2016年11月29日(火)
アニメ『ガールズ&パンツァー 最終章(以下、最終章)』が全6章構成であることや、合計で240分以上になることなど、さまざまな情報が明らかになった“第20回 大洗あんこう祭”でのステージ出演を終えた渕上舞さん、茅野愛衣さん、尾崎真実さん、中上育実さん、井口裕香さんのインタビューをお届けする。
▲左から尾崎さん(五十鈴華役)、茅野さん(武部沙織役)、渕上さん(西住みほ役)、中上さん(秋山優花里役)、井口さん(冷泉麻子役)。 |
今年で5回目となる“大洗あんこう祭”のステージに出演した感想や、公開から1年を超えるロングランとなった『ガールズ&パンツァー 劇場版(以下、劇場版)』、そしてうっすらとではあるが情報が公開された『最終章』についての話などを伺ったので、ファンはぜひご一読いただきたい。
――あんこう祭のステージが終わったばかりですが、5年連続参加してのご感想を聞かせていただけますか?
▲こちらは、“第20回 大洗あんこう祭”でのステージの模様。 |
尾崎さん:お天気に恵まれ、暖かいあんこう祭でしたが、年々お客様の数が増えているなと(※公式発表で2015年は約11万人。2016年は13万人)ステージの上から見ていても感じました。
▲尾崎さん |
あれだけたくさんの皆様の前に立たせていただくことってなかなかないので、その人数には毎回圧倒されますが、いつもあたたかい空気の中、良い意味でリラックスして立てるステージです。大きなパワーをいただきました! 来年もここに来ることができればいいなと改めて思いました。
茅野さん:私たちにとっては5年目のあんこう祭でしたが、初めてあんこう祭のステージに立った時のことを今でも覚えてます。直前に催されたあんこうの吊るし切りで落ちたであろうあんこうの身があったりして(笑)。今年も5人そろって参加できたことがうれしいですし、何よりも『最終章』が全6章であると知った時のお客さんの笑顔がうれしかったです。私たちも頑張らなきゃ! と思いました。
渕上さん:私は毎年、開会式のあいさつをさせていただいているんですけど、今年は、その時点でもうお客さんがいっぱいだったので驚きました。トークショーの時には360度お客さんがいるような状況で、本当にうれしかったですね。
中上さん:毎年来場者が更新されていくって、本当に珍しいことですよね。昨年から自分の携帯で客席の写真を取らせていただいているのですが、昨年のものと比べると、やはり「増えたな!」って感じがしますね。あれだけいっぱい人がいても、皆さん礼儀正しく見てくださるので、これは本当にすごいことだと思います。今日は『ガルパン』の“これから”について聞くことができたので、うれしく思っています。
井口さん:私たちにとっては5年目のあんこう祭ですが、今年は水島監督と初めて一緒に参加できたことがうれしかったです。声優陣、制作スタッフともに人数が非常に多い作品で、本当であれば、全6章だと知って驚きながらも喜んでくれたお客さんたちの顔を、皆に見せてあげたい気持ちです。
今日ファンの方々が見せてくれた笑顔だったり、それを見てうれしかった気持ちだったりを忘れずにアフレコに臨もうと、心を新たにしました。
――『劇場版』が2015年の公開からついに1年を超えるロングランとなりました。そのことについてひとことお願いします。
尾崎さん:動員数や興行収入もすごいのでしょうが、1年続いていることがまず驚きですよね。個人的にはそういう状況って、ちょっと記憶にありません(笑)。
(※編註:11月28日に公式Twitterアカウントで興行収入・動員数のアナウンスがありました)
一旦「劇場版」のすべての上映が終わりましたので、ここまでの興行収入・動員数をご報告いたします。
「ガールズ&パンツァー」公式アカウント (@garupan) 2016年11月28日
■2016年11月27日時点
累計動員:1,421,237人
累計興行収入:2,440,849,294円 https://t.co/kivd8tZ8PX #garupan pic.twitter.com/OjHhrEtSyC
友人をはじめ、私の身近な人たちの中にも「もうすぐ1年経つからまた劇場で見てみるよ」という人もいたりして、「DVDやBDも出ているのに、すごい!」と驚きました。やっぱり劇場で見たくなる作品なんだなと、再認識させられました。1年以上先のことですが、『最終章』がどうなってしまうのか、今からドキドキワクワクしています。
