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2016年7月21日(木)

『アクセル・ワールド インフィニット・バースト』三澤紗千香さんにインタビュー。新作の見どころについて聞いてみた

文:てけおん

 7月23日より新宿ピカデリー他全国24館にて公開となるアニメ『アクセル・ワールド -インフィニット・バースト-』。本作でヒロイン・黒雪姫(クロユキヒメ)を演じる三澤紗千香さんのインタビューをお届けする。

『アクセル・ワールド -インフィニット・バースト-』
▲三澤紗千香さん。

 本作は、川原礫先生が執筆(イラストはHIMA先生)する電撃文庫作品『アクセル・ワールド』の新作アニメ。TVシリーズから4年の時を経て制作されており、《ネガ・ネビュラス》のこれまでの闘いの軌跡を描いた総集編パートと、新たな仲間を迎えた新生《ネガ・ネビュラス》の活躍を描いた新作アニメが楽しめる。

『アクセル・ワールド -インフィニット・バースト-』

――およそ4年ぶりとなる『アクセル・ワールド』の収録、いかがでしたか。

三澤さん:久しぶりに皆さんと一緒に収録することができてうれしかったです! この4年の間に、アプリやコンシューマゲーム、アーケードゲームなどで黒雪姫を演じる機会はあったんですけど、ゲームの収録は1人ですることが多いので。

 『アクセル・ワールド』の新作アニメが出ると知った時は、驚きと「また皆と集まって黒雪姫を演じることができる!」といううれしさが半分ずつくらいだったんですが、実際に皆と再会して、やっぱり私は『アクセル・ワールド』が好きなんだな、と再確認することができましたし、とても楽しく黒雪姫を演じられました。

――久しぶりの収録でしたが、すぐに黒雪姫になじめた感じでしょうか?。

『アクセル・ワールド -インフィニット・バースト-』

三澤さん:そうですね。ゲームで演じていたこともありますし、黒雪姫というキャラクターは自分の中にしっかりといるので、TVシリーズの収録で集まっていたことが昨日のことのように、すんなりと役に入って楽しく演じることができました。

――『アクセル・ワールド -インフィニット・バースト-』では初登場のキャラクターもたくさん登場します。本作で三澤さんが注目しているのは誰ですか。

三澤さん:これまでは4~5人しかいなかったのに、今回すごい数のキャラクターが登場します。原作小説を読んでいる人にはお馴染みのキャラではあるんですが。個人的に注目しているのはフーコさんですね。これまでも《ネガ・ネビュラス》にいたんですが、今回は特に“重鎮感”を放っていて(笑)、その貫禄に「恐れ入りました!」という感じです。

 『アクセル・ワールド -インフィニット・バースト-』はTVシリーズから少し時間がたった後のことになるんですが、その間にフーコと黒雪姫がより仲よくなって、信頼しあえる関係になっています。そのやりとりなどから「ああ、これが《ネガ・ネビュラス》なんだ」と感じさせてくれるところが、フーコの大好きなところですね。時にいきすぎちゃう黒雪姫をいさめてくれるのも彼女なので。

 もうひとつ、フーコは黒雪姫を「さっちゃん」と呼んでくれるのですが、私が「さちか」なのでドキッとしちゃったりしますね(笑)。

『アクセル・ワールド -インフィニット・バースト-』

――本作は、前半がTVシリーズの再構成、後半が《ネガ・ネビュラス》の新たな戦いになるんですが、TVシリーズと新作とで何か変わった点はありましたか?

三澤さん:TVシリーズでは、1人でがんばりたいと考えている黒雪姫が、ハルユキたちと出会うことでだんだん変わっていき、皆で戦うことの大切さを思い出すところがありました。

 新作では、新たなキャラクターたちと合流して一緒に戦うことで、より加速世界に対する愛着が深まっていくというか、黒雪姫の中で《ブレイン・バースト》と、その中で戦うことがより大好きになってきているところが、変わったなぁと思います。

 新作では、加速世界がおびやかす存在が登場するのですが、これまで「仲間を守らなきゃ」とか「領土を守らなきゃ」という部分が戦うことへのモチベーションだったのですが、「加速世界全体を守らなきゃ」というスケールの大きい話になっていて、黒雪姫の底力が試される機会になっています。

『アクセル・ワールド -インフィニット・バースト-』

――黒雪姫とハルユキの関係については、いかがでしょうか?

