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2017-03-27 11:30

羽多野渉さん、下野紘さんらが忍びの者たちの生き様を熱演! 『百花百狼』朗読劇

文:ガルスタオンライン

 2月19日埼玉県東松山市民文化センターにて、“朗読劇『百花百狼 ~戦国忍法帖~ 春風幻想録』”が開催されました。『百花百狼 ~戦国忍法帖~』は、昨年発売された、重厚なストーリーと、美しいイラストで人気の乙女ゲーム。本イベントは朗読劇を中心に、ライブにトークと『百花百狼』の魅力がたっぷりの内容となっていました! ここではお昼の部の模様をお届けしていきます。

朗読劇『百花百狼 ~戦国忍法帖~ 春風幻想録』

 今回のイベントには、羽多野渉さん(月下丸役)、下野紘さん(黒雪役)、鳥海浩輔さん(百地蝶治郎役)、津田健次郎さん(服部半蔵役)、緑川光さん(石川五右衛門役)、宮田幸季さん(徳川家康役)に加え、OPとEDを担当するMIKOTOさんの7名が出演しました。

 開演時間になると、会場にはお寺の鐘の音が響き渡ります。「槐(えんじゅ)……ようやくだ、ようやくおまえに会える……離れていた八年もの間、おまえを、想わなかった日はないよ」とある運命を背負う、黒雪のナレーションから始まります。

 その黒雪が、主人公への想いを綴ったモノローグは辛く悲しい過去を彷彿させ、会場は静まり返りました。すると、月下丸をイメージした衣装に包まれたMIKOTOさんがオープニングテーマを熱唱。会場は一気に、戦乱の世へと引き込まれます。

朗読劇『百花百狼 ~戦国忍法帖~ 春風幻想録』

 そしてここから、朗読劇パートへ。石田三成の命により、京へ向かった甲賀忍の忍びたち。その命というのは、昨今京を騒がせている大泥棒、石川五右衛門が次に狙う屋敷を突き止めること。しかし、ちょうど五大老会議のために上洛していた徳川家康が何者かに襲われ、黒雪と主人公が徳川忍組の手伝いをすることとなる、オリジナルストーリー。

朗読劇『百花百狼 ~戦国忍法帖~ 春風幻想録』
朗読劇『百花百狼 ~戦国忍法帖~ 春風幻想録』
朗読劇『百花百狼 ~戦国忍法帖~ 春風幻想録』

 黒雪のルートから始まる展開になっており、ゲーム本編とは少し違う角度から見た、キャラクターたちの掛け合いや様子などをうかがうことができました。

朗読劇『百花百狼 ~戦国忍法帖~ 春風幻想録』
朗読劇『百花百狼 ~戦国忍法帖~ 春風幻想録』
朗読劇『百花百狼 ~戦国忍法帖~ 春風幻想録』

 とくに今回は、家康の発言や想いに加え、行き場のない黒雪の葛藤が見どころとなっていました。ゲーム本編にはないストーリーの展開で終了。主人公と仲間との明るい未来へと歩みだす黒雪の姿に、会場からもすすり泣く声が聞こえましたよ。

朗読劇『百花百狼 ~戦国忍法帖~ 春風幻想録』
朗読劇『百花百狼 ~戦国忍法帖~ 春風幻想録』
朗読劇『百花百狼 ~戦国忍法帖~ 春風幻想録』

 約1時間半にも渡る朗読劇の幕を締めくくるのは、MIKOTOさんによるEDテーマ「蒼い散華」の歌唱。忍びたちが辿る運命を、慈しむかのような歌声が会場いっぱいに響き渡りました。

 朗読劇が終わり、改めてキャスト陣が登場します。任務を終えた、忍びたちのように少し力の抜けたような穏やかな顔のキャスト陣に、会場は割れんばかりの拍手で迎えます。

 そして、イベントも終盤といったこのタイミングで、自己紹介&トークが始まりました(笑)。

 まず挨拶されたのは、家康役の宮田さん。「名前だけでも覚えて帰ってください」と会場の笑いを誘います。歴史上の偉人である家康を演じることに、迷いがあったと話す宮田さん。そのため、衣装だけでもと真っ白なスーツを選ばれたそう。(ちなみに、ほかのキャスト陣の方は忍びのため黒い衣装でした。)

朗読劇『百花百狼 ~戦国忍法帖~ 春風幻想録』

 また、歴史ものの作品のため、難しい言葉が多くて大変だったそうですが、「やっかいだよね~」と明るく語られました。

 半蔵を演じる津田健次郎さんも、宮田さんに引きつづき「名前だけでも覚えて……」とコメント。ちなみにこの流れは、以降全キャスト続きました(笑)。朗読劇では、家康への受け答えである「御意」という返事が、思いのほか会場にウケけていて、うれしくなったと語られました。

