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2016年5月17日(火)

期待の新作アクションRPG『蒼空のリベラシオン』はゲーマーがやりたいゲームになる!?

文:信濃川あずき

 セガゲームスが5月19日に配信を予定しているiOS/Android用アプリ『蒼空のリベラシオン』。本作を手がける開発メンバーへのインタビューを掲載します。

『蒼空のリベラシオン』
『蒼空のリベラシオン』

 『蒼空のリベラシオン』は、帝国に侵略された王都を奪還すべく結成された“革命軍”を率いる主人公・ロランたちの冒険を描いた、2DアクションRPG。2つのボタンの組合せで多彩な技を発動できる“スキルセレクター”と、 敵を打ち上げ、攻撃を繋げていける“空中コンボ”システムが特徴です。

 プロモーションビデオが公開され、配信を待ち望む声が上がっている本作。そんな本作の開発者インタビューを決行。開発秘話や進捗情報、ゲームへのこだわりなど、まだ公開されていない情報が詰まったインタビューなのでぜひご覧ください。

 なお、インタビュー中は敬称略。

『蒼空のリベラシオン』
▲左からセガゲームスの五條隆将さん、プレイハートの福里済さん、プレイハートの福里隆さん。

五條隆将さん……セガゲームスのゲームディレクター。本作においては運営を担当。

福里済さん……プレイハートの開発プロデューサー。開発と運営間の調整などを担当。

福里隆さん……プレイハートの開発ディレクター。本作の企画立案者で、ゲームの中身を担当。

それは自由と解放を求めるストーリー

――『蒼空のリベラシオン』というタイトルに込められた意味を教えてください。

福里隆:重要なのは“リベラシオン”の部分です。このリベラシオンには、自由・解放という意味があります。帝国に滅ぼされた王国を奪還するという目的のために、主人公たちが立ち上がったという物語なので、自由・解放という意味を込めています。

 実はもうひとつ隠された設定があるのですが、それはまだ明かされておりません。タイトルロゴの下に書かれている英語は、その2つの意味を込めた造語なのですが、それをよく見ていただくと少しわかるかもしれませんね。

『蒼空のリベラシオン』
▲ホームページで紹介されている主要キャラクターで、釘宮理恵さんが声を担当しているリベラ。タイトルと彼女の名前が似ていますが、何か関係あるのでしょうか?

――いつごろから開発がスタートしているのでしょうか?

福里隆:もともと、セガさんにお話をする前からこの企画を作っていました。2014年の年末ごろにセガさんに持ち込んだところ、一緒にやりましょうというお話をいただき、2015年初めくらいから開発をスタートしました。発表までの開発期間はちょうど1年くらいですね。

――キャラクターが何人か紹介されていますが、彼らはストーリーを進めることで出会えるNPCですか?

『蒼空のリベラシオン』

福里隆:そうですね。ストーリーを進めていくと他のキャラクターたちに出会えます。もちろん、敵サイドのキャラクターとも出会いますよ。プロモーションビデオに出てきた黒い色のキャラクターは……だいたい敵です(笑)。

福里済:もう少し詳しく言いますと、公式ホームページで“帝国”として紹介されているキャラクターは、敵サイドになります。

福里隆:プレイヤーが一緒に戦えるのは主人公ロランの他、革命軍として紹介されているヴェロニカ、セシル、アルド、ノエルの4人です。他にも革命軍サイドとして紹介されているジェスラン、ピピといったキャラクターたちは、ストーリーにかかわる重要な人物です。

『蒼空のリベラシオン』
▲本作の主人公にして、革命軍のリーダーであるロラン。赤髪が似合う凜々しい彼の声は、白井悠介さんです。

――注目してほしいキャラクターや、制作チーム内での人気キャラクターはどの子ですか?

福里隆:社内でも人気キャラが分かれているので難しいところなのですが、個人的に大柄なアルドというキャラクターにこだわりがあります。設定ができた時からずっと、声優は大塚明夫さんにやってもらいたいと思っていたんです。ずっとラブコールを送って、お引き受けいただいて本当にうれしいです!

――アルドについて、どんなキャラクターなのか少しだけ教えてください。

福里隆:アルドは、元王国の騎士団長でしたが今は革命軍の中で、主人公ロランをサポートする役に徹しています。アルドは情に厚いキャラクターです。王国騎士団を率いてきた彼ですが、革命軍という、時に非情になる必要がある集団を率いるのは、自分では難しいと察します。それで、ロランとジェスランにリーダーの役職を譲ったという設定があります。

『蒼空のリベラシオン』
▲イチオシキャラクターのアルド。元騎士団長として、激戦をくぐり抜けてきた渋いキャラクターを大塚明夫さんが熱演します!

ゲーマーがやりたいゲームを作ったらこうなった!

――戦闘はアクションになっていますが、具体的にどのように操作するのでしょうか。

福里隆:スマートフォンを横持ちにしていただき、ゲームのコントローラで両手の親指で操作する感覚です。パズルゲームなどを普段プレイしている方は、両手でプレイすることに最初違和感があるかもしれませんけど、やってみると操作はかなり簡単にできるようになっています。

『蒼空のリベラシオン』
▲画面の左右に、タップするポイントのようなものが確認できます。コントローラのようにプレイするとのこと。

――指先ひとつでできるゲームが多い中で、あえてこのコンシューマライクな操作性にしたことには、何かこだわりがあるのでしょうか。

福里隆:僕がやりたかったんです!

福里済:それしかないよね(笑)。

福里隆:指先ひとつのゲームもやるのですが、あまり長続きしないんです。やっぱり家庭用ゲーム機にあるようなコアなゲームが好きなんです。

――いい意味でゲーマー的な発想なんですね。

福里隆:はい。ゲーマーの皆さんが楽しくプレイできるゲームになればいいと思います。

――アクションゲームが苦手な人でもプレイできますか?

『蒼空のリベラシオン』

福里隆:大丈夫です! 最初はかなり簡単になっていて、システムがあまりわからなくても十分遊べますし、楽しめます。アクションRPGですので、しっかりレベルを上げていただければ強くなっていくので、詰まった時の対策にもなります。

福里済:あとは職業ですね。回復などのサポート役であれば、あまり忙しくないので忙しい操作が苦手でしたら、そちらを選ばれるといいかと。

――バトルのシステムについては、セガゲームスサイドからはオーダーを出されたのでしょうか?

五條:アクション性に興味を持って遊んでくれたお客さんが、少しずつ本作の知識が得られて、それに従い操作が難しくなっていく階段の設計をお願いしました。冒頭の説明は詳しくわかりやすくなっていますし、現状は実現できていると思います。

――マルチプレイなど、他のプレイヤーとの交流要素でできることを教えてください。

福里隆:本作はいわゆるスマートフォンゲームのソーシャル感とはかなり変わっています。普通のスマホゲームですと、他のプレイヤーをゲストでパーティに入れてフレンド申請を出すので、よく知らない人とフレンドになるんです。

 でも本作はそうではなくて、どちらかというとMMORPGのようなイメージの作りです。昔ながらのPCのオンラインゲームのような形で、仲よくなった人とフレンドの相互承認をして初めて友だちになれる仕組みにしています。もちろん、そういった出会いが生みやすいようなマルチ設計になっていますね。

――交流要素にもこだわっているとお聞きしました。

福里隆:交流のところで言いますと、マルチのロビーがあるのですが、そこでは自由にキャラクターを動かせる他、豊富なエモーションやフリーのチャットで交流ができるようになっています。近くの人とわいわいプレイするのももちろん楽しめますが、知らない人と出会って共闘して仲よくなっていける形にしています。

福里済:チャットでは、今から行くところに対して、誰がどのジョブで行くのかなどを相談してから出撃できるんです。あらかじめ組んだパーティを選ぶというものではなく、出撃内容にあわせてその都度選ぶという感じですね。ジョブの変更はロビー内で簡単にできるので、都度変えてほしいです。

『蒼空のリベラシオン』
▲自由な会話が楽しめるフリーチャットはユーザーにとってうれしい要素。作戦だけでなく、仲よくなったら雑談をしてみるのも楽しそう!?

――レベルは各ジョブごとにあるのでしょうか?