三澤さん:日常のシーンでは、より仲よくなっていて「何があったの?」みたいないちゃいちゃする場面もあります(笑)。浴衣を着てお祭りに行くところなど、2人とも近づけないけどお互いのことを大切に思っていると感じさせるシーンも多いですね。

『アクセル・ワールド -インフィニット・バースト-』

 戦いの時は、以前からお互いを思いやって戦ってきたんですが、それでも結構ハルユキが「どうしよう、どうしよう」と悩む場面も多かったんです。でも今回のハルユキは「ここは自分が行きます!」と、自分から積極的に戦いにのぞむところもあります。

 《ネガ・ネビュラス》全体でも息が合っているんですが、特にハルユキと黒雪姫はベストパートナーという感じで、すごくカッコいい戦い方をするようになっています。そこがTVシリーズとの一番の違いかもしれません。ご覧いただければ、2人が強い信頼で結ばれているのがわかってもらえるんじゃないかと。

『アクセル・ワールド -インフィニット・バースト-』

――主題歌『PLASMIC FIRE』についてのご感想をいただけますか。

三澤さん:今までTVシリーズでOPやEDを担当しているアーティストさんが一緒になったことでより“『アクセル・ワールド』の音楽らしさ”が出ていると思います。これまでシリーズを見てきた人には「そう、この声、この音、このリズム!」と、『アクセル・ワールド』ならではの加速していく感じが満載だと思います。

 聴くと「ああ、『アクセル・ワールド』最高……」となれる曲になっています。アルティマさんの曲にKOTOKOさんの声の組み合わせが生み出す“お祭り感”がたまらない曲ですよ!

●動画:KOTOKO×ALTIMA『PLASMIC FIRE』MV

――三澤さんが思う新作の見どころはどこでしょうか。

三澤さん:バトルシーンがとても迫力があって、小説を読んでいた時に想像していたキャラクターの動きを完全に超えていきますので、そこをぜひ見ていただきたですね。

 もう目で追い切れないくらいたくさんのキャラクターによるアクションが楽しめます。TVシリーズでないからこそできる、迫力を体感してもらいたいですね。

――ウタイが登場するということで、フーコさんとのコンビネーションなども気になるところですが、いかがでしょうか?

『アクセル・ワールド -インフィニット・バースト-』

三澤さん:そうですね、しょっぱなから2人が一緒に戦っているシーンがあるんですけども、見た瞬間に「これか!」と納得してしまいました。先ほども言いましたけど、この2人の動きも原作を読んだ時に想像していたものを超えてくれて、すごくテンションが上がりました(笑)。

――フーコさんは、ウタイのことを大事にしつつも敵陣に投げ放り込んだり、大胆なことをするんですけど、新作にはそういうシーンもあるんでしょうか。

三澤さん:ありますあります(笑)。あの2人の絆というか、関係性をバトルシーンだけでも感じられるようになっています。

――バトル以外では、どんな部分が印象に残っていますか?

三澤さん:普段のハルユキたちは普通の少年少女ですが、加速世界の中では背伸びをしたり、自分のコンプレックスと向きあいながら敵と戦います。そのため、ちょっと大人っぽく見えることもありますが、現実世界では、年相応の友情を築いているところもあるんだなぁと。

『アクセル・ワールド -インフィニット・バースト-』
『アクセル・ワールド -インフィニット・バースト-』

 バトルシーンだけだと、すごく精神的にも強い子たちに見えますが、日常のシーンを見ることで「ああ、この子たちも普通に学校に行って、普通に過ごしているんだな」と思わされますね。

 さっきも言いましたが、特にお祭りのシーンはいいですね。すごくほのぼのさせられます。花火を見るシーンも『アクセル・ワールド』らしいというか、この世界ならではのちょっと変わった花火でワクワクしました。それに何より、女の子たちの浴衣姿や髪型にも注目してほしいなと思います。

『アクセル・ワールド -インフィニット・バースト-』

――“電撃文庫 春の祭典2016”では、浅沼晋太郎さんがアドリブを交えてタクムを演じて会場をわかせていました。そんなタクムやチユリはどうなっているのでしょうか。

三澤さん:2人ともすごくたくましくなっていますよ。皆そうなんですが、TVシリーズから新作までの間に、たくさんの人たちと出会って戦ってきて、黒雪姫の指示がなくても自分で考えて戦えるしっかりとしたレギオンメンバーになっています。他の王たちが登場するシーンでもすごく堂々としています。

『アクセル・ワールド -インフィニット・バースト-』
『アクセル・ワールド -インフィニット・バースト-』

――3年ぶりにWebラジオ『アクセル・ワールド ~加速するラジオ~』が復活配信されています。久々にこの番組に出演した感想を教えていただけますか?

三澤さん:おかげさまで好評をいただいて、長く続けさせてもらったラジオなんですが、久しぶりに「番組ローカルネットワークに接続!」のようなお馴染みのセリフを言った時に「そう、これだよ!」って盛り上がりましたね(笑)。

 第1回放送は昔を懐かしんでいるだけでしたね。この3年の間に私の変わったところ、成長したところをどう見せればいいのか不安はありました。「昔の初々しい感じが好きだったのに!」って思われたらどうしよう……みたいな(笑)。

 でも1回の配信後に非常にたくさんの反響をいただけて、緊張もほぐれて「楽しもう!」って気持ちでいっぱいになっています。新作を含めて「やっぱり『アクセル・ワールド』おもしろいよね」と伝わるラジオにできればと考えています。どれくらい続くかは、皆さん次第です!

