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2017年2月9日(木)

『グリムノーツ』1周年記念インタビュー。カオス・アリスは近日、遠距離系の新武器種は春予定

文:イズミン

 2017年1月21日に1周年を迎えた、スクウェア・エニックスのiOS/Android用アプリ『グリムノーツ』。開発者の皆さんにお聞きした、1周年までの総括をお届けします。

『グリムノーツ』
『グリムノーツ』
▲写真中央は石井諒太郎プロデューサー。左はシナリオを手掛ける大泉貴さんで、右はメインキャラクターのイラストを担当する穂里みきねさん。

 インタビューのお相手は、本作のプロデューサーの石井諒太郎さん、シナリオを担当している大泉貴さん、そしてメインビジュアルを担当している穂里みきねさんの3名。イベント年表とあわせて、サービス開始から1年間年の思い出話や、今後の展望についてのお話をお聞きしました。

 最新情報はもちろんのこと、イラスト入りサインスケッチブックのプレゼントもあるので、最後まで必見の内容となっています!

動画:『グリムノーツ』1周年記念プロモーションムービー

1月:サービス開始から3日で200万DL突破。予想以上の反響にビックリ!

2016年1月の主な出来事

実施日 出来事
1月21日 サービス開始
1月22日 50万DL突破キャンペーン開催
1月25日 100万&200万DL突破キャンペーン開催
1月29日 300万DL突破キャンペーン開催
1月29日 新想区“アラジンと魔法のランプ”追加
1月29日 イベント“プリンスキッス・エフェクト”開催。『白雪姫』『美女と野獣』より白雪姫、毒林檎の王妃、美女ラ・ベル、野獣ラ・ベットが登場

――まずは2016年の1月からになりますが、サービス開始の10日間で一気にDL数が伸びましたよね。

石井:とてもうれしかったのですが、とてもしんどかったです(笑)。全然想定していた速度ではなかったので、僕たちもとても驚きました。木曜日にサービスを開始して金曜日には100万DL近くまで伸びていたんです。

 それで、月曜日に100万DL突破したと発表しようとしたら、実際には200万DLを突破していて。初日にはサーバートラブルもあったので、その対応をバタバタの中でやっていました。

『グリムノーツ』

 元々、事前登録をやっていた段階で思ったよりも登録数が伸びていてサーバーを強化したのですが、配信当日には全然足りないという形となってしまいました。僕たちがまったく想定していない規模の反響があったことに驚きました。

――1月29日には新想区“アラジンと魔法のランプ”が追加されていますね。

大泉:アラジンの想区かあ。懐かしいですね。

石井:作りためていたものを解放したんです。用意していた想区のストックを、早くも出していくことになりました。

――大泉さんや穂里さんは、その時に新シナリオやキャラクターを作成していたというわけではなかったんですね?

大泉:基本的にはスケジュールに沿って作業や準備をしていたので、慌ただしかったのは石井さんだけかなって(笑)。

石井:でも、キャラクターのほうはなんだかんだ言ってあまりストックはなかったです。

穂里:実際はこの時点で2月のキャラクターの準備で大忙しという感じでしたね。

石井:なんであんなに作ってなかったんだろうってくらい作ってなかったんですよね。準備不足でした。他には、初めての想区追加で“メイン級のキャラが死ぬ”という展開も、かなり話題になりました。

――1月にはキャラクターイベント“プリンスキッス・エフェクト”もありましたね。

『グリムノーツ』

石井:最初のキャラクター追加となる白雪姫と毒林檎の王妃が、みきねさんのイラストで出ましたし、そういうこともあって特に力を入れました。大泉さんも会心の出来だったんだよね?

大泉:その後のキャラクターイベントの基礎にもなっているので、今でも思い入れがありますね。

2月:400万DL記念ストーリーや“しあわせの団子”など多数のイベントが開催

2016年2月の主な出来事

実施日 出来事
2月1日 初の協力イベント“振り下ろされる双刀”開催
2月4日 ランキングイベント“虚ろなる守護者の求めしもの”開催
2月8日 400万DL突破キャンペーン開催。記念オリジナルストーリー登場
2月15日 500万DL突破キャンペーン開催
2月15日 新想区“桃太郎”追加
2月15日 キャラクターイベント“しあわせの団子”開催。倉餅餡子、倉餅桃華、風切草之庵、瓦戦兵衛が登場
2月22日 600万DL突破キャンペーン開催
2月29日 新想区“ジャンヌ・ダルク”追加
2月29日 キャラクターイベント“マッチの勇者伝説・エピソード0”開催。『マッチ売りの少女』『いばら姫』『ヘンゼルとグレーテル』よりマッチ売りの少女、いばら姫、ヘンゼル、グレーテルが登場

――2月には、400万DL記念のオリジナルストーリーが登場していますね。

『グリムノーツ』

大泉:元々100万DLの時にやりたいと話していたんですが、あっという間に超えてしまって。

石井:そうですね。100万DLの時に“100万ありがとう”みたいなイベントは作ろうと大泉さんと話していたんですが、結果間に合わず。完成したタイミングでやろうといって初めて出した記念シナリオイベントです。

 500じゃなくて400なんですよ(笑)。でも逆によく400に間に合わせたよねって。

大泉:かなり短い時間で作りました(笑)。

――他には出典『グリムノーツ』のキャラクターによるイベント“しあわせの団子”などが開催されていますね。

『グリムノーツ』
『グリムノーツ』

穂里:“しあわせの団子”は初めてのオリジナルのシナリオでしたが、なかなかオリジナルキャラの立ち位置が難しいなと思いました。

石井:原典となる童話がない=ユーザー様が知らないキャラクターということで、反響は落ち着き気味でしたね。

 そういうところも含めて、2月は運営としてもどうしたらいいかを模索していた時期です。2月に実施したランキングイベントは、あまり好評ではなかったので、別の形の協力イベントに力を入れることにしましたし。

穂里:5月の武器錬成イベントに登場した水晶魔人は、元々ランキングイベント用に作られてたんですが、ランキングイベントをやめることになって協力イベントに出す形になったので、シナリオは表に出なかったんです。魔人の正体に触れていたりして興味深い内容なのですが、残念ですね。

大泉:幻のボツシナリオですね。シナリオについても、大筋は当初のものから変えていませんが、想定していた反応と実際に遊んだ方の反応が違うこともあったので、少しずつ調整をしていった形です。

3月:新主人公“エイダ”や“2位の男”ファントムが登場

2016年3月の主な出来事

実施日 出来事
3月1日 1000万ダウンロードを目指そうキャンペーン開催
3月14日 協力の想区に“みんなで素材収集”追加
3月14日 新主人公獲得イベント“運命に抗う白き盾”開催。新主人公“エイダ”が登場
3月14日 キャラクターイベント“メイドキャット・リポート”開催。“森の魔法使いと4匹の仔猫”ミーア、ホワイティ、キャロル、ブルーが登場
3月29日 1000万ダウンロード突破記念キャンペーン開催
3月31日 キャラクターイベント“長靴をはいた猫VSファントム”開催。『オペラ座の怪人』『長靴をはいた猫』『ラプンツェル』よりファントム、クリスティーヌ、長靴をはいた猫、ラプンツェルが登場

――3月に新主人公のエイダが登場していますが、こちらは復刻などで長い期間獲得できましたね。

『グリムノーツ』

穂里:主人公を追加させるという概念が初めて生まれて、エイダが登場しました。

石井:3月あたりから今のイベントの形になってきたという点はありますね。新しい主人公を追加するということもやりましたし、翌月の4月には今でも開催されている武器錬成イベントも登場しましたし。

