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2015-11-27 14:00

甲斐田ゆきさんの初めて尽くしな体験がいっぱい! 『ラクリモサ Vol.7 色欲の章 クロエ』インタビュー完全版!!

文:ガルスタオンライン

 国を救うも王に裏切られ、封じられた七翼の騎士と、何も知らずに育った王の娘との物語を描く、CDシリーズ『ラクリモサ』。色欲の大罪を受けたクロエを演じる甲斐田 ゆきさんに直撃取材! 電撃Girl’sStyle11月号に掲載しきれなかった部分を含めた、完全版をお届けする!

『ラクリモサ Vol.7 色欲の章 クロエ』甲斐田ゆきさんインタビュー

『ラクリモサ Vol.7 色欲の章 クロエ』甲斐田ゆきさんインタビュー

――収録の感想をお願いいたします。

 一言でいうと、おもしろかったです! 初めての体験が多かったので、不安や心配、また若干の悔しさもあるのですが、とても楽しく収録させていただきました。

――どんな初めての体験がありましたか?

 まずは、ダミーヘッドマイクです。男性声優さんは使用する機会が多いのかと思うのですが、女性声優ではなかなか体験する機会が少ないんじゃないかな? 私も今回が初めてで心配だったので、本作の収録に向けてダミーヘッドマイク経験者である方に何人か取材したんですよ(笑)。

 「ラクリモサ」のキャストですと、鳥くん(鳥海浩輔さん)にお会いしたので教えてもらいました。そしたら、普段のマイクから少し方向が広がることと、とにかくノイズを拾うから音の立たない服を着ることとアドバイスをいただいたんです。基本的に声優業の方々は、アニメのアフレコなどですとマイク前まで立って動いたりしますから、やわらかいものを着ていることが多いのですが、ダミーヘッドマイクは少しの音でも全部拾ってしまうようなんですよ。

――性能がいいぶん、気をつけなければいけないことも多いんですね。

 はい。なので、今日はノイズが出ないことにこだわった服装になりました。それ以外については、みなさん「大丈夫だよ~!」って軽くおっしゃっていたのですが(笑)、説明を聞いても実際に自分で1ページでも2ページでも試してみないとわからなかったので、もう不安で。でも、現場のスタッフのみなさんがダミーヘッドマイクワークに長けた方々ばかりでしたので、むしろこういう録り方ができるんだ、こういう聴こえ方をするんだというおもしろさがありましたね。

――本作はダミーヘッドマイクで2枚組というボリュームですから、大変ですよね。

 一人語りでまるまる2枚組ということにも想像がついていなかったので、シナリオがくるまでドキドキしていました。でも、一演者としてやりがいがありますね。それぞれの作品で、それぞれのキャラクターが、それぞれの人生を背負っていますが、人とのかけあいのなかで、こういう裏設定があって、だからこう振る舞ってしまうという部分部分を演じる役がほとんどだと思うんですね。なので、本作のように自分のドラマ全開で2枚できるというのは貴重に感じました。

 じつは、恥ずかしながら「シチュエーションCD」というものを今まで知らなかったんですよ。本作のオファーをいただいたときに、キャスティングされているスタッフの方にシチュエーションCDについて聞いたら、ドラマCDのようなものだと説明を受けたので「はい、よろこんでー!」と出演を決めたんです。それが出演告知の前のことだったのですが、告知されたら私トレンド入りしてしまって……。

――そうなんです! すごかったんですよ! 急上昇ワードにもなっていました。

 ありがとうございます。とある声優さんから「トレンド入りしてるよ」と連絡が来て初めて知ったのですが、私はいったい何をしてしまったんだと思って……。そしたら「ラクリモサ」の出演告知だと聞いて、そのときに大変なことをしてしまったと思いました。それだけユーザーのみなさんが新シリーズを楽しみに待っていらっしゃる注目のコンテンツであるというのが、すごく光栄であるのと同時に、責任を感じましたね。もう、あのときは本当に正直に言って、超ビビリました(笑)。

 また、初めて尽くしのもう1つはメリーバッドエンドという言葉です。私はその言葉を知らなくて、どういう意味なんだろうと思って、告知のあとにネットで調べたんですよ。いろいろなことを告知のあとにしています。どれだけ、私が告知のあとにあわてたかという証拠ですね(笑)。メリーバッドエンドという言葉の意味を知ったときとは、バッドエンドのかたちや、物語の幕切れについて少し考えさせられましたね。

――甲斐田さんご自身は、どんなエンディングが好きというのはありますか?

 とくに、ないですね。わかりやすいエンタメ映画を見るならハッピーエンドがいいなとは思いますが、作品の好き嫌いとエンディングのかたちはそんなに一致しないです。

――メリーバッドエンドをテーマに描く本作ですが、シナリオはいかがでしたか?

