News

2016年4月4日(月)

『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』先行レビュー。新要素のグラップリングフックやウインチが楽しい!

文:hororo

 SIEが、5月10日に発売するPS4用ソフト『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』。本記事では、本シリーズの大ファンであるライターによる、先行プレイインプレッションをお届けします!

『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』

プレイの幅は広く、しかし間延びさせない“ワイドリニア”な作り!

 電撃PlayStationで『アンチャーテッド』シリーズを担当しているライターのhororoです!

 シリーズ最新作『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』について、中盤のチャプターを先行体験できる機会をいただいたので、気になるアレコレを紹介していきたいと思います。

 あ、ちなみに、最初に全体的な感想を言っておきます。「めっちゃ楽しかったよ!」

『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』

 まず最初に『アンチャーテッド』シリーズについて簡単におさらいしておきましょう。

 本シリーズは、トレジャーハンターの主人公、ネイサン・ドレイク(ネイト)が、相棒のビクター・サリバン(サリー)と一緒に、数々の秘宝を求めて冒険に繰り出すアクションアドベンチャーです。

 映画『インディー・ジョーンズ』を彷彿(ほうふつ)とさせる、王道の冒険映画といった雰囲気の作風になっていて、お約束とも言えるようなさまざまなハプニングなどを楽しみつつ、戦闘や謎解きをこなして秘宝の真実に迫っていきます。

 シリーズを重ねるたびに、作中の年代が経過していくのも特徴のひとつ。第1作『アンチャーテッド エル・ドラドの秘宝』に登場したヒロインのエレナ・フィッシャーは、本作『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』ではネイトと結婚しています。

 このように、キャラクターたちが変化していく過程を楽しめるのもシリーズの魅力ですね。とはいえ、それぞれの物語は独立しているため、本作からスタートしても問題ありませんのでご安心ください。

『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』

 さて、今回試遊できたのは、マダガスカルの平原のマップ。ネイトとサリー、そして、本作初登場となるネイトの兄のサミュエル(サム)の3人がジープで移動するシーンです。物語としては、ちょうど序盤から中盤にさしかかるあたりの場面とのこと。

 プレイして真っ先に感じたのですが、とにかくフィールドが広い! 空は高く、左右の広がりも過去作の比ではありません。

『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』

 これは本作でパワーアップした要素のひとつで、“ワイドリニア”というテーマに基づいて開発されたものとのことでした。ワイドリニア……あまり聞きなれない言葉ですよね?

 これまでの『アンチャーテッド』シリーズは、基本的には映画のクライマックスシーンをつなぎ合わせたような、ジェットコースターのように次々と緊張感を味わえるリニア(一本道の演出でプレイヤーを楽しませていく)タイプの作品でした。

 本作では、その部分を再構築し、“リニア”の幅を広げることを重視しているとのこと。つまり、目的地は同じだけれど、そこに至るまでの過程にある程度の幅を持たせる、といった形です。

 今回プレイできたマダガスカルの平原を例に挙げると、このマップでは、とある塔まで行くのが目的ですが、そこまでどのように向かうかはプレイヤーに委ねられている、といった具合ですね。

 実際、マダガスカルの平原はかなり広く、各所に遺跡のようなものが建っているなど、冒険心を刺激されるフィールドになっていました。

 移動手段のジープには自由に乗り降りできるので、気になる場所があったら降りて探索したり、洞窟などのようにある程度の広さがある場所にはジープでそのまま乗り入れることができたりと、“探索感”を存分に味わえます。

『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』

 これまでは、シーンが切り替わると目的地に到着している、ということも多かったので、『アンチャーテッド』をずっとプレイしてきた自分としては、かなり新鮮な感覚でした。

 探索中は、シリーズおなじみのトレジャーなどを見つけることもできました。それゆえ、進むべき道がわかっていても、トレジャーの有無が気になってしまい、来た道を引き返してしまうほど。

 心理的には、RPGのダンジョンで最初に正解の道を選んだ時に似ています。「もう一本の道には何があったんだ……!」みたいな。そういうこと、あるよね?

 そして、ちゃんとお伝えしておきたいのですが、こういった広めのフィールドでは、道に迷う心配がつねにつきまとうもの。これに関しては、道中に進むべきルートを暗示させるオブジェクト(このフィールドでは積み石でした)がある他、時間の経過によりヒントが表示されるとのことなので、方向音痴の人でも大丈夫そうです。

 また、方向キーの下ボタンでジープの場所がハイライト表示されるので、ジープを見失うといった心配をすることもなく、満足いくまで探索できました。このように、非常に遊びやすくなっているのも、本作の魅力的な部分だと思います。

『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』

グラップリングフックとウインチの導入により、アクションもより幅広く!

 次はアクションについて紹介します。とはいえ、本シリーズのアクション部分はすでに完成されていると言っても過言ではなく、飛んだり跳ねたり、撃ったり殴ったりといった、これまでできたアクションは、本作でも完成度高く仕上がっています。

 ですのでここでは、新アクション“グラップリングフック”を中心に紹介していきましょう。

『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』

 グラップリングフックは、先端に鉤爪がついたロープを離れた場所に投げてひっかけることで、さまざまなアクションを行える道具です。

 使い方の例を挙げると、出っ張った地形に引っかけてターザンのように地面の裂け目を飛び越えたり、高いところにある木箱に引っかけて、ロープをたぐって落としたりと、戦闘にも謎解きにも使えるといった感じ。

 特に戦闘時は、グラップリングフックで敵に急接近し、ジャンプの反動で頭上からパンチを繰り出すという一連の流れが決まるとスゴく気持ちいい! まあ失敗して落下死することもありましたが……。

 マルチプレイでは敵プレイヤーに直接グラップリングフックを引っかけることもできるらしいので、ますます攻防が熱くなりそうですね!