 2月の時点でみんなの意見を集めて、2月の後半と3月を使って新しいイベントを作っていった感じですね。

――エイダの他には人気の高いファントムが登場していますね。

『グリムノーツ』

石井:ファントムは時間をかけて作った気がします。

穂里:そうですね。男性キャラクターを出すにあたって、女性キャラクターに負けない人気を出せるキャラクターにしたいという気持ちがありました。

 見た目的にフックになるものが欲しくて、いろいろ調べたり他の人に意見を聞いたりして、それを大事にして描いたキャラクターです。おかげさまで人気投票もいつも2位という人気のキャラになりました。

石井:でも、全部2位。いつも“2位の男”ですね(笑)。

『グリムノーツ』
『グリムノーツ』
▲画像はTGSでの生放送で発表したキャラ人気ランキングの結果。後日、別途で行われた人気投票でもファントムは2位でした。

 今だから言えることとしては、季節ものじゃないのに期間限定で配信したのは、2月に登場したマッチ売りの少女、いばら姫、ヘンゼル、グレーテルと、3月のファントム、クリスティーヌ、長靴をはいた猫、ラプンツェルくらいなんですよ。

 実は、5月以降も月の前半のヒーローは期間限定配信にするつもりだったんですが、告知でそれを書くのを忘れちゃいまして(苦笑)。後出しで期間限定にするわけにもいかないので、その後も基本的に恒常追加にしていきました。

 なので、2月、3月の期間限定ヒーローを恒常に入れることもできるんですけど、今さら初期のヒーローを恒常追加しても喜ばれないんじゃないかとか、今さら言い出しづらいなあとか、そんな理由で今は保留にしています。

 ということで、少し気まずいんですが、もし皆さんのご要望があれば、これらもガチャに追加しようと思っています。ちなみに今後も、特殊な季節ものやストーリーテラー、コラボ以外は期間限定にしない方針で考えています。もちろん、人気投票で上位に入って出た場合の復刻など、例外はあると思いますけど。

4月:定番となったシンボル収集&武器錬成イベントがスタート

2016年4月の主な出来事

実施日 出来事
4月11日 武器錬成イベント“鳥獣グリフォン”開催
4月18日 新想区“不思議の国のアリス”追加
4月18日 キャラクターイベント“チェシャ猫の記憶迷宮”開催。チェシャ猫、代用ウミガメ、ダイナ、眠りネズミが登場
4月25日 新イベント“ガラスの靴の黒女帝”開催。カオス・シンデレラがボスとして登場

――武器錬成イベント、収集イベントと新しいイベントが登場していますね。

『グリムノーツ』
『グリムノーツ』

石井:どのような形で運営していくのかが見えたのが4月あたりですかね。こうしてみると、少しイベントが少ないように見えますが、定番となったシンボル収集イベントや武器錬成イベントなど、新たしい試みも実装できた時期ですね。

 そういう意味では2月の後半で方針を決めて、4、5月の割と短いスパンでイベントを開催できたのはよかったと思っています。

5月:TV-CMを放映。大反響だった“氷と炎のファンタジア”も開催

2016年5月の主な出来事

実施日 出来事
5月2日 キャラクターイベント“グレート・アリス・カップ”開催。『鏡の国・不思議の国のアリス』よりアリス(鏡の国)、時計ウサギ(布告役)、帽子屋ハッタ(鏡の国)、三月ウサギ(鏡の国)が登場
5月14日 TV-CM放映記念として赤ずきん(CM記念)をプレゼント
5月16日 シナリオイベント“氷と炎のファンタジア”開催
5月16日 新想区“鏡の国のアリス”追加
5月16日 キャラクターイベント“盤上のサードキング”開催。白の騎士、赤の女王、白の女王、ハンプティ・ダンプティが登場
5月23日 収集イベント“赤ずきん、ゴーホーム”開催。カオス・赤ずきんがボスとして登場
5月27日 『グリムノーツ』サウンドトラック発売決定
5月30日 1100万ダウンロード突破記念キャンペーン開催
5月31日 『乖離性ミリオンアーサー』とコラボ。キャラクターイベント“想区性ミリオンアーサー”開催。盗賊アーサー、ウアサハ、ペリドット、ニムエが登場

――5月にはTV-CMが放映されていますね。

穂里:大変でしたね。実は最初は、CM記念に配布するキャラクターは赤ずきんではなく、かぐや姫の予定だったんですよ。

石井:でも、5月にかぐや姫をクローズアップする意味がわからないということで変更しました。

穂里:大きいところでも、“グリム”とついているのにかぐや姫を配ってもよくわからないということで、急遽短期間で新たに赤ずきんを描くということになりました(笑)。

石井:締切まで、本当に少しだけ時間があったので。なんとか間に合うかなって(笑)。

穂里:本当に変更が決まったのが直前で困りましたけど(笑)。さすがにゼロからすべてを考える時間はなかったので、最初に企画を立ち上げた時に描いたデザイン案をベースにしました。企画用にアリスと赤ずきんを描いていたので。

石井:そういった意味では、TV-CMの赤ずきんはこのために新しく作ったんじゃなくて、プロトタイプの赤ずきんを出しましたという感じです。

『グリムノーツ』
▲赤ずきん(CM記念)。

――そんなにタイトなスケジュールの時は他にもありましたか?

穂里:大変な時もありましたけど、この時がバツグンに厳しかったですね(苦笑)。

石井:あとは、初期ヒーローのゴリアテぐらいでしょうか。

穂里:ああ、そうでしたね。ゴリアテは最初はまったく違うキャラクターで、ジャンヌ・ダルクに関係している“ラ・イール”というキャラクターだったんですが、途中で「ゴリアテを出そう!」ということになって変更しました。

『グリムノーツ』
▲ゴリアテ。

石井:途中のデザイン案を見たら、ゴリアテのイメージだなと感じちゃいまして(笑)。あれもすごく短かったですね。

――5月には鏡の国のアリスの想区も登場していますね。

『グリムノーツ』
『グリムノーツ』

穂里:鏡の国のアリスのシナリオは配信前に書いていたストックがベースでして、その時にはまだリリース分のキャラクターしか存在しておらず、赤の女王や白の女王を実装する予定がなかったというか、先のシナリオが見えていなかったんです。そのせいで本編シナリオに登場にしなかったのが残念ですね。

大泉:キャラクターイベントとメインストーリーのシナリオは描いた時期にズレがあります。配信後に書いたシナリオって、実は6月に公開された西遊記からなんですよ。それより前のイベントも、ユーザー様からの反響を見ながら調整できた場合もあるのですが、基本的にはストックしたものを使う形でした。

石井:赤の女王と白の女王は今でも使ってる人が多い気がしますね。特に赤の女王はよく見かけますね。

 他には鏡の国のアリスなどでしょうか。自分で言うのもなんですが、公開してから半年以上現役で使われ続けているというのは、ゲームバランスとしてもすごく頑張っているなと思います。ゲーム全体の難易度バランスに気をつかい続けている成果が出ているなと。

穂里:確かにそうですね。いまだに使っていてくれたり、当たって喜んでくださったりしているのを見ると、よかったなって思います。

――他には、出典『グリムノーツ』のキャラクターによるイベント“氷と炎のファンタジア”が開催されていますね。

『グリムノーツ』
『グリムノーツ』

石井:出典『グリムノーツ』のシナリオイベントの中で、このイベントが一番評判よかったですね。その流れもあって続けていて、今もレギュラーで開催しています。

――『グリムノーツ』オリジナルのシナリオなので、話の先が読めないというのもよかったですね。

石井:とはいえ、“氷と炎のファンタジア”は誰がどう見てもわかるように、ロミオとジュリエットをモチーフにしています(笑)。

大泉:すいません(笑)。

穂里:初期のころは特に、オリジナルキャラクターの設定の方向性を模索していたこともあり、なんらかの童話や物語をモチーフにしているものが多いです。8月の“時をかける魔女たち”に出てくるエイプリルも、元々は交響詩『魔法使いの弟子』をモチーフに作っています。

石井:オリジナルと言っても結構モチーフがあるんです。童話をベースにした世界観にそぐわないように考えていくと、当然ながら童話のキャラクターに近い雰囲気になりますので。