 色欲の章というサブタイトルにもびっくりしたので(笑)、シナリオがくるまでドキドキしていたのですが、内容を拝見したときは、これはがんばりがいがあるなと思いました。クロエの人生や、どうして主人公とそうなったのかなど、キャラクターのバッググラウンドを1人語りでどう表現するんだろうと思っていたんですね。なので、シナリオを読んでこういう手法なんだとわかったし、やりがいを感じました。

 また、本編はかなりシリアスで、なかなかの重さになっておりますが、特典では優しくあたたかい物語になっています。異なる魅力を楽しんでいただきたいです。

――クロエと主人公は女性同士になるわけですが、友情が描かれていくのでしょうか? それとも、友情を超えた何かが描かれるのでしょうか?

 この解釈は人それぞれかもしれませんが、私には傷ついた魂が触れ合う感じがしました。お互いにというよりは、クロエが救われていたように思えます。彼女は自分の傷を自分でさらに傷つける部分があるのですが、最後には癒されているような気がしましたね。

――どんなシーンに注目していただきたいですか?

 ラストですね。先ほど、物語の幕切れについて考えさせられた部分があるとお話ししましたが、本作の幕切れは、私が想像していた幕切れとスタッフ陣が協議した幕切れでいろいろ投票があったようなんです。結果、私が思っていたバージョンではないラストになっています。最後のセリフのちょっとしたニュアンスの違いで、かなり印象が変わるんですよ。みなさんがそのセリフを聞いてどんな思いを抱くのか、私も楽しみです。

――クロエはどんな人物なのでしょうか?

 クロエは、悲しい人ですね。彼女には持って生まれてしまった宿命のようなものがありますので、その宿命の悲しさもあれば、生きているなかで傷ついてしまったこともたくさんあるんです。なので、クロエが悪いわけではないんですよね。穢れたから悪い人かというと、人ってそんな善悪だけではないし、悪くなってしまったまでの過程があるわけじゃないですか。そういう傷ついて穢れてしまった人に対する愛情を、物語から感じました。

――クロエはセクシーで妖艶なイメージがあるのですが、そのあたりはいかがですか?

 セクシーはセクシーですが、妖艶ではないですね。もちろん色気のある方だとは思いますが、クロエはいわゆる女性の妖艶さに対して嫌悪感があるんです。どちらかというと、傷ついて潔癖になっていると思います。でも、そんな姿が、結果的に彼女の色気になってしまっている部分があるのかもしれません。

――自分が女性であるということは、受け入れているのでしょうか?

 恐らく、認めたくないんだと思います。女である自分に対する嫌悪感もきっとあるし、女に生まれてしまった自分の運命を呪っているところもあると思います。先天的にも後天的にも、クロエは女であることにあまりよろこびを見出してはいないように感じました。

――女性である主人公に、クロエがきつくあたってしまうことはありましたか?

 そういう部分もあったとはと思います。でも、女性である主人公が嫌いだから、つらくあたってしまうということではないんです。主人公の存在は、クロエにとって絶対的なコンプレックスなんですよ。自分の忌み嫌う女性でありながら、女性であることのすばらしさを主人公から見せつけられている感じがあるんです。あこがれもあるからこそ、余計に主人公の存在がクロエのコンプレックスを刺激してしまうんですよ。

――なるほど。お姫様といったら、女性のあこがれの象徴みたいなものですからね。

 そうなんです。なので、クロエは自分のなかに生まれる愛憎を、どうしたらいいかわからなかったと思います。また、主人公に対しては、女性である自分に対する嫌悪感を取り払わなければ愛せない対象だったんじゃないかな。でも、その主人公に、クロエは自分の存在を自分で認める手助けをしてもらったことで、魂が少し救われたように感じました。

――七翼の騎士たちのような不死身な体には、あこがれますか?

 あこがれます。自分が出会う人も、自分も、自分が飼うペットも、みんな不死身がいいな。不老じゃなくてもいいけれど、不死でもいいじゃないって思っちゃう(笑)。とにかく、ペットは不死がいい!(笑) ただ、その場合自分も不死ではないとペットを残すことになってしまうから、ペットを不死にしたからには、その責任上、自分も不死にならないといけないでしょ。そうすると、自分の周りの人がみんないなくなって1人になるのもさびしいので、出会った人がみんな不死だったらなという…まあ、不死じゃないから生命な訳ですが。

――読者へのメッセージをお願いいたします。

 みなさま、初めまして。『ラクリモサ』シリーズに参加させていただくことになり緊張しましたが、クロエが愛おしく、ドラマも素晴らしかったので、収録はとても楽しくさせていただきました。あとは、本作を聴いてくださったみなさまにどう届くのかなというところが、やっぱり一番気になる部分になります。いろいろもどかしいところ、足りないところもあるかもしれませんが、それを含めて、リアクションとして、ぜひ声を届けていただけたらうれしいです。ダメ出しでも構いません。また、このような機会があれば、次回作に反映したいと思いますので、みなさまの感想を聞かせてください。お待ちしています!

データ

▼「ラクリモサ-七つの罪(あい)-」 Vol.7 色欲の章 クロエ CV.甲斐田ゆき
■メーカー:Rejet
■発売日:2015年10月28日
■希望小売価格:2,000+税
 
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