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2017年4月8日(土)

【ディバゲ:ストーリー追想録】第1章“黄昏の審判(ユカリ編)”~闇をまといし記憶喪失の少女

文:そみん

 ガンホー・オンライン・エンターテイメントのiOS/Android用アプリ『ディバインゲート』のストーリーを振り返る特別企画をお届けします。

 本記事でクローズアップするのは、主人公の1人であるユカリ。彼女が第一章“黄昏の審判”でたどった物語を紹介していきます。

[1]失われた記憶を探すために旅立つ少女・ユカリ

 常界で暮らす夜が好きな少女のユカリは、幼いころの記憶を失っていた。そんな彼女は、鎌型ドライバのアビスを手に、自分の記憶を探す旅に出た。

『ディバインゲート』

 旅の中でドライバをアビス:セカンドに進化させた鎌士ユカリは、自分の記憶を取り戻すために聖なる出口<ディバインゲート>を目指し始める。

キャット・ミーとの出会いと再会

 鎌士ユカリが常界から天界を向かい始めた頃、彼女の足元に導かれたように闇猫(キャット・ミー)が寄り添った。

 この時のユカリはまだ知らなかったが、キャット・ミーはユカリ同様、魔界から常界へと堕ちてきた存在で、同じ境遇であるユカリに同じ匂いを感じとり、彼女に寄り添ったのだった。

『ディバインゲート』

 差し出されたミルク、暖かい毛布、触れられる優しさ。優しさをくれた主の側に、いつまでも寄り添っていられたらどんなに幸せか。ケット・ミーへと進化した黒猫は、ユカリとともに天界へ行こうとするが、拒絶され、魔界に堕ちてしまった。

●“ケット・ミー”のプロフィール

 優しさをくれた主の側に、いつまでも寄り添っていられたらどんなに幸せか。堕ちた猫が願った唯一の、普通すぎる小さな願い。だけどそんな、小さな願いの邪魔をする受け入れ続けた闇の力。拒絶された天界<セレスティア>への道、遠ざかるのは安らげる場所、ケット・ミーは、叶わない願いの果てに、再び堕ちた。

 ちなみに、のちにユカリが魔界を訪れた際、ニャオ・ミーとなった黒猫と再会。黒猫はユカリの腕の中で、安らかな寝息を立てるのだった。

ユカリが好きなのは猫とナス

 ユカリぼんのプロフィールでは、彼女の好物がナスであることと、猫が大好きであることが語られている。

 ちなみに彼女は飼い猫にあだ名をつけていて、2人きりの時にだけ、その名前で呼ぶらしい。

●“ユカリぼん”のプロフィール

 ユカリぼんはナスだぼん。間違えたぼん。ナスが大好きぼん。猫も大好きぼん。いつか猫と一緒にナスを食べたいと思っているぼん。だけど、猫にナスは食べさせちゃ駄目ぼん。ここだけの話、ユカリぼんは飼い猫にあだ名をつけているらしいぼん。ふたりきりのときにだけ、その名前で呼ぶらしいぼん。気になるぼーん。

 また、ユカリ:サマーのプロフィールでは、彼女が泳げないことが語られている。

『ディバインゲート』

●“ユカリ:サマー”のプロフィール

 パラソルの下、夏から逃げるようにカーディガンを羽織っていたユカリ。どうした、泳がねーのか。話しかけてきた無の少年。事情があるのよ。だが、そんな事情は、浮き輪を見れば一目瞭然だった。もしかして、泳げないのか。し、失礼ね。そして、少女は夏へと駆け出す。泳いでみせるわ。夏はまだ、終わらない。

【キャラクターチェック】闇魔女王ユカリ編

『ディバインゲート』
▲闇魔女王ユカリ。

●高野メモ

 地味な子が、じょじょにアバンギャルドになっていく、というようなコンセプトで進化前後のイラストを描いてもらいました。再醒進化のイラストなど、もう大胆で地味の欠片もないですよね(笑)。

 ワンピースの柄だったり、靴ひとつとっても、とってもこだわって作ったのを覚えています。再醒でも、ヴァルプルギスの要素を上手く散りばめてくれました。

●デザイナーコメント(UCMMさん)