 とはいえ、“氷と炎のファンタジア”は『ロミオとジュリエット』がモチーフと言いながらも、オリジナルの世界ならではの事件や登場人物がたくさん登場しています。モチーフとなった童話を探すという楽しみ方もしつつ、『グリムノーツ』ならではの部分に注目してもらえるとうれしいですね。

穂里:デザイン的にも、意外と細かいネタをちりばめてあります。

――5月末には『乖離性ミリオンアーサー』とのコラボが行われましたね。

『グリムノーツ』
▲『乖離性ミリオンアーサー』とは、ガチャとシナリオイベントでのコラボが行われました。
『グリムノーツ』
『グリムノーツ』

石井:そうですね。6月には『ポップアップストーリー 魔法の本と聖樹の学園』はじめとする5タイトルで横断コラボを実施しましたが、意外と『グリムノーツ』はコラボが少ないんですよね。

穂里:想区という設定がある世界観的には、すごくコラボしやすいんですけどね。

石井:今後もやっていきたいのですが、どういうタイトルであればユーザー様にコラボとして納得していただけるのか、判断が難しいなという点があります。

 『乖離性ミリオンアーサー』は単なるオリジナルファンタジーではなく、『アーサー王物語』という原点的な物語をイメージできる作品でしたし、すごくマッチするなと思いまして。シナリオも大泉さんが書いて、『乖離性ミリオンアーサー』のチームが監修する形で進みました。

6月:物語のキーパーソンとなる“ファム”が登場

2016年6月の主な出来事

実施日 出来事
6月6日 “グリムノーツフェス”開催。『ポップアップストーリー 魔法の本と聖樹の学園』、『スクールガールストライカーズ』、『戦国やらいでか -乱舞伝-』、『ブレイブリーアーカイブ ディーズレポート』にて、『グリムノーツ』とのコラボイベントなどが展開
6月13日 新主人公“ファム”登場
6月13日 新想区“西遊記”追加
6月13日 キャラクターイベント“西遊記外伝・呉越同舟”開催。三蔵法師、孫悟空、猪八戒、沙悟浄が登場
6月20日 収集イベント“臆病者の桃太郎”開催。カオス・桃太郎がボスとして登場
6月22日 『グリムノーツ』ノベライズ決定
6月27日 シナリオイベント“親愛と希望のプランタン”開催
6月30日 キャラクターイベント“高らかに奏でよ『レクイエム』”開催。フレデリック・ショパン、ジョルジュ・サンド、アマデウス・モーツァルト、マリー・アントワネットが登場

――6月には新主人公の“ファム”が登場しました。

穂里:ファムについては物語の都合上まだ言えない部分があるのですが、『グリムノーツ』という世界のシステムにかかわる重要な立ち位置のキャラクターです。

大泉:ファムの設定については、もうすぐ始まる第2部から結構からんできますね。

――世界観と密接したデザインになっているということでしょうか?

穂里:そうですね。どうしてこのキャラクターは誰かに似た容姿をしているのか? というのがあるので、今後の展開をユーザー様に注目していただきたいなと思います。

――6月には『グリムノーツ』のノベライズも発表されましたが、どのような経緯で進んだのですか?

石井:せっかくなのでこういうメディア展開もしたいなって考えたんですね。その一環として社内のガンガンONLINE編集部に相談してみたら、小説展開をできる場所がありまして。その後、GA文庫さんとお話した形ですね。せっかく書くのなら大泉さんにお願いしたいということになって、2つ返事で書いていただくことになりました。

大泉:執筆の方針も、ゲームをベースに小説に落とし込むという形で決まっていました。

――本作への思い入れは強かったのではないですか?

大泉:そうですね。小説で書いてみたいと思った部分もあります。しかし『グリムノーツ』はゲームと世界観が一致しているので、バトルの部分など小説に落とし込みずらいという苦労はありましたね。

石井:絵的に説明しているところが多いですしね。あとは、変身シーンを文字にしても、おもしろくするのが難しいですし。

――石井さんと穂里さんは小説版を読んだ時にいかがでしたか?

石井:物語の導入を丁寧に描写していて、ゲームではできない手法で書いているなと感じました。ゲームは最初から一気に“おもしろい!”と感じてもらえる作りにしないといけないので。

大泉:ノベライズについては担当さんと相談して、ゲームユーザーをターゲットにする形だったので、ゲームではすこし端折った部分でもある、主人公のエクスとはどういう人間だったというところから始めました。

穂里:ゲームでは省かれてしまうエクスの過去や人柄、心境などがわかるのがおもしろかったですね。毎回楽しみにしていました。

大泉:物語に関する話といえば、収集イベント“臆病者の桃太郎”で、初めてSOWさんに参加していただきました。

石井:SOWさんは元々すごく器用で、原作がある作品を書く経験もある方なので、大泉さんの世界観をキレイに作ってくれるかなと思って頼みました。結果、すごくよかったので安心しましたね。

――6月にはショパンやモーツァルトといった史実の人物も登場していますね。

『グリムノーツ』
▲フレデリック・ショパン。
『グリムノーツ』
▲アマデウス・モーツァルト。

石井:ショパンやモーツァルトは物語の人物ではなく史実の人間なので、その点は思い切りが必要でした。ジャンヌ・ダルクは史実としての物語が存在した人ですが、モーツァルトは映画ぐらいでしかイメージがありませんから。

 でも、すごく評判がよかったので嬉しいですね。ショパンやモーツァルトは今でも使っている方をよく見かけます。

7月:『アイウタ』コラボ開催。初のイベント入手キャラが登場

2016年7月の主な出来事

実施日 出来事
7月11日 1200万ダウンロード突破記念キャンペーン開催
7月11日 コラボ記念キャラクターイベント“天誅×神曲《アイウタ》×グリムノーツ”開催。藪ノ内豪将(やぶのうちたけまさ)が登場
7月14日 ガンガンGAにて、大泉貴さんによるノベライズ連載開始
7月18日 新想区“オズの魔法使い”追加
7月18日 キャラクターイベント“オズの思いがけぬ再会”開催。ドロシー、ブリキ、カカシ、ライオンが登場
7月18日 1200万ダウンロード突破記念育成イベント開催
7月25日 収集イベント“アラジンはランプに願う”開催。カオス・アラジンがボスとして登場

――7月には『天誅×神曲《アイウタ》』とのコラボが行われました。

『グリムノーツ』
『グリムノーツ』

石井:『天誅×神曲《アイウタ》』の作者のよしだもろへさんには、アプリのリリース前に実施したガンガンONLINEとのコラボ企画でイラストを描いていただいていて、いつかゲーム内でも一緒にできればいいですねと話していたのが、このタイミングで実現しました。

 それと、イベントクリアでヒーローがもらえるというのはこれが初めてでしたね。まだ豆の木イベントが実装されていなかったので。

 『グリムノーツ』は性質上、本にかかわる作品とはコラボしやすいので、こういったコラボは機会があればやっていきたいと思っています。特に他社さんともやっていきたいですね。

 そして、7月にはオズの魔法使いの想区が追加されたのですが、思ったよりは反響が少なかったんですよ。小学生の時に海外ファンタジーの本棚を占めている代表が『オズの魔法使い』というイメージがあったのですが、反響としては「ブリキやかかしって何?」という声もありまして……。

 そういう意味では、ユーザー様と運営との意識や年齢的なギャップを実感することになった作品で、その後の方向性にも影響がありました。僕は幼いころにテレビで『オズの魔法使い』を見ていたんですが、確かに最近は放送されてなさそう。

