News

2017年3月15日(水)

『アライアンス・アライブ』体験レポート。求めていた往年のJRPGらしさあふれる傑作の予感!

文:まさん

 フリューが6月22日に発売予定の3DS用RPG『アライアンス・アライブ』。本作は、9人の主人公による群像劇に、広大なワールドマップの冒険や乗り物での移動など、往年の日本製RPGが持つ魅力と、新規タイトルとしての新しさを凝縮させた作品となっています。

『アライアンス・アライブ』

 3月12日に開催されたイベント“ゲームの電撃 感謝祭2017”(電撃文庫 春の祭典2017、電撃コミック祭2017と同時開催)では、本作の体験版が展示されており、15分間の体験プレイが可能となっていました。体験版を遊んでわかった本作の魅力をレポート形式でお届けします!

『アライアンス・アライブ』

サクサクと遊べるテンポとキャラクターの掛け合いに期待が高まる!

 シナリオを村山吉隆さん、ゲームデザインを小泉今日治さんが手掛けている『アライアンス・アライブ』。個人的に好きな作品を作っているスタッフが集まり、往年のRPGのような作品として開発するということで、かなり注目していました。

 特に、村山さんのシナリオには個人的にものすごく思い入れがあるんですよ。つかみがうまく、伏線も巧みで盛り上がるシナリオを書かれる方なんですよね。村山さんの漫画原作作品まで追いかけていた身としては、絶対に遊びたいと思っていたタイトルでした。

 それだけ楽しみにしていた『アライアンス・アライブ』が、“ゲームの電撃 感謝祭2017”で遊べるとあっては行かないわけにはいきません!

『アライアンス・アライブ』
『アライアンス・アライブ』
▲フリューブースは午前中から大盛況! お昼ごろには試遊待ちの列が30分待ちになるなど、多くの人が本作を楽しんでいました。体験可能なのは15分という短い時間でしたが、皆さん集中してプレイしていました。
『アライアンス・アライブ』
▲体験してくれた方には、ノベルティとしてミニクリアファイルとポストカードがプレゼントされました。こちらも予定数が足りず追加配布を用意するなどかなりの人気でしたよ。

 体験できたのは、ガリルとアーシュラが主人公となるプロローグの部分。過去の体験会などと同じ範囲ですが新たにオープニングムービーが追加されており、どのようにして世界が分断されたしまったのかがわかるようになっていました。

『アライアンス・アライブ』
▲世界を分断し“青い空”を奪った“大結界”の様子が、迫力のムービーで確認できました。

 ゲームを始めて最初に「あ、これは期待できる」と思ったのはキャラクターの掛け合い。導入から、自分が求めている村山さんのシナリオらしいキャラクターの立った掛け合いが多く、ムービーも多めなのですがテンポよく展開されていきます。

 “雨の都スヴァルナ”を舞台に、勝ち気で引っ張っていくアーシュラとガリルの子気味よいやり取り。アーシュラの父親・ワイアット(個人的にこの名前と父と娘、というだけでニヤっとしてしまう)との会話シーンで、さりげなく“デキル男”な感じを漂わせているバルバローザなど、短いシーンでもキャラクターがいろいろな表情やポーズを見せてくれます。

 ここら辺は、さすが群像劇に定評のある村山さんシナリオ。「!!!!!」はありませんが、すごく昔の村山さんらしいRPGという感じがします。会話ばかり見ていると15分の試遊時間がすぎてしまうので飛ばし気味に進めましたが、製品版が出たらじっくりと物語も合わせて楽しみたいです。

『アライアンス・アライブ』
▲3Dモデルの演技もしっかりと掛け合いに合わせて動き、導入からワクワクさせてくれます。

 街も会話できるキャラクターや入れる家が多く、タンスの中からアイテムを探すといったお約束もアリ。いい意味でちょっと昔のRPG感があります。もっと、じっくり探索したり、会話(村山さんのシナリオは町の人の会話もしっかりしているのが特徴なのです)に耳を傾けたいところですが、ガマンしてフィールドへ行くことに……。

『アライアンス・アライブ』
▲街にはたくさんの人がいます。話しかけるとアイテムをくれる人もいたりするので、全員に話しかけたくなってしまいます。

 そんなわけでフィールドに出てみましたが、世界がかなり広く感じられたのに驚きました。基本は見下ろし型なのですが、キャラクターまでのカメラの距離が遠くなったり、3Dを生かしたダイナミックな描き方で世界が大きく感じられます。

 下画面がマップ表示になっており、目的地も表示されているので迷ってしまうことはありません。敵とシンボルエンカウントするゲームなので、フィールドに敵がうろうろしていますが、動きや数も理不尽だと感じることはありませんでした。

『アライアンス・アライブ』
▲むしろ、どちらかと言えば少なく感じるくらい。敵をガンガン無視して進むこともできます。プレイの快適性という意味では、まったく心配なさそうです。
『アライアンス・アライブ』
▲遊んでみないとわかりにくいかもしれませんが、フィールドはかなり広く感じられます。実際に迷うほど広くはないのですが、世界の大きさを感じられていいカメラワークです。

