2017年5月25日(木)
カプコンは、サービス中のPS4/PS3/PC用オンラインゲーム『ドラゴンズドグマ オンライン』のシーズン3.0大型アップデートを8月17日に実施。そのプレゼンテーションを行った。
プレゼンテーション会場には、プロデューサーの松川美苗さん、ディレクターの木下研人さんが登場。新規要素の紹介やデモプレイが公開された。
▲左が松川プロデューサー、右が木下ディレクター。 |
さらに、コンパニオンアプリを開発していることや、『ドラゴンズドグマ』プロジェクト5周年記念情報が公開された。
まずは、これまでの2年間を振り返ることに。
サービス当初は不具合などもあり、申し訳なかったと2人はコメント。シーズン1ではレスタニアを拡張しつつ、遊んでもらえることを増やしていくことに尽力したようだ。アップデートのペースが早いため、「絶え間なく頑張ってきた」と木下さんは振り返った。
シーズン2について松川さんと木下さんは、ゆさぶりに対してのブレイクなど「プレイヤーの声を反映しようとした時期」と語る。木下さんは「『DDON』の世界を広げていきたいと、舞台を広げていくことを大事に作りました」と述べた。また、自室やクランダンジョンなどの要素が拡張された1年でもあった。他には、ネットカフェとの施策や、『ペルソナ5』や『インペリアル サガ』とのコラボも行われた。
次なるアップデート・シーズン3“亡国の炎”は8月17日に実施される。ロゴには火を吹いている不死鳥と山がデザインされている。
メインビジュアルは、このシーズンを表す“戦争”を盛り込みつつ、中心人物と登場キャラ、そして敵が描かれていた。“王家再興”も欠かさない要素になっているようだ。
シーズン3.0のキーワードは新大陸“アッカーシェラン”、“戦甲を纏いし敵”、“王家再興”の3つ。アッカーシェランは、今回描かれる新しい舞台だ。
“戦甲”というのは、新しい攻略システムの名称でもあり、シーズン2でいうところの侵食に当たる。“王家再興”はキーワードであり、新しく実装されるコンテンツの総称になるようだ。
シーズン3.0アップデートで登場するのは険しい火山を有している“アッカーシェラン大陸”。幻想的だったフィンダムとは異なり、ゴシックな世界観になっているとのこと。ビジュアルの奥に描かれている火山を目指す道中には、砦や城が存在。それらを奪い返すこともポイントになるという。
物語は、レスタニアに突如現れた“悪しき竜の目”により、覚者一同がアッカーシェランに連れ去られてしまうところからスタート。これまでの魔赤島やフィンダムはギリギリの攻防を繰り広げている状態であったが、今回のアッカーシェランはすでに絶望で覆われているとのこと。幼きネド王子を救い、国を再建していくまでの展開をシーズンに渡って楽しめると、木下さんは説明した。
ここで、シーズン3.0で登場するキーマンが紹介された。ネドはシーズン3の主人公であり、未覚醒の覚者。人格者だが、戦闘力はないため、周囲の人々がサポートしている。シリーズ初の少年主人公で希望を感じてもらえるように、小野賢章さんが声を担当している。
ジリアンは解放軍の中で、もっとも腕が立つメンバー。今回の物語では、ヒロイン的立ち位置になるようだ。メイロワは、解放軍の兵をまとめて戦う大将。王家に仕えていたメンバーで、主人公とアッカーシェランをつなぐ役割もするという。
戦甲を纏う新たな敵が公開された。戦甲を身に着けた敵には、状況に合わせた技を使い分けることで気持ちよく倒せるとのこと。ドワーフオークは、その入り口となるエネミー。レスタニアのオークとは異なり、優れた鍛冶能力を持っており、彼らは作った戦甲をモンスターに装備させて戦わせているようだ。
ドワーフオークは鎧や兜、盾などの装具を身に着けているため、正面からの攻撃には強いが、装甲の薄い背面はもろいため、身につけていない場所を攻撃するのがポイントになりそうだ。個々を倒すには背中を突ける技、集団化した場合は一層する技を使い分けることがスマートな戦術になるという。