『グリムノーツ』

8月:人気の水着ヒーローが登場! 夏の夜の夢の想区はターニングポイントに

2016年8月の主な出来事

実施日 出来事
8月1日 キャラクターイベント“きらめく渚のミステリー”開催。限定の水着ヒーローとしてアリス(サマー)、シンデレラ(サマー)、美女ラ・ベル(サマー)、赤ずきん(サマー)が登場
8月1日 新イベント“大木に登る理由”開催。ジャック(天空)が登場
8月8日 シナリオイベント“時をかける魔女たち”開催
8月15日 『ブレイブリーアーカイブ』に『グリムノーツ』のアリス(サマー)、シンデレラ(サマー)、美女ラ・ベル(サマー)、赤ずきん(サマー)が登場
8月15日 新想区“夏の夜の夢”追加
8月15日 キャラクターイベント“妖精たちのからさわぎ”開催。オーベロン、ティタニア、パック、ニック・ボトムが登場
8月22日 コラボ記念キャラクターイベント“ムルシエラゴ×グリムノーツ”開催。紅守黒湖(コウモリクロコ)が登場
8月22日 収集イベント“暴走の正義ドン・キホーテ”開催。カオス・ドン・キホーテがボスとして登場
8月31日 キャラクターイベント“恋の華咲く平安京”開催。『義経記』『天の羽衣』『竹取物語』よりかぐや姫、羽衣天女、牛若丸、武蔵坊弁慶が登場
8月31日 豆の木イベント“鋼の忠誠”開催。ハインリヒ(天空)が登場

――8月には水着ヒーローとしてアリス(サマー)、シンデレラ(サマー)、美女ラ・ベル(サマー)、赤ずきん(サマー)が登場しています。

穂里:アリスとシンデレラと赤ずきんが、僕が書いているキャラクターですね。

『グリムノーツ』
▲アリス(サマー)。
『グリムノーツ』
▲シンデレラ(サマー)。
『グリムノーツ』
▲赤ずきん(サマー)。

石井:初めて季節ものを入れたんですよね。穂里さんが1カ月に3体を描くのも初めてだったかな?

穂里:一気に3体のキャラクターを実装するというのは、この時点では初めてですね。

 最初は『グリムノーツ』のバトルの仕様上、関節が少し目立つので操り人形みたいに見えるかもしれない話を受けて、夏服や浴衣にすることも考えました。でも、その後、「布面積を多めにすればいけるんじゃないか?」ということになり、水着としてデザインしました。

石井:この時は、わりと無茶を言いました。「夏服はちょっと……それでも水着がいいです」って(笑)。大変だけどやろうって。

穂里:世界観からぶれすぎない範囲で、キャラクターの設定から外れないように気を使いましたね。

石井:元々童話を扱っているので、品がない衣装にはできませんし、露骨にはしたくなかったんですよ。12月には抱き枕も出したんですが、その際のイラストにも気をつかいました。

 どうしても水着や抱き枕は、求めている人と求めていない人がはっきりすることが多いんですよね。「すごく欲しい!」という人がいる反面、「そういうのは求めていない!」という人もいますし。なので、すごくギリギリのラインを攻めたというか、デザインはすごく大変だったろうと思います。

穂里:水着ヒーローが進化すると、逆に布が増えていきますからね。あれは夏じゃなくても、ある程度デザインとして通用するようにと考えて、そういう形にしてみました。

 進化すると基本イラストというか、赤ずきんやシンデレラの元の服装に戻るというイメージでして、夏が終わったらこっちを着てね、という感覚です。サマーアリスなんかはほとんど服を着ちゃいますからね。

――シナリオでは夏の夜の夢の想区が追加されていますね。

『グリムノーツ』

石井:個人的にはすごく意外だったんですけど、『夏の夜の夢』ってシェイクスピア作品のなかではかなりメジャーで、『ロミオとジュリエット』ほどじゃないけれど、その次に名前が上がるくらいだと思っていたんです。でも、意外と知らない方が多かった印象ですね。

大泉:Twitterでは「この人だれ?」って質問が多かったです。

――オーベロンやティタニアの名前はよく聞きますけどね。

穂里:『夏の夜の夢』という物語自体は知らなくても、別のゲームなどでもよく見かけるキャラクターですね。

大泉:妖精パックとかも、意外と知られてなかった気がします。

穂里:ロビン・グッドフェローとか、別の名前だと知っているかもしれませんね。

石井:そうかもしれないですね。オズの魔法使いの想区でも感じていたのですが、ユーザー様が原作を知らないケースが意外とありうることを実感して、そこからまた悩み始めました。

 逆に原作を知らなくても楽しめるお話を作らないという意識を強めたのも、このあたりですね。そもそも『グリムノーツ』のシナリオは、原作を知っているともっと楽しいということを前提に作っているんです。

 本来あるべきストーリーがあって、それのどこがおかしいのかがわかるからこそ、物語がより楽しめるというスタンスですね。でも、元ネタがわからない前提でも楽しんでいただけるような形も大事だなと、ここで意識を強めましたね。

穂里:逆に知らなければ知らないで、「このストーリーはおもしろいな」と思ったら、原作を読んでいただければうれしいですね。

大泉:原作であまり語られていないキャラについては、こちらで性格やキャラクター付けをすることもありますね。ニック・ボトムは、その一例です。

穂里:僕はニック・ボトムのキャラクター結構好きです。

『グリムノーツ』
▲ニック・ボトム。

石井:僕は原作厨なので、原作のほうが好きだったんですが、原作通りでいくと難しいですしね。そういえば、キャラクターイベントの“妖精たちのから騒ぎ”のタイトルは、あのTV番組から取りました?

大泉:いえ、シェイクスピアの作品の『空騒ぎ』とかけてみました。あのTV番組ではありません(笑)。

――8月には初めての豆の木イベントが開催されていますね。

『グリムノーツ』
『グリムノーツ』
▲初の豆の木イベントに登場したのはジャック(天空)でした。

石井:新しいイベントをやりたいという気持ちがあって、どうせならキャラクターが手に入るイベントのほうがユーザー様も喜ぶと思って始めたのですが、大変でしたね。

 ゲームバランスという点でも大変でしたし、ギミックの面でも初めての試みだったので、とにかく大掛かりになってしまいました。ゲームの中にもう一本新しいゲームを入れる感じで、それぐらいコストもかかってしまったんですよね。

 本音を言うと、毎回、豆の木を登るのもそろそろ……と考えてはいるのですが、変わる何かを作るのも結構大変で。何かの折にはアップデートしたいなと思いつつも、いまだに豆の木を登り続けています。クリスマスの時期には1回いばらに変わったんですが。

穂里:そろそろ豆の木も一周するんですよね。

石井:豆の木じゃなくてもダンジョンとか、そういう意味でも手を加えていきたいなと思います。

――個人的には低レアのキャラクターにもスポットが当たるのでいいと思います。

石井:満を持してヨリンゲルも出ましたし(笑)。豆の木イベントのテイストを変える気はありませんが、そろそろユーザー様も変化をつけて欲しいというころだと思っているので、何か手をつけていきたいですね。

穂里:あと、星3とか星4の出典があるヒーローで、豆の木をやっていないキャラクターも少なくなっていますね。

石井:そこもどうにかしないとですね。検討します。何も決まっていませんけど!

――8月末にはかぐや姫など、日本のおとぎ話からキャラクターが登場していますね。

石井:「キャラクターを個別に掘り下げていきたい」「原作におんぶにだっこじゃダメだ」とみんなで話していたのが8月なのですが、出したのが牛若丸と武蔵坊弁慶。やや迷走感があります(笑)。

穂里:でも、かぐや姫は待ち望んでいた人が多かったんじゃないかと思います。

石井:かわいいし、かぐや姫が好きな人は多い気がします。もう一度出したいのですが時期がちょっと……。そういうところでは「もっとこのキャラクターが見たい!」という意見をいただけるとうれしいです。

『グリムノーツ』
▲かぐや姫。

9月:異色の『月刊ムー』コラボには石井さんも登場!?