 主人公の中ではいかにも中二的なキャラで、当時一番自分の型にはまったキャラでとても描きやすかった記憶があります。アシンメトリーのスカートなど、高野さんとこだわってデザインしましたね。はじめポニテじゃなく、後ろもオカッパだった覚えがあります。

[2]死後郷<エリュシオン>での闇の試練

 天界に向かったユカリは、天界から魔界へと初めて堕ちた存在である闇を司る大精霊シャドウと出会う。

『ディバインゲート』

 一度堕ちた存在だからこそ、闇の起源<オリジン>となり、そして産まれた闇の力。誰よりも深い悲しみを知るシャドウは、皆が安らげるよう、安心して眠れるようにと、優しい夜を生みだした。

 シャドウとの出会いでドライバがアビス:サードへと進化した闇鎌士ユカリは、自分が魔界から常界に堕とされた記憶を取り戻す。

『ディバインゲート』

 闇へと堕ちる悲劇の連鎖を止めるため、憎しみの闇に捕われたユカリは魔界を目指すのだった。

●“闇鎌士ユカリ”のプロフィール

 闇を司る精霊はユカリを優しく包み込み、探していた過去に触れた。私と同じ匂いがする、と。それは喜ばしくも、悲しくも、堕ちた者への烙印。小さな死神は【アビス:サード】を掲げ、魔界<ヘリスティア>へ反旗を翻す。闇へと堕ちる悲劇の連鎖を止める為に。だけどまだ、彼女は憎しみの闇に捕われたままだった。

 魔界に到着したユカリは、シャドウに死後郷<エリュシオン>へと案内され、闇の試練を受けることに。闇に包まれたユカリは闇と向かい合い、抱いた愛こそ人間らしいと愛することで試練を突破。

 常闇鎌士ユカリのドライバはアビス:オロチへと進化し、ユカリとリンクした闇精王シャドウもまた、新たな力を手に入れたのだった。

『ディバインゲート』

●“闇精王シャドウ”のプロフィール

 闇を包んだ少女を案じ、選んだのは自ら再び堕ちる道。かつて過した深い闇に包まれし死後郷<エリュシオン>、その中で行われた闇と闇の共鳴<リンク>は闇精王へと生まれ変わらせるのには十分だった。シャドウの生む夜を愛し、そしてその夜に包まれ眠る少女を見て、自分の産まれた本当の意味に気付かされた。

【キャラクターチェック】闇精王シャドウ編

『ディバインゲート』
▲闇精王シャドウ。

●高野メモ

 六大精霊王の中の最年少担当で、みたいに発注した気がします。違うかもしれません。

 うさぎのぬいぐるみを持っていたり、少しあどけない表情を見て、「UCMMさんって、こういう子が好きなんだな」って察したキャラクターです。

●デザイナーコメント(UCMMさん)

 こういう子だけが趣味ではないですが、当時一番気に入ってたような気がします。こういう子だけが趣味ではないですが、こういうあどけない表情した少女キャラはとても好きでノリノリで描いた覚えがあります。

[3]聖銃士ユーウェインの襲撃

 常界に戻ったユカリは、アーサーの部下である円卓の騎士の1人である聖銃士ユーウェインと出会い、交戦する。

『ディバインゲート』

●“聖銃士ユーウェイン”のプロフィール

 常闇の死神が大鎌を振りかざす。奈落の大蛇の名の前に、目を覚ました眠れる獅子、聖銃士へと目覚めるユーウェイン。亡き親友の想いを胸に発動させたリボルバーシフト、【ロディーヌ:リボルブ】が闇を切り裂き炎を燃やす。それは獅子奮迅の如く、気高き獅子があげた、二度と会えぬ友へと向けた、目覚めの雄叫び。

 ユーウェインは自らの手で親友の命を奪ってしまったことを嘆き、一時前線から退いていた。だが、アーサーと出会い、前線へと復帰を果たした。そして、アーサーからの指令により、ユカリと交戦したのだった。

