2016年8月5日(金)
あの名作の発売から、5年、10年、20年……。そんな名作への感謝を込めた電撃オンライン独自のお祝い企画として、“周年連載”を展開中です。
第44回でお祝いするのは、2006年8月3日に発売されたPS2『ときめきメモリアル Girl’s Side 2nd Kiss』。本作で青春を謳歌していたライターのデイジーが、本作に登場する男の子たちや素晴らしい学園生活の様子をレポートしていきます。
学園恋愛シミュレーションの金字塔『ときめきメモリアル』の女性向けとして発売されたのが、この『ときめきメモリアル Girl’s Side』シリーズです。1作目が発表された時の衝撃は、今でも鮮明に覚えています。当時は今ほど女性向け作品が充実していたわけではなく、さらにファンタジー要素が強い作品が多めでした。
そんな夢の世界も楽しいけれど、男性たちが『ときめきメモリアル』で夢中になっている“普通の学園生活”に羨ましさと憧れを抱いていたのも事実。そんな中、颯爽と現れて、女性のハートをかっさらっていったのがこのシリーズなのです。
本作は、『ときめきメモリアル Girl’s Side』シリーズの2作目で、舞台は私立羽ヶ崎学園。主人公はそこで勉強や運動などのパラメータを上げて自分磨きをしながら男の子たちと交流し、卒業式の日に意中の相手から告白されることを目指します。
▲基本的なシステムは、『ときめきメモリアル』と同じ。平日は1週間単位でスケジュールをこなし、休日は気になる相手とデートします。ただし、デートにはファッションが重要ですよ! |
この作品で、最大のポイントになるのが事故チューこと“セカンドキス”システム。最初に選択した好みの相手と、学園生活の序盤になんとハプニングでキスをしてしまうのです! ドラマや少女漫画のお約束の展開を、まさかゲームで体験できるなんて当時想像もしていませんでした。
▲選択肢の組み合わせによって、事故チューをする相手が変化します。 |
そんなアクシデントがあっただけに、男の子も主人公を最初から意識するように……。放課後一緒に帰ろうと誘った時のリアクションや、イベントのセリフが一部変化します。主人公のことを気にしてヤキモキする男の子たちの反応が、すごくカワイイんですよ。通常で攻略する時には聞けない本音を話してくれるなど、より男の子のことがわかるのもこのシステムの魅力です。
▲事故チューも何のその。ガンガンアプローチする主人公と、戸惑いまくる男の子たちのギャップもおもしろかったです。 |
▲しかも事故チューをした相手とは、特別なエンディングも! 全部のエンディングを見るために、何周もプレイしたのもいい思い出です。 |
1作目の『ときめきメモリアル Girl’s Side』は天然だけど何でもこなす王子・葉月珪をはじめ、ナンパ、熱血、クールなどなど、王道のキャラクターがそろっていました。それに比べて本作は、クセがあるけど何だか放っておけない男の子たちとの恋をすることができます。
●佐伯瑛(さえき てる)(声優:森田成一)
本作の王子にして、最大のくせ者。学園では成績優秀・スポーツ万能の優等生で優しい王子様で通っていますが、実は皮肉屋で負けず嫌いの子どもっぽい面も。主人公はある事情で最初からその素顔を知ってしまうので、猫を被っていない本物の彼と接することになります。
ケンカ友だちのような関係からスタートするため、友情が恋に変わっていく過程をニヤニヤしながら見守ることができますよ。
▲幼いころ出会っていたというのも、恋の大きな見どころ。本作のモチーフとなる人魚とも関わっています。 |
●志波勝己(しば かつみ)(声優:中井和哉)
運動部に所属していない運動系担当。よく野球部の練習を見ているのですが、それには深い事情があって……。志波くんとの恋は、彼がトラウマを乗り越えることにより、先に進むための重要な一歩につながっていきます。
口数が少なく大柄なため怖そうに見えますが、面倒見がよかったり、子どもや動物に好かれたり、ギャップに何度ときめいたことか……。
●氷上格(ひかみ いたる)(声優:鈴木千尋)
品行方正、成績優秀。自他ともに厳しい優等生で、生徒会執行部風紀員をしています。彼はマジメすぎて、融通が利かないところもあるんですよね。ヘルメットをかぶり、手信号を示しながら自転車通学する彼の姿には衝撃を受けました……。
真っ直ぐすぎる故に周囲とぶつかりやすい彼が、りっぱな生徒会長に成長していく姿は感慨深いものがあります。ちなみに前作の氷室先生の従弟です。
●針谷幸之進(はりや こうのしん)(声優:鈴村健一)
アマチュアバンドのボーカリスト。自分の名前にコンプレックスがあり、周囲にはハリーと呼ばせています。自信家で目立ちたがりでおだてに弱い。カッコつけようとするけど、どこかかわいくなるのがハリーの魅力です。
ボーカリストとしての実力はあるのですが、ある問題点が……。その克服に、主人公がひと役買うわけです。
●クリストファー・ウェザーフィールド(声優:神原大地)
見た目は貴公子のように麗しいが、中身は陽気でちょっとエッチな留学生。絵を描くことが大好きな芸術家ですが、将来は家業を継ぐことが決まっています。
前作の芸術担当・三原色はかなり個性派でしたが、クリスくんは物腰やわらかな癒し系。一緒にいるとホッとできるような、ステキな紳士です。
●天地翔太(あまち しょうた)(声優:成瀬誠)
