『FF15』のサントラは年越しにもおすすめ。メインコンポーザーの下村陽子さんに楽曲制作の感想などを聞く

文：電撃オンライン

　発売中のPS4/Xbox One用ソフト『ファイナルファンタジーXV（15）』のサウンドトラック『FINAL FANTASY XV Original Soundtrack』が12月21日に発売されます。

　これを記念して、メインコンポーザーを務めた下村陽子さんにインタビューを行いました。

▲下村陽子さん。

――サントラの作業が終わって一段落というところだと思いますが、今の感想をお聞かせください。

下村陽子氏（以下、敬称略）：そうですね、『ヴェルサスXIII』時代から数えると10年間ということで、ようやく……ようやく私のこの旅も終わりになりました。「長い旅だったなぁ～！」というのが正直な感想です。

　ただ、たしかにあっという間とは言えない長さですけれど、普通に考える“10年”の長さを感じているかというと、じつはもっと短かった気もするんですよね。やっぱりいろいろあったプロジェクトでしたので。

　その間はできるだけ自分の根本となる部分はブレないように意識してきたため、いい意味で卒業的な感慨もあります。10年分の曲作りにかけてきた想いが、いい形で消化できてよかったです。

　私もそんなにたくさんの感想を聞いているわけではありませんが、Twitterとかで海外のユーザーさんが「アメージング！」とおっしゃってくれているので、それだけで報われるという感じです。

　もちろん日本のユーザーさんからも「サントラ予約してます。楽しみにしてます」などのコメントをいただくと、いい形で発売を迎えられて本当によかったと思っています。

――ゲームの楽曲を本格的に作り始めたのはいつごろからでしょうか？

　『FFXV』というタイトルになってから、ガッツリ動き始めました！　とはいえずっと曲作り自体はしていたんですけど（笑）。本格的に……となると、やはり体験版『EPISODE DUSCAE』の前ごろからですね。

　ただ『Veiled in Black』という曲は『ヴェルサスXIII』の時代に作った曲です。『Somnus』が一番最初に作った曲ではありますが、じつは『Veiled in Black』も、その次くらいに作った曲なんです。それが体験版に使われたわけですが、約8年くらいを経て、ようやく皆さんに聞いていただけることになりました。

――下村さんの楽曲制作作業はどのようにしているのでしょうか？

　私の曲の作り方は、基本的にいつも同じです。ムービーやプレイ動画をいただいたり、フィールドの1枚絵やイメージイラストをファイリングして、それを見ながら作ることが多いんです。

　「こういうシーンの曲が欲しい」と口頭で説明してもらったのち、資料をいただいて作ることもあります。

――やはり曲名をつけるタイミングは、サウンドトラックを作る段階なのでしょうか？

　PVにのせたものや、過去のアルバムに収録したものなどは元々つけていました。いくつかの曲は“こういうタイトルにしようかな”と漠然と決めていたりもしましたね。

　大体はサントラ制作の中に“曲名付け”という作業が入っているので、マスタリングと並行して曲名を付けていきます。その前は、かなり適当なものが付いています。“バトル1”とか“2”とか。作業中にタイトルが変わることもよくありましたね。

――およそ100曲ほど収録されていますが、厳選した感じでしょうか。

　ほぼほぼ全曲ですね。容量的にもう入らないってところまで詰め込んでいます。ゲームの追体験をするくらいの流れはできていると思います。ボス曲が入っていないとか、そんなことはありません！

――3つのパッケージのどれがオススメですか？

　やっぱり初回生産限定特装盤がオススメですね。『Stand By Me』や特典映像なども入っています。あとボーナスディスクとして、カーステレオで聞ける楽曲を300曲収録したBlu-ray Discが入っています！

　じつはあれも最初は200曲くらいと聞いていたのですが段々と増えていって……（笑）。ちなみに、レガリアで曲を聴けるアイデアを提案したのは私なんですよね。元々は『FF』の曲をユーザーさんからアレンジで公募して、それを流すことはできないかなって提案してみたんです。「アナタのアレンジがゲームに採用されます」って。

　でも公募が難しいということで、じゃあ“SQ Musicシリーズ”の試聴音源を入れるのはどうかって話をしてたんですよ。ゲームを遊ばれている方でも、このシリーズを知らない人も多いと思うので、それを広める意味でもどうかなって提案したんです。

　結局それがどうなったのか知らないまま時が過ぎて、あるとき過去シリーズの楽曲がそのまま入ることになると聞いたときは「えー!?」って。私が提案したことだけど、ここまでするとは言ってないよと、提案した私が一番驚きました（笑）。

　最終的な意図としては、これをきっかけに新しい世代のプレイヤーにも過去作に興味を持ってもらいたいな、というものになったそうです。全曲合計で15時間以上収録されているので、年末年始にゲームをクリアした人たちが年越しを過ごすのにいいかなと思います。

　あとは限定版の価格を1万円以下にするために、いろいろと調整が大変だったと関係者が話していたのが印象的です。とにかくお得だと思います！

――サントラを買われる方やイベントを楽しみにしている方に向けて、ひと言お願いします。

　長い時間をかけて取り組んできたタイトルで、本当に感慨深いものがあります。作曲としてもアレンジとしても、本当にたくさんの方に参加していただいているので、10年という長さ＋幅、いろいろな方の個性が出ていたりして、非常にバラエティに富んでいると思います。

　サウンドトラックを聞いて、ゲームをプレイされた方がゲームの追体験と言いますか、ゲームを思い出していただけるといいなという思いで曲順を構成しているので、プレイと同様、音楽もサウンドトラックとして楽しんでいただけると非常にうれしく思います。ぜひ聞いていただけると幸せです。

　それと、ちょうどインタビューが掲載されるころには、イベントも各地で開催されていると思います。そちらでお会いできるのを楽しみにしています。ありがとうございました！

発売記念イベントを全国3都市5会場で開催

　本商品の発売記念スペシャルイベントが開催決定。現在、全国3都市5会場で開催を予定しており、各対象店舗での参加整理券の配布も順次開始されています。

　イベントへの参加方法は、12月21日発売の『FINAL FANTASY XV Original Soundtrack』（SQEX-20027～20029、SQEX-20030、SQEX-10566）を下記対象店舗で購入した人（予約者優先）に、先着でイベント参加券が渡されます。

　イベント参加券をお持ちの人は、トーク終了後のサイン色紙お渡し会に参加することができます。

※対象商品1点購入につき1枚イベント参加券が渡されます。なお、イベント参加券は先着順の配布となるので、なくなり次第終了となります。

【イベント開催日程】
■1：12月18日14：00～東京・タワーレコード渋谷店
【内容】発売直前トーク＆ミニライブ＆ポスターお渡し会
【出演】下村陽子さん、ピアニート公爵さん（※ミニライブへご出演予定）
本会場のみ全額内金予約必須となつています。

■2：12月21日20：30～東京・タワーレコード新宿店
発売記念トーク＆サインお渡し会
出演：下村陽子さん

■3：12月23日14：00～大阪・タワーレコード難波店
【内容】発売記念トーク＆サインお渡し会
【出演】下村陽子さん

■4：12月23日18：00～ 大阪・ディスクピア日本橋店
【内容】発売記念トーク＆ポスターお渡し会
【出演】下村陽子さん

■5：12月23日14：00～北海道・HMV札幌ステラプレイス店
【内容】発売記念トーク＆サインお渡し会
【出演】下村陽子さん

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データ

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