 ガンガン進んでとにかく物語を見たい気持ちもありますが、戦闘もチェックしたいのでとりあえずザコに突撃。ちなみに、後ろから敵にぶつかられると先手を取られてしまいます。敵の動きが緩いとはいえ、油断は禁物ですね。

 戦闘自体は、オーソドックスなターン制のコマンドバトル。ゲームデザインがギリギリのバトルを調整してくることで有名な小泉さんなので難しい戦闘を想像していましたが、序盤だからなのかそんなことはありませんでした。

『アライアンス・アライブ』
▲テンポのよいターン制のコマンドバトルは、往年のRPGらしさを感じます。

 とにかく、テンポよくサクサク戦えます。新たな技を覚えたり、覚えている技や術がパワーアップする“覚醒”も、15分の範囲内だけでもガンガン発生しました。少なくとも1つの武器で2種類くらいの新たな技を覚えられました。

『アライアンス・アライブ』
▲戦闘中に“覚醒”して、新たな技が発動! 確実に発生するわけではないのですが、カットインがキラーンと入ってうれしくなります。

 通常の速度でもテンポよく戦えますが、戦闘中に2倍速と4倍速に切り替えられるのもありがたい。むしろ、4倍速まで上げるとあまりにも速く、覚醒した瞬間まで高速で飛ばしてしまうので最初はもったいないかも。

 そもそも通常速度でも十分テンポが速いので、個人的にはひたすら敵を倒したいなど特別な理由がない限りは、倍速にしなくてもいいかなとは思いました。

 なお、陣形も設定できるのですが、まだ2人旅なので恩恵はあまり感じられませんでした。ここは、早く5人そろった状態で遊びたいです。

『アライアンス・アライブ』
▲隊列による狙われ率の変化などはありますが、最初はお好みで陣形を作ってよさそうでした。

 戦闘が終わったあとは、手に入れたタレントポイントを割り振って武器ごとの“資質”を習得できます。資質は、技を使うときのSP消費量が減ったり、覚醒しやすくなったりと、成長に欠かせない要素です。多彩な武器種と術があるので、どれを上げるのかいい意味で悩みそうですね。

 ちなみに、資質を取ろうとしてステータス画面を開いて気づいたのですが、小さなキャラクターが歩いていたり、物語のチャプタータイトルが見られたりと、ステータス画面も凝っていてイイ感じです。こういう細かいこだわりが重要なんですよ!

『アライアンス・アライブ』
▲キャラクターごとに上げる資質を絞って育てていくのがイイと思いますが、どれも自由に上げられるのでメチャクチャ悩みます。剣、斧、それとも術タイプにするべきか……。

 なお、バトルシステムについては、わかりやすくまとまった実機プレイ映像が公開されています。まだチェックしていないという方は、戦闘の雰囲気をぜひ動画で確認してみてください。

●動画:『アライアンス・アライブ』実機プレイ映像~バトルシステム編~

もっと遊びたい! できれば、他のキャラクターのストーリーも!

 最初のお使いを終えて次の目的地“閉鎖美術館”を目指すところで15分のプレイは終了。短いプレイ時間でしたが、体験としては濃密でした。

 キャラクターの個性も、しっかり感じられて楽しかったです。とくにアーシュラがよかった! 元気なタイプの女の子キャラで、こういうタイプの子は村山さんシナリオだと、この後何か起こるのではないかと心配になってしまいますが、主人公なので安心して動向を見守れるのがイイ感じ。

 ガリルとカップル扱いされたりしますが、どちらかというと“おねえちゃん”みたいな接し方でニヤニヤしてしまいました。本当に、始まりという感じにすぎないのですがキャラクターがみんな魅力的だったので、他の主人公の物語も気になります!

『アライアンス・アライブ』
『アライアンス・アライブ』
▲アーシュラ、かわいい。今回は、それだけ覚えて帰ってください。

 それから、コンポーザーの浜渦正志さんによるBGMも最高です。フリューのRPGでは、過去に『レジェンド オブ レガシー』の曲も手掛けていますが、そちらとも方向性が違う感じで、プレイ中かなり印象に残りました。

 戦闘曲も移動中の曲も耳に残るメロディーでカッコイイんですよ。公式サイトや公開されているプレイ動画で何曲か聞くことができるので、ぜひ聞いてみてください。浜渦さんファンは予約特典のサントラCDを逃さないようにしたいですね!

 6月22日に発売日が伸びてしまいましたが、当初の予定より3カ月も延期するということは、それだけじっくりとよい作品に仕上げてくれるという宣言でもあると思います。体験版の範囲でも、戦闘からシナリオまでRPG好きな筆者をワクワクさせてくれました!

 今後も体験プレイができるチャンスは用意されているそうなので、遊べる機会があったらぜひ遊んでみることをおすすめしますよ!

『アライアンス・アライブ』関連記事

※画面は開発中のものです。
(C)FURYU Corporation.

データ

関連サイト