魔物たちを束ねるのが、魔軍(オーク)四将軍。戦、獣、骸(むくろ)、闇という4人がいるようだ。この将軍はそれぞれ違った特徴を持っており、魔軍を率いて戦う強さを備えている。
また、このシーズンでは、これまで以上にコンテンツを遊ぶことが念頭になるゲームシステムになっていると、木下さんはコメント。これまで通りの遊びもあるようだが、アクション性を強く求めるものだけではなく、変わった楽しみを味わえるものもあるようだ。
エリアミッションは、スカージやタラスク同様に攻略をメインとしたコンテンツ。攻略をメインとしたコンテンツで、特別なエネミーと対峙する。ポーンを連れても行けるが、3.0から実装される“パーティ募集掲示板”でメンバーを集うことも可能だ。
サブストーリーは、キャラクターが掲げる“独自の使命”を遂げることが目的。達成した人とそうでない人とでゲーム中の世界に差が出るものになるという。
エピタフロードは、カスタムスキルEXで各ジョブ2系統のスキル習得に繋がるという。このカスタムスキルEXについては後ほど説明される。
最後のウォーミッションは、大型戦争イベント。シーズン後半にある8人参加型のコンテンツで、オークに奪還された砦を奪い返すというものだ。こちらは魔軍四将軍に挑み、倒せたかどうかがポイントとなる。8人だけでなく、4人でも挑めるとのこと。
今までと比べて、コンテンツを遊んでいる実感を得られるものを開発していると木下さんは説明していた。
ここで、新コンテンツ“エリアミッション”について実機によるデモプレイが行われた。
冒険仲介係のオズギュルと会話をすると、カメラが寄り、キャラクターがアップになる。3.0からは、会話シーンでカメラが寄るだけでなく、会話時に目パチするという。カメラ設定はオプションで以前の様に戻すことも可能だ。
続いて、クエストに同行するメンバーを選択する。ここで選んだメンバーごとにジョブが異なるため、プレイヤーやポーンのジョブにあわせたチョイスができるようだ。共闘キャラはいい働きをするため、頼れる存在になるとのこと。
エリアミッションが始まると、オークの軍団に奇襲をかけ、大砲を破壊するように指示が出る。オークは装備している武器だけでなく、遠方から大砲を撃ってくることも。先に破壊することで被害を抑えられそうだ。
ドワーフオークに加えて、ドワーフオークのキャプテンも見ることができた。背中に盾を装備しているため、他のオークとは異なる攻撃をする必要がありそうだ。
このデモで使われていたファイターの“刀牙昇斬”は、新たに解放されたカスタムスキル“技”。斬撃が飛ぶため、多少離れた距離でも攻撃が当たるようになる。
戦甲は、ダメージを与えるとヒビが入る。その状態へ攻撃を続けると、赤いヒビから白いヒビへと変わり、最終的に破壊できる。スタミナ削りではなく、戦甲を破壊することでダウンを奪える仕組みだ。物理攻撃の場合はカウンターを合わせることで、通常よりも戦甲部位に与えるダメージがあがるとのこと。
突入した本陣では、オークに加えて魔軍戦車カトブレパスが登場。カトブレパスは重火器を中心とした攻撃を行う。背中にある櫓から大砲や火薬などを放つ。
重火器を扱うのは第1フェーズで、その後の第2フェーズから“カトプレパス”たる本領を発揮するようだ。なお、今回は第1フェーズまでのお披露目であった。
ゲームサイクルの変更点について、木下さんから説明がされた。
これまであった、“エリア印記章”が変更される。週のノルマ性が改善されるようだ。印記章装備は、強い敵から素材を入手する他、“王家紋章のメダル”を集めて入手することが可能となる。この“王家紋章のメダル”は、他の装備や家具などとも交換可能だ。
新要素やリファインも多く登場。新カスタムスキルは各ジョブごとに“技”と“剛”の2系統が用意される。“技”は従来と異なる使い方のスキルで、“剛”は従来の性能が強化されたものを中心に作られている。これらは先ほどのエピタフロードを攻略することで習得に繋がる。
