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2017年6月2日(金)

【電撃PS】『FF14』が題材の電撃文庫『きみの傷とぼくらの絆』完成記念鼎談。いとうのいぢ氏らが作品を語る

文:電撃PlayStation

 電撃文庫から6月9日に発売となる、『ファイナルファンタジーXIV』の世界を題材としたノベライズ『きみの傷とぼくらの絆』

 今回はその完成を記念して、本書の著者である藤原祐氏と、イラストを手掛けたいとうのいぢ氏、そして『FFXIV』のプロデューサー兼ディレクターである吉田直樹氏による三者鼎談を実施! 藤原さん、いとうさんはともに『FFXIV』プレイヤーということで、非常に濃い話が展開された。

『ファイナルファンタジーXIV』

 その内容は、6月8日(木)発売の電撃PlayStation Vol.640にて掲載予定だが、本記事では鼎談の雰囲気をひと足先にお届けする。

『きみの傷とぼくらの絆』あらすじ

 オンラインRPG『ファイナルファンタジーXIV』。強引な従姉によって始めさせられたゲームで、僕はひとりの冒険者と出会う。彼女は可愛らしい猫耳の少女であり、親切で頼りになる先達であり、明るく魅力的な性格であり、けれど、ゲームの外では――療養所のベッドでノートパソコンを抱える、暗く沈んだ目をした女の子だった。

 ゲームとリアルにおける、二度の出会い。

 彼女の傷はリアルから始まりゲームへも影を落としている。

 一方、僕らの絆はゲームから始まってリアルへ繋がっていく。

 彼女がゲームの中で見せてくれた笑顔は決して嘘なんかじゃない。彼女は蒼天の空の下、孤独に新生を待っていたのだ。

 だから僕は灰色の病室で、彼女の背を押そうと思う――ゲームの中で彼女が、僕の背を押してくれたように。

本書の登場人物

Itsuki Rudder(イツキ・ラダー)
『ファイナルファンタジーXIV』

 従妹の古都に無理矢理誘われて冒険者となった。目付きの悪いのがコンプレックス。

A'saka Shima(ア・サカ・シマ)
『ファイナルファンタジーXIV』

 “イツキ”がエオルゼアで出会った少女。明るく快活な性格でイツキを導く。しかし……。

不知火古都
『ファイナルファンタジーXIV』

 イツキの従妹。彼を誘ったのはツインタニア目当て、かと思われたが……。

現役プレイヤーも未体験の人も楽しめる内容に――

 以下は電撃PlayStation Vol.640に掲載される予定の鼎談の一部抜粋です。

電撃文庫発売記念三者鼎談

(※一部抜粋)

藤原:注目してほしいのは、主人公のイツキとヒロインのア・サカの関係性と成長です。人が人とかかわっていくなか、交流するなかで生まれるもの、変化するもの、過去を踏まえて前に進むということ、ボーイ・ミーツ・ガール……そういったものは、僕がこれまで書いてきたほぼすべての小説の中にあるものです。今回もそこに力を入れました。

 イツキは初心者だった頃の僕であり、みなさんでもあります。とくにガルーダ戦などは、自分が初めて挑んだときの気持ちを思い出しながら読んでいただけるとうれしいです。また、エオルゼアの描写はハイ・ファンタジー的に、現実に起きていることのように伝わるよう心がけました。

 普段は“ゲームのUIを通して見る情景”に、小説というメディアではありますが“空気”を感じてもらえたら幸いです。未プレイの方が読んでも、『FFXIV』の楽しさが伝わると信じています。

いとう:現役の光の戦士であれば、ニヤっとしてしまう部分がたくさんあるので、きっと楽しんでもらえると思います。『FFXIV』、あるいはネトゲをプレイしたことがない人が読んでも、エオルゼアの魅力が伝わるはず。文章からはもちろん、イラストからもそれを感じてもらえればうれしいです。

吉田:ゲームのなかで出会った2人が、人生が変わるくらいの大きな経験をする……というのは、小説の中でしか起こりえないことではありません。実際に、“得難い友人ができました”“エオルゼアで出会って結婚して、子供ができました”といったお手紙を毎月のようにいただいています。

 そういった、“リアルの生活が『FFXIV』によって変わった”という話を日常的に聞いている僕にとっては、ある意味、この小説は“ありふれた話”と言えるかもしれません。ですからそれはファンタジーではなく、現実に起こる、ということがステキに描かれています。

 この小説を読んで、少しでも“いいじゃん”と思ってくれたのであれば、『FFXIV』をプレイしていただけるとうれしいです。必ずしも小説のような経験ができるとは限りませんが、それは何が起こるかわからないリアルと同じ。

 でも、だからこそおもしろいんだと思います。まずは手にとって読んでいただいて、もしイツキたちの今後が気になったのであれば、どんどん感想を送ってください。そうすれば、またステキな文章とイラストで、彼らの行く末が描かれることになるはずです。

藤原:フィクションではありますが、この話に近い出来事は、どこで起きていても不思議ではないですよね。

吉田:“光の戦士同士で結婚します”というご報告は、本当にたくさんいただきます。毎回電報を送っているんですが、みなさんに見せられるなら見せてあげたい。

いとう:私は、ネット恋愛って信じられないタイプだったんです。でも、顔も知らない人とフレンドになって、毎日遊ぶうちにリアルの友人と同じような存在になったことを考えると、恋愛に発展したっておかしくはないと思えるようになりました。

――現実に会っていないからこそ、言葉にその人の本質が現れる気がしますね。

いとう:本当に新鮮な経験をしたと思います。

吉田:小説がおもしろいと感じたら、『FFXIV』に限らず、ぜひオンラインゲームにふれてみてほしいです。気に入った世界で遊んでいるうちに出会いがあるかもしれないし、なかったとしても不幸なわけでもないですし。この小説がオンラインゲームを始めるきっかけになってくれれば、これ以上のことはありません。

 以上、鼎談の雰囲気をひと足先にお伝えいたしました。詳しい内容については、6月8日(木)発売の電撃PS Vol.640をチェック!

(C)YU FUJIWARA 2017 (C)SQUARE ENIX イラスト/いとうのいぢ

データ

▼『電撃PlayStaton Vol.640』
■プロデュース:アスキー・メディアワークス
■発行:株式会社KADOKAWA
■発売日:2017年6月8日
■定価:694円+税
 
■『電撃PlayStation Vol.640』の購入はこちら
Amazon.co.jp
▼『ファイナルファンタジーXIV きみの傷とぼくらの絆 〜ON(THE NOVEL)LINE〜』
■著者:藤原 祐
■イラスト:いとうのいぢ
■監修/スクウェア・エニックス
■発行:株式会社KADOKAWA
■発売日:2017年6月9日
■定価:650円+税
 
■『ファイナルファンタジーXIV きみの傷とぼくらの絆 〜ON(THE NOVEL)LINE〜』の購入はこちら
Amazon.co.jp

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