2016年1月18日(月)

レベッカが驚くのには理由がある!? 『バイオハザード0 HDリマスター』小清水亜美さんへのインタビューを掲載

文:kbj

 カプコンが1月21日に発売するPS4/PS3/Xbox One/Xbox 360/PC用ソフト『バイオハザード0 HDリマスター』。本作にて、レベッカ・チェンバースを演じる声優・小清水亜美さんへのインタビューを掲載する。

『バイオハザード0 HDリマスター』

 本作は、2002年に同社からゲームキューブ用ソフトとして発売された『バイオハザード0』を、HDリマスターしたもの。『バイオハザード』で舞台となった“洋館事件”の直前が描かれている。主人公はS.T.A.R.S.の新人であるレベッカ・チェンバースと、死刑判決を受けて移送中の元海兵隊少尉のビリー・コーエンだ。

 レベッカを演じた小清水さんには、アフレコ時のエピソードや演じたキャラについて質問。シリーズをプレイしているという小清水さんの口からは、『バイオハザード』シリーズについての思いや、キャラを演じる際に心がけたことなどが語られたので、ぜひご覧いただきたい。

『バイオハザード0 HDリマスター』

⇒ビリー役・小西さんへのインタビューはコチラ!

――『バイオハザード HDリマスター』に続いてのレベッカ役になります。そもそもキャスティングが決まる前から『バイオハザード』はご存じでしたか?

『バイオハザード0 HDリマスター』

 もちろん知っていました! もともとシリーズが好きで遊ばさせていただいていたので、レベッカ役をいただけた際には、驚きとうれしさがありました。家で彼女の表情を映像で見ていた時に「これは半分趣味の仕事だな」と思うほど、楽しみながらチェックしていました。

 もちろん収録が始まったら芝居に集中するのですが、それでも楽しい現場でしたね。

――ちなみに、どの作品がお好きなのでしょうか?

 難しいですね……最近のゲームシステムになってからですと、『バイオハザード5』ですね。自由度が高かったことと遊ぶ要素が多かったことの他に、インターネットにつなげていろいろな人と遊べることが自分の中で画期的だったということもあります。あとはシェバがすごく心強かったのも外せません。

 他にもプレイヤー同士で競える、“VERSUS”や“SURVIVORS”も好きだったので印象的です。敵がゾンビではなくなり、強くなっている中で、すごく楽しく遊ばせていただきました。

――好きなキャラだと誰になるのでしょうか?

 シリーズの初期の作品なんですが、少しずつゾンビになってしまう警察官がいたんですが……。

――『2』のマービンでしょうか?

 ああ、マービンさんだったかもしれません! 彼が記したファイルからもその時の恐怖が伝わってきて……好きって言っていいのかわからないのですが、衝撃的でした(笑)。

 『バイオ』シリーズと言われて思い出すものの1つにあのシーンがありますね。本当にウィルスがあったらこうなるのかなと想像させてくれるような、リアルさがあるシーンでした。

 好きなキャラはたくさんいるんですが、『4』の時の大統領の娘・アシュリーも好きなキャラの1人ですね。

――どういったところが好きだと思うポイントでしたか?

 連れ去られ方が印象的なんです。こっちがクリーチャーを相手にしていたら、むこうから「助けてー!」って言われて、「いや、助けてじゃねぇよ! こっちも必死だよ!!」みたいな(笑)。そんなやりとりも含めて、ゲームの楽しさが増したので好きでしたね。

――なるほど(笑)。今回演じられたレベッカについて、簡単にご説明いただけますか?

『バイオハザード0 HDリマスター』

 レベッカは特殊部隊“S.T.A.R.S.”の新米なんですが、私の印象だと戦いよりも理系で薬の調合をしているような実験が得意な女の子です。

 責任感が強くて、時には背伸びをして強がるんですが、『1』だと腰を抜かしてしまうようなカワイらしさもありました。『バイオハザード0』では、大きな任務に臨むに際して気合いが入っているのを感じました。

 あとはちょっと不器用なところもありますね。『1』だけでなく『0』のイベントでもあるのですが、ピアノが下手なんですよ。ピアノの演奏がうまくいかないシーンは、英語版ではセリフがなかったのですが、ちょっと感情的になるようなセリフを入れさせていただきました。

――今、ご説明にあったようにアドリブを入れられたところは他にもあるのでしょうか?

 英語の音声はそこまでリアクションが入っていなかったのですが、本作ではところどころで、息づきやドアを開ける時の吐息などを入れさせていただきました。最終的にどこまでが採用されるかはわからないのですが、ちょっと表情をつけさせていただきました。

――『バイオハザード HDリマスター』と今回の収録で、小清水さんが意識して変えたことはありますか?