[4]プラネタラウンジでのムラクモの襲撃

 ユーウェインとの交戦後、ユカリはコスモが支配人を務めるプラネタラウンジに立ち寄った。

 「勝者にはこの世の栄光を、敗者にはこの世の絶望を」。そこでは日夜ショータイムという名のデスゲームが行われていた。そこでは、すべてを超越した多元世界のお嬢様(多元嬢コスモ)こそがルールだった。

『ディバインゲート』

●“多元嬢コスモ”のプロフィール

 日夜繰り広げられるショータイム、それはただのエンターテイメント。勝者にはこの世の栄光を、敗者にはこの世の絶望を。全てを超越した多元世界のお嬢様は自分こそがルール。【マレット:セカンド】を振りかざすコスモ、今宵、支配人は支配者へ。巻き込まれたデスゲーム、ダイスが決める未来。サイは投げられた。

 彼女の振ったダイスが示したのは6の数。ユカリはラウンジでの休憩中、コスモ、魔界にある死刑執行学園の剣学部に所属するダークサイズサキュバス、第五世代自律兵器型ドライバムラクモとの戦いに巻き込まれることになる。

『ディバインゲート』

●“ラウンジ:サターン”より

 常界<テラスティア>での一仕事を終え、暗闇のラウンジで一休みをしていたのは正統派処刑人の魔物の男。ほんの一休みのはずが、心地良い暗闇に心奪われ、ついつい長居を。だけど、偶然にも通りかかった罪人に、自らの闇の鎌を振り上げた。

『ディバインゲート』

●“ムラクモ”のプロフィール

 やっぱり一人が気楽でいいわ、死神は一人、ラウンジで休憩中。もしも退屈な時間をお過ごしならば、お相手をして差し上げましょう。投げられたサイ、始まったショータイム。示された「4」の枠を求め、名乗りをあげたのは癖の強い髪の悪魔、ハートの尻尾の悪乙女、そして無言で手を上げた【ムラクモ】だった。

 「オマエは罪な女だな」、悪乙女(サキュバス)へと鎌を振る闇刑者(ダークサイズ)。

 「あらあら、アタシはもっと罪な女よ」。闇刑者(ダークサイズ)へと杵を振る多元嬢(多元嬢コスモ)。

 「……」。無言のまま死神(ユカリ)へと襲いかかる自律兵器(ムラクモ)。

 「私の時間を返してもらえるかしら、悪い夢なら魅せてあげるわ」。ユカリはコスモたちを一蹴し、ムラクモのエレメンツハートを再起動させた。

●“自律の鼓動V”より

 頭の悪い天才が創り物の心で創りあげた自律兵器は、本来上位なる存在へ献上され、そして一人の少女の命を奪うはずだった。だが、想定外の強さを見せた少女により、再起動<リブート>がかかり、そしてエレメンツハートは稼動したのだった。

 こうしてユカリは、ムラクモ:オロチを仲間に加えたのだった。

『ディバインゲート』

闇才ヘンペルの失恋

 ムラクモを開発した聖暦の天才の1人であるヘンペルは天界出身で、幼少期を幼なじみのクレオパトラとともに過ごした。

『ディバインゲート』
『ディバインゲート』

 クレオパトラいわく「頭の悪い天才」であるヘンペルは、やがて浴室の美女の1人であるカタリナに恋をした。

 花の妖精であるプチオラにそそのかされ、ヘンペルは紫色のバラの花束を抱えて入浴中のカタリナへ愛の告白をしようとしたが、桶を投げつけられて失恋した。

『ディバインゲート』

●“カタリナ”のプロフィール

 笑顔の絶えない永遠郷<シャングリラ>に位置した光の美浴室にて、カタリナは光の祝福に包まれていた。続く争いの最中、ひと時の休息、彼女にとってはこの上ない至福の時。そんな彼女だけの時間に訪れた、予期せぬ来訪者。紫色のバラの花束を抱えた男性、すかさず投げつける桶。彼女には、何の悪気もなかった。

 失恋によって心に穴が空いたヘンペルは「だったらいっそ、心などいらない」と、義臓型ドライバ“ヘルツ”を埋め込み、常界へと失踪。そこでロキに出会い、世界評議会へとスカウトされた。

