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2017-07-16 19:45

『SideM』に『アイナナ』の話も飛び出した! アