2016年4月24日(日)
『グリムノーツ』シナリオ集“メイドキャット・リポート”。ミーアやホワイティが活躍
スクウェア・エニックスのiOS/Android用アプリ『グリムノーツ』のキャラクターイベント“メイドキャット・リポート”のセリフ集を掲載します。
このキャラクターイベントの開催期間は終了しており、すでにゲーム内では見られませんが、この記事ではそのストーリーを読むことができます。
『グリムノーツ』は、世界中のさまざまな童話を題材にした“新解釈”RPGです。与えられた運命を演じることを定められた世界で、演じる役割を与えられなかった主人公たち。
彼らが“役割を演じる”ことと“役割を与えられない”ということに対して立ち向かう、RPGの意味を問いかけるゲームとなっています。
“メイドキャット・リポート”は4月18日14:59まで開催されていたキャラクターイベントで、ミーア、ホワイティ、キャロル、ブルーの4匹のメイドキャットが登場して、冒険をサポートしてくれました。
◆ストーリー
森の奥深くにある魔法使いが住む大きなお屋敷。そこには4人のメイドキャット――ミーア、ホワイティ、キャロル、ブルーが住んでいました。
彼女たちはいつか来る“真のご主人さま”を待ちながら、魔法の修行のために屋敷を空けている魔法使いがいつでも帰ってこられるよう、メイド業に今日も勤しんでいました。
そんなある日、ミーアが通路にあった封印のツボを割ったことで屋敷じゅうに怪物が現れ、パニックに陥ってしまいます。
慌てる4人のメイドたちですが、そこへ主人公たちが助けに現れます……。
メイドキャットの災難
◆◆◆ソクラホルテの屋敷◆◆◆
ナレーション:―――むかし、むかし。森の奥にある大きなお屋敷、魔法使いソクラホルテの屋敷に、四人のメイドキャットが住んでおりました。
魔法修行のためにソクラホルテはいつもお出かけ中。だから彼女たちはいつでもご主人様が帰ってこれるよう、家事に炊事に大忙し。
そんな彼女たちの“運命の書”にはこう書かれています。いつかお屋敷に彼女たちの“真のご主人さま”が現れ、迎えに来ると。
きょうも四人のメイドキャットたちはいずれ来る“真のご主人さま”を待ちながら、メイド業に勤しむのでした―――
ホワイティ:はぁ、窓から差し込む陽射しが気持ちいい…お掃除も終わったし、お洗濯も終わったし、きょうはメイドさん業も店じまいで―――
(キャロルが登場する)
キャロル:だ、だめだよ、ホワイティ! まだお掃除終わってないし、お洗濯はこれからなんだから!
(キャロルの少し離れたところにブルーが登場する)
ブルー:…ったく、毎度毎度、騒がしい連中だ。あいつらはほっといて、さっさと仕事を終わらせて―――
(何かが割れる音)
キャロル:ヒッ!? な、なに、いまの音…!
ブルー:通路の奥…またミーアがなにかしたな…様子を見てこよう。ホワイティもとっとと起きろ。
ホワイティ:ふえ?
◆◆◆場面転換:ソクラホルテの屋敷◆◆◆
(通路にヴィランの軍勢が現れる)
ヴィラン:クルル、クルル…!
キャロル:あわわわ、な、なにあれ…!? お化けみたいなのがたくさん…! ミーア! またあなたなの!?
(ミーアが登場する)
ミーア:あ、みんなー! あのね、聞いて! アタシね、さっきね、廊下でひとり雑巾がけレースをしててね、最高記録を出したの!
けど、スピード出しすぎて、ツボを割っちゃってね、それでね、ツボの中から、あのお化けさんがブワ~~~って現れて!
キャロル:そ、そそそそれってソクラホルテさまが研究のために怪物を封じ込めてたっていう、封印のツボ!? どーしよ! どーしよ! 大変だよ!
ホワイティ:そうね、困ったわねぇ。こんなに汚されたら、またお掃除をやり直さなくちゃいけないわね。
ブルー:その前にこの化け物どもの掃除だろ。…もうちょい人手が欲しいとこだが。
???(主人公):大丈夫か、君たち!
