2016年8月9日(火)
タイトーは、アーケードゲーム『電車でGO!』の最新作『電車でGO!!』の発表会を、8月8日に東京・恵比寿で開催しました。本記事では、そのレポートをお届けします。
『電車でGO!』は、1997年にアーケードとして登場した電車運転シミュレーターゲーム。来年とある2017年は、初代の筐体が稼働を始めてから20周年となりる記念すべき年です。ゲームの発表に関する記事も掲載しているので、ぜひチェックしてください。
発表会が始まり、まずはタイトーの代表取締役・石井光一氏が登壇し、「本作は、スクウェア・エニックス ヴィジュアルワークスの協力を得て、実写の様な最新CG技術による『電車でGO!』が楽しめます。今までのファンだけでなく、さまざまな年齢層に体験して欲しいです」とアピールしました。
▲タイトー代表取締役・石井光一氏。 |
続いて、ジェイアール東日本企画の常務取締役・営業本部長・JR局長の筑波伸夫氏より「『電車でGO!』は今まで“電車運転シミュレーター”として発売されましたが、今作では“電車運転士体験ゲーム”として、よりリアルになって登場します。20年前を思い出しながら、個人的に楽しみたいと思います。」と思いを語りました。
また筑波氏は、20年前に『電車でGO!』の名人として有名だった松本隆さんに今回の作品のことを伝えると、松本さんより「本当におめでとうございます! 当時の名人として私も挑戦し、どんな素晴らしいゲームができたか体験したいです」と、語られたことを明かしました。
▲ジェイアール東日本企画の常務取締役・営業本部長・JR局長の筑波伸夫氏。 |
筑波氏からのあいさつが終わると、いよいよ本作の筐体と運転席がお披露目されました。前面を囲うような3つの大画面やサラウンドスピーカー、コントローラーなどが確認できます。
筐体の紹介が終わり、次に登壇したのは本作の開発を担当した、タイトーのAM本部コンテンツ開発部部長の川島健太郎氏より、プレゼンテーションが行われました。
▲タイトーAM本部コンテンツ開発部部長・川島健太郎氏。 |
健太郎氏はまず、筐体の大きさについて紹介。実際の電車の運転席は300cmほどありますが、この筐体は全幅260cmとほぼ同サイズで、非常に大きなものとなっています。
本作ではアンリアルエンジン4を使用しており、スクウェア・エニックス ヴィジュアルワークスの監修を受け、まるで現実と見紛うような圧倒的な臨場感が実現していることをアピールしました。
ゲームにはミッション制を採用しており、それぞれのミッションごとに別のストーリーが展開します。川島氏は例として“センター試験当日に駅で待ってる受験生を、定刻通りに駅まで届ける”というミッションや、“スカイツリーなどの観光スポットの近くを通る時に、スカイツリーが見えやすいように速度を落としてお客を喜ばせる”というミッションなどを紹介。
日々の日常を支える運転士を実際に体験できるようにしたいと語っていました。
▲定期的にアップデートされ、新しい路線が増えるとのこと。 |
川島氏は続いて、本作と連動するスマートフォン用アプリゲームやタイアップ情報を紹介。詳しい内容については話せることが少ないらしく、今後公開される情報を待って欲しいとのことです。
川島氏からのゲームの紹介が終わり、本作のビジュアル監修を行ったスクウェア・エニックス ヴィジュアルワークスやタイアップとして『電車でGO!!』を盛り上げるアライアンスカンパニーの担当者から、それぞれコメントが送られました。
●スクウェア・エニックス ヴィジュアルワークス チーフ・クリエイティブディレクター・生守一行氏
リアルさだけでなく、キレイさを目指した作品作りを手伝わせていただいてます。鉄道ファンだけでなく、親子で楽しめる作品を目指して製作をしていますので、ぜひお待ちください
▲スクウェア・エニックス ヴィジュアルワークス チーフ・クリエイティブディレクター・生守一行氏。 |
●カワダオリジナル事業本部事業部長取締役の高橋宏行氏のコメント
カワダでは動くナノブロックとして、鉄道がモチーフとなった『ナノゲージ』を発売しており、これをもっと深めるために“鉄道のプロ”とコラボをしたいと以前より思っていました。
そこにタイトーの川島氏よりこのお話しを聞き、すぐにやらせて欲しいと即答しました。バーチャルな『電車でGO!!』と、アナログな『ナノブロック』で何ができるのか企画を進めています。