2016年9月の主な出来事

実施日 出来事
9月9日 コラボ記念キャラクターイベント“月刊ムー×グリムノーツ”開催。カオス・アラジン、カオス・桃太郎、カオス・赤ずきん、カオス・シンデレラが登場
9月12日 シナリオイベント“災いの運び手”開催
9月18日 東京ゲームショウ2016『グリムノーツ』特番生放送
9月19日 収集イベント“ひねくれものの海賊”開催。カオス・ジムがボスとして登場
9月29日 第1回『グリムノーツ』公式生放送配信
9月30日 衣装“ハロウィンコスチューム”登場
9月30日 キャラクターイベント“忠実なるモルジアナ”開催。『アリババと40人の盗賊』よりアリババ、モルジアナが登場
9月30日 豆の木イベント“白と黒のグランフェッテ”開催。オデット=オディール(天空)が登場

――9月の出来事といえば、やはり『月刊ムー』とのコラボが印象的でしょうか。

『グリムノーツ』
『グリムノーツ』

穂里:異色のコラボですよね。「本当にやるの!?」って(笑)。

石井:実は結構前から『月刊ムー』コラボの話はありました。どうせなら『月刊ムー』の表紙を使った魔導書をプレゼントしようと考えていたんですが、それは間に合いませんでした。

 印象に残ったのは、思ったよりも『グリムノーツ』を遊んでいるユーザー様が『月刊ムー』を知っているということでした(笑)。

穂里:かなり昔からありますしね。読んだことはなくても、超常現象を紹介している雑誌として存在を知っている人は多そうです。

石井:『月刊ムー』読者投稿コーナーを見ると年齢層が高めのようでしたので、『グリムノーツ』のユーザー様に楽しんでもらえるのか心配でしたが、ぜひコラボをやりたかったんですよね。僕がやりたかったというより、プロモーション担当のリーダーの熱意がすごかったんですけど(笑)。

穂里:あのイベントって、実は石井さんが出てませんでした? シナリオ中に出てきた“スト-ンウェル星人”って名前を日本語に直すと“石井星人”になりますが。

大泉:こっそりと仕込んでみましたが、あまり気づかれなかった気がします。

石井:そもそも、僕自身が気づいてなかった……というより、知らなかった! 4カ月越しに今、教えてもらいました(苦笑)。できるだけゲーム内に自分を出したくないと思っていたんですが、もう出されていたとは……。

穂里:じゃあ、あの宇宙船に乗っているのって……!? みんなが倒した宇宙船にはすでに石井さんが乗っていたという可能性が(笑)。

大泉:復刻します? ストーンウェル星人襲来みたいなものを。

石井:さすがにそれはどうだろう(笑)。ボスラッシュは過去に登場したボスを使用しているので、ちょっと検討だけはしてみますね。

――9月には東京ゲームショウでの生放送もありましたね。

石井:僕と大泉さんが生放送で一緒に出演させていただきました。大泉さん、すごく緊張していたよね。生放送に出演したのは、あれが初めてだっけ?

大泉:最初というか、唯一ですね。素面(しらふ)だと何もしゃべれないと思って、少しお酒を入れてから放送に臨みました(笑)。

――9月末には、新たな武器種である篭手が追加されましたね。

石井:篭手は初めての武器種の追加で、ちょっと調整不足の部分があったかなと。他の武器種と比べると箱庭の施設が育っていない状況での追加でしたし、武器も不足していましたし。次の武器追加のタイミングでは、そういう問題も解消したいなと考えています。

10月:新主人公“クロヴィス”登場。想区とイベントとの連動も

2016年10月の主な出来事

実施日 出来事
10月7日 ヒーローランキング公開
10月17日 新主人公“クロヴィス”登場
10月17日 新想区“青髭”追加。ジル・ド・レ(青髭)、ジャンヌ・ダルク(聖女)が登場
10月17日 収集イベント“断罪の魔女ジャンヌ”開催。カオス・ジャンヌがボスとして登場
10月21日 1300万DL突破記念フォロー&リツイートキャンペーン実施
10月24日 ボスラッシュイベント“ふたりのバンシー”開催
10月24日 衣装“ハロウィンコスチューム第2弾”登場
10月28日 第2回『グリムノーツ』公式生放送配信
10月31日 衣装“ヒロイックコスチューム”登場
10月31日 豆の木イベント“永遠を知らぬ少年”開催。カイ(天空)が登場
10月31日 キャラクターイベント“なかよし双子の大ゲンカ”開催。『しらゆきべにばら』より白薔薇と紅薔薇が登場
10月31日 イベント“運命に抗う白き盾”復刻

――10月で一番大きい出来事は新主人公のクロヴィスでしょうか?

穂里:あとはジャンヌ系のイベントが多かったですね。そういえば、“断罪の魔女ジャンヌ”のカオス・ジャンヌはなんで浮いてるのかと聞かれたのですが、実は裏話がありまして。

 最初にまず、大泉さんからカオスキャラの構想設定をもらうんですよ。その段階では、カオス・ジャンヌには、自分を聖女と持ち上げておきながら、最後には魔女として裏切った民衆への怒りが理由でカオス化したという設定がありました。

 そのため、処刑刀を持って髪の毛が怒りの炎で燃えていて、死後ということで浮いている幽霊的なイメージでデザインしたんです。ただ、のちにSOWさんが青髭を含めた新しい解釈で物語を作ったため、浮いている設定は裏設定的なものとなりました。デザイン的には、これはこれでいい形になったかなとは思います。

『グリムノーツ』
▲カオス・ジャンヌ。

――カオス・ジャンヌは、ちょうどジャンヌ(聖女)と合わせて登場しましたね。

石井:このあたりの時期から、やっと想区のシナリオとキャライベントをしっかりと連動できるようになりました。

穂里:もっといろいろなところを連動させたいという意見を実現でき始めたのが10月ですね。他にも豆の木イベントと11月の雪の女王のキャラクターイベント、収集イベントもうまくリンクできました。

石井:SOWさんが加わり、シナリオライターが2人になることで余力ができ始めたのが10月。けっこう時間がかかりましたね(苦笑)。

――新主人公のクロヴィスは、どのような経緯でデザインやキャラクターが決まっていったのですか?

『グリムノーツ』
▲クロヴィス。

穂里:クロヴィスは、新しい男主人公ということで今までとはまた違ったタイプを出したくて、最初は執事をイメージして描きました。ただ、普通の男性キャラだとおもしろくないなと思って、三つ編みにしました。

 「女嫌いなキャラなのに、三つ編みかよ!」って感じですが、コンプレックスの表現として細身で女性的な要素を入れてみたり、想区つながりでジャンヌ・ダルクの世界の要素を入れてみたりしています。

 それから、キャラクターに既存主人公たちにはない二面性を持たせたいという話がありまして。とはいえ、ただ立ち絵一枚の表情を変えるだけでは実機上では見栄えがせず、違いがわかりにくいという問題点がありました。

 そこで、普段は眼鏡をかけていて、外すと性格が怖くなるという形にして、表情以外にも差分を持たせるのはどうか、そういう要素をシナリオにも盛り込めるかを、大泉さんに相談しました。

 シナリオ面での連動もうまくいき、きゃしゃな見た目とは裏腹にインテリヤンキーなキャラクターとして、おもしろく仕上がったんじゃないかと思います。

大泉:ちょうどキャラクター設定を作ったころに篭手が追加されることになったので、格闘少年的な要素も入れて欲しいということになり、あのようなキャラクターになりました。

 主人公たちのバランスとして、少し年齢層の高いキャラクターにした形ですね。

穂里:イラスト的には格闘少年ということでもう少し幼くデザインしていたのですが、大泉さんと話をした時にもう少し芯を持っているキャラクターにしたいということになって、今の年齢くらいに引き上げてデザインしました。