『ディバインゲート』

●“ヘンペル”のプロフィール

 浴室に住まう光輝く美の妖精に恋破れ、彼の心は穴が空いた。だったらいっそ、心などいらない。ヘンペルと呼ばれた天才は、心の臓を失くした。そして、その空いた穴に、自らが開発した義臓型ドライバ【ヘルツ】を埋め込み、逃避した先は常界<テラスティア>の海岸線。そんな彼に、ひとりの男が手を差し伸べた。

 世界評議会で聖暦の天才の1人となった闇才ヘンペルは研究施設と膨大な開発資金を与えられ、ロキに命じられるがままに、あえて外しやすいリミッターを開発する。

 このリミッターは機械龍(サラマンダーリヴァイアサンヨルムンガルドファーブニルニーズヘッグウロボロス)に搭載され、その暴走が黄昏の審判の幕開けとなった。

●“赤帝楼閣スザク”より

 非常警報を告げる鐘が鳴り響いた。鈍く、重い、その鐘の音が告げたのは破壊力の暴走。リミッターの解除された第五世代の大型ドライバによる破壊力の暴走。今、赤帝楼閣は、上位なる存在の悪戯により、脆くも崩れ去ろうとしていた。

 その後、ヘンペルはムラクモを開発した直後に世界評議会を去り、ロキと行動をともにするようになる。

●“漆黒研クインテセンス”より

 恋に敗れた天才にとって、この統合世界に存在理由など求めなかった。手を引いてくれた方へと捧げた創り物の心。全ては上位なる存在の為に。天才へと告げられた新たな研究、それは二文字の合言葉。たった二文字で、彼は全てを理解していた。

 余談だが、ムラクモはヘンペルやロキの命でユカリを襲ったわけではなく、偶然その場に居合わせただけだった。

 また、ナノ・ニーズヘッグを上位なる存在である神へと献上するつもりが、同じ上位なる存在である竜(エジプトラ)へと献上してしまうなど、ヘンペルは天才でありながらも、よくおかしな失敗をしている。

[5]ヴァルプルギスとの再会

 プラネタラウンジをあとにしたユカリは、常界でヴァルプルギスに呼び止められる。

『ディバインゲート』

 「なんで、私がわからないの。私のこと、忘れてしまったの。ずっと一緒だって、嘘だったの。友達なら、私がいるよ。私だけの、友達でいてよ。そっか、みんな、殺しちゃえば、いいんだ。そしたら、世界は、私と、あなたと、ふたりだけの世界ね」

 そんな魔女王ヴァルプルギスの叫びはユカリに届かず、不夜城ナイトメアの子ども部屋に戻った魔女王ヴァルプルギスは、その力を暴走させるのだった。

●“不夜城ナイトメア”より

 魔界<ヘリスティア>の最果ての地、そびえ立った不夜城ナイトメアの子供部屋、泣き疲れた少女がひとり。探していた友達との再会は、少女を失意の底へと突き堕とした。暴走した魔の女王は、常界<テラスティア>へ向け、大切なストールを翻した。

 その後、ユカリの前に現れた闇拘獣キョウは、「アンタのこと、連れて来いって頼まれてんだ」と手を差し伸べる。

『ディバインゲート』

 キョウは魔女王ヴァルプルギスの側近であるファティマから、ユカリを不夜城に連れて来いと命令されていたのだった。

 そこに、竜王であるノアの部下である第零世代人型ドライバラティーナが現れる。

 「アナタヲ、セイナルトビラヘ、ツレテイク」。ユカリを聖なる扉へと連れて行こうとするラティーナだったが、ユカリは「丁度良かったわ、その汽車、乗せて行ってもらえるかしら」と武器をふるう。

『ディバインゲート』

●“ラティーナ”のプロフィール

 自由と引き換えの約束を果たそうとする堕ちた獣と、闇を包んだ少女達の前、深く暗い紫から現われたのは、鎧型ドライバ【アッピア】を纏った第零世代人型ドライバ【ラティーナ】だった。アナタヲ、セイナルトビラヘ、ツレテイク。丁度良かったわ、その汽車、乗せて行ってもらえるかしら。少女の瞳に闇が見えた。