 大泥棒五右衛門役の緑川さんは事前に、どのキャラクターも暗いルートだと聞いていたそう。改めて「暗いね~!」と笑っていました。また、緑川さんの衣装も忍びを意識して全体的に黒いものだったのですが、“五右衛門のチャラさ”を出すため、迷彩柄のジャケットに白いパーカーを選んだそう。

朗読劇『百花百狼 ~戦国忍法帖~ 春風幻想録』

 続いて、蝶治郎役の鳥海さん。名前が長いので、「蝶ちゃん、蝶さん」でもいいですよ、と笑いを誘います。キャラクターのルートの話では、「暗いのは暗いけど、かわいそう」だと鳥海さん。そして、今回のような長時間の朗読はめったにないので、緊張したことと同時に、いい経験をさせてもらったと話していました。「またやってみたいな」と話すと、「夜公演までのあいだに、もう1回やる?」と津田さん。会場は全員大賛成でした(笑)。

 つぎは、朗読劇で大活躍だった黒雪役の下野さん。黒雪のルートは一番闇が深いそう。しかし今回の朗読劇ではゲームとは全く違うルートで、衝撃的な内容だったと話す下野さん。「みんなと一緒の幸せなエンドを迎えられたことが、うれしくて、よかったです」と語られました。

 さらに、甘噛みが多かったと悔しそうな表情をしていましたが、「この時代に噛まない人なんていないよ」と羽多野さんと鳥海さんがフォローするひと幕も。「この時代は今よりもゆっくり喋っていたらしい」と羽多野さんが言うと、「戦の時も…?」と下野さん。すると、鳥海さんがゆっくりとした動きで1人“殺陣”を始めます(笑)。

 切られ役や、手裏剣を投げる動作も加える鳥海さん。笑いが起こるなか「そういう時代ですか……」と何故か納得する津田さんに、「そんな時代じゃないですよ!?」とすかさず訂正を入れる下野さんでした。

朗読劇『百花百狼 ~戦国忍法帖~ 春風幻想録』

 月下丸役の羽多野さんは、今回はご自身が最年少ということもあり、緊張しているご様子! そんな羽多野さんが語られたのは、本イベントのリハーサルでのこと。マイクテストの時に、朗読劇の始めのセリフを喋ったそうなのですが、みなさんかっこいいセリフの中、羽多野さんは「槐さまー!」の連呼であまり格好がつかなかったそう。

 また、「月下丸の弟である黒雪は多くの事象に葛藤しながら生きていくキャラクターであることに対し、兄の月下丸は、曇りなき眼で真っ直ぐ槐一筋に向き合うキャラクター。もちろんそれには深い訳があるのですが、このストーリーではまっすぐに演じさせてもらいました」とコメント。そして「ゲームの収録では自分ひとりとの戦いだったけれど、今回みなさんと、掛け合いができ、こんなにも楽しいものになった」と語られました。

朗読劇『百花百狼 ~戦国忍法帖~ 春風幻想録』

 トークの終盤には、グッズ紹介ということでたくさんのイベントグッズが登場! まるで、どこかのテレフォンショッピングのように、グッズを紹介するみなさん。宮田さんは缶バッジを手にし、「これ、どんな洋服にも似合う~ 合わせやす~い!」とノリノリな様子。

 さらに、「もしかしてこれも~!?」とトートバッグまで衣装と合わせてポーズをとって会場をわかせていました! また、緑川さんと鳥海さんはもぐもぐとラムネを頬張り、「おいしい~」「ジューシー」と食べ続けてられていましたよ(笑)。

 ここでMIKOTOさんも登場し、話題は衣装へ。オーダーメイドで作られたそうで、かっこいい! と大評判でした。すかさず宮田さんがトートバック差し出し、「この服にも似合うんじゃない?」と。会場が笑いに包まれるなか、CDの紹介もされていましたよ。

 そして、イベントは終了の時間となり、主演者から最後のあいさつで締めくくります。

MIKOTOさん:今日はアーティストのライブというよりは、朗読劇の一部として歌わせていただきました。直接かかわらせて頂いた作品だったので、とてもうれしかったです。どうもありがとうございました。

宮田さん:『百花百狼』では攻略対象キャラではないのですが、呼んでいただけてとても光栄に思っております。楽しかったです。ありがとうございました。

緑川さん:ゲームが発売してから、だいぶ経つのですが、こうやってたくさんのみなさんに会場にお越しいただけて、本当にうれしく思います。できたらまた何かのかたちで、続編なりやっていただいて、その際には各キャラクターをイメージした手裏剣なんかをグッズでお作りいただけると、自分としてはうれしいです。これからも応援していただけるとうれしいなと思います。今日はどうもありがとうございました。