石井:空白の書の持ち主は、なんらかの芯を持ってないとだめな存在だからね。

――確かに、ユーザーとしてはエイダとの絡みは少し年上な感じですね。

穂里:あと、主人公にだけ態度が変わるところとか、おいしいキャラだなと思います。忠犬みたいだなと(笑)。

11月:PVPが楽しめる対戦要素の闘技場がプレープン

2016年11月の主な出来事

実施日 出来事
11月1日 1300万ダウンロード突破で☆5出現でアンケート上位ヒーロー確定ガチャ開催
11月14日 衣装“アルタドルチェ”登場
11月14日 キャラクターイベント“雪の女王狩り”開催。『雪の女王』より雪の女王、山賊の娘タチアナが登場
11月14日 収集イベント“雪原に舞う愛の花”開催。カオス・ゲルダがボスとして登場
11月28日 PvP機能“闘技場”登場
11月30日 豆の木攻略イベント“吸血姫の聖恋歌”開催。カーミラ(天空)が登場
11月30日 キャラクターイベント“アップル・ファタールの遺産”開催。『白雪姫』より白雪姫(王女)、毒林檎の王妃(魔女)が登場

――11月には闘技場がプレオープンしました。

『グリムノーツ』

石井:闘技場は実装してからここまでプレイしているユーザー様が多いので、実装してよかったと思っています。自分がどれくらい強いのかを試す場所が欲しいという意見があったので、こういう形で対応してみました。

 イベントの報酬についても、ないと絶対進められないものや手に入らないものは入れたくなかったというのもあって、力を試す場所ということを前提として、結果に応じて詩晶石がもらえるなど、少し得なことがあるという立ち位置ですね。

 あとは、以前のイベントに登場した武器が入手可能なので、手に入れ損ねた方へのフォローとしても設定しています。

 プレイヤー同士のランキングの部分を必須の機能にしていくつもりはありませんが、お試しぐらいの感覚でチャレンジしてもらえたらと思っています。『グリムノーツ』の運営方針全体に言えることではありますが、やらないと損をするというものではなく、全部遊ぶとメリットがあるというようにしています。

 現状はまだルールが少なくて、最近やっと増え始めたというところですが、今の自分のパーティだとどんな組み合わせが強いのかを試行錯誤しながら遊んでほしいと思っています。

 AIのカスタマイズに関しても、闘技場はどのような組み合わせが強いのか計測しやすい場所なので、そういったところも楽しんでほしいですね。

――AIのカスタマイズは少しコツがいるかもしれませんね。

 「AIのカスタマイズが難しい」という意見が多いので、いろいろと考えているところです。ゲームに慣れている人や、プログラムマー的な考え方が得意な人にはなじみがある仕組みだと思うのですが、ちょっと敷居が高い部分もあると思います。

 公式攻略ポータルで、AI設定をアシストできるような記事も展開していきたいですね。

12月:“ゲームシナリオ用小説コンテスト”受賞作品が発表。コミックマーケットにも参加

2016年12月の主な出来事

実施日 出来事
12月7日 『グリムノーツ』“ゲームシナリオ用小説コンテスト”受賞作品発表
12月8日 『グリムノーツ』“コミックマーケット91”参加決定&グッズ内容を公開
12月12日 PvP機能“闘技場”グランドオープン
12月16日 第3回『グリムノーツ』公式生放送配信
12月19日 収集イベント“全ての支配を望むもの”開催。カオス・ドロシーがボスとして登場
12月19日 新想区“白雪姫”追加。ツヴェルク、ヴァルト王子が登場
12月22日 “クリスマス記念ガチャ”限定ヒーローとしてアリス(聖夜)が登場
12月22日 衣装“クリスマスコスチューム”登場
12月30日 キャラクターイベント“混沌戦争”開催。カオス・ジャンヌ、カオス・ゲルダ、カオス・ドン・キホーテ、カオス・ジムが登場
12月30日 カオス・ヒーロー衣装“レッドコスチューム”登場
12月30日 豆の木イベント“亜麻色の髪の弟子”開催。ラプンツェル(天空)が登場

――12月には“ゲームシナリオ用小説コンテスト”受賞作品が発表されました。

石井:応募開始は8月下旬で、11月に選考をしました。100くらいと考えていたのが結局250作品くらいの応募をいただいて、かなり大変でした。「こんなにたくさん読むの?」というところからスタートしました(笑)。本当にうれしかったですね。

穂里:“キャラクターは何人まで”といった細かい設定や世界観があって、それを守れているかどうかも確認しないといけなかったので、普通に読むよりも大変でした。ともあれ、思ったよりもたくさん来ていてありがたかったです。

石井:12月に大賞が決まってゲーム内に実装する話になったのですが、大賞を受賞された方が春までは対応が難しいということで、実装は少し先になります。今年の夏くらいになりそうですね。

――コミックマーケットへの参加もありましたが、いかがでしたか?

石井:当選連絡が来てから会期までの準備期間がとても短かったので、コミケの出展は何かと大変でした。

穂里:抱き枕やぬいぐるみの色のチェックが大変でしたね。何度もリテイクをかけながら、完成度を高めていきました。

石井:アリスのぬいぐるみも、最初はタイツをはいている感じでしたが、オリジナルデザインを踏襲する形で監修していきました。初めてのコミックマーケットで、わからないことだらけだったのですが、結果は好評だったので、やってよかったと思います。

穂里:今回の経験を生かして、もっとユーザー様に喜ばれるものやグッズ化するものを検討したいです。ラバーストラップは専用のイラストを考えたいですね。次は準備期間もありますし。

石井:次のコミックマーケットにも応募する方向で検討しています!

――その他には、クリスマスにアリス(聖夜)が登場しましたね。

『グリムノーツ』
▲アリス(聖夜)。

石井:人気のあるキャラクターは武器を変えて出していこうと思うのですが、同じキャラクターばかり出るのも微妙かなと思っています。アリスが好きな人でも、毎月出てきたらそれはそれで困ると思うので。

穂里:アリスなんかは4キャラいますし、他のキャラクターにも焦点を当てていきたいですね。

石井:今人気のあるキャラクターや今登場しているキャラクターの他にも、個別で人気があるものを増やしていきたいと思っています。最初に出したアリス、白雪姫、赤ずきんの他にファントムも人気がありますね。

 これまでのイベントでファントムのキャラクター性を掘り下げきったかと言うと、まだ不十分なところがあります。今後もいろいろなイベントを通じて、もっとキャラクターを個別に掘り下げていきたいと思います。

――白雪姫の想区では、物語が大きく動いたのが印象的でした。

『グリムノーツ』

石井:大泉さんは、白雪姫の想区を書いていて楽しかった?

大泉:楽しかったというか、1周年を目途にして話の大きな区切りにしようとは思っていて、どうやって区切らせるかを考えました。キャラクターイベントを含めて、この辺りは『グリムノーツ』らしいというか、集大成のように書けたと思っています。

穂里:ネタバレになるので詳細は伏せますが、毒林檎の王妃と白雪姫の目の色を同じにしておいてよかった! と思いました。

『グリムノーツ』
▲白雪姫(王女)。
『グリムノーツ』
▲毒林檎の王妃(魔女)。
『グリムノーツ』
▲2人を並べると同じ目の色ということがよくわかります。

石井:あれは“プリンスキッス・エフェクト”から考えていたの? おもしろい仕掛けだったよね。

大泉:あのころから、ちょっと考えていました。

穂里:なんとなくネタみたいな考えはあって、妄想するくらいのものだったので、盛り込んでくれた時にはさすがだなと思いました。すごいきれいに伏線を回収できていて。

石井:元々の設定としてあった部分なのですが、やっとうまく説明できたと思います。1年がかりですが。

穂里:これは素直にうまいと思いました。『グリムノーツ』が持つ想区という独特の世界観・システムをうまく使ったと思います。

石井:フラグを立てたのが“プリンスキッス・エフェクト”の2016年1月ですから、壮大な伏線回収ですね。

――シナリオ以外の面だと、白雪姫の想区は過去のボスアタックというところも特徴的です。

石井:そうですね。こういうところでちょっとずつ新しいことをやっています。

2017年1月:ストーリーテラーやヒーローエピソードなど、盛りだくさんの1周年!