福里隆:ジョブはキャラクターごとに決まっているので、ジョブを変えるイコール使用キャラクターを変えるというイメージですね。そのため、どのジョブでも使えるように、まんべんなく育てておいてほしいです。

――公式サイトにあった“敵をブレイク”と書いてありましたが、ブレイクとはどういう状態でしょうか? ご説明いただけますか。

福里隆:本作は、皆でコンボをつなげる気持ちよさを主軸に置いています。でもコンボができるということは、敵が行動不能状態になっているということで、ただコンボをつなげていくゲームにすると敵が何もできずに倒されるだけのものになってしまうんです。

 そのため、ボス戦においては“ブレイクゲージ”というものを設けて、これがあるあいだは攻撃を受けてもひるまずに攻撃をしてくるようにしました。完全にブレイクすると攻撃ヒット後に敵がひるむようになるので、そこから敵を打ち上げて落とさないようにコンボをつなげていくという感じですね。ボス戦はブレイク前とブレイク後でバトルの感覚がだいぶ変わってきますよ。

『蒼空のリベラシオン』
▲敵をブレイクできたらチャンス! 打ち上げた敵が落ちる前に、攻撃をどんどん叩き込んでいきましょう。

――コンボ中のボスを浮かせるとそのまま攻撃を維持できるのでしょうか? それとも、どこかでブレイクゲージは回復してしまうのでしょうか?

福里隆:僕自身もともと格闘ゲームが好きで、格闘ゲームライクな制限のあるコンボ仕様にしています。浮いている敵を攻撃していくと、少しずつ重くなって、最終的には地面に落ちてしまうんですよ。

 その地面に落ちた状態で、ダウン時間がどれくらいあるのか補正によって決まっています。軽戦士はコンボがしやすい、重戦士は攻撃範囲が広いといったようにジョブごとに特徴があるので、それらをうまく使って戦っていくことになります。

――どんなスキルがあるのか、可能でしたら一部教えてください。

福里隆:バトルでは攻撃ボタン、必殺ボタン、特殊ボタンの3つを使って戦っていきます。特殊ボタンの内容は職業ごとに違っているんですね。例えば、軽戦士は敵の重力係数を無視して大きく打ち上げる、装甲士は自分の周りにドーム型のバリアを張って、中にいる味方への攻撃を減少させるといったものですね。

――いろいろな職業を使うのが戦いを有利にするのですね。単独でプレイするのは少し難しいのでしょうか。

福里隆:ストーリーモードはソロ専用なので、がっつり遊べます。マルチは皆で一緒に戦うことを推奨しているので、ソロでクリアしようと思うと、プレイヤースキルかキャラクターレベルのどちらかが必要になってくると思いますね。

――お三方にお聞きしますが、各職業の中で「これを使っていて気持ちいいな」、「自分に合うな」と思われるものはどれでしょう。

五條:僕は生粋のヒーラーなので、クレリックをずっと使っています。

福里済:生粋なんですか。

五條:はい(笑)。だいたいどのゲームでもヒーラーですね。ヒールしている時の“役に立っている”感は本作でもいかんなく発揮されていると思います。バックアップが好きな人はヒーラーで活躍していただきたいですね。

『蒼空のリベラシオン』
『蒼空のリベラシオン』
▲回復ができるキャラクターは、必ず重宝するはずです。一緒に出かけるメンバーの中にひとりは欲しいですよね。

福里済:最近は重戦士が使っていて楽しいですね。必殺ボタンの内容は、その前に攻撃ボタンをどれだけ押したのかで変わるのですが、キャラクターの中には必殺ボタンを押しっぱなしにする溜め攻撃があるんです。タイミングを計って大ダメージを出すというのが、ひとりでプレイしていても気持ちいいんですよ。

『蒼空のリベラシオン』
▲重戦士は、その見た目からもダメージソースとして重要であることがわかります。溜め攻撃が決まった瞬間が気持ちよさそうです。

福里隆:最初は軽戦士が扱いやすくて楽しかったのですが、テクニカルなものが好きなこともあって、今は遊撃士のアーチャーにハマっています。アーチャーの特殊ボタンは、画面にカーソルが出るようになり、その方向に矢を撃てるようになるんですよ。好きな場所に撃てるので、コンボ中の浮いている敵を狙って何回もひたすら攻撃を当て続けてコンボ数を増やすのが楽しいです。

