News

2016年8月2日(火)

『真・三國無双 英傑伝』のシミュレーションRPG要素をレビュー。爽快感バツグンの“共鳴”がアツい

文:る~ぱ

 コーエーテクモゲームスから8月3日に発売予定のPS4/PS3/PS Vita用ソフト『真・三國無双 英傑伝』を、ライターのる~ぱがレビューします。

『真・三國無双 英傑伝』

 『真・三國無双』シリーズの15周年を記念して発売される『真・三國無双 英傑伝』。これまでのシリーズタイトルとは大きく異なり、シミュレーションRPGとなったことで、注目しているシリーズファンの方も多いハズ。

 今回の記事では、さまざまなシミュレーションRPGをプレイしてきたライターが、本作ならではの見どころについてSRPG視点からレビューしていきます。

SRPG初心者でも遊びやすいオーソドックスなシステム

 本作はステージクリア型のSRPG。ターン制で味方ユニットを進軍させて敵ユニットを撃破しながら、目的の達成を目指していくという、SRPGとしてはオーソドックスなスタイルです。最初のステージでかなり親切なチュートリアルが用意されているので、この手のジャンルを初めて遊ぶ人にも親切な設計になっています。

『真・三國無双 英傑伝』
▲まずは敵ユニットに近づいて攻撃をしかけましょう。攻撃時は派手な演出が入り、戦闘を盛り上げます。また、技によって威力や攻撃範囲、消費行動力が異なるので事前にチェック。
『真・三國無双 英傑伝』
▲こちらから攻撃を行う場合、反撃されるということはありません。攻撃後の結果も表示されるため、安心して攻撃を行えるのも初心者にはうれしいところ。

 ユニットの攻撃方法には近接攻撃と遠距離攻撃の2種類があります。近接攻撃は射程が短いですが、敵ユニットの側面や背面から攻撃するとボーナスが発生します。一方の遠距離攻撃は側面や背面からのボーナスはありませんが、射程が長く、高低差を無視した攻撃が可能です。

『真・三國無双 英傑伝』
▲槍を使った近接攻撃を得意とする趙雲(ちょううん)。中でも無双乱舞の“飛龍閃”は威力バツグンです。
『真・三國無双 英傑伝』
▲雷斌(らいひん)は散箭弩による遠距離攻撃が可能。遠距離攻撃を行えるユニットは少ないので、貴重な戦力として活躍してくれます。

 SRPGならではの要素として、ユニットの向きと高低差の概念も重要です。ユニットには正面、側面、背面があり、側面や背面から攻撃を行うと命中率やダメージが上昇します。また、敵ユニットに対して高低差がある場合、遠距離攻撃以外で攻撃することができません。

 なお、高所から低所には移動できますが逆はできないので、地形を把握しながら進軍していくのが攻略のカギになります。

『真・三國無双 英傑伝』
▲門で待ち構えていれば側面や背面を狙われることがないため、防衛戦では役に立ちます。
『真・三國無双 英傑伝』
▲近接攻撃ユニットの後方に遠距離攻撃ユニットを配置して攻撃。背後を突かれない陣形を組みながら進行していきましょう。
『真・三國無双 英傑伝』
▲高低差のある地形では遠距離攻撃ができるユニットが有利。敵に近づかれる前に遠距離攻撃で蹴散らしてしまおう。

 敵ユニットは弓兵や槍兵などの軍団ユニットと、名前のある武将ユニットに大別できます。軍団ユニットは比較的簡単に倒せますが、武将ユニットはプレイヤー武将と同程度の強さで一筋縄では倒せません。複数の武将ユニットが出るステージも多く、行動力の制限から単騎で無双するのは難しいバランスになっています。1武将の行動力を使いすぎないように、味方と足並みをそろえながら進軍するのが基本的な攻略スタイルとなります。

『真・三國無双 英傑伝』
▲青色のプレイヤーユニットは最大5体しか出陣できないのに対し、赤色の敵ユニットはかなり多め。味方と協力しながら進軍する必要があります。

“共鳴”を発動させて敵ユニットを一網打尽!

 ここまで読むとSRPGが苦手な人は「ちょっととっつきにくそう」と思われるかもしれません。でもここで本作を敬遠してしまうのはもったいない! 本作には“共鳴”という派手で大胆なシステムがあり、これが爽快なバトルを可能にしています。

 “共鳴”とは攻撃によって上昇する画面上部の共鳴ゲージが満タンになると使用できる特殊コマンド。ユニットのタイプごとに共鳴範囲が設定されており、その範囲内にいるプレイヤーユニットと共鳴することで以下のボーナスが発生します。

●共鳴の効果
【1】行動済みのプレイヤーユニットが再行動可能に
【2】行動力が5回復
【3】共鳴中の攻撃は一斉に行われる
【4】共鳴の最後は強力な共鳴乱舞が使用可能
【5】攻撃後のEXPとSP(スキルポイント)が共鳴したユニットすべてに加算される

●共鳴の流れ

『真・三國無双 英傑伝』
▲味方ターン開始時の状況。味方ユニットは4体(1体は画面外)で、敵ユニットは近くに3体と、門の中に9体います。劉備の共鳴範囲が青い○で示されていて、この範囲にプレイヤーユニットを配置させるように、劉備以外の武将で周囲の敵ユニットを撃破していきます。
『真・三國無双 英傑伝』
▲周囲の敵ユニットを撃破した状態。3ユニットが行動済みで、最後に劉備を移動させて共鳴を発動させます。
『真・三國無双 英傑伝』
▲共鳴で再行動が可能になったユニットで、西にいた敵ユニットへ攻撃。さらに、門内部の敵へ“共鳴乱舞”をしかけます。
『真・三國無双 英傑伝』 『真・三國無双 英傑伝』
▲共鳴中の攻撃シーン。通常の攻撃はユニットごとに行われますが、共鳴中の攻撃は全ユニットが同時に攻撃をしかけるため、迫力があります。
『真・三國無双 英傑伝』
▲共鳴による攻撃が終了した場面。敵ユニットを一網打尽することに成功しました。