2017年1月の主な出来事

実施日 出来事
1月9日 武器錬成イベント“新春コッコまつり”開催
1月16日 収集イベント“天に仇なす大猿王”開催。カオス・孫悟空がボスとして登場
1月17日 『グリムノーツ』グッズ第2弾販売決定&予約ページオープン
1月21日 第4回『グリムノーツ』公式生放送配信
1月24日 ヒーローエピソード、ヒーロー専用武器登場
1月24日 衣装“アオトルコスチューム”登場
1月24日 シナリオイベント“グリム・1stアニバーサリー”開催。ストーリーテラーのルートヴィッヒ・グリム、ルイス・キャロルが登場
1月25日 カラオケJOYSOUNDのキャンペーンに『忘れじの言の葉』が登場
1月31日 キャラクターイベント“クロス・ワールド”開催。ドロシー(魔法)、マッチ売りの少女(灯火)、孫悟空(美猴)、ファントム(鎮魂)が登場
1月31日 豆の木イベント“天の頂でラァァブを叫ぶ”開催。ヨリンゲル(天空)が登場
1月31日 1周年記念タイアップソングMV公開&ノベル発売決定

――1周年となる今年1月には、大きなアップデートがありましたね。

石井:アップデートは5日ぐらい徹夜で、終わった後にはリアルに倒れてしまったので、1周年はとにかく大変でした。ですが、アップデートした内容をユーザー様に楽しんでいただけたのでよかったです。

 1月には、キャラクターの深掘りをしたいということで、キャラクターの個別のシナリオ“ヒーローエピソード”が追加されています。

穂里:こちらは、新たに参加したシナリオライターである高野小鹿さんに書いてもらっています。ストーリーテラーのルートヴィッヒ・グリムとルイス・キャロルのものは、大泉さんが書いていますが。

『グリムノーツ』
▲ルートヴィッヒ・グリム。
『グリムノーツ』
▲ルイス・キャロル。

――白雪姫やシンデレラなど、過去のキャラクターも追加されていますね。

『グリムノーツ』

石井:そうですね。新規のキャラクターだけではなく、過去のキャラクターのシナリオも入れていきたいと思っています。

 ただ、スクリプトボリュームも結構な量になってしまうので、新規のものを優先しながら過去のものを合間に入れていきたいです。キャラクターのイラストにある武器も出したいですしね。

穂里:ぜひぜひ。

石井:武器イラストについては、気合いが入っているものと普通に書いているものと差があるんですよね。

穂里:それに関しては後悔がありますね。基本的に武器イラストをゲーム中に反映させる予定はなかったので、例えば白雪姫はただの鉄の剣を持っているだけだったりします。それを踏まえても、もうちょっとなんとかなったはず……。

 アリスや赤ずきんについては、個人的に興が乗ったので頑張って武器もデザインした流れだったんですが、今後はヒーロー専用武器として登場するということで、武器化を見越して描かないといけませんね。

石井:ヒーロー専用武器を決めたのは最近でしたからね。なのでこれから武器のデザインもちょっと凝ったものになります。

『グリムノーツ』
『グリムノーツ』
▲穂里さんが頑張ったという、グリムとルイスの専用武器。凝ったデザインになっています。

穂里:逆に、気合いを入れて描いてみたら「実装できません」ということもありまして。篭手なんかが難しいですね。

石井:そういうのは結構ありますね。サイズ的な問題で、武器を振ったらめり込んでしまうとか。

――グリムとルイスといえば、ストーリーテラーは必殺技にもかなり力が入っていますね。

石井:そうですね。どうしてもこの世界の神様なので適当なわけにはいかず、頑張って作りました。

 ストーリーテラーという意味では、ジョルジュ・サンドをすでにヒーローとして出してしまったことを後悔しています(苦笑)。彼女も有名作家なんですよね……。

『グリムノーツ』
▲ジョルジュ・サンド。
『グリムノーツ』
▲彼女はストーリーテラーになるのか。今後の展開に期待が高まります。

 彼女の使い方をどうするか悩んでいます。数少ない女性のストーリーテラーをすでに出しちゃったので。

穂里:もしかしたらストーリーテラーとして出る可能性もありますか?

――何かうまい方法はあるんでしょうか?

石井:大泉さんに、彼女がストーリーテラーになるまでのいいエピソードを書いていただけると嬉しいです。ルートヴィッヒ・グリムもそうでしたし、“ジョルジュ・サンドがついに!”という感じで。

大泉:そう考えると、できないことはないですね。

石井:他にストーリーテラーになりそうなのは、モーツァルトとシェイクスピアですかね。日本の童話は伝承が多く、個別の作家がいないことが多いんですよね。

穂里:『御伽草子』のように、本として編纂した人物がいる場合はありますけど、個々の物語はほとんどが伝承ですからね。

石井:日本のお話って、イソップ童話に近いと思うんですよね。寓話に近しいものもありますが、訓話という意味で。イソップと違って動物をモチーフにしていないので、『グリムノーツ』的にはやりやすいのですが。

 逆にイソップ童話は有名なのですが、ほぼすべて寓話で、人間じゃなくて動物なんです。寓話であることの定義には擬人化されないことも含まれているので、そう考えるとイソップ寓話が一番実装が難しそうな気がします。

 でも、シナリオの中でアイソーポス(イソップ寓話の作者)とか言ってしまったのでどうしようかと。思わずイソップを全部読み直しました(笑)。

穂里:“グリムノーツ”のメンバーに入ってるぞって(笑)。キュベリエは『金の斧』がモチーフなので、使えなくはない、のかも?

――ちなみにストーリーテラーについて、今後の登場はありますか?

石井:ストーリーテラーはもう少し増やしていきたいと思っています。お話を書いている人たちはたくさんいますからね。グリムなんて兄弟の末弟ですし。

 毎月というわけにはいきませんが、定期的に追加して行きたいと考えています。やれても2、3カ月かなあ。結構大変ですので。

穂里:そうですね。ストーリーテラーを出すのに大変なところは“イマジンヒーロー”の存在も引っかかっていて、イマジンになる元のヒーローが実装されていないと、ストーリーテラーを実装させても、イマジンヒーローとの関係性がさっぱりわからないという。

石井:工数を考えると4カ月に1回が限界という感じですね。4カ月に1回登場するカオスシリーズが、ボス用に作った資産を流用してヒーローにすることで少し作業が楽になるので、その合間を使って進めるという感じです。

 なので今後、大泉さんには想区やイベントのボスを人型にしてもらえると実装的には楽になりそうですね。そうすることでボスをヒーローとしても使えるようになるので(笑)。

大泉:ああ、どうして突然そんなことを聞くんだろうと思ったのですが、そういうことだったんですね(笑)。

石井:でも、ボスで出てきたキャラをバトルで使えるほうが、思い入れあるじゃないですか。だから、カオステラーを集めたヴィランシリーズをやりましょうよ。4カ月に1回のカオスシリーズみたいに、4カ月に1回のヴィランシリーズを。

――従来のカオステラーをヒーローとして使おうとすると、ドン・キホーテのボス(巨大な風車型)とかは難しいですね。

石井:そうですね。ああいったものはパーティに入れられないので、できれば人型がいいです。

穂里:序盤の想区に出てきたオオカミになった赤ずきんちゃんやジョン・シルバーのようなボスなんかも、できれば出したいですね。仕様的に敵用にモーションやデザインを組まれているので、難しくはあるのですが……。

