『食戟のソーマ 友情と絆の一皿』レビュー。オリジナルストーリーで創真やえりなたちが非常によく喋る！

文：コール

　フリューより12月17日に発売された3DS用ソフト『食戟のソーマ 友情と絆の一皿』。TVアニメをベースにオリジナルストーリーが語られる本作のレビューをお届けします。

　本作は、TVアニメ『食戟のソーマ』を題材にしたアドベンチャーゲームです。このアニメの主人公・幸平創真は、普段はのほほんとしてマイペース。しかし料理の腕は超一流。驚きの発想と確かな腕で絶品料理を作り出す。プレイヤーはこの創真になって、ヨーロッパで行われる9日間の“海外研修”に挑むことになります。本作の概要については12月17日に掲載したまとめ記事をご参照ください。

▲間違いなく地獄の研修になるはずなのに、創真はこの余裕っぷり。アニメにもあった宿泊研修のバス内のシーンを彷彿とさせますね。

▲この合宿を任されているのは、学園OBの四宮小次郎。パリに“SHINO’S”という自らの店を持ち、オーナーシェフをしている。アニメの合宿の時同様、評価が低いと即退学という恐ろしいルールも。

　アニメでは物語のほとんどが遠月学園で展開していたのですが、本作ではその学園を大きく飛び出し、ヨーロッパの孤島で繰り広げられます。メンバーが同じホテルに宿泊することになるので、アニメではあまり接点のなかったキャラたちがガンガン掛け合いをしたりと、オリジナルストーリーならではのシーンが随所に入ってきます。

▲郁魅とタクミが言い争うシーンも。珍しい光景ですが、もちろんこの後に弟のタクミに有無を言わさず引きずられていく、おなじみのシーンが待ってます（笑）。

能力アップはサクサク♪　調理もラクラク☆

　まずは物語の流れから紹介していきます。先ほども少し書きましたが、本作はヨーロッパの孤島を舞台に9日間の地獄の研修合宿に挑むことになります。この期間中に田所やえりなたちと会話をしたり料理勝負をしたりして、自分のパラメータをアップさせていきます。

　さらに3日おきに特別なトーナメントバトルが開催され、選ばれたライバルたちとの3本マッチがスタート。このトーナメントを勝ち抜いていく。というのが大まかな流れになります。

　こうしたパラメータアップのアドベンチャーモードは、基本的に好きな場所に移動するだけでOK。移動する場所によって上がるパラメータが異なり、さらにその場所にキャラがいるとボーナスが加わります。要するに好きなキャラがいる場所に行って、そのキャラとの会話を楽しむだけでドンドン強くなる。というわけなのです。

▲パラメータも大事ですが、やっぱりお気に入りのキャラがいたら会いに行きたくなっちゃいますよね。

　もちろん会話以外に、料理バトルを挑んでくるメンバーもいます。こうした模擬戦に勝利するとアップするパラメータが1.5倍になるので、バトルの経験を積むのも大事。

▲トーナメント本戦では負けが許されない料理バトルをするので、練習の意味も込めてバトルしておくのもアリ。もし負けてしまってもパラメータはちゃんと上がるのでご安心を。

　料理バトルには“切る”“加える”“煮る”“炙る”“混ぜる”の5種類があり、それぞれミニゲーム形式で調理していきます。とはいえ、ミニゲームはリズムゲームなどシンプルなものばかり。実際に調理の工程を追っていくなどの複雑なものはないので、料理ができない人でも問題ありません。

　また、工程ごとに影響を与えるパラメータがあり、対応した能力が高いほど高得点が出せるというわけです。

▲“切る”はリズムゲーム。右から流れてくるアルファベットに対応したボタンをリズムよく押していくもの。左にある円の中心でボタンを押せば高得点だ。

▲“加える”は左右に動くバーをタイミングよく止めて、鍋やフライパンに調味料を加えていく。中心の白い部分でバーを止めると得点が高い。

▲“煮る”はアルファベットに対応したボタンを押すと、カウントがスタート。提示されたタイムに近いタイミングでカウントを止めると高得点。

▲“炙る”は下画面をタッチした場所にバーナーを噴射。食材に火を当てて、ゲージが右端まで伸びきった瞬間に火を離すと得点が高い。

▲“混ぜる”は“！”マークが表示された鍋を選び、下画面をタッチして鍋をかき混ぜよう。マークが表示されてから混ぜ終わるのが早いほど、高得点をゲット。

　さて、『食戟のソーマ』の料理バトルといえば、実食で発生するさまざまなリアクションの数々！　アニメではキャラの服がはだけまくっていましたが、このリアクション、もちろんゲームでもしっかり取ってくれます！

