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2016年10月10日(月)

『FGO』エミヤのモーションが全面改修? 第7章シナリオは第6章の1.5倍に

文:イトヤン

 徳島県徳島市で9月24日~10月10日に開催された“マチ★アソビ vol.17”。ここでは10月9日にufotable CINEMAで開催された、“『Fate/Grand Order』クリエイターズトークイベント in マチ★アソビ vol.17”の模様をお届けします。

『FGO』

 『Fate/Grand Order(FGO)』の開発・運営を担当するディライトワークスの開発スタッフが、ファンの皆さんに向けて直接、『FGO』の新情報や裏話を語るというこのイベント。FGO PROJECTクリエイティブディレクターの塩川洋介さんと、マーケティングディレクターの石倉正啓さんが登壇しました。

『FGO』
▲塩川洋介さん。
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▲石倉正啓さん。

 このクリエイターズトークイベントは、今年5月の“マチ★アソビ vol.16”に続いて、2回目の開催となります。開催当日の朝に、このイベントの整理券を求めて集まったファンは、なんと500人以上!

 その話を聞いた塩川さんは、ファンの皆さんがそれほど大勢集まってくれたということで、今回紹介する新情報の量を急遽追加したのだそうです。

 まず最初に前回のトークイベントが開催された今年5月から、現在までに『FGO』でどのようなイベントで行われたのかを振り返りつつ、塩川さんが制作秘話を語ることになりました。

『FGO』

 5月に開催されたイベント“鬼哭酔夢魔境 羅生門”は、事前の告知もなく明け方に突然スタートしました。塩川さんによると、この直前に行われた『Fate/Zero』スペシャルイベントでアクセスが集中してトラブルが発生したために、新たなトラブルを避けるためにあえてこうした形を採ったそうです。「プレイヤーの皆さんには申し訳なかったと思っています」と、塩川さんは語っていました。

 続いては、6月に開催されたイベント“星の三蔵ちゃん、天竺に行く”についてです。塩川さんによるとこれは本来、メインシナリオ第6章で登場する玄奘三蔵の体験クエストとして企画されたそうです。

 ところがシナリオを執筆したライターさんの筆がノリにのってしまいかなりボリュームアップしたために、西遊記のイベントとして制作されることになったそうです。

 そして7月にはさらに、メインシナリオの第6章となる“第六特異点 神聖円卓領域キャメロット”が公開されました。こちらはバトルが特殊だったり、その難易度が高かったりといった点でも話題となりました。

 塩川さんによると第6章では、シナリオで描かれている世界観やテーマ性を、どうやってゲーム性に落とし込むかということを重要視しているそうです。そして第6章のシナリオでは、円卓の騎士の脅威が重要な役割を占めているので、これをゲームとして表現するために、趣向を凝らしたバトルになったとのことでした。

「『FGO』では普通の水着イベントはやらない」ことで意見が一致!

 8月といえばなんといっても忘れられないのが、“夏だ! 海だ! 開拓だ!”と銘打たれた、2部構成の水着イベントです。

 夏に水着イベントをやることは以前から決めていたとのことですが、「『FGO』で普通の水着イベントはやらない」というのが、開発チームとTYPE-MOON、シナリオライター陣の一致した意見だったそうです。そこから生まれたのが、無人島に建物を建設していく開拓クエストです。

 ちなみに、どのサーヴァントを水着イベントに登場させるかについては、配布キャラをスカサハにするというのがまず最初に決まり、アルトリアはやはり外せないだろうということで選ばれました。

 アン・ボニー&メアリー・リードは、ノーマル版でメアリーがメインとなっているので、アンのほうがメインになるバージョンも登場させたいという課題が以前からあったので、この機会に登場させたとのこと。

 9月には、『プリズマイリヤ ドライ!!』コラボイベントとなる“魔法少女紀行 ~プリズマ・コーズ~”が開催されました。このイベントはひろやまひろしさんが、キャラクターデザインから宝具のデザインやセリフの監修まで、全面協力しているとのことです。

 そして最後に紹介されたのが、現在開催中のイベント“ネロ祭再び~2016 Autumn~”です。こちらは日替わりでクエストが更新されていますが、じつは毎日リリースの1時間前ぐらいまで、ずっと調整を続けているのだそうです。このようにギリギリまで調整を行うのは『FGO』ではよくあることなのだそうですが、このイベントでは特に調整に時間を費やしているのだとか。

 こうして『FGO』の約5カ月の歩みを振り返った塩川さんは、「各イベントに必ず新しい要素を入れるというのが、2016年を通じて貫いていくことが目標」だと語っていました。ユーザーさんにとっては“飽きる”のがいちばんイヤだろうということで、いかに飽きさせないようにするのかを意識しているそうです。

今後は日本全国で『FGO』のイベント開催を計画中!