天使のようにかわいく、礼儀正しい後輩。お菓子が大好きで、彼にお菓子のプレゼントを贈る女子生徒たちによく囲まれています。しかし志波に憧れていたり、応援カレも団に入ったり、中身はすごく男らしい。
天地くんも仲よくなると意外な素顔を見せてくれるのですが、そのビフォーアフターぶりはすごいですよ。
●若王子貴文(わかおうじ たかふみ)(声優:森川智之)
担任教師で、陸上部の顧問。おっとりとした天然気味の性格をしていますが、実は天才科学者という噂が……。それを裏付けるように黒服の男たちに追われたり、ある人物と物騒な話をしたり、かなり謎めいた人物。そのミステリアスな部分に惹かれ、抜け出せなくなった乙女も当時多かったです。
●真咲元春(まさき もとはる)(声優:うえだゆうじ)
花屋のアルバイトで出会う、羽ヶ崎学園の卒業生。裏表のないサッパリとした性格で、最初から最後まで頼れるステキな先輩です。このたくましい姿でお花屋さんというのが個人的にすごいツボでした。
●赤城一雪(あかぎ かずゆき)(声優:野島健児)
ある条件を満たすと登場する前作・はばたき学園の生徒。生徒会に所属する優等生。なぜか主人公に出会うと意地を張り合ってしまい……。他校生のためなかなか会うことができず、彼のイベントをいつも心待ちにしながら過ごしていました。
ちなみに本作は、女の子キャラクターたちもすごく魅力的なんですよ。しかも、キャストも豪華! 女の子キャラクターは友人として学園生活を手助けしてくれるだけでなく、恋のライバルにもなりえます。
ライバル関係になった時の女のたちの怖さときたら、ヘタなホラーよりも冷たい汗が……。でもちゃんとライバル関係を回避したり、解消したりするイベントが用意されているのでご安心を。
左から水島密(みずしま ひそか)(声優:皆口裕子)、西本はるひ(にしもと はるひ)(声優:前田愛)。
左から小野田千代美(おのだ ちよみ)(声優:小桜エツ子)、藤堂竜子(とうどう たつこ)(声優:進藤尚美)。テスト前は、よく小野田ちゃんと勉強をしていました。
3年間という期間を、どんな風に過ごすのもプレイヤーの自由というのが『ときめき』シリーズのよさ。私の場合、平日は占いに導かれるまませっせとパラメータを上げ、週末はデート三昧という毎日を送っていました。
しかも無理にがんばる必要はないのにテストでも、体育祭でも1位狙い。部活動も、もちろん全国制覇していました。そんな恋には深く関わらない、けどなぜか極めたくなるこだわりプレイができるのもこのシリーズならではですよね。
▲占いによって、コマンドを実行した時の成功率に違いがあります。そのため、平日の私は占いの言 いなりになっていました。 |
デートも相手の好きな場所に行き、選択肢を選べばいいというだけではありません。ちゃんと男の子好みの季節感にあった服を選び、適切なアプローチをし……。恋の駆け引きだって、存分に味わえるのです。
個人的におしゃれの要素が大好きで、いろいろな服を集めていました。特に格安で買えるフリーマーケットがお気に入り。そこに行くためにわざと予定を空けたのに、前日に男の子からデートに誘われて行けなくなるなんてこともありました。
▲スキンシップも、本作からの新システム。見つめる、寄り添うなどの他、チョップという変わり種 の選択肢もあります。 |
2008年2月14日には、新キャラクターや新システムを追加したDS版が発売されました。こちらでは、なんと男の子たちと親友になることができます。
親友になった相手に、恋の相談に乗ってもらったり、デートの予行練習をしたり。そのまま親友で終わることもあれば、男の子が自分の気持ちを自覚して再度恋に発展することも! 男性にとったらそんな都合のいい展開と思うかもしれないですが、乙女の夢なんです! ご容赦ください。
▲親友になる男の子が、事故チューの相手というのがなんとも業の深いところ。気になる女の子の恋 を応援せざるをえない彼らが、本当に切ないです。 |
新キャラクターはセレブな先輩と、内気すぎる転校生の2人。彼らもすでに紹介したメンバーに負けず劣らず個性的です。仲の深め方も特殊でデートをするのではなく、専用コマンドを実行するというのが新鮮でした。
●真嶋太郎(まじま たろう)(声優:谷山紀章)
女の子に人気のキザな先輩。主人公を振り回すような言動が多くて、実は少し苦手でした。でも彼にもちゃんと事情があるのを知ってしまうと……ほだされますよね。
●古森拓(こもり たく)(声優:松原大典)
ゲームの二年目に転校してくる少年で、無口で内気。なぜか学校に来ない彼を気にかけ続けると、古森くんの心境に大きな変化が生まれます。
この記事を書くために改めて本作をプレイしたのですが、今遊んでもやっぱり楽しくて名作はすごいなと思い知らされました。ちょっと懐かしくなったそこのアナタ、久々に羽ヶ崎学園の門をくぐってみませんか?
【周年連載 バックナンバー】
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→第41回:太正桜に浪漫の嵐! 『サクラ大戦』生誕20周年の節目に数多のユーザーを熱狂させた、その魅力を振り返る
→第40回:『桃太郎電鉄16』発売から10周年。久しぶりに4人で遊んでみたらやっぱりおもしろかった!
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