーテッド コレクション』
▲キャサリン・マーロウ(CV:夏木マリ)

 本作で敵対する秘密組織のボス。美しく年を経たマダムだが、本性は冷酷。サリーの元恋人でもある。

『アンチャーテッド コレクション』
▲タルボット(CV:山路和弘)

 組織のナンバー2で、マーロウに付き従う男。実行部隊のリーダーでもあり、格闘戦にも長ける。

レビュー:圧倒的なクオリティが全世界のファンをとりこに!

『アンチャーテッド コレクション』

街の作り込みがハンパない!

 シリーズ3作目となる『砂漠に眠るアトランティス』では、システム的にはこれといって目新しい要素はありません。確かにグラフィックが向上していたり、アクション面の水準が上がったりはしていますが、重要なのは人物描写です。

 チュートリアルを兼ねる序盤のプレイでは、なんと20年前にさかのぼり、若き日のネイトを操ってプレイすることに。まだ髪が黒い時期のサリーや、今回の悪役であるマーロウの昔の姿なども登場します。どうやってネイトとサリーが出会ったのか、なぜサリーはネイトを弟子として育てたのか。そういった人物の描写が深く掘り下げられているのが本作の特徴です。

 また、前作からともに苦難を潜り抜けてきたネイトとエレナは、交際していた時期があることと、現在は別れてしまっていることを示唆する描写もあります。一応本作だけプレイしても物語は楽しめるものの、こういった人間関係を楽しむには、1作目、2作目ともにプレイしていたほうがいいかもしれません。

 また、本作から登場するトレジャーハンター仲間のカッターは、とてもいい味を出している良キャラクター。石塚運昇さんの渋いボイスも相まって、新登場の脇役ながらも高い人気を誇っています。ネイトの周囲にいるキャラとの関係を重視しているためか、登場キャラは過去作よりもやや多め。いろんなキャラとのかけ合いを楽しめるのも本作の魅力ですね。

 実際のプレイといえば、「プレイする映画ここに極まれり!」と思うほどの出来栄え。シリーズ中で最高の没入感とスリルを味わえるでしょう。特に、過去作ではやや単調だった格闘攻撃に力が入っているのはポイント。

 格闘攻撃のバリエーションがかなり増えていて、テーブルに敵の頭を叩きつける、ビンで殴る、さらには近くの魚を使って攻撃するなど、状況に合わせた攻撃を繰り出します。テーブルやビンは「ああ、あるよねこういうの」と余裕で構えていられたのですが、さすがに魚は無理でした(笑)。

 また、チェイスシーンも増えており、敵から逃げるシーンや敵を追うシーン、馬に乗りながら銃撃戦を行うシーンなど、多彩なシチュエーションを楽しめます。よく見れば進むべきルートはわかるのですが、シーン中はプレイヤーの焦りをあおる演出が多いため、操作をミスって自滅してしまうことも。

 しかし、引っかかることなく進めた時の爽快感はかなりのものです。チェイスシーンと言えば、街並みにも注目。これまではプレイするフィールドは人気のないジャングルや雪山、崩壊した市街地などでしたが、本作は普通に人が暮らしている街を歩き回ることもあります。人々が行きかう大通りで、人ごみをかき分けながら行うチェイスシーンなどは、本作の大きな特徴と言えるでしょう。

 この街並み、通りが作り込んであるだけでなく、壁や屋根、果ては建物の中まで作り込んでいます。「チェイスシーンでたった一度使うだけなのに、こんなに作り込んであるの!?」と思うほど。ゲームオーバーを気にせず、一度ゆっくり見て回ってみてください。

 ちなみに、本作のサブタイトルでもわかるように、物語後半の舞台となるのは砂漠。2作目の冒頭の雪山シーンも記憶に残る名シーンでしたが、本作の砂漠に降り立つシーンも負けていません。

 敵の輸送機に乗り込み、ハッチから飛び出した積荷に捕まりながらの戦闘は、肝が冷えっぱなし! 機内に戻れたはいいものの、戦闘により機体が損傷し、空中で分離四散からの空中遊泳は、あまりにもキレイな流れ過ぎて笑うしかありません(笑)。

『アンチャーテッド コレクション』
▲崩落、倒壊といったシチュエーションが多く、焦ります。

 しかもこの一連の流れ、ムービーではなくちゃんと操作しないとゲームオーバーになるのが凄まじいです。そして広大な砂漠のど真ん中に落とされたネイトを待ち受けるのは、遭難という現実。ここの心理描写がまた素晴らしい。

 圧倒的な広さの砂漠を、ひたすら歩くシーン。ここもプレイヤーが操作します。終わりの見えない砂漠、枯れている井戸、ネイトもしていき、ついに倒れてしまいます。蜃気楼が見えたり、サリーの幻覚を見たりと、シリーズ中で弱っているネイトを見れるのはここだけ、というほどの衰弱ぶり。この場面はぜひ自分の手でプレイしてほしいです。ゲームでこれほど果てしない絶望感を味わえるのは、そうありません。

 過去作品と比べた時、本作はどこが優れているのか。そう考えた時の答えは“キャラクターの掘り下げ”だと思います。砂漠で遭難中のネイトの心理描写もそうですし、ネイトとエレナがいまだに互いを想い合っているのがわかるシーン、ネイトとサリーの親子の絆にも似た深いつながりなど、本作をプレイすることで見えてくる関係性がたくさんあります。ぜひ、最終章である『海賊王と最後の秘宝』の発売前に、遊んでみてください。

『アンチャーテッド コレクション』
▲正気を失ったカッターがネイトに危害を加えた時、容赦なく銃を抜くサリー。ネイトへの気持ちの大きさがわかります。

プレイヤー自身が考える“謎解き”

 冒険ものに定番の謎解きは、『アンチャーテッド』でもしっかり取り入れられています。特徴的なのが、作業としてあるだけの謎解きでなく、本当にプレイヤーが考えて解かなければならない点。

 もちろん、謎解きが苦手なプレイヤーのために、一定時間が経過するとヒントが表示されたり、どうしても無理な場合は答えが示されたりといった救済処置もありますが、初回プレイでは可能な限り自力でがんばってほしいと思うくらい出来がいいのです。

 ここでいう“出来”というのは、単に謎解きの難易度を指すものではありません。ネイトが手に入れたヒント……手帳だったり暗号解読機であったり、作品によってさまざまですが……それを実際に自分で見ながら、見える景色の中から符合する点を探していくという楽しみがあります。

 実際に解けるかどうかは別として、自分が真剣に謎と向き合っているという感覚が味わえるハズ。個人的には、手帳や地図を参照して、それが意味する物を想像するタイプの謎解きが好みでした。

 こういったタイプの謎解きが多く用意されているのは、絵図は言語に関係なく理解できるからかもしれませんね。あと、地味に目的のページを探して手帳をめくる作業が楽しいです。(hororo)

『アンチャーテッド コレクション』
▲謎解き中は、ネイトや他のキャラクターがヒントになるようなことをつぶやくので、それも聞き逃さないように!

(C)2007-2015 Sony Computer Entertainment America LLC

データ

▼『アンチャーテッド コレクション(ダウンロード版)』
■メーカー:SCE
■対応機種:PS4
■ジャンル:アクションADV
■配信日:2015年10月8日
■価格:5,900円+税

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