▲カワダオリジナル事業本部事業部長取締役の高橋宏行氏。 |
●ジョルダン代表取締役社長佐藤俊和氏
ジョルダでは、スマホでの新しい連携を考えています。今は『ポケモンGO』が人気ですが、来年には『電車でGO!!』が人気となるように頑張っていますので、ご期待ください。
▲ジョルダン代表取締役社長佐藤俊和氏。 |
●交友社代表取締役社長山田修平氏
タイトーさんとの思い出では、2003年3月号の『鉄道ファン』では、裏表紙に『電車でGO!』の広告を載せましたが、雑誌の表紙をオマージュした“電GO! ファン”という広告が話題になったことが忘れられません。当時は“電GO! ファン”の問い合わせが会社にまで来るほどでした(笑)。
▲2003年3月号。左は表表紙、右は裏表紙。 |
その後『電車でGO!』のさまざまなタイトルでお手伝いさせていただきましたが、今回の最新作『電車でGO!!』ではさらに、ゲームを遊ぶ人たちに喜び、感動、驚きを味わっていただけるんじゃないかと思い、協力させていただくことになりました。
▲交友社代表取締役社長山田修平氏。 |
最後に、川島氏より「『電車でGO!!』をずっと作っていましたが、ようやく発表できることになりました。鉄道のゲームを作るということでたくさんの鉄道関係者と話してきましたが、安全に運行し、安心できるサービスを提供するという、彼らの信念に心を打たれました」とコメント。
その上で「そういった想いを受け止めた上で、20年目となる『電車でGO!!』を完成させたいと思います」と本作に対する思いを語り、本発表会を締めくくりました。
本作の開発を担当した川島賢太郎氏に対して、記者による質疑応答が行われました。
――本体のVR化は予定されてますか?
VRについては興味があり、研究してますが、今回はゲームの筐体が大きくリアリティのあるものとなっているので、まずはアーケードゲームを遊んでもらい、リアリティを感じて欲しいと思います。
――筐体にカードをタッチするようなものが見られますが、どういう機能あるのでしょうか?
タイトーでは、『電車でGO!』に限らずアーケードゲーム施設の電子マネー化を推進しており、『電車でGO!』も同様に対応予定となっています。
また、タイトーとしては100円玉を1枚入れることで3分~5分遊べるというプレイスタイルを変えるべきではないかという、問題意識をもっています。
本作で採用されるかは未定ですが、1カ月の間に何度かフリープレイができる定期券のようなカードの販売や、100円以内のコンテンツの販売方法を検討しています。
――ゲームの正式な稼働時期はいつになりますか?
稼働時期は現在調整中ですが、来春を予定しています。また、アーケードゲームというのはお客様に遊んでいただいてこそのものだと思っています。
そのため、正式なサービスの前に、実際の店舗に筐体を置き、お客様に遊んでもらうロケーションテストを何度か実施し、それを通して慎重にゲームを作っていきたいと思っています。
また、最初のロケーションテストは年内を考えています。
――ゲームの音楽はどなたが担当しますか?
ゲームの音楽や効果音などの音響も含めて、すべての曲をZUNTATAが担当します。
――筐体の右上に“クハ40-400”という形式名称が書かれていますが、命名の由来はなんでしょうか?
今回の『電車でGO!』は1作目から数えて4作目なので、10系から数えると40系になります。また、電車の先頭車かつ普通車を表す“クハ”という名前がついています。
さらに、今回展示されている筐体はモデルチェンジを何度か繰り返した末の4番目の筐体であり、そのために400番台を表す数字がついています。
――ファミリー層に遊んでもらうために、子ども連れのユーザーが入りやすいような配慮はどういったものがされていますか?
展示されている試作機では実装されていませんが、今後作る予定の量産機では筐体の左側のドアが外れるようになり、子どもが座れるようなスペースが解放されます。
▲片側だけを開くことも、両方解放することもできるとのこと。 |
アミューズメント施設だけでなく、ファミリー層の多いフードコート、ショッピングセンターなどで、電車のアトラクションのように置いて欲しいと思っています。
※開発中につき、製品版ではデザインが変わる可能性があります。
(C)TAITO CORPORATION 1996, 2016 ALL RIGHTS RESERVED.
データ