(ヴィランが倒され、主人公、レイナ、タオ、シェインが登場する)
キャロル:ヒィ!!? こ、今度はなに!?
レイナ:この屋敷の主に頼まれて来た者よ! あなたたちを助けに来たわ!
いまは説明している時間がないの! こいつらの退治に手を貸してもらえるかしら!
ブルー:…わかった。さっさと終わらせるぞ。
ミーア:みんなで遊ぶの!? わーい! それじゃあ、アタシも張り切っちゃうよ!
◆◆◆バトル終了:ソクラホルテの屋敷◆◆◆
ナレーション:―――屋敷に現れた化け物たちの騒動は旅人たちの協力もあり、いったん収まります。
しかしいまだにすべての化け物たちを倒しきれたわけではありません。屋敷が安全になるまで、旅人たちは屋敷に滞在することとなります。
しかし四人のメイドたちは突然現れた旅人たちの滞在にそわそわとしていました。
あの旅人たちこそ、彼女たちを迎えにきた“真のご主人さま”ではないか。早速、メイドたちは旅人たちに内緒で、作戦会議を開始します―――
キャロル:ホントにあの人たち、わたしたちを迎えに来た、“真のご主人さま”なの……? ソクラホルテさまの知り合いだって言ってたけど。
ホワイティ:うーん、どうかしらねぇ。あのお化けたちも、またどこから現れるかわからないし、しばらく泊まってくれるのはありがたいけれども。
ミーア:でもでも、にぎやかになって楽しいよね! みんなでなにして遊ぼうかなー! ブルーはやりたい遊びある?
ブルー:…まずは連中の偵察だな。本当に主人の友人なのか。まずはそこから確認しないことには始まらないだろ。
ミーア:おー! つまりスパイごっこだね! アタシ、そういうの得意だよ!
キャロル:そう、だね。“真のご主人さま”かどうかわからないけれど、私たちにだって選ぶ権利はあるもん。あの人たちのこと、しっかり見極めなくちゃ…
シェイン:猫さんたち、こんなところでなにしてるんですか?
キャロル:うわわぁ!? な、なんでもない、なにもこそこそなんて話してない、話してないもん…!
ミーア:あのね! アタシたちね、これからみんなで旅人さんたちをスパイ―――
(ブルーがミーアとシェインの間に割って入る)
ブルー:…お客人。きょうは危ないところ、助けていただき感謝する。疲労回復に“すっぱい”ものなどはいかがかな?
シェイン:おお、甘いものでなく、すっぱいものですか。いいですね。どうせならシェイン、白米と梅干しを所望します。あのコラボはまじ最強です。
ブルー:ハクマイとウメボシ…? よくわからないが、わかった。ささ、まずは部屋まで案内しよう。
(ブルーとシェインが退場する)
キャロル:あの人たちの偵察、ほんとにうまくいくかなぁ。ミーア、旅人さんたちに私たちがしていること、絶対に話しちゃダメだよ? いい?
ミーア:りょーかい! 任せてよー!
キャロル:ほんとに大丈夫かな…あれ? そういえばホワイティ、さっきからずっと静かだけどいったいなにして―――
ホワイティ:ZZZZ…
キャロル:だから寝ちゃだめーーーーー!!
ミーア・リポート
◆◆◆ソクラホルテの屋敷◆◆◆
キャロル:ねぇ、ほんとにミーアひとりで行かせちゃって大丈夫だったかな? やっぱりみんなで行った方がよかったんじゃ…
ほら、こないだもミーア、ひとりでお屋敷抜けだして戻ってこなかったことがあるし…
ホワイティ:問題ないって。ミーアちゃん、とってもいい子だもの。きっとうまくやってくれるよぉ。ね、ブルーちゃんもそう思うでしょ?