 ユカリの力を認めた闇番人ラティーナは、夜汽車の行き先を魔界へと変えたのだった。

●“闇番人ラティーナ”のプロフィール

 シケンノ、トッパヲ、ミトメマス。【アッピア:ドゥーエ】とその闇を引き裂いたのは奈落の大蛇だった。セイナルトビラヘ、ムカイマス。告げられた行き先。違うわ、魔界へ向かって頂戴。遮った行き先。闇を包んだ少女は、聖なる扉の真実ではなく、幼き日の約束を果たそうと、自らの失くした記憶を求めていた。

ヴァルプルギスとの思い出

 ユカリが持つドライバのアビスは、彼女が魔界で過ごしていた幼少期のころから手元にあり、おもちゃとして使われていた。

 ヴァルプルギスにとってユカリは、初めての友だちであり、おそろいの紫色のストールを持つ仲だった。

●“ヴァルプルギス”のプロフィール

 ねぇ、どこにいるの。私をひとりにしないで。ずっと一緒だよって、約束したじゃない。魔界の最果ての地、初めての友達を探して彷徨う少女がひとり。友達とお揃いの、紫色したストールを握りしめて。出会いは突然に、そして、別れも突然に。ヴァルプルギスは【サヴァト】と共に、初めての友達を探し続けていた。

●“黄昏の審判:序章”より

 今日もあの子が泣いていた。昨日もあの子は泣いていた。明日はあの子に笑ってもらいたい。どうして、あの子はいつも一人なの。堕ちたからとか、人間だからとか、そんなの私は知らない。だって私は、泣き虫なあの子のことが、だいすきなんだから。

 一方のユカリにとってもヴァルプルギスは、“大好きだったあの子”であり、彼女と過ごす夜という時間は心が落ち着く優しい時間。その思い出は、記憶喪失となった際にもユカリの心に残っていたのだった。

『ディバインゲート』

●“Early Days:いつかの闇”より

 夜は優しかった。それは一日の終わりだから。それは心落ち着くから。全てが正解であり、不正解だった。なぜ、夜は優しいのか。それは大好きだったあの子と過ごす時間だったから。例え記憶からは忘れ去られても、心からは忘れ去られていなかった。

【キャラクターチェック】魔女王ヴァルプルギス編

『ディバインゲート』
▲魔女王ヴァルプルギス。

●高野メモ

 確か急遽、降臨ボスを差し替えることになり、急いで作ったのを覚えています。アーサーに次いだ2番目の降臨ボスですね。ユカリのストールを羽織らせてくれ、とお願いしたのを覚えています。

●デザイナーコメント(イチノセ セノイチさん)

 ヒャッホー!! カワイイ女の子が描ける!! とウキウキしながら顔を描いて満足して、フリフリやクシュクシュで危うく昇天しそうになりました。

 もう少し軽くてフワッフワにしてあげたかったのですが、デザインのレギュレーションを上手く守りつつ表現するには力不足でした。

 この性質上、エッジの効いたデザインとは相性がいいのですが、『ディバゲ』のデザイナーにとって、柔らかさの表現や、各要素ごとの距離の表現とは常に戦いになります。

[6]赤い月が昇る夜の即位式

 赤い月の夜、魔界の不夜城でユカリの新魔女王への即位宣言が行われようとしていた。その仕切り役は幻奏者ファティマ

『ディバインゲート』

 彼女は幼さの残る現魔女王のヴァルプルギスよりも、より自分が聖戦に向けて自由に動けるようにと、扱いやすいユカリを新たな魔女王にしたいと考えていたのだ。

『ディバインゲート』

●“炎魔将ヒメヅル”のプロフィール

 赤い月の昇る夜、不夜城の女王の間、そこには懐かしい友の姿があった。一人は赤き女王に、一人は炎の魔将に、各々の道を進んだ少女達の再会。集まった六魔将、そして戻ったばかりの六色の女王を前に幻奏者は告げる。幼き魔女王に代わり、この魔界<へリスティア>を統べる新たな女王の名を、常闇の死神の名前を。

 魔界の諸侯が参加する666議会でユカリの即位の承認を得るため、六色の女王(赤の女王アカズキン青の女王アリス緑の女王イバラ黄の女王シンデレラ紫の女王カグヤ白の女王シラユキ)と、六魔将(炎魔将ヒメヅル水魔将ムラサメ風魔将ヤスツナ光魔将ライキリ闇魔将ムラマサ無魔将ナキリ)が不夜城の王の間に召集された。

 途中、「二人きりの世界を邪魔するのは、あなたね」と、六魔将の水魔将ムラサメ闇魔将ムラマサの姉妹がユカリに反発する場面もあったが、「そうゆう態度、嫌いじゃないわ」と、ユカリはこれを一蹴し、女王の玉座についたのだった。

『ディバインゲート』

●“水魔将ムラサメ”のプロフィール

 二人きりの世界を邪魔するのは、あなたね。赤い月が昇る夜、不夜城に招かれた水の魔将は機嫌を損ねていた。妹との時間を邪魔するなんて、ただじゃおかないわ。愛する妹と共に、一人の少女へと斬りかかる。そうゆう態度、嫌いじゃないわ。奈落の大蛇が弾いた二対の妖刀。少女は六魔将を従え、女王の玉座に着いた。

『ディバインゲート』

●“闇魔将ムラマサ”のプロフィール

 二人きりの世界を邪魔するのは、あなたね。赤い月が昇る夜、不夜城に招かれた闇の魔将は機嫌を損ねていた。姉との時間を邪魔するなんて、ただじゃおかないわ。愛する姉と共に、一人の少女へと斬りかかる。そうゆう態度、嫌いじゃないわ。奈落の大蛇が弾いた二対の妖刀。少女は六魔将を従え、女王の玉座に着いた。

捕らわれたロメオ

 ロキの命を受けた風戯者シェイクスピアによって綴られた存在であるロメオ

 彼は赤い月の夜に不夜城で起きたユカリの即位式を見届けた後、魔界を去った。だが、数多の銃口が向けられ、彼の持つ短剣型ドライバ“マキューシオ”は没収。この武器は、彼の相棒である光戯竜ジュリエットにわたされ、彼女が自害するために使われることに。

『ディバインゲート』

●“ロメオ”のプロフィール

 赤い月が昇った夜、ロメオは短剣型ドライバ【マキューシオ】を腰に携え、背の高い木の枝から女王の間を覗き込んでいた。その日不夜城に起きた一つの改革、新たな歴史の始まりの瞬間を見届けた彼は、そのまま魔界を後にした。だけど、そんな彼は自分に数多の銃口が向けられていたことに、気が付いてはいなかった。

 その後、無戯獣ロメオは毒を渡され、自害を迫られる。そんな時、彼は“たった一人の名前を永遠に呼び続ける虚ろな目をした一人の青年(サンタクローズ)”を目撃している。

 神叛獣ロメオは毒を飲むことをやめたが、運命に背き、神になる(=セカンドになる)という禁忌を犯した彼は、死ねなくなってしまった。

 そして、彼の相棒である神叛竜ジュリエットもまた、運命に背き、死ねない体となった。

[7]北欧神・ヘグニの凶刃

 ユカリの即位式が進む中、道化竜オズによって召喚された北欧神のヘグニが玉座の前に現れる。

 ダインスレイヴ:プロトが姿を変えた神刃型ドライバ“ダインスレイヴ”を持つ闇神ヘグニは、ムラクモ:オロチを倒し、ユカリを守ろうとしたヴァルプルギスを刺し貫く。

『ディバインゲート』

●“闇神ヘグニ”のプロフィール

 だいすき。やっぱりだいすき。ずっとだいすき。いつまでもだいすき。それは一瞬の出来事だった。椅子を求めた闇神ヘグニが赴いた魔界の不夜城の女王の間、大好きな幼馴染を守る為、力を出し切った幼き魔女王。嫌よ、悪い夢よ、これは夢なのよ。全てを思い出した闇を包みし少女は、紫色のストールごと抱きしめた。

