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2017年5月8日(月)

『Fate/Apocrypha』ステージをレポート。内山昂輝さんの召喚したいサーヴァントとは?【マチ★アソビVol.18】

文:イトヤン

 徳島県徳島市で5月5日~7日に開催された“マチ★アソビ vol.18”。ここでは、6日に新町川東公園ステージで開催された“『Fate/Apocrypha』キックオフステージ in マチ★アソビ”の模様をお届けします。

“『Fate/Apocrypha』キックオフステージ in マチ★アソビ”
“『Fate/Apocrypha』キックオフステージ in マチ★アソビ”

 2017年7月から放送が予定されているTVアニメ『Fate/Apocrypha(フェイト・アポクリファ)』は、東出祐一郎/TYPE-MOONの原作小説を映像化する、『Fate』シリーズの“外典(アポクリファ)”となる作品です。

 本作ではルーマニアの地を舞台にして、十四騎の英霊たちが激突するという『Fate』の作品群の中でも最大規模の聖杯戦争が描かれます。

 『Fate/Apocrypha』単独では初イベントとなる本ステージには、本作でシロウ・コトミネ役を演じている内山昂輝さんと、プロデューサーの黒崎静佳さんが登壇。司会はアニプレックス宣伝担当の片岡さんが務めました。

 内山さんはマチ★アソビに初めて参加されたとのことで、出演者と観客との距離の近さに驚いていたようでした。

“『Fate/Apocrypha』キックオフステージ in マチ★アソビ”

ルーマニアの地で展開される、七騎vs七騎という『Fate』最大規模の“聖杯大戦”

 ステージでのトークはまず『Fate/Apocrypha』の概要と、ストーリーの話題からスタートしました。

 本作は、第二次世界大戦の混乱に乗じて“とある魔術師”が聖杯を強奪したという設定で、『Fate/stay night』とはまた異なる並行世界が舞台になっています。

 数十年後、その聖杯を象徴に掲げたユグドミレニア一族は、魔術協会からの独立を宣言。怒れる魔術協会とのあいだで、七騎vs七騎という空前絶後の規模の“聖杯大戦”が幕を開けることになります。

 内山さんによると、アフレコはすでに始まっているとのことですが、前述の“ユグドミレニア一族”や、物語の舞台となる街の名称である“トゥリファス”といった本作独自の言葉が、キャスト陣にとってかなり手強いものとなっているそうです。

 聖杯大戦が行われるトゥリファスは架空の街ですが、作品の舞台を明確にイメージするため、黒崎さんをはじめとするスタッフは、ルーマニアまでロケハンに行かれたそうです。

“『Fate/Apocrypha』キックオフステージ in マチ★アソビ”

 黒崎さんによると、ルーマニアにはヨーロッパの古い街並みが残っているのだとか。現地の写真を見た内山さんも、まるでファンタジーの世界のようだと驚いていました。

 また、本作では十四騎ものサーヴァントが戦いを繰り広げるため、バトルのフィールドがかなり広くなっているとのこと。そこで浅井義之監督は、草原や森といったルーマニアの広大な自然の風景をロケハンしていたそうです。

 このように本作では、七騎vs七騎のサーヴァントが激突する壮大な“聖杯大戦”が見どころとなっています。とにかく登場人物が多く、そうそうたる顔ぶれの声優陣が集結しているため、アフレコスタジオが満員になっていると、内山さんは語っていました。

 スケールが壮大なだけに、キャラクターやプロップ(武器などの小道具)の設定などの作業量も多いそうですが、本作のスタッフには『Fate』シリーズのゲームや小説が好きだという人が多いため、非常に高い熱量で制作作業に取り組んでいると、黒崎さんは説明していました。

個性豊かなサーヴァントたちの中で、特に気になる存在は?

 続いては、本作に登場するキャラクターの話題となりました。

 マチ★アソビの会場で、シロウ・コトミネや十四騎のサーヴァントをはじめとする、本作のキャラクター設定が初公開されました。また、そのキャラクター設定などが掲載された新聞「Fate/Apocrypha Report Vol.002」も、マチ★アソビの会場やこのステージの客席で配布されました。

“『Fate/Apocrypha』キックオフステージ in マチ★アソビ”
“『Fate/Apocrypha』キックオフステージ in マチ★アソビ”

 本作で十四騎のサーヴァントたちは、“赤の陣営”と“黒の陣営”という、2つの勢力に分かれています。

 赤の陣営は、ユグドミレニア一族=黒の陣営の離反に伴い、魔術協会により敵地トゥリファスに送り込まれた勢力です。ちなみに、内山さんの演じるシロウ・コトミネは、赤のアサシンのマスターとなっています。

 プロデューサーの黒崎さんによると、赤のバーサーカーや赤のランサーは線が多いため、描くのが大変だという声が、アニメの制作現場で挙がっているそうです。とはいえ先ほども紹介されたように、現場のスタッフの皆さんはそれを『Fate』愛で乗り越えて、迫力のある映像を作り上げているとのこと。