ブルー:…さぁな。連中のことがなにかわかるなら、それでいい。いいから、片付けするぞ。
(ブルーが退場し、キャロルがホワイティのそばに寄る)
キャロル:ブルーさん、もしかして怒ってる? いっつも私たちのこと、睨んでるし。
ホワイティ:ううん、きっとミーアちゃんのことを心配してるだけだよぉ。ほんとはブルーちゃん、とっても優しいもの。だからきっと、だいじょーぶ。
◆◆◆屋敷周辺の森◆◆◆
ミーア:ねーねー! 旅人さんたちはなにして遊ぶの? この森ならアタシ、遊び場所たくさん知ってるよ!
主人公:ええと、ごめんね、ミーアちゃん。僕たち、遊んでいるんじゃなくて、あのお化けたちがこのあたりにいないか、調べているだけだから…
ミーア:えー、つまんないよー。じゃあさ、じゃあさ、旅のお話とかは!? おもしろい話、いーっぱい聞かせて!
レイナ:ふふ、可愛い子ね。わざわざ森を案内してくれるなんて親切な子じゃない。
タオ:…そうかぁ? なんだか猫ってワガママな感じで苦手なんだよなぁ。どちらかというと犬のほうが好きなんだが。
シェイン:シェインは断然猫派ですね。特に三毛猫さんは大好きです。犬はちょっと個人的にいろいろと因縁がありますから。
…それよりも姉御。あたりの様子はどうですか? なにかビビッときたりします?
レイナ:わからないわ。でも、あの魔法使いのいうことが本当なら、この屋敷にきっと―――
ミーア:ねーねー、なんの話、なんの話! アタシも仲間に入れてアターーーック!!
(ミーアがレイナに勢いよくぶつかる)
レイナ:グォフォッ!?
この…待ちなさい、バカ猫があ!!
ミーア:わーいわーい、鬼ごっこだぁ!
主人公:…これは偵察どころじゃないかもね。
タオ:ひとまず進もうぜ。魔法使いのおっさんにも頼まれてんだからよ…
◆◆◆バトル終了:ソクラホルテの屋敷◆◆◆
ナレーション:―――森の偵察を終えた《主人公》たちはお屋敷へ戻ってきます。
そしてメイドたちはふたたび作戦会議を開き、旅人たちに同行していたミーアから、一行に関する報告を聞くのでした―――
ミーア:《主人公》くんはとーっても優しかったよ。アタシのいうことたくさん聞いてくれたもん。でも、遊び相手としてはイマイチかな。
シェインちゃんはすごく面白い! けど、アタシと好きなものはいろいろ違うカンジ?
タオ兄ちゃんはね、うーん、なんかね、とっても汗くさい!
で、レイナお姉ちゃんはオモチャとしては最高! 以上がミーアからの報告だよ!
キャロル:…ミーア、これじゃあ遊び相手の評価だよ。あの旅人さんたちが本当に“真のご主人さま”なのか、全然わからないよぉ…
ホワイティ:でも、やっぱりいい人たちなのは、間違いなさそうだね。よーし、今度は私がいってみようかな!
ブルー:大丈夫なのか?
ホワイティ:もう、私が寝てばかりだと思ったら大間違いだよ! これでもみんなのなかではイチバンのお姉さんなんだから! 私に任せちゃってよぉ!
ミーア:おお、ホワイティ、頑張ってー!
キャロル:…なんかちょっと不安かも。
ブルー:…まったく、無茶だけはするなよ。
ホワイティ・リポート
◆◆◆屋敷周辺の草原◆◆◆
ホワイティ:というわけで、今度は私、ホワイティがみなさまのご案内をいたしますので。よろしくお願いいたしますね。
レイナ:どういうわけかはよくわからないけど、ひとまずよろしくね、ホワイティ。こんなにいろいろ世話してもらって悪いわね。
ホワイティ:いえいえ~。ソクラホルテさまの大切なご友人の方々なのですから、これくらいは当然です。
このあたりの草原はお日様もポカポカですからね。散歩するには最高だと思いますよ。なにか、ご入用の際は遠慮なくお申し付けくださいね。
タオ:うんうん、いいな。猫派じゃなかったけど、こーゆーのはいいな、うん。
シェイン:タオ兄、犬とか猫とかじゃなくて、ただかわいいメイドさんが好きなだけですよね? チョロすぎて、ちょっと引きます。
主人公:まぁまぁ。せっかく泊めてもらってるんだし、ホワイティさんたちとは仲良くやっていこうよ。
心配なのはヴィランたちのほうだけど…ホワイティさん、このあたりで怪しい噂がある場所に心当たりはありませんか?