シーズン2.3のインタビューにて言及されていた、武具育成の新システムも明らかに。クラフト工房に武器育成の新施設が登場。ひとつは装備を星4強化することで追加性能が付与できる“リミット解除”。火力とは異なる恩恵が付与される。
もうひとつの極限合成は今の最強武器と1つ前のバージョンの最強武器を融合させるシステム。これまでの“前シーズンの武器が使えなくなる問題”へ手を入れたシステムになっているようだ。
ジョブエンブレムはプレイポイントを使った育成要素。もっとも大きなトピックとしては、各ジョブが持てるエンブレムアイテムに、アビリティだけではなく、ステータスの強化もできる。それを育てることで、ジュエリーに入れていたアビリティを1つのエンブレムアイテムに封入して装備できるという。
ポーンの戦術育成は、自室でポーンと語り合うことで思考をカスタムできるもの。以前の『ドラゴンズドグマ』にあった要素に近いもの。どの敵から狙うのか、どんなスキルを使うのかを、自分好みに設定できる。なお、これまで使っていた“命令”はポーンたちへの全体号令として残る。
3.0から自室の庭に出られるようになり、マンドラゴラを育成できるようになる。“鉢植え育成”することで「いわゆるガーデニングをできます」と木下さんは笑いながら説明。マンドラゴラはアイテムを持って生まれてくる。ボーナスアイテム目当てだけでなく、生まれてくる際にはさまざまな見た目があるため、図鑑に登録される収集という楽しみもあるようだ。
保管ボックスの拡張は、赤箱だけでなく青箱も拡張されることで、大きな改変になる。松川さんは「ユーザーの皆様にも協力していただきたいことがあるため、こちらは後日メンバーズサイトで公開します」と語った。
ポーン隊派遣の調整が行われる。少人数のクランの場合、ホットスポットが出にくく、大人数クランと比べて発掘武器が入手しにくかったが、いつでも使える4人用の掲示板となる“パーティ募集掲示板”が設置され、挑む項目だけでなく、コメントも書けるため、メンバーを集めやすくなり、少数クランでも発掘武器が入手しやすくなるようだ。
他にも、ジョブバランスの変更、カメラワークの調整があるようだ。また、シーズン2.0では“フォトモード”の角度に規制が入っていたが、こちらを解除して、以前のように撮影できる要素もある。この他の要素やリファインについてはメンバーサイトで随時紹介される。
アップデート同日に発売される『リミテッドエディション』についても公開された。限定武器・防具のブラックヴェノムシリーズとして、各ジョブ用の武器12種と、全ジョブでLV1から装備できる防具4種が手に入る。これらは最終強化まですることで、LV78相当になる。さらに、特別仕様アイテムの各コード、サントラCD2枚組、オリジナルデザインマイクロファイバータオルの他に、総勢1万円相当のオプションアイテムも同梱される。
特別仕様アイテムは、“LV.80成長&礎とエリアランク解放セット”+“楽園の湯”。詳細は以下の通り。
“LV.80”成長の宝珠:ジョブ1種のレベルをLV.80にすると同時にスキルをLV.6、アビリティをLV.4までアップさせる。
“竜力継承”全継承の宝珠:覚者の竜力の継承4ページをすべて習得した状態にする
“礎とエリアランク”解放の宝珠:レスタニア、魔赤島、フィンダムにある全拠点の礎を解放し、各エリアランクを10までアップさせる。
自室家具“お風呂・楽園の湯”:覚者の自室に設置することができるパッケージ限定のお風呂。体力上限とスタミナ上限アップの効能がアップした。
これから始められる方、休止してしまった方に冒険を始めるきっかけになればと用意したものだと、松川さんはコメント。オンラインゲームは最初の敷居が高く感じられてしまうため、その敷居を低くしたいと考え、検討に検討をかさねて実装することになったという。