 本作でゾンビとの初めて対面するので、表情や反応は彼女にとって重要な部分。そこは特に気を付けました。『バイオハザード』の時に比べると、余裕がないシーンが多いんですよね。そのため、彼女の頑張っている様子、空気感を重視しました。

――驚きのシーンが多かったとお聞きしました。

『バイオハザード0 HDリマスター』

 プレイヤーが驚くことや感じることを、レベッカが代わりにやってくれるんですね。そのシンクロはあると思ったので、弱腰になりすぎない程度で少し大きめにリアクションすることを考えました。

 台本上も、息や驚き、悲鳴は多かったので、そのシーンごとでどんな悲鳴にするか、前後のシーンやその時の状況を考えながら収録させていただきましたので、チェックしてください。

――演じるにあたって、ゲーム開発者からお願いや指示はありましたか?

 『0』ではビリーの存在がキーになっています。私がレベッカを演じた時に、彼に心を許すのが早すぎたようで、「もうちょっと距離感をとって、強気でいてください」と指摘がありました。

 あとは、ゲームの冒頭部分で何が起きていたのかが記された指示書を読む際に「もうちょっと不安さを入れてほしい」という指示をいただきました。

――そのビリーについては、どのような印象を受けました?

『バイオハザード0 HDリマスター』

 すごく頼りがいがありますね。困った時になんだかんだ言ってかけつけてくれるイイ男という印象です。ちょっとワケありな環境の持ち主ではあるのですが、プレイを進めていくに従ってカッコよさを感じていくのではないでしょうか?

 最近では珍しい、男らしさを持っている人だと思います。

――演じた中で印象的だった場面は?

『バイオハザード0 HDリマスター』 『バイオハザード0 HDリマスター』

 ムカデのようなクリーチャー、センチュリオンとのバトルが印象的ですね。レベッカがクリーチャーにホールドされているため、ビリーに攻撃してもらわないと助からないシーン。本当にビリーがカッコいいなあと。たぶん、ここらへんでレベッカ同様に私も、ビリーに対して心を開いていったのだと思います。

 あとは、ラストバトルのシーンです。博士が“あること”をするのが自分の意思なのか、ウィルスの影響なのかわからず、チェックの時に5回くらい見ましたね。

――ラストのシーンは特にこだわって演じられたということですが……。

『バイオハザード0 HDリマスター』

 エンディングのちょっと笑ったシーンには、もともと声はなかったんですが、せっかく日本語版で出るということで軽く笑顔を追加させていただきました。英語版と日本語版、どちらでやってもらっても楽しめると思うのですが、少し印象が違うので両方プレイしていただきたいですね。

――もし、サバイバルを強いられるような状況におちいってしまった場合、どうされますか?

 実は私は以前に、「今、この街でバイオハザードが起きたらどう逃げよう」と想像することを趣味にしていたことがあります。大型スーパーの看板の下ならば「あの高いところに登ろう」や、道路標識の重い部分を外して武器を確保しようとか、総合ディスカウントストアに立てこもろうなどを妄想していました。

――かなりアクティブに行動されるんですね。

 でも日本の環境では生き残るのは難しいですよね。アメリカは銃社会で、火薬をつめて銃弾を作ることもできる。日本は銃がないからこそ安全なのですが、ここで大惨事が起きてしまったら、生き残るのは難しいのではないかと。

 私も頑張れるところまでは頑張りますが、ゾンビに食べられるのは嫌なので、どこかで諦めて自分から感染するか、シェルター的な場所に逃げるのか……アフレコスタジオはドアがかなり頑丈なので、立てこもるのにはいいと思いますね!

――頑張ってアフレコスタジオに逃げ込むと。

 生き残るために、現状で思いつくベストの方法がそれですね(笑)。でも、逃げ込んだ人同士で食糧争いとか起こりそうですよね……。

――ありそうですね。想像していた以上の解答、ありがとうございました。では最後に、読者にメッセージをお願いします。

『バイオハザード0 HDリマスター』

 今回も『バイオハザード』に引き続き、レベッカ役をやらせていただきました。自分が好きなシリーズだったこともあり、私の思うレベッカという色付けがあるかもしれませんが、それを含めて愛していただければ幸いです。

 あと、最近の『バイオハザード』はプレイしているが、以前のタイトルを遊んでいないという人にもぜひ遊んでいただきたいです。この世界のウィルスがどのようにしてできて、続いていくのかを知っていただけるチャンスだと思います。

――小清水さんがキャラを演じるから遊ぶという人もいると思うのですが……。

 少ないと思うのですが、もしそのような方がいらっしゃるのでしたら、臆せずプレイしていただきたいです。以前の『バイオハザード』は1人プレイ用のゲームなんですが、皆で集まってプレイしたら、一緒に楽しめるタイトル。ホラーゲームが苦手な方も、手にとっていただけるとうれしいです。

⇒ビリー役・小西さんへのインタビューはコチラ!

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