ホワイティ:すやぁ…zzz
主人公:ええ!? さっきまで普通に起きてたのに!? ホワイティさん、大丈夫ですか!? こんなところで寝たら風邪ひい―――
ホワイティ:ふゃああああああああああ!! 寝てるときに触るにゃああああああ!!
主人公:イタ、イタタタ、痛い! 痛いです! 爪で引っ掻かないで~!
シェイン:タオ兄、ああいうのでもいいんですか?
タオ:すまん。ああいうのはさすがに無理だな。
レイナ:もう、とにかく進むわよ。ほんと変なメイドさんばかりね、この屋敷。
◆◆◆バトル終了:ソクラホルテの屋敷◆◆◆
ナレーション:―――草原の偵察を終えた《主人公》たちはお屋敷へ戻ってきます。
そしてメイドたちはふたたび作戦会議を開き、旅人たちに同行していたホワイティから、以下略―――
ホワイティ:《主人公》さんは私の昼寝を邪魔したから悪い人。それ以外の人はいい人。“真のご主人さま”が誰かはわかりません。以上っ。
キャロル:やっぱりホワイティも大丈夫じゃなかった…
ミーア:しょーがないよぉ。ホワイティ、アタシたち以外に寝てるとこ起こされると、ものすごーーーく、機嫌悪くなるもん。
ホワイティ:…ごめんなさい。正直、反省はしています。
ミーア:で、次は誰いくの? ブルー、行ってみる?
ブルー:いや、私は…キャロルはどうなんだ。
キャロル:え、そ、それ、私ひとりでやるの? ムリ、ムリムリ、ムリだってぇ!
ミーア:キャロルちゃん。たまには人に甘えず、自分の力でやりとげなくちゃダメだよ?
キャロル:み、ミーアに諭された!? う、うぅ……わ、わかったよぉ…私、なんとかしてみるよぉ…
ホワイティ:あのぉ、キャロルちゃん? 無理なら無理って言ってもいいんだよ?
キャロル:い、いけるもん。いままで勉強してきた魔法のなかでも、いっちばんすごいやつを使って、あの人たちが“真のご主人さま”かどうか当ててみせるんだから!
キャロル・リポート
◆◆◆屋敷周辺の洞窟◆◆◆
キャロル:…うん、このあたりなら、あの人たちにも気づかれないよね? いまお屋敷で寝てるみたいだし。
“真のご主人さま”が迎えに来るの、ずっと待ってたんだから。先生の教えたとおりに魔法で占えばうまくいくはず…せーの、とりゃあっ!!
(画面全体にフラッシュ)
キャロル:………あれ? なんにも起こらない? 失敗しちゃった? おかしいな…しかたない、もう一度やってみて―――
(キャロルのそばにヴィランが登場する)
ヴィラン:クルル、クルル…!
キャロル:きゃああああああああああ! なんで!? なんでお化けたちが来るのーーー!!
いやだぁ、来るなぁっ! バカバカバカバカぁっ!! ふぇぇぇん、誰か助けてぇ………
(主人公たちが登場する)
主人公:キャロル、大丈夫!? 怪我はしてない!?
キャロル:え、《主人公》さんたち!? なんでここに……
レイナ:ええと、ちょっといろいろあって、このあたりを調べていたのよ…
そんなことより、まずいわね。ヴィランたちの動きがどんどん活発になっている…
シェイン:黒猫ちゃんが呼び寄せちゃったんじゃないですかね? ほら、黒猫って不吉の象徴っていいますし。
キャロル:ち、ちがうもん! 私、不吉じゃないもん! そんなこと、言わないでよぉ~~…
タオ:ああ、もう泣くな、泣くな。このまま洞窟を突き抜けるぞ。いけるか?
キャロル:うん…
◆◆◆バトル終了:ソクラホルテの屋敷◆◆◆
キャロル:ううっ、怖かったよぉ…いっぱい囲まれて、もうだめかと思ったよぉ…
ミーア:キャロル、がんばったねー。ほーら、もうこわくなーい、こわくなーい。
キャロル:ありがと…はぁ、ナデナデされるのきもちいい…ごめんなさい、結局私もわからなかったよ…悪い人たちじゃないと思うけど…
ホワイティ:うーん、なんだか“真のご主人さま”どころじゃなくなってきちゃったわね。あのお化けさん、どんどん増えているみたいだし。
せめてソクラホルテさまが帰って来れば、騒ぎも収まるだろうけれども。いつになったら、お屋敷に戻ってきてくれるのかしら。
ブルー:…お前たちは屋敷に残っていろ。私が直接確かめてくる。
キャロル:確かめるって…え、ブルーさんがいくの?
ホワイティ:おお! やっぱりブルーちゃんもやる気になってきたぁ?
ブルー:そんなんじゃない。私が気にしてるのは…! …いや、なんでもない。いいか。お前たちは絶対、余計なことするなよ。
(ブルーが退場する)
キャロル:なんか、いまのブルーさん、とっても怖かった気がするんだけど…
ホワイティ:大丈夫だよ、きっと…
ミーア:ブルー…
ブルー・リポート
◆◆◆屋敷周辺の森(夜)◆◆◆
ブルー:―――猫は絶対に群れたりしない。来る者は拒まず、去る者は追わず。友情とか、仲間なんて言葉、猫には似合わない。
だから私はあいつらと馴れ合ったりなんてしない。たまたまおなじ屋敷で働くことになっただけの騒がしい連中、それが私にとってのあいつらだ。
“真のご主人さま”がどんなやつか、興味はない。それが私の運命なら、拒むつもりはない。来るべき日まで雇われメイドの職務を全うする。
だからこれはあいつらのためじゃない。職務を全うする猫として、この屋敷を守る。それだけの話―――
◆◆◆場面転換:屋敷周辺の森(夜)◆◆◆
シェイン:あのー、みなさんもそろそろお気づきかと思いますがどうもシェインたち、猫メイドさんたちにこそこそ嗅ぎ回られているようですね。
レイナ:目的に気づかれたかしら? 参ったわ、まだなんにも手がかりをつかめていないのに。
主人公:こうなったら、あの子たちにも事情を話さない? そうしたら協力してくれるかもしれないじゃないか。
タオ:やめておけ。下手をしたら、もっと面倒な事態になるかもしれねーぞ。魔法使いのおっさんのことを知られたら、猫の嬢ちゃんたちも動転して…
ブルー:ほぉ、それはどういう意味かな?
主人公:ブルー…! どこまで話を聞いてたの?
ブルー:どこまでだろうと関係ないだろ。
おかしいと思ってた…。怪物が現れたのと同時に貴様らはやってきた。“真のご主人さま”どころか、“真の元凶”だったというわけか。
覚悟しろ。屋敷を脅かす者は、この槍で串刺しにしてやる!
レイナ:違うの! お願い、話を聞いて! 私たちは、ソクラホルテにこの屋敷を、あなたたちを守るように頼まれたのよ!
本当の敵は、あなたたちの中に―――
(ヴィランたちが登場する)
ヴィラン:クルル、クルル…!
ブルー:なっ…こいつら…! さっきまで気配などなかったはずなのに…!
タオ:チッ、どうやら向こうに気づかれたようだな…!
主人公:ブルーさん、話はあとだ! いまはここを一緒に切り抜けるんだ!
ブルー:貴様ら、あとですべて話してもらうぞ…!
◆◆◆バトル終了:屋敷周辺の森(夜)◆◆◆
レイナ:私たちはカオステラー…つまり、この世界を脅かす敵を追ってきたの。
ブルー:カオステラー…この世界を脅かす、敵?
主人公:うん。それで旅の途中でソクラホルテさんに会って、一緒にカオステラーの行方を捜していたんだけど。
そのカオステラーが、どうやらこの屋敷にいることがわかったんだ…
ブルー:待ってくれ。私たちの中に敵がいる? そんな馬鹿なことがあるか。私たちは、ただのメイドだぞ。
シェイン:残念ながら事実です。いま屋敷の周辺で発生しているヴィランも、そのカオステラーが生み出したものです。
タオ:あんたらの主人もカオステラーにやられた。やった奴は、おたくらの仲間のなかにいる。
ブルー:ソクラホルテ様が、私たちの誰かにやられただと…そんな馬鹿なことがあるか。だって私たちは、ずっと屋敷に―――
(ミーア・リポートの回想)
キャロル:ほら、こないだもミーア、ひとりでお屋敷抜けだして戻ってこなかったことがあるし…
ブルー:ミーア…うそでしょ…?
◆◆◆ソクラホルテの屋敷(夜)◆◆◆
キャロル:ブルーさん、帰ってこないねぇ。なにかあったかなぁ…
ホワイティ:そうねぇ。早くしないと、お夕飯冷めちゃうのに。
ミーア:ねぇ、キャロル、ホワイティ。二人は“真のご主人さま”に迎えにきてほしい?
キャロル:え? そ、それはそうだよ…“真のご主人さま”にいっぱいナデナデしてもらいたい、かな…
ホワイティ:私もそうねぇ、“真のご主人さま”と一緒に、たくさんたーくさん、お昼寝したいなぁって!
ミーア:そっかー。じゃあさー、アタシがみんなの“真のご主人さま”になってあげるよ。
ホワイティ:ミーアちゃん?
ミーア:アタシがみんなのやりたいこと、たくさんさせてあげる。だからずっと、この屋敷でみんなで遊んでいようよ。
キャロル:ミーア、なにを言ってるの…
ミーア:もっとさ、いろんな遊びしようよ。お友達ならたーくさんいるから、全然退屈しないよ?
(ミーアを中心に、ヴィランの大群が登場する)
ねぇ、次はみんなでなにして遊ぼうか?
真のご主人さま
◆◆◆ソクラホルテの屋敷(夜)◆◆◆
(ヴィランが屋敷に登場)
ヴィラン:クルルル…クルルルウ…
ブルー:くそ、屋敷に怪物どもが…! おーい、キャロル! ホワイティ! ミーア!
主人公:待って! ひとりで飛び出して行っちゃだめだ! もうここはカオステラーの支配する領域になっている。危険な場所なんだ。
ブルー:けれど早くしないと、あいつらが…それにミーアの目を早く覚まさせないと!
レイナ:落ち着いて。大丈夫、ミーアもみんなも、ちゃんともとの姿に戻せるわ。だから焦らず確実に、そのための手段を探るのよ。
たぶんミーアはまだカオステラーとして完全に力を覚醒させているわけじゃない。いまのうちに倒して、“調律”したいところだけど…
(ホワイティとキャロルが登場する)
ホワイティ:ブルーちゃん!
ブルー:ホワイティ! キャロル! 良かった、無事だったんだな…
キャロル:私たちはなんとか、逃げてきたけど…ミーアが突然、あのお化けたちを呼び寄せて…
なんでミーアはこんなことを…? ミーアは私たちのこと、嫌いになっちゃったの?
主人公:違うよ。いまミーアには悪いものが取り憑いているだけだ。そいつを追い払って、“調律”をすれば、ミーアももとに……
ミーア:ああ、みんなぁ、こんなトコにいたんだぁ。
(ミーアが登場する)
ブルー:ミーア、お前が全部やったのか…ソクラホルテ様も、お前が…!
ミーア:ふふ、だってね、しょうがなかったんだよ。ソクラホルテさまはね、“真のご主人さま”を屋敷に連れてくる役目を持ってたの。
そんなことされたら、アタシたち、バラバラになっちゃうでしょ? だからね、ソクラホルテさまにはお化けさんの仲間になってもらったんだよ!
キャロル:ミーア…お願い…怖いことばかりいわないで…いつものミーアにもどってよぉ…
シェイン:残念ながら、ああなったら説得は通じません。カオステラーを倒し、“調律”をしないと、もとの三毛猫さんには戻れませんよ。
タオ:お前ら、危ないから下がってな。ここはオレたちがなんとかするからよぉ。
ホワイティ:……私、戦うよ! 元気なミーアちゃんがいてくれないと、安心しておやすみもできないもの!
ブルー:そうだな。ミーア、お前にはたっぷりおしおきしてやる。
キャロル:わ、私だって! とても怖いけど…ミーアがこのままのほうがもっといやだもの!
ミーア:みんなで遊んでくれるんだね? ふふふ、いいよぉ。たくさん、たくさん遊ぼうよ!
◆◆◆バトル終了:ソクラホルテの屋敷(夜)◆◆◆
ミーア:なんで…なんでなの、みんな…“真のご主人さま”なんていなくていい…みんなここでメイドをしてればいいじゃん…
離れ離れになんて、なりたくないよぉ…
ホワイティ:もう、バカ、バカバカぁ! そんなことで悩んでたの? だったらすぐにお姉さんに相談しなさい! こんなになるまで抱え込んだりしないでよぉ!
キャロル:ごめんね、ミーア、気づいてあげられなくて…私たち、ずっと一緒にいたのに…
ブルー:…気づかなくて当然だ。猫は群れたりなんてしない。自分にしか興味がないのが猫なんだ。
キャロル:ブルー、いまそんなこと言わなくたって…!
ブルー:でも私たちは、メイドキャットだ。メイドキャットはどんな猫よりも固い絆で結ばれている。だから、どこへ行ったって、離れ離れになったりしない。
ミーア:ブルー…みんな…ありがとう…けど、アタシ、みんなにひどいことをして…
主人公:大丈夫だよ。これは全部悪い夢なんだ。目が覚めたら、全部もとどおりになっているから。そのときに、元気な君に戻ればいいんだ。
ミーア:じゃあさ、みんな…アタシが元気になったら…また遊んでくれる?
レイナ:ええ。タックル以外の遊びだったらね。だから安心して、いまは眠りなさい。それじゃあ、いくわよ…
(レイナによる“調律”シーンの後、画面が暗転する)
???:ミーア。おい、起きろ、ミーア!
◆◆◆場面転換:ソクラホルテの屋敷◆◆◆
ミーア:あれ、みんな? なにしてるの?
キャロル:なにしてるじゃないよぉ…もうすぐソクラホルテ様が帰ってくるのに、ミーアちゃんったらこんなところで寝てるんだもの…
ホワイティ:気持ちはわかるなぁ。こんないい天気だもの。私もちょっと眠くなって…
ブルー:お前も寝てんじゃない。いいから、早く準備するぞ。
キャロル:…? なんかブルーさん、優しくなった?
ホワイティ:そうねぇ。ふふ、やっと私たちにも打ち解けてくれたのかしら?
ブルー:なっ! バカ、そ、そんなじゃない…!
ミーア:ふ、ふふ、ふふふ…!
ブルー:…なんだ、ミーア。突然笑い出して気持ち悪い。
ミーア:ううん! みんな一緒で楽しいなって思っただけ!
???:ただいま、みんな。元気にしてたかい?
ミーア:あの声は…ご主人様!
ホワイティ:まぁ、大変! ほら、みんなも急いで!
ブルー:ったく、しょうがないな。
キャロル:ああ、みんな待ってよー!
ナレーション:―――むかし、むかし。森の奥にある大きなお屋敷、魔法使いソクラホルテの屋敷に、四人の猫メイドが住んでおりました。
彼女たちは性格も、好きなものもみんなバラバラ。けれどもお互いを思いやり、助け合い、とても固い、固い絆で結ばれていたのです。
いつかお屋敷に彼女たちを迎えに来るという、“真のご主人さま”。それがどんな人たちなのか、彼女たちはまだ知りません。
それでも彼女たちは自分の運命を恐れず、希望を抱きながら、きょうも笑顔で楽しく、メイド業に勤しむのでした―――
ミーア:それじゃあ、せーの、
メイドキャット全員:お帰りなさいませ、ご主人さま!!
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