――前のラジオは、本当に長く続きましたよね。

三澤さん:私自身、あんなに長くなるなんて思っていませんでした。リスナーの皆さんがたくさんメールを送ってくださったり、イベントに足を運んでいただいたり、CDを買ったりしてくれたおかげであれだけ長く続きました。今回の復活は期間限定ということで、いつまで続くのかわかりませんが、毎回が最終回というような気持ちで、常に全開で挑みたいと思います。

――続いて9月28日には、アルバム『-INFINITE Selection-(インフィニット セレクション)』が発売されます。こちらについてお話しいただけますか。

(もしもジャケット画像をいただけるようでしたらこちらに表示させます)

三澤さん:初のベストアルバムとして『-INFINITE Selection-』を出させていただきます。私のデビュー曲は『アクセル・ワールド』の後期ED曲だったので、その大切な曲を含めた10曲と、今の黒雪姫を意識した新曲が入っています。

 TVシリーズの後期EDテーマ『ユナイト』の時も、三澤紗千香であり黒雪姫でもあり……という感じで作詞をしていただいたんですけども、新曲もそういうイメージで作っていただきました。

 また『アクセル・ワールド』のサウンドトラックに収録されている『sympathia(シンパシア)』という曲もアルバムに入っています。この曲は三澤紗千香名義で歌わせてもらっているのですが、こちらも歌詞などは黒雪姫を感じさせるものになっています。ですので、全体的に『アクセル・ワールド』感の強いアルバムになっていますね。

 新曲のレコーディングはちょうど終わったのですが、私の人生を変えてくれた『アクセル・ワールド』という作品にまつわる曲をたくさん入れることができて、とても光栄に思っています。ぜひ、聴いていただければと思います。

『アクセル・ワールド -インフィニット・バースト-』
▲こちらは、レコ―デングの様子。

――では最後に、7月23日の上映開始を待つファンに一言いただけますか。

三澤さん:あと少しで劇場公開される『アクセル・ワールド -インフィニット・バースト-』ですが、前半がTVシリーズの再構成となっているので、これまでアニメを見てきた人は「あっ。こういうシーンあったな」などと思い出しながら楽しむことができますし、初めて『アクセル・ワールド』を見る人には、キャラクターや世界設定を知ることができる、いわば入門編的なものになっています。

 そこからテンションを上げた状態で新作パートに入れるので、すごく楽しんでもらえると思います。劇場で見るとより迫力のある演技、音、サウンドになっていますので、ぜひ劇場に足を運んでいただければと思います。よろしくお願いします。

『アクセル・ワールド -インフィニット・バースト-』

■『アクセル・ワールド INFINITE∞BURST(‐インフィニット・バースト‐)』
【劇場公開開始日】2016年7月23日

【公開劇場】
 北海道:札幌シネマフロンティア
 新潟:TJOY新潟万代
 宮城:MOVIX仙台
 栃木:MOVIX宇都宮
 埼玉:MOVIXさいたま
 東京:新宿ピカデリー
 東京:シネリーブル池袋
 東京:TOHOシネマズ日本橋
 東京:MOVIX昭島
 千葉:京成ローザ
 神奈川:横浜ブルク13
 神奈川:川崎チネチッタ
 神奈川:109シネマズ湘南
 静岡:シネシティザート
 愛知:109シネマズ名古屋
 愛知:MOVIX三好
 京都:MOVIX京都
 大阪:梅田ブルク7
 大阪:なんばパークスシネマ
 大阪:TOHOシネマズ鳳
 兵庫:109シネマズHAT神戸
 岡山:TOHOシネマズ岡南
 広島:広島バルト11
 福岡:TJOY博多

【スタッフ】(※敬称略)
 原作:川原礫
 原作イラスト:HIMA
 脚本:川原礫、吉野弘幸
 監督:小原正和
 キャラクターデザイン/アニメーションディレクター:愛敬由紀子
 デュエルアバターデザイン/アクション監督:椛島洋介
 テーマソング:KOTOKO × ALTIMA『PLASMIC FIRE』
 アニメーション制作:サンライズ
 配給:ワーナー・ブラザース映画

【出演声優】(※敬称略)
 黒雪姫:三澤紗千香
 ハルユキ:梶裕貴
 タクム:浅沼晋太郎
 チユリ:豊崎愛生
 フーコ:遠藤綾
 アキラ:植田佳奈
 ウタイ:原由実
 ニコ:日高里菜
 パド:川澄綾子
 アッシュ・ローラー:鈴村健一
 月折リサ:赤﨑千夏 他

(C)2015 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス刊/AWIB Project

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