 イベントの制作秘話に続いては、今年5月以降に『FGO』に実装されたシステムを振り返ることになりました。

『FGO』

 このなかで“無記名霊基の特殊召喚”について、「これを狙って大量に集めてもらうという意図ではない」と、塩川さんは語っていました。同じ星5サーヴァントを6騎以上手に入れても、マナプリズムや経験値にしかならないという問題を解決したかったために、このシステムが実装されたのだそうです。

 さらに新情報として、星4サーヴァントについても同様に、6騎以上集まった時に補填することのできる機能を考えていると明かしました。ちなみにそれは、無記名霊基とはまた別の仕組みになるのだそうです。

 一方、マーケティングを担当する石倉さんは、5月以降に行われた『FGO』のPR展開を振り返ることに。

『FGO』

 まずは5月に開催された、期間限定のリアルイベントである『Fate/Grand Party in HARAJUKU』についてです。石倉さんによると、こちらは女性の来場者が多かったとのことで、今後も女性向けの企画として、こうしたカフェの展開も楽しいのではと考えているそうです。

 そして忘れられないのが、『FGO』1周年を記念して開催された“『FGO』夏祭り2016 in 秋葉原”です。石倉さんとしては、1周年を迎えるのは非常に重要だということで、かなり前からイベントの準備をしていたそうです。

 ところが大規模な会場はすべて埋まっていて、秋葉原のUDXしか空いていなかったのだとか。そこから逆算して、秋葉原の街を巡るスタンプラリーという形にしたそうです。そして実際に開催されると、なんと1万人もの来場者が! これは1日の来場者としてはUDXの最高記録なのだとか。

 ちなみにこのイベントでは、公式サポートマンガ『もっとマンガで分かる! Fate/Grand Order』の主人公“ぐだ子”のお面が抽選で配布されました。

 ぐだ子のお面に加えて、このイベントではエクスカリバーをかたどったバルーンも配布されましたが、石倉さんによるとこのバルーンはあえて、空気を入れた状態で配布されたとのことでした。

 「折りたたんだ状態で渡したら、そっとカバンにしまわれるだけだと思った」と石倉さん。空気を入れた状態で配布したことで、石倉さんの期待どおり、ぐだ子のお面をつけた人たちが、エクスカリバーのバルーンをブンブン振り回しながら、秋葉原の街を歩き回る姿を見ることができたそうです(笑)。

 さてここからは、今後のPRについての新情報が発表されました。

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 まずは、こうした『FGO』のイベントを、今後は日本全国で開催したいとのこと。石倉さんによると今年12月から、全国4都市ぐらいの規模で回ろうと考えているそうです。その際はこのイベントのように、塩川さんが新情報をファンに直接伝えるトークイベントも開催したいとのことです。

 また11月の初旬には、『FGO』の新たなニコ生配信を予定していると明かされました。こちらは通常版とは異なる特別版の内容となるとのことで、近いうちに詳細が発表されるそうです。さらに、2017年春に開催される“Anime Japan”にも、今年に続いて『FGO』の参加が決定しているとのことでした。

メインシナリオ第7章には「『Fate』ならこのキャラ」というサーヴァントが登場する!