石井:武器が持てるキャラにして! 大砲までなら許容できるから(笑)。

大泉:この前の打ち合わせの時に言ってほしかったです。石井さんは毎回急に言うから(苦笑)。

石井:アップデート後で病に倒れている時、急に思い付きました(笑)。

――他には、1周年記念のシナリオイベントが開催されました。

『グリムノーツ』
『グリムノーツ』

石井:1周年イベントはとても気を使いました。想像とか妄想していたことをなんでもかんでも実現して欲しくないってご意見は、結構いただくんですよ。いわゆる同人誌でファンの方がやりたいと考えているようなことを公式ででやられると、ファン心理として冷めてしまうという苦言をていされることも多く、どこまでやるべきかは悩みましたね。

 『グリムノーツ』としてはコンテンツのガイドラインにも出したように、個人や同人サークルの趣味の範囲での二次創作を許容しているので、なおさらそういったところには気を使わなきゃなと。

 すべての意見を実現するのは難しいのですが、多くの方から「自分の理想の『グリムノーツ』はこうだ!」というご意見をいただくので、できるだけ広く多くの方に納得していただけるようにはしたいんですよね。

穂里:1周年だし、今までやってなかったからいいんじゃないかな。賛否両論はあるかもしれませんが、盛り上がったと思います。

大泉:こういった夢の共演系のシナリオが他の作品で好評だったこともありますし、大丈夫かなと思ってチャレンジしました。

穂里:異なる出典のキャラクターが絡むというのはユーザー様も見たかった部分だと思いますし、こういったやり方もありなんだという場所を作るという功績もあったと思います。

――個人的には、プレイしていて公式の全力感を感じました(笑)。

穂里:「このキャラとこのキャラの絡みが見たかった!」というのはあると思います。

大泉:書くのも大変でしたが、実装するほうも大変だったと思います(笑)。

石井:すごく大変でした(笑)。イベントを制作する時の最初の振りも「テーマパークを舞台にして、これまでに登場した全キャラを出そう」というすごく適当で壮大なフリでしたし。

大泉:それにストーリーテラーも出してっていうくらいだったので、どうしようと思いました(笑)。イベント感を出しつつ、話のロジックを出す時にはバラエティ番組なんかも参考にしてみました。

――アップデートの他には1周年記念のタイアップソングが発表されました。

『グリムノーツ』

石井:そうですね。新しいPVを公開しています。アイドルグループのA応Pさんに歌ってもらっていて、CDが2月8日に発売されました。

動画:『グリムノーツ』1周年記念タイアップソング『ディア ホライゾン』MV(Short Ver.)

 今までの主題歌『忘れじの言の葉』とは違うテイストになってはいるんですけど、せっかくの1周年なのでちょっと違う雰囲気のものをためしてみようかなと思った次第です。

 気合を入れてMVのほうも作成したので、そちらも見ていただければ嬉しいです。ビジュアルワークスの手掛けた実写と3Dがコラボした映像となっています。フルバージョンも公開予定なので、お楽しみに。

 そして、こちらとは別にもう1曲、新たなテーマ曲も作っています。こちらは1曲目と同じテイストで、『忘れじの言の葉』を歌っていただいた安次嶺希和子さんにお願いしたいと思っています。ちなみに、どちらの楽曲も未来古代楽団に依頼しています。

――新テーマ曲はゲーム中では使用されるんですか?

石井:そうですね。使いたいと思っています。ただ、タイアップソングのほうは少し扱いが難しいので別の展開になると思います。ゲーム内で1つの新しい物語が始まるというような感じで、『グリムノーツ』全体のテーマとは少し違うんです。

 新たなテーマ曲は、『グリムノーツ』全体としてのテーマソング第2弾となります。ストーリ-も第2部に入るので。新しいテーマソングを5月くらいに見せられたらいいなと思っています。

――『グリムノーツ』は歌の力も強いですね。

穂里:「『グリムノーツ』は知らないけど、この主題歌はいい」という声も聞きます。幻想的で素敵な歌声です。

2017年の展望:満を持してカオス・アリス&ロミオとジュリエットの想区が登場!

――バレンタインも近くなってきたというところで、よろしければ近々開催予定のイベントについて教えていただければと思います。

石井:僕がわりとアンチバレンタインなので、バレンタインイベントはやらないつもりだったのですが、気付いたら追加衣装がバレンタイン特集で驚きました(笑)。もしかしたら、バレンタインには闘技場で女性が強くなるといったことはやるかもしれません。

 他には、近日中にカオス・アリスが登場するイベントとロミオとジュリエットの想区が追加されます。

『グリムノーツ』
▲ロミオ。
『グリムノーツ』
▲ジュリエット。

――カオス・アリスも気になりますね。

石井:カオス・アリスも満を持しての登場ですね。

穂里:色々と試行錯誤しているうちにどういうデザインが正解だったのかどうかわからなくなってしまいまして(笑)。鏡の国と不思議の国を両方足した感じになっています。

『グリムノーツ』
▲カオス・アリス。

石井:ミステリアスな感じですね。その他には、前後する可能性はありますが、次の武器追加を3月末から4月の頭くらい目標で開発しています。まだ検証中なので、見せられるものは何もありませんが、遠距離系の武器になる予定です。

 ディフェンダーとヒーラーに関しては、また順々に出していこうと思っています。操作方法が今までと違ってややトリッキーな仕様になっているので、動かせるまで楽しみに待っていてください。

――最近、別武器を持ったヒーローが登場しましたが、ああいう試みは続けていくのでしょうか?

穂里:その予定で、何人かのヒーローのデザインを進めています。

石井:人気キャラの物語を別の角度から掘り下げることもできますしね。別武器を持ったヘンゼルとグレーテルも登場予定ですが、こちらはもう少し先の話になります。

穂里:2人は今後の想区にからむ予定なので、まだまだ先の話ですね。想区といえば、長靴をはいた猫の再登場予定がまだないのですが、個人的にはこのキャラクターもまたぜひ出したいですね。

――最後に、ユーザーへのメッセージをお願いします。

大泉:1年間ありがとうございます。2月からは新しい想区やシナリオが追加され、物語が第2部に入ります。今までにないストーリーテラーなどの要素もからみ、第1部とは少し違ったストーリー展開になりますので、ぜひ注目していただければと思います。

 また、Webで連載していた小説も5月ごろに刊行予定なので、そちらも読んでいただければ嬉しいです。今後ともどうぞよろしくお願いします。

穂里:1周年を迎えられたのはユーザー様のおかげだと思っています。ありがとうございます。

 自分がかかわる部分がイラストを描くという点なので、自分の描いたキャラクターが実装されない時は目に触れる機会があまりないのですが、裏ではいろいろと動いているので、応援していただければうれしいです。

 3月には電撃さんからビジュアルブックの発売が決定しており、自分が表紙イラストを描き下ろしています。キャラクターの細かい装飾やデザインを見ることができるので、そちらも楽しみにしていただければと思います。これからも『グリムノーツ』をよろしくお願いします。

石井:まず、1年間『グリムノーツ』を楽しんでいただき、ありがとうございます。2年目に関しても、まだまだ『グリムノーツ』はできたばかりのタイトルだと考えているので、ユーザー様と一緒により大きく育てていけたらいいなと考えています。

 2年目に関しては、ゲーム内だけにかかわらず、ゲーム以外でもさまざまな展開をしたいなと思い、いろいろと動いています。その第1弾として、電撃さんにグッズを作っていただきましたが、それ以外にも各社さんの協力のもと、ビジュアルブックや小説の他、コミカライズの準備をしています。

 また、コミックマーケットなど、大きなイベントへの参加もしていきたいと思っているので、そういったところでも目にしていただけるとうれしいです。

穂里みきね氏のイラスト入りスケッチブックをプレゼント

 穂里みきね氏のイラスト入りスケッチブックを1名様にプレゼントします。応募締切は2月19日23:59まで。

『グリムノーツ』
▲レイナのイラストや、開発スタッフのサイン入り!

 スケッチブックには1周年記念イラストが描かれている他、石井諒太郎さん、大泉貴さん、穂里みきねさんのサインも書き込まれています。さらに、プレゼントが当たった方へのサプライズも……!? ぜひ、ふるってご応募ください!

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