 「嫌よ、悪い夢よ、これは夢なのよ」。すべてを思い出した闇を包みし少女(ユカリ)は、ヴァルプルギスを紫色のストールごと抱きしめるのだった。

●“黄昏の審判:闇の軌跡”より

 今日もあの子が来てくれた。昨日もあの子は来てくれた。明日もあの子は来てくれるかな。目の前で散った魔女王。思い出される記憶。少女は魔界で生まれ、常界に堕とされた。そして決める覚悟の刻。だって私は、あの子のことが、大好きなんだから。

 怒りに身をまかせたユカリの振るう鎌は空を切り裂くが、闇神ヘグニには歯が立たない。「あなたの闇は、私が包むから」。闇精王シャドウは堕ちた少女とともに生きる道を選び、ユカリの影となり、寄り添う。

 一方その頃、自らが召喚した北欧神の風神ヘズが、自分の愛する家族である道化嬢ドロシーの命を奪ってしまったことに絶望した道化竜オズは、自分の魔力を犠牲にして北欧神の力を改変。アカネやユカリたちに未来を託す。

 こうしてシャドウと同化した闇魔女王ユカリは、改変されて弱体化した闇神ヘグニを撃退したのだった。

『ディバインゲート』

ヘグニが不夜城に現れた理由

 ヘグニは神に抗う塔の最上階で「ちょっと、私の椅子はどこよ」と悪戯神ロキに詰め寄ったが、「この塔では王様にのみ椅子が与えられるのさ」とはぐらかされる。

 こうして、椅子を求めた闇神ヘグニは魔界の不夜城の女王の間へとおもむいたのだった。

●“闇神ヘグニ”のプロフィール

 闇の竜は刃へと姿を変え、そして生まれた神刃型ドライバ【ダインスレイヴ】を手にしたヘグニは我侭に振舞う。ちょっと、私の椅子はどこよ。天高く聳えた塔の最上階での出来事。この塔では王様にのみ椅子が与えられるのさ。そうはぐらかした仮面の男の奥、唯一の椅子には、虚ろな目の堕ちた王が腰をかけていた。

[8]友を奪った天界への宣戦布告

 魔女王ヴァルプルギスにかわり、新たな闇魔女王となったユカリ。そこに観測者クロノス天上獣グリュプスが現れ、黄昏の審判を止めるためにユカリを神に抗う塔へと導こうとする。

 だが、ユカリは聖なる扉に向かわなかった。「いつかあなたを、世界から弾くことになるわ」というクロノスの言葉に対しても、ユカリはただ視線を投げ返す。こうして、ユカリが立ち会うことなく、黄昏の審判は終わりを告げた。

●“黄昏の審判:闇の軌跡”より

 戦いは終わり、赤い月は沈んだ。迎えた朝は魔界の新たな歴史の始まり。訪れた観測者に、少女は視線を投げ返す。いつかあなたを、世界から弾くことになるわ。それでも少女は視線を投げ返す。少女が立ち会うことなく、黄昏の審判は終わりを告げた。

 こうして黄昏の審判が終り、統合世界に平和が訪れたかに見えた。だが、新生世界評議会の会議で魔界代表のディアブロが行った天界への宣戦布告によって、その平和は早くも崩れ去る。

『ディバインゲート』

 ユカリは自分の親友であったヴァルプルギスの命を奪った者たちへの報復のため、黄昏の審判を引き落こした神と、それに加担した妖精への宣戦布告を行ったのだった。

●“黄昏の審判:闇の軌跡”より

 平穏に包まれた常界で開かれた新生世界評議会の会議の場に送り込まれた魔界代表はそっと一通の手紙を読み上げた。それは天界に対する宣戦布告。黄昏の審判を引き起こした神々と通じた罪人達への報復。全ては、大好きだった、あの子の世界の為に。

 闇魔女王ユカリが率いる魔界の勢力と、光妖精王ヒカリが率いる天界の勢力との激しい戦い。それは、第四章“聖戦”で詳しく描かれることになる。

【第一章“黄昏の審判(ギンジ編)”は4月15日(土)夕方ごろに公開予定です】

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