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2015年11月16日(月)

問題作『暴れ松尾芭蕉』レビュー。鬼畜な設定と問答無用の暴れん坊っぷりがおもしろい

文:電撃オンライン

 NJFが配信しているiOS版/Android用アクションゲーム『暴れ松尾芭蕉』を紹介します。

『暴れ松尾芭蕉』

 このゲームは、俳句を詠み歩く松尾芭蕉を操作して、農民をしばく(!?)ゲームです。

 今回、有名な俳人の松尾芭蕉が農民をしばくという、あまりの文面のギャップやシュールさが気になってしまったので、プレイしてみました。

●ストーリー

曾良「先生、路銀がつきました」

芭蕉「なに? かなり多めに持ってきていただろう?」

曾良「先生がカゴとかに乗りまくったせいですよ。あれ高いんですよ。だいいち、後で紀行文書くんでしょう? どうすんですか?」

芭蕉「そのときは歩いたって書くよ」

曾良「そんなことしたらその歳で1日でえらい距離歩いたとか言われますよ」

芭蕉「大丈夫大丈夫。誰も計算しないって」

曾良「どうですかねえ。のちの世で忍者扱いされなきゃいいですけど。まあそれより今どうするかですね」

芭蕉「金本当に無いの?」

曾良「無いです」

芭蕉「うーん。あ、じゃあ俺俳句詠むからそれで通行人から金もらおう。ほら、ストリートミュージシャンみたいでかっこいいんじゃん?」

曾良「そんなんで金はらうやついますかね?」

芭蕉「払わなかったらしばく」

曾良「追いはぎじゃないですか」

芭蕉「いや、俳句詠んでるから。対価だから。少なくとも押し売りぐらい」

曾良「どっちにしろだめじゃん。それに殿様がお忍びできてたりしたらどうするんですか」

芭蕉「それはよけるから」

曾良「もう勝手にしてください」


 勝手にしました。

 なんかもう、このストーリーを読んだ時点で好き嫌いがハッキリと分かれますよね。自分は興味を持っちゃいました。

シンプルな操作とルールで気軽にプレイ

 さっそく、操作方法から紹介していきます。操作は、タップしてジャンプ、左右にスマホを傾けると、その方向に芭蕉が移動します。ジャンプ中にタップすると、一度だけ空中でジャンプすることもできます。

『暴れ松尾芭蕉』
▲説明の時点でこの違和感。やってること、追いはぎと変わらないじゃないですか!

 ルールは、ひたすら農民をしばいていき、ときどきやってくる殿様にふれるとゲームオーバーというシンプルなものです。農民をしばく際も特殊な操作は必要なく、農民にふれれば勝手に芭蕉がしばいてくれます。

『暴れ松尾芭蕉』
▲芭蕉が勝手にやってくれます。それはもう気持ちいいくらいに殴り飛ばします。

 操作もルールもシンプルなアクションゲームで、スマホを傾けて移動するシステムは実際に農民に突撃したり殿様をよけてる感じがするので、プレイしていて楽しいです。

 しかし、“松尾芭蕉”の一言だけで与えられる違和感が凄まじく、アプリを起動させるたびに面食らうこと請け合いです。

シュールな世界観と、なんだかクセになる妙なゲーム性

 ゲームを始めると、次々と登場する農民を芭蕉がガンガンしばいていきます。見ていて爽快なくらいに農民を殴り飛ばしていきます。

『暴れ松尾芭蕉』
▲無双とかそんな言葉が出てきそうな感じです。

 しばらくすると、農民にまじって殿様が登場します。大きいサイズ(!?)の殿様も出てきたりして、意外と避けづらいです。

『暴れ松尾芭蕉』
▲避けづらいとかの問題じゃない気もしますが、このころにはもう感覚がマヒしてきます。

 また、ハイスコアを登録することができるので、他の人とスコアを競うこともできます。

『暴れ松尾芭蕉』
▲ちゃんと農民から奪った路銀は表示されます。意外にもスコアを伸ばそうとすると難しいです。

 ちなみに、ゲーム中は背景に芭蕉の読んだ俳句が表示されます。すべて本物なので、シュールな世界観を一層引き立てます。

『暴れ松尾芭蕉』
▲芭蕉のおかげでそうは見えませんが本物です。

 学校で習った松尾芭蕉のイメージとはかけ離れた世界観や、シンプルなのに爽快感があって楽しく、ついついプレイしたくなってしまうゲームでした。

 松尾芭蕉には忍者説などもあるので、これも新説の1つなのでは……。ということで、熱心な松尾芭蕉のファンの方なんかは怒りそうですが一応本物の俳句も見られますし、何よりおもしろいのでオススメです。

 “旅に病んで 夢は枯野を かけ廻る”と晩年に旅へのやまない思いを芭蕉は詠んでいましたが、こんな形で再び旅にでるとは本人も驚きでしょう。

(C) futon Ninjya

データ

▼『暴れ松尾芭蕉』
■メーカー:NJF
■対応機種:iOS
■ジャンル:ETC
■配信日:2015年10月23日
■価格:無料
▼『暴れ松尾芭蕉』
■メーカー:NJF
■対応機種:Android
■ジャンル:ETC
■配信日:2015年9月30日
■価格:無料

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