茅野さん:『劇場版』は、途中から4DXでの上映が始まりましたが、思い返してみたら、TVアニメ第1話先行上映イベントの時に「身体を揺らしながら見たら、戦車に乗っている気分になれるかも」と言っていたんですよ。もちろんその時は4DXという形で実現するなんて夢にも思わなかったし、まさか劇場アニメになって、しかも1年間のロングランをするなんて……。いまだに信じられない気持ちですね。
渕上さん:あんこう祭のステージにいたお客さんの中には、10回以上見てくださったお客さんが大勢いたし、中には100回以上見てくれている人もいましたからね。
茅野さん:通常、劇場で10回も同じ映画を見るということでさえなかなかないでしょうし、100回以上も見てくれている人なんて生活に溶け込んでいるレベルだと思うんですよ。本当にすごいパワーを持った作品なんだなって思い知らされています。
渕上さん:異例すぎますよね。11月26日には立川シネマシティで舞台あいさつに立たせていただくことになりましたが、映画の“上映1周年記念舞台あいさつ”なんて私自身初めてですし、聞いた記憶がないことです。私のまわりにも改めて映画館で見てくださる方がいて、時が経つにつれて、魅力がどんどん増していくような、新しい魅力を発見できるような作品ですね。
中上さん:皆さんと同じようにビックリしています。1年間、何回もの鑑賞に耐えうる作品になったのは、制作に携わった皆さんの愛があったからこそだと思うんですよね。そして『劇場版』のすべてを味わいつくそう、全部見てやろうと、ファンの皆さんが愛を持って追いかけてきてくれたからこそ、結果としてこんな異例のロングランになったんじゃないかと。
『劇場版』は、4DXや爆音上映などさまざまな形の上映スタイルがありましたが、中には台湾で上映された字幕版を見に行ってくださった方もいたようで、作り手の愛もそうですが、見てくれる方の愛もギュッと詰まった作品なんだなって思います。
井口さん:昨今は、劇場で見ようと思っていたのに終わってしまって、DVDを待つ……なんてことが私自身しょっちゅうあるのですが、そんな中で1年間もロングランするなんて、本当にありがたいことだと思います。でも上映中の1年は、体感的にはアっという間でした。「もう1年も経ったの!?」と驚いたくらいです。
――『最終章』には、今までに登場した名前付きのキャラクターたちはだいたい出るとのことですが、皆さんが活躍を見てみたいキャラクターは?
井口さん:西……(一同笑)。『劇場版』で初登場した西絹代ちゃんですが、主に交流するメンバーが決まっていたので、今まであまり話したことがないキャラクターたちと会話をしたらどうなるのかを見てみたいです。もちろん、麻子とも話してほしいです。
また、西ちゃんに限らず『劇場版』から登場したキャラクターたちと、大洗の女の子たちをはじめTV版から登場していたキャラクターたちが会話するとどんな感じになるのかは気になります。話す組み合わせによって、今までに見たことのない面が見られるかもしれないので、それが楽しみですね。あとは、監督が言っていた『最終章』の新キャラたちも……オーディションのスケジュールを空けて待っています!(笑)
中上さん:優花里を演じている身としては、まずどんな戦車が出るのか気になりますね。きっと優花里が乗るのはIV号ですけど、いろんな戦車に乗れたらいいのになぁと思うことはありますね。
▲中上さん |
キャラクターで言ったら、ボコにもっと出てきてもらいたいですね! ボコミュージアムにもまた行ってもらいたいですし。水島監督がツイッターで「ボコは自分より強い者としか闘いません。」とつぶやいていらっしゃって、そんなカッコいいボコの活躍……今度は誰にボコボコにされるのかを楽しみにしています。
渕上さん:私はお母さん! しほさんに活躍してほしいですね。常々言っていることではあるんですが、お姉ちゃん――まほとは仲直りというか絆を深めることができたと思うんですが、お母さんとはまだ距離があるようなので……。きっと、お母さんもみほのことを認めてくれているとは思うんですけど、劇中ではまだ対等に、というか親子らしい会話をしていないので、それが実現するとうれしいです。
その場合、ひょっとしたら会話じゃなくて戦車道で立ち向かう! ってこともあるかもしれませんが……。そんな展開があったりしないかな、と思っています。
――もしも、みほとしほが戦うことになった場合、渕上さんとしては、まほにどちら側についてもらいたいですか?