 緑川さんは手裏剣にすごく憧れがあるようで、「(手裏剣ができたら)投げる~! 投げたい!!」と心から願っている様子でした(笑)。

 津田さんは先ほどのグッズにあったトートバッグを持ちながら「トートバッグ付きの津田健次郎です」とご挨拶。「バッグも黒いんですね」と鳥海さんに突っ込まれると、「はい衣装と合わせてきました」とひとネタ。そして、そのひとネタのため「えっへっへ~言うこと忘れちゃった!」とかわいらしい笑顔を見せる場面も。

津田さん:『百花百狼』としてみなさんとこうやって、お会いできる日が来るとは思わなかったので、本当にうれしゅうございます。また、こうしてみなさんと同じ時間を過ごせたらいいなあと思っていますので、ぜひぜひまた全力で応援していただけたらと思っております。そうすれば手裏剣が手に入る! ……ということで、またお会いできたらうれしいです。トートバッグ付き津田健次郎でした。

鳥海さん:みなさん、今日はどうもありがとうございました。『百花百狼』の本編を収録していた時に、お話は暗いのですが、自分のなかですごく楽しくて、世界観も好きで、まあ、若干、僕は忍者声優的なところもあって(笑)。いろんなデジャブを感じながら収録していました。そして、もっともっとこの作品、世界観に触れていたいなあと思いました。

 今日改めてみなさんの前で、キャストがそろって演じることができて、みなさんにもっともっと応援していただければ、またさらに別のことができるのかしら? と思ったりしました。

 なので、ゲームをもう1回やり直してみるとか、実はプレイしてないんです、なんで今日ここにいるんだろう!? という方もぜひぜひこの世界観に浸っていただけたらと思います。これからもまたどこかでお会いできたらうれしいです。今日はどうもありがとうございました。

下野さん:みなさん、今日は本当にありがとうございます。最初『百花百狼』でイベントをやるとなったとき、どういう形でやるのだろう……ずいぶん前のことだしな、と思っていました。

 ですが、朗読劇ということを聞いて、個人的にはものすごくテンションが上がっていました。ゲーム収録で黒雪を演じたとき、本当に面白いキャラクターだなと思い、かなり思い入れのあるキャラクターだったので、それをまた朗読劇という形で演じられるのが楽しみで、楽しみで仕方がなかったです。

 それで、今日はテンションをものすごく上げた状態で演じてみたら、やっぱりとちってっていうね……(笑)。本当にいいキャラクターをやらせてもらえたし、これだけのたくさんの方に集まっていただけて本当にうれしいなと思います。

 これから先どうなっていくかは分かりませんけれども、まだ宮田さんの演じられる家康が攻略キャラになっていないので、なったらいいな~って僕の心の中で思っています。これからも、引き続き『百花百狼』を応援してください。よろしくお願いします。ありがとうございました。

 羽多野さんが「今日は本当にありがとうございました。」と語りだすと、急にエンディングの曲が流れ、退場のムードに。

 どうやら、スタッフさんが「ありがとうございました」という言葉に合わせて曲を流す段取りだったようです。タイミングがずれていたためキャストを含め、会場は大爆笑でした。必死に「まだ! 喋る!」と訴えていた羽多野さん。その後、無事に挨拶が続けられることになりました。

羽多野さん:じつは、ゲーム収録をしているときに、プロデューサーさんから聞いたのですが、ゲーム企画段階の時点で、イベントをやるなら、トーク主体ではなく、時代物らしいシリアスな朗読劇で、生でお客さんに感じてもらいたい、と構想されていたらしです。

そういうお話を聞いていたので、今日それが実現して、すごくうれしいなと言おうと思ったら曲が流れて……(笑)。でも本当に、非常にいい緊張感のなかで朗読させていただけて、すごく貴重な経験でしたし、ぜひみなさんも何か思い出になるところがあるといいなと思います。ありがとうございました。

 みなさん、それぞれキャラクターやストーリーに熱い思いがあったようで、新しい展開があるといいなと心から感じられました!

 そして、今度こそ最後の挨拶に! 「これをいったら(音楽が)きますよ!」と気合を入れる羽多野さん。「本日は、朗読劇“百花百狼 ~戦国忍法帖~ 春風幻想録』”にお越しいただきまして……」「ありがとうございました~!」

 チャ~ン……♪ とタイミングよく曲が流れ、綺麗な終わり方になりましたが、やはり会場全体から笑いが起こってしまいました。

 本編は辛く切ない運命を辿っていく、忍たちの物語。ですが、本イベントは、寒空の下に春の息吹が感じられるような、温かみが感じられる素敵な朗読イベントとなりました。

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