解放要素も最初の竜力の解放と、ミニマムにして調整しているため、現在プレイ中のユーザーにも配慮しているようだ。
また、2ジョブ目以降のサポートにも使えるため、すでにプレイしているユーザーが使うことも可能だという。ただし1キャラクター1回のみ使用可能になるという。
さらにコンパニオンアプリの開発が発表された。現在は、PS Vitaのリモートプレイ以外では、モニターの前にいない限り、『DDON』の世界にふれることができなかったが、3年目を迎えるにあたり、イベント情報の収集や、クランメンバーとのコミュニケーションをいつでもスマホでとれるようになる、コンパニオンアプリの開発を進めているとのこと。
また、『ドラゴンズドグマ』シリーズは2017年5月24日で5周年を迎えた。それを記念して、『ドラゴンズドグマ:ダークアリズン』が、2017年秋にPS4/Xbox ONE/PCで発売となる。5周年を迎えられたことについて松川さんは、1作目を手がけたプロデューサーの小林裕幸さん、ディレクターの伊津野英昭さんとともに、オープンワールドのアクションゲームを作ろうとした時から、もう5年が経ったことに驚きを隠せずにいた。
「5年目を迎えられたのは、遊んでくださっているユーザーの皆さんのおかげ。作るのは毎回本当に大変なので、このように発表会で情報をお届けできるのは、毎回感慨深いです。引き続き『DDON』ならびに『ドラゴンズドグマ』をよろしくお願いします」と松川さんがあいさつ。木下さんは「本作で遊んでもらうこと、この世界で生きていることが体験の軸になる。そう感じていただけるように長期的にゲームを作っていきます。まずはシーズン3.0を遊んでいただきたいです」と続けた。
プレゼンテーション終了後には質疑応答が行われたので、掲載する。
――ダンジョンでレベルを上げるサイクルや、EXMやGMを遊ぶという流れは残っているのでしょうか?
木下:これまではダンジョンやクエストでレベルを上げることが多かったと思いますが、3.0ではフィールドで遊べることも意識して比重は変えています。もちろんダンジョンは残っていて、武具の素材を手に入れるために、ダンジョンに入ることはあります。
EXMはエリアミッションに形を変えます。エリアミッションになることで、ソロでも挑みやすい形にしつつ、パーティ募集掲示板でも人を集められるよう、立ち位置が変わっています。
限界域については、シーズンの終盤にパーティで挑戦してもらう専用のコンテンツとしてスケジュールを組んでいます。
現在のGMは常時配信となります。そして3.0からはウォーミッションという4人、8人の複数人ミッションを用意しています。
松川:GMはサイクルで配信されているため、好きな時に遊べないという意見をいただいています。ジョブ修練とも関係するため、今後は常時すべて配信され、ポーンとも好きなタイミングで遊べます。今回のパッケージにオプションコースのGMコースがなかったのは、3.0から遊びが変わることにも関係しています。
――クラン拠点やクランダンジョンなど、クランの要素に新コンテンツは予定されていますか?
木下:先ほど紹介した、ポーン遠征隊についてのリファインはありますが、3.0ではクランについて大きな追加要素はありません。ですが、当然今後もクラン要素は継続拡張していきますのでお待ちいただきたいです。
――シーズン3.0で新しいジョブは入りますか?
木下:シーズン3期間中に遊べるように現在制作中です。かなり気合を入れて制作してますので、どんなジョブになるのか、ぜひ期待してください!
(C)CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.
※画面写真はすべて開発中のもの。
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