　ただし、このご褒美（リアクション）を見るためには、調理で高得点を出さなくてはなりません。そんなわけで、ミニゲーム自体はシンプルなのですが、ご褒美をいただくためには一瞬の気のゆるみも許されない、ガチなバトルになるわけなのです。

▲こちらは極星寮の1人、榊涼子のリアクション。はだけっぷりが少ないとは思いますがご安心を。リアクションは3段階に分かれており、圧勝すればするほどバリッといってくれます。ぜひとも3Dをオンにして見ていただきたい！

▲ゲームオリジナルの衣装を着た男性陣もはだけます。3Dは……ご自由にどうぞ。

ゲームならではのやり取りアリ。お約束の展開もアリ

　アドベンチャーパートでは会いに行ったキャラとの会話が発生し、好感度が上がります。この会話の中では、アニメではあまり掛け合いがなかったキャラ同士が喋るシーンが多々入ってきます。それらのオリジナルストーリーだからこそ見られるやり取りも見どころです。もちろん、アニメにもあった“お約束”の展開もあります。この絶妙なバランスのよさもポイントです。

▲アニメではアリスと一緒にいることが多かった黒木場が、ひょんなことから1人で吉野たちとオリジナルのカードゲームで勝負することに。見た目に反してノリノリでデュエルする黒木場が新鮮。

▲“体力のない丸井が倒れる”→吉野「丸井がいったー！」→創真「丸井がいない！」→丸井「いるよ、足元に」の黄金コンボもしっかりあります。

▲個人的に一番衝撃が大きかった1シーン。お気づきですか？　一色先輩が服を着ていることに。ふんどしにエプロンじゃないんです!!　まあ、ホテルに戻るとすぐに脱ぐんですけどね。

　好感度を上げていくと、各キャラの専用ストーリーに展開していきます。繰り返しになりますが、アニメではあまり見られない姿を見ることができるのがポイント。ということで、ここからはボクの推しメン“水戸郁魅”こと“肉魅”のキャラシナリオ成分多めで紹介していきたいと思います。

　“ミートマスター”の異名をとる郁魅は、幻の肉“神の扉”を求めて街を駆けずり回ります。そこで創真とバッタリ遭遇し、興味を持った創真も幻の肉探しに協力することに。

　これだけ聞くとラブコメ展開確実なのですが、そこは鈍感な創真とツンデレな郁魅の2人。そうはうまくいかないのです。アニメでも創真のことが気になっているシーンはあったのですが、ゲームではそこから一歩踏み込んで、2人きりで行動することに。

　しかし、これをアリスに見つかってしまったからさあ大変！　「2人は付き合っている」なんて噂をバラまかれて……。このときの郁魅の慌てふためきっぷりがなんとも……！

▲郁魅は創真と2人で出かけることに大興奮。2人で歩けるだけでこのテンションの上がりっぷりがなんとも初々しい。

▲高級レストランで食事中、制服にソースをこぼされた郁魅は替えの服に着替えることに。普段とは違う綺麗なドレス姿に、恵たちは大絶賛！　だけど、肝心の創真は……。

　もちろん、極星メンバーの意外な一面も見られます。

▲どんな時もクールな伊武崎に、恵と吉野が漫才を見せることに。漫才を見終えると、2人に対して熱く的確な指示を出す伊武崎。意外とお笑い好きだったことが判明。

▲クマの着ぐるみで子供たちの気を引く吉野。どうやら以前ジビエのため、動物の気持ちを理解するのに使ったものらしい。ということは、クマを飼っていたということなのだろうか……？

　アニメ単体でも十分に満足のいくものでしたが、本作はその設定をそのまま生かした上に、キャラの魅力がより引き出されています。また、プレイヤーが創真となることで『食戟のソーマ』の世界の中に入って、個性豊かなメンバーとのやり取りを、もっと身近に感じられる作品です。アニメの時と同じ声優さんが熱演しているので、ファンや興味を持った方にはぜひプレイしてもらいたいです！

(C)附田祐斗・佐伯俊／集英社・遠月学園動画研究会　(C)FURYU Corporation.

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関連サイト

• 『食戟のソーマ 友情と絆の一皿』公式サイト