渕上さん:そうですね……。どちらの側につくのでもなく、見ていてほしいです。強くなったみほと大洗女子学園の姿をお母さんだけでなく、お姉ちゃんにも見せたいと思います。
茅野さん:大学選抜チームはどうなるのか気になりますね。『劇場版』で登場した時には、大洗の皆にとっては廃校をかけて戦う相手だったわけですが、廃校を免れた状態で会った時にはどうなるのかな? どんな話をするのかな? と気になりますね。特にみほとボコつながりで仲よくなった愛里寿はどんな形で出てくるのかも楽しみなところです。
尾崎さん:私は、旧生徒会のメンバー(角谷杏、小山柚子、河嶋桃)がどうなっているのかが気になりますね。季節が変わっていることは、あんこう祭のステージで水島監督が話してくださったのですが、生徒会の引き継ぎが終わった後なのかどうなのかはまだわからないので、どういう活躍を見せてくれるのか気になりますね。
――水島監督は「杏たち3人は、いい意味でも悪い意味でも活躍する」とおっしゃっていましたね。
尾崎さん:そうなんですよね。旧生徒会がどういった形で活躍を見せてくれるのか、そして新生徒会がどうなるのかも注目したいです。
――TV版では全国高校生大会を制し、劇場版では(連合チームで)大学選抜チームを倒したわけですが、『最終章』ではどこと戦ってみたいですか?
渕上さん:さっきはお母さんと戦うことになるかもとは言いましたが、戦ってみたいのは継続高校ですね! 『劇場版』ではカールを倒すために活躍しましたが、実際に戦車道では強いのかどうか、大洗と試合したらどうなるのか興味があります。
ミカが演奏するカンテレの音楽にあわせて戦っているシーンが好きなんですよ。『最終章』では、ひょっとしたらミカたち以外にも継続高校の女の子たちが出てくるかもしれませんし、ミカ以外にもあんな帽子をかぶっているキャラがいたりするのかな? 団体で戦うとどうなるのかな? なんて気になっています(笑)。
中上さん:私は(全国高校生大会の)トーナメント表に書かれていた“コアラの森学園”が気になっているので、出てきてほしいです。出てきていただいたら……戦ってみたいですね(笑)。
井口さん:知波単とは戦いたくない! でも戦ったら登場するシーンが増えるわけで……。複雑ですね。戦術はわかりきっているから、あっという間に終わっちゃいそうですし。
▲井口さん |
ひょっとしたらですけど、身内から敵が生まれたりするかもしれませんし、世界から大きな敵がやってくるかもしれませんし、水島監督たちがどんな相手と戦わせてくれるのか楽しみですね。西ちゃんと、そして麻子が活躍する展開になれば、言うことなしです!(笑)
尾崎さん:TVシリーズで始めて戦ったのは聖グロリアーナですが、大洗は結局まだ聖グロに勝ったことがないんですよね。……でも、負けたのは練習試合やエキシビションマッチなので、公式戦でガチで戦って勝ちたいですね。再びダー様に紅茶をこぼさせてみたいです!
茅野さん:みんな戦う気満々だね(笑)。わたしは、メンバーをシャッフルして戦ってみたいです。まったく違うメンバーで戦車に乗ったら、どんな話をするのか気になります。例えば、西ちゃんと麻子が同じチームになったり。
井口さん:麻子は「吶喊(とっかん)はいやだ」とか言いそう(笑)。
――沙織とチームメイトになるとしたら、誰と組んだらおもしろそうとか、上手くやれそうというのはありますか?
茅野さん:沙織は割と誰とでも上手にやれそうですよね。ノンナやクラーラがロシア語で話していても、いつの間にかロシア語を覚えていたり。って、そうなったら私もロシア語を勉強しないといけなくなっちゃう(笑)。
▲茅野さん |
――来年1月に大阪(1月21日)と東京(1月27・28日)に“オーケストラコンサート ~Herbest Musikfest2015~ 追加公演”が開催されます。こちらについて、渕上さんから注目のポイントや、聞きどころを聞かせていただけますでしょうか?