 とにかくこの共鳴が強いのなんの! SRPGをプレイした人ならピンとくると思いますが、効果【1】と【2】だけでも破格の性能。さらに強力な共鳴乱舞の存在によって、いかにして共鳴を使いこなすかがとても重要になっています。

『真・三國無双 英傑伝』 『真・三國無双 英傑伝』
『真・三國無双 英傑伝』
▲共鳴乱舞は共鳴した人数によって効果が上昇。最大の5人で発動した際の攻撃力は絶大です。

 また、共鳴中の攻撃結果でも共鳴ゲージが蓄積されるのもポイント。共鳴発動後に再度共鳴ゲージが満タンになるという状況も多く、出し惜しみせずにガンガン使っていけます。

『真・三國無双 英傑伝』
▲共鳴に関して個人的に大好きな画面がこちら。大軍を倒したことで大量のEXPとSPが全ユニットに加算されています。ユニットを効率よく育成することが可能なので、これを使わない手はありません。

 共鳴に慣れるまではユニットの移動や配置を難しく感じるかもしれませんが、2~3ユニットで発動させるだけでも十分。最初は少人数の共鳴を狙い、少しずつ共鳴人数を増やしていきましょう。慣れてくると「最初の4ユニットで共鳴ゲージをためて、最後の1ユニットで共鳴させるにはどう移動すればいいか……」なんてことを考えながらプレイするのが楽しくなります!

武将の能力を自由にカスタマイズ

 SRPGプレイヤーとしてはユニットの育成も気になるところだと思います。本作ではSPを消費したユニットそのものの強化と、武器の強化が用意されています。

『真・三國無双 英傑伝』 『真・三國無双 英傑伝』
▲SPを消費することで八卦泉(はっけせん)に設定されたスキルを習得できます。スキルを習得するルートは自分で決められるので、プレイヤーによってユニットの能力が異なることも。

 武器は戦闘の報酬で獲得できる他、商人から購入することが可能。同じ名前の武器でも性能が異なるものもあるので、いろいろなステージをクリアして性能の高い武器を集めるといった楽しみ方もできます。また、武器は強化鍛錬と特殊鍛錬によって、さらに性能を伸ばすことも可能。

『真・三國無双 英傑伝』
▲武器の攻撃力を強化する強化鍛錬。コストはかさみますが、手堅く武器を強くすることができます。
『真・三國無双 英傑伝』 『真・三國無双 英傑伝』
▲特殊鍛錬は武器の効果を別の武器に付与することが可能。付与した武器は失ってしまうので、慎重に選択しましょう。

 育成面では武器強化のやり込み度が高い印象。特に特殊鍛錬で付与する効果によっては劇的な性能変化が見込めるため、武器集めに熱中しそうです。

ドラマティックな武将同士の掛け合いも必見!

 物語の舞台は後漢末期の中国。趙雲とその幼なじみの雷斌が、謎の少女・黎霞(れいか)と出会うところから物語は始まります。

『真・三國無双 英傑伝』 『真・三國無双 英傑伝』
▲『真・三國無双』シリーズならではの美麗なイベントシーンはもちろん健在。それぞれの武将の思惑が交錯するイベントシーンが、オリジナルストーリーを盛り上げます。

 天絆鏡(てんばんきょう)を手に入れると、出会った武将の会話イベントが見られるように。この会話イベントでは武将たちの考えや志を知るだけではなく、報酬としてお金やアイテムなどが獲得可能。また、特定の会話イベントからは特殊な戦闘が発生し、戦闘に勝利すると武将が仲間になることがあるなど、いろいろなメリットがあります。

『真・三國無双 英傑伝』 『真・三國無双 英傑伝』
▲天絆鏡は特定の条件を満たすと会話イベントが増えていきます。基本的にはゲームの進行度、武将のレベル、所持金など普通に進めていると達成できるものばかり。
『真・三國無双 英傑伝』
▲イベントで発生した戦闘に勝利したことで新たな武将が仲間に加入。武将ごとの特徴を生かし、自分だけの最強部隊を作り上げましょう。

 SRPGというジャンルに“共鳴”という爽快なシステムを組み込んだ意欲作。攻略に際しての試行錯誤が、人によってはやや大変だと感じることがあるジャンルですが、本作はとりあえずレベルを上げて共鳴を狙っていけばなんとかなります。そのため、SRPGをプレイしたことがない人もぜひ遊んでほしいです。SRPG好きなプレイヤーは共鳴による爽快感に注目です!

『真・三國無双 英傑伝』
▲ステージ挑戦前に難易度の変更が可能。同じステージを何度も挑戦してレベルを上げることもできるので、いわゆる“詰み”という状況にもなりません。
『真・三國無双 英傑伝』
▲バックログを確認できるなど、戦闘シーン以外のシステム面もしっかりあるため、遊びやすいタイトルです。

 通常の技はロードなく実行されるうえに、無双乱舞や共鳴といった特殊行動もロード時間が短く、さらにスキップ可能とSRPGを快適に遊ぶために必要なシステムを完備。シリーズのファンはもちろん、SRPGが好きな人も楽しめる作品になっています。

(C)コーエーテクモゲームス All rights reserved.

データ

関連サイト