 PRの新情報に続いて、いよいよ『FGO』のゲーム内容に関する新情報が発表されることに。塩川さんも「今日はそのために来ました」と、意気込みを語っていました。

『FGO』

 まずは会場に集まったファンだけが見ることのできた、特別な動画が公開されました。こちらは最初に紹介したように、このイベントの入場整理券を求めて500人を超えるファンが集まったという期待に応えるために、特別に用意されたものだそうです。

 そして上映されたのは、サーヴァントのエミヤが宝具“無限の剣製(アンリミテッドブレイドワークス)”を使用する、まったく新たな演出の動画! 無数の剣が敵を襲う、アニメさながらの大迫力の映像に、会場に集まったファンからは割れるような大歓声が起こっていました。

 塩川さんによるとエミヤは宝具だけでなく、キャラクターのグラフィックから基本モーションまで、全面的にリニューアルが行われているとのこと。ただし、会場で披露された動画はあくまで現在開発中のもので、リニューアル後のエミヤが登場するのは、まだしばらく先になる様子。

 続いて説明されたのは、メインシナリオ第7章の進行状況についてです。塩川さんは、このトークイベントが開催された日の朝に、奈須きのこさんから第7章のシナリオが届いたと明かしました。

 もともと第7章のシナリオは、第3章や第4章と同等のボリュームになる予定だったそうです。ところが実際に届いたシナリオは、“かなり長い”と言われている第6章の、さらに1.5倍ちかくになっているとのこと。

 また塩川さんは「第7章には、『Fate』といえばあのキャラというサーヴァントがついに実装される」とも語っています。とはいえ、シリーズの原点となる『Fate/stay night』のサーヴァントたちはすべて『FGO』にも登場しているだけに、まだ未登場のキャラといえばマスターたちですが……!?

 ちなみに塩川さんによると、シナリオが届いたのはこの日の朝だといっても、第7章のプロットや素材は以前から受け取っているため、ゲームとしての実装がこれから始まるというわけではないとのこと。とはいえ、メインシナリオ第7章が実際にプレイできるようになるまでは「今しばらくお待ちください」と語っていました。

今後はイケメンサーヴァントが中心の女性向けイベントも!?

 さて最後は、会場のファンから寄せられた質問に回答するコーナーです。ここではいくつかの質問をピックアップしてご紹介しましょう。

『FGO』

 「ゲーム中のイベントで、イケメンサーヴァントが中心となる女性向けのものがあっても良いのでは?」という意見に対して、塩川さんは「開発チームにも女性スタッフが多いので、プレッシャーがスゴい」と語っていました。

 石倉さんが「以前に行った“カルデアボーイズコレクション”をまたやりましょうか」と返すと、会場からは「シナリオや新サーヴァントもほしい」との声が。「男性キャラの水着イベント」という石倉さんの提案には微妙な反応でしたが、「執事みたいな格好でパーティーを」という案には、会場の女性陣から拍手が起こっていました。

 「開発側としてとくにこだわって作っているキャラクターや演出は?」という質問に対して、塩川さんは「あとから作っているキャラほど、以前のキャラを超えようとして、どんどんと演出のこだわりが強くなる」と回答していました。

 ちなみに塩川さんのお気に入りの演出は、マシュの新宝具とのこと。『FGO』のバトルでは、キャラが正面を向くとCGの作りが変わってしまうのでやらないそうなのですが、マシュだけは特別なキャラなので、新宝具の演出の際にあえて正面を向いているのだとか。

『FGO』
▲トークでも話題となった、ぐだ子のお面やエクスカリバーのバルーンがもらえる、ジャンケン大会も行われていました。

 石倉さんによると、今年の4月に『Fate/Zero』のスペシャルイベントが開催されて以降、1周年を過ぎた今もなお、『FGO』のユーザー数は増え続けているのだそうです。1日に遊んでいるユーザーの人数も、『Fate/Zero』スペシャルイベントの時にそれまでの最高を記録したとのことですが、現在はその約1.5倍に増えているのだとか。

 これについて石倉さんは、「みなさんの応援のおかげで、『FGO』は『Fate』ファンだけでなく、それ以外の人たちにも広がり続けています」と説明。「2周年を迎えても、“まだ伸びています”と言えるように、これからもがんばっていきます」と語っていました。

 一方、開発チームとしての立場から「現在制作を進めているメインシナリオ第7章が非常に重要」と語った塩川さん。「7章を通じて、2016年の『FGO』はスゴかったと思ってもらえるような仕掛けも用意していますので、配信を楽しみに待っていてください」とコメントして、イベントを締めくくっていました。

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