渕上さん:基本的には前回のオーケストラコンサートと同じということですので、TVアニメのストーリーを追っていきつつ音楽を聞く構成になります。何より、演奏がとても豪華なんですよ。普段は味わえない、少し違った『ガルパン』の世界にひたっていただけるとうれしいですね。
また、オーケストラコンサートと聞いてしまうと敷居が高く感じたり、「何を着て行ったらいいんだろう」と思ってしまい、ためらってしまうかもしれませんが、流れてくる曲はファンの皆さんがよく知っている『ガルパン』の曲です。今まで縁遠いと思っていたものが、身近に感じられるいい機会だと思いますので、ぜひぜひ多くの方にお越しいただければと思っています。
――それでは最後に、『最終章』への意気込みと、来年12月公開予定の第1章を楽しみに待っているファンにひとことお願いします!
茅野さん:あんこう祭で全6章だと発表されましたが、まだ具体的なスケジュールなどは声優陣も知らされていない状況です。おそらく来年もこうしてあんこう祭で皆さんにお会いできると思いますし、『ガルパン』が続くということは他にもそういう機会がきっとあると思うので、皆さんとともに1章1章かみしめながら楽しんでいきたいと思います。まずは第1章のアフレコを心をこめて、沙織と一緒に新生徒会の広報としてがんばります。
尾崎さん:新たに生徒会長となった華ですが、『最終章』では、生徒会長になったことで、今まであまり話したことがないキャラクターとも話す機会があると思うんですよ。そうした部分で華の新たな一面や成長する様子が見られるのではないかと期待しています。
第1章は日常がメインになるとのことだったので、普段はセリフ以外の部分が多い『ガルパン』の台本ですが、キャラクターたちの会話がいつもに比べて多くなるのかな、と楽しみにしています。今からいろいろと想像をふくらませながら、アフレコを待ちたいと思います。
井口さん:先ほどあんこう祭のステージが終わりましたが、これから『最終章』のヒット、そして劇場版の大ヒット御礼祈願を大洗磯前神社でしてきます。スタッフの皆さんのがんばりや、応援し続けてくださっているファンの方々の想いを大切にしつつ、心をこめてアフレコに臨みたいと思います。
『劇場版』で終わってしまったと思ったら、『最終章』というご褒美が待っていました。ひと言ひと言大事に演じますので、どうぞこの先も応援をよろしくお願いいたします。最後まで一緒に駆け抜けていきましょう!
中上さん:オーディションを入れるともう6年くらい『ガルパン』とかかわっていますが、まさか『劇場版』が作られて1年ものロングランになるとは思ってもいませんでした。これだけ人気ですから続きがあるのかな……とは思いましたが、“第2次ハートフル・タンク・カーニバル”で『最終章』が発表され、続きがあることへの喜びと、終わってしまうことへの悲しみで思わず泣いてしまいました。
そして今回のあんこう祭で『最終章』が全6章だと発表されて、ファンの皆さんと同じようにうれしさと驚きでいっぱいになりました。おそらく皆さんが待ち望んでいるものを、そして想像を超えるものを水島監督やスタッフが作り上げてくれると思うので、それをよりおもしろくできるように私も精進したいです。華さんや沙織ちゃんと一緒に、優花里も副会長としてがんばってくれると思いますので、よろしくお願いします。
渕上さん:『最終章』ということでさびしさはありますが、こうして“最後の場所”を作っていただけることのありがたさを、ひしひしと感じています。ですので西住みほたちたくさんのキャラクターたちが活躍する最後の場所を見られることを、悲しくはあるのですが楽しみにしています。
▲渕上さん |
『最終章』で成長した姿を見せてくれるであろうみほたちに負けないように、私たちたち自身も『最終章』のアフレコに向けて頑張りたいと思います。『劇場版』までの戦いで、戦車の操縦技術はもちろん、精神的にも大きくなったみほたちがどんな活躍を見せてくれるのか、楽しみでワクワクしています。きっと素敵なハッピーエンドになると私は信じでいますので、その時まで一緒に『ガルパン』を楽しんでいただければ何よりです。よろしくお願いします。
(C)GIRLS und PANZER Film Projekt
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