 内山さんもアフレコで映像を見た際に、あまりによく動くので驚いたと語っていました。アクションの動きがあまりに速すぎて、どのようにアドリブをつけていいのか、わからないぐらいなのだそうです。

 ここで内山さんに対して、「赤の陣営で気になるサーヴァントは?」という質問が。それに対して内山さんは、赤のキャスターが稲田徹さんの声もあいまって、すごくおもしろいキャラクターだと回答していました。

“『Fate/Apocrypha』キックオフステージ in マチ★アソビ”

 赤の陣営と戦いを繰り広げるのが、魔術協会からの独立を宣言したユグドミレニア一族である“黒の陣営”です。

 このなかで、黒のセイバーを演じている諏訪部順一さんは、『Fate/stay night』でアーチャー役を演じたことで、『Fate』ファンにもおなじみです。

 そのため諏訪部さんはアフレコ現場で、『Fate』シリーズに初めて参加する声優に対して、シリーズの設定を細かく教えてくれるのだそうです。内山さんは諏訪部さんのことを「『Fate』学校の先生」と呼んでいました(笑)。

 「黒の陣営で気になるサーヴァントは?」という質問に対して、内山さんは「黒のライダー」と回答。サーヴァントとは思えないほど天真爛漫で明るいキャラクターのため、公開されているPVでも注目を集めていますが、黒崎さんによると「物語が進んでいくと、黒のライダーにも英霊らしいところが見られる」とのことです。

 本作に登場するのは、十四騎のサーヴァントだけではありません。内山さんが演じているシロウ・コトミネは、聖杯大戦の監督役として聖堂教会から派遣された神父という役どころです。

 シロウを演じる際には、神父なのであまりうさんくさくならないように、あくまで爽やかに演じてほしいと言われていると、内山さんは語っていました。

 また、七騎vs七騎という通常とは異なる戦いを裁定するために、大聖杯によって召喚された特別なクラスである“ルーラー”も存在します。黒崎さんによると、ルーラーの設定自体は本作の原作が世に出る以前から知られていたものとのこと。今回やっとアニメとして動くところが見ることができますと、黒崎さんは語っていました。

 ちなみに“ルーラー”という言葉の発音は、“ル”ではなく“ラ”にアクセントが置かれるとのこと。アフレコ現場でどう発音するのか話題となったので確認してみたところ、『Fate/Grand Order』では“ラ”にアクセントが置かれていたので、それに合わせたそうです。

自分がマスターなら、どのサーヴァントを召喚してみたい?

 ここからは、ファンの皆さんからあらかじめツイッターで募集した質問を、登壇者のお2人に聞くというコーナーになりました。

 「アニメの企画はいつころから始まった?」という質問に対して、アニメ化したいという話は5年以上前からあったと、黒崎さんは回答していました。当時はまだ原作の第2巻が出たぐらいの時期で、原作が完結するのを待ちつつ、スタッフなどを決めていったそうです。

 また当時、黒崎さん自身も原作を読んで、「これを映像で見てみたい!」と強く思ったということを語っていました。

 続いては内山さんに、「シロウ・コトミネとの共通点はありますか?」という質問です。これに対して内山さんは「似てないです(笑)」と回答していました。役を演じる上で自分と似ているどうかは、普段からあまり意識していないそうです。

 最後の質問は「自分がマスターだとしたら、十四騎のサーヴァントの中で誰を召喚したいですか?」というものです。これに対して内山さんは、「剣を持っていてとにかくカッコイイ」という理由で、「黒のセイバー」と回答していました。

 内山さんは本作のアフレコに携わるようになって、小さいころに、自分の理想の剣の絵を描いていたことを思い出したそうです。この作品に関わって、その時のような気持ちを刺激されると語っていました。

 またプロデューサーさんの黒崎さんは、先の質問に対して「黒のアーチャー」と回答。黒のアーチャーは一緒に戦うというより、自分を教え導いてくれるような存在だからとのことです。

“『Fate/Apocrypha』キックオフステージ in マチ★アソビ”
▲ステージの終盤には、プレゼントを賭けて観客の皆さんが内山さんと戦う“ジャンケン大戦”も開催されました。

 ステージも終わりに近づき、ここで先日発表された、『Fate/Apocrypha』の主題歌アーティストが改めて紹介されました。

 そして最後に、アニメの制作を担当するA-1 Picturesから寄せられた、会場のファンの皆さんへ向けたメッセージを内山さんが代読して、イベントは幕を閉じました。

 壇上で作品について語るスタッフ・キャストの情熱と、キャラクター設定が掲載された新聞を手に、その話を熱心に聞きいるファンの熱気が伝わってくる、充実したイベントとなっていました。

(C)東出祐一郎・TYPE-MOON / FAPC

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