『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』

 グラップリングフックとは異なりますが、ユニークな使い方ができたのがジープに備え付けられている“ウインチ”です。

 ジープの先端からロープを引っ張って何かに巻きつけ、巻き取ることでジープに急な斜面を登らせたり、ジープをバックさせて柱を倒したりできるのですが、おもしろいのがロープを巻く前の工程!

 ネイトがウインチからロープを引っ張り、巻きつける対象まで持っていくというのは想像できると思います。しかし、対象に近づいてもそれだけではロープを固定できません。

 ロープを巻きつけるには、巻きつける対象に対して、ネイトがぐるっと一周する必要があります。文章だと説明しづらいのですが、ロープがしっかりとオブジェクトに引っかかるようになっているんです。

 最初は「あぁ~、ちょっと手間が増えるけど、リアル感を出したいのね」といった感想だったのですが、木造の橋の支柱を崩すシーンで、ウインチのおもしろさを理解できました。

 橋を落とすには2本の支柱を崩す必要があったのですが、2本の支柱をまとめてロープで引っかけ、一気に崩すこともできるんです! 2度目は1本ずつ引っかけて崩してみましたが、こちらでも問題なく支柱を折ることができました。

 このように、ロープの引っかけ方次第では時間を短縮できるなど、ウインチの使い方がプレイに影響を与えるというのが、パズル的で楽しかったですね。

 ちなみに、ロープつながりですが、グラップリングフックのロープもオブジェクトに引っかかるので、使う場所に注意しないと意図せぬ動きをすることがあります。

『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』

 カッコよくグラップリングフックで敵の頭上を跳び越そうと思ったら、ロープが壁に引っかかって地面に落ちてしまい、敵に見つかってハチの巣にされた人がいました。まあ私ですが。

 この他、シリーズ2作目の『アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団』で、倒壊するビルの床を滑っていくシーンがありましたが、同じようなアクションも登場。

 今回の体験プレイでは、あくまでも泥の斜面を滑り落ちることで、通常よりも早く降りられる、という使い方しかできませんでしたが、もっと緊迫したシーンで使う機会もあるハズ! 期待したいところです。

 戦闘は基本的には従来通りのイメージで、直感的な操作で快適にプレイできます。ひとつ違うのは、ブッシュ(茂み)に入るとネイトが自動的にしゃがんで隠れるようになり、これまでよりもステルス戦闘を行いやすくなったこと。

『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』

 また、敵が異変に気付くと、頭上に不審度を表すアイコンが表示されます。アイコンは白<黄色<オレンジの順に変化し、視覚的に敵の警戒度を確認できるようになりました。

 過去作ではステルスで倒せる敵はせいぜい2~3人で、そのあとは激しい銃撃戦が始まっていましたが、本作では敵に見つかることなく敵の集団を倒すこともできそうです。

『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』
『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』

 照準アシスト機能もあり、設定によっては照準がかなり敵に吸い付くようになっています。

 今までアクションゲームをあまりプレイしたことがない人でも敵をサクサク倒せるようになるので、「アクションは苦手で……」という人にも安心してオススメできるようになりましたね。

『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』

超ハイレベルのグラフィック&自然なキャラクターモーション

 『アンチャーテッド』といえば、プレイしているとゲームだということを忘れてしまうほどにのめり込んでしまう没入感。

 演出やグラフィックレベルの高さはもちろん、アクションの最中でも止まることのないキャラ同士の掛け合いや、どんな些細な動きでもリアクションを行うといったディテールの細かさがその秘密。

 本作でも、当然その作り込みは健在! 泥だらけの道を走ったジープはタイヤのみならず、フロンドガラスにまで泥が飛び散るのですが、川を渡ればその泥が落ちるといった具合です。

 荒い運転をすればサリーやサムが悪態をつき、振り落されまいとドアに掴まったりバランスを取ったりもします。ジープに乗り込む際も、正面や後ろ、左右など、乗り込む方向によってすべてモーションが異なるというこだわりよう!

『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』

 もちろん収録されているセリフの数もハンパじゃありません! 特定の場所を通った時にのみ発生する掛け合いやとある行動を取った時にのみ発するセリフなど、一周目のプレイではおそらく半分程度しか聴けないのでは? と思えるほどのボリュームを誇ります。

 「こりゃあただでさえボリュームが多くて時間がかかりそうなのに、プレイ時間がエライことになるぞ……」と心の中で思いました。もちろん、いい意味でね!

『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』

 今回の体験会は、目的地まで直行すれば30分かからないくらいの範囲とのことでしたが、30分にはまるで収まらない濃密な時間となりました。

 この範囲でさえこれだけの密度があるのに、本編全部だったらいったいどれほどになるのかと考えると、今からワクワクが止まりません!

 発売まであと約1カ月! 本作はこれまでの集大成でもあるので、まだ『アンチャーテッド』シリーズをプレイしたことがなければ、『アンチャーテッド コレクション』で予習しておくのを忘れずに!!

 僕も5月10日の発売日まで、首を長くして待っていたいと思います!

『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』

(C)Sony Interactive Entertainment America LLC. Created and developed by Naughty Dog LLC

データ

関連サイト