 他にも、ボスに設定されている弱点を狙うことも可能。テクニックを必要とするのですが、うまく決まるとすごくダメージが出て気持ちいいですね。

『蒼空のリベラシオン』
『蒼空のリベラシオン』
▲後列からも敵を狙えるアーチャー。本作ではコンボが重要ですので、手数で仲間に貢献する戦い方も楽しそうです。

――アーチャーはアタッカーになるのでしょうか。

福里隆:そうですね。体力が低くて足も遅いのですが、攻撃力は抜群に高くて特定の部位を狙えるので大ダメージを与えやすく、ブレイクゲージを削りやすいキャラクターです。

――コンシューマのようなボタン操作を実現したとのことですが、完成までの苦労話などがあれば教えてください。

福里隆:今回、セガさんと一緒にやらせていただいていまして、弊社が開発、セガさんが運営を担当しているのですが、アクションゲームは数値や文字で伝えづらいんです。そこを文章化して、セガさんにしっかり伝えられるかというのが大変なところですね。

『蒼空のリベラシオン』

福里済:僕はバトル中の画面ですね。もともと試作版をセガさんにお見せした時に、ごちゃごちゃしていたんです。攻撃していくと必殺技の内容が変わる、クールダウンがあるというのがわかりにくいという指摘がありました。そこをどう見やすくするのか、苦労しましたね。

福里隆:今はスキルセレクターという形で、プレイしていくと操作方法がわかっていけるものに仕上がったと思います。

五條:僕自身ずっとPCのオンラインRPGを運営していたのですが、アクションゲームは初めて扱います。アクションゲームの深さ、おもしろさをどうやって伝えていこうかというのは今でもひとつの課題になっていますね。

 ユーザーさんの中には、プレイしていて無理だなと思われる方もいると思うんです。そういった方に運営は何をしてあげられるのか。ヒントを出してあげるのか、他のところで褒めてあげられる要素を作るのか。今はそれらをにらんで、リリース後のアップデートで何をすべきなのか、自分の中で悩んでいます。

秘められた物語、キャラクターの情報も!

――まだキャラクターの詳細が伏せられていますが、可能でしたらストーリーの触りだけでも教えてください。

福里隆:ストーリー上で登場する三人組がいるのですが、序盤、中盤でとてもインパクトがあるかたちで登場します。そこはぜひプレイして見ていただきたいですね。まだ帝国側のキャラクターはお見せできていないのですが、キースという黒い騎士がロランとはいい感じにライバルになっていくといいなと思っています。

――主題歌『OVERNIGHT REVOLUTION』を最初に聴かれた時に、どう感じましたか。

五條:リクエストした中で期待通りのものに仕上がっていました。みんなで協力して立ち向かっていくという雰囲気が出ていましたね。

福里済: 今回はライトなRPGをコンセプトに取り組んでいたので、ライトなさわやかな感じは出ていたと思います。僕の大好きな『仮面ライダー』シリーズの歌詞を書かれている藤林聖子さんにお願いできたので、個人的にはうれしかったですね。

『蒼空のリベラシオン』
▲主題歌を歌うのは、アニメやゲームの主題歌でおなじみの“AKINO with bless4”。

――では最後に、本作を楽しみにしているユーザー、記事を読んでいる読者にメッセージをお願いします。

『蒼空のリベラシオン』

五條:本作はアクションゲームで、スマホではあまり見なかったようなスピード感と操作性があります。触ってみるとそんなに難しくないので、ぜひ怖がらずに遊んでいただければと思います。

福里済:あと、BGMがかなりカッコいいです。特にヴァイオリンの部分は、先日発表しましたが、バイオニリストのAyasaさんに弾いていただいているので、そこはぜひ聴いていただきたいですね。さらに、今回Ayasaさんとのコラボキャラも配信開始時に全員にプレゼントさせていただきます。

 ストーリーキャラクターの組み合わせで戦闘後のセリフが変わるといった、音を出しておかないとわからない小ネタがあったりします。ぜひプレイ時は音をONにしてください。

『蒼空のリベラシオン』
▲Ayasa(声優:M・A・O)

福里隆:2Dのアクションゲームを待ち望んでいる方には、これだと感じていただけるようなドンピシャなゲームを作ったと思っています。ゲーマーの皆さんを必ず満足させるので、期待してください!

(C)SEGA

データ

▼『蒼空のリベラシオン』
■メーカー:セガゲームス
■対応端末:iOS
■ジャンル:アクションRPG
■配信日:2016年5月19日
■価格:基本無料/アイテム課金
▼『蒼空のリベラシオン』
■メーカー:セガゲームス
■対応端末:Android
■ジャンル:アクションRPG
■配信日:2016年5月19日
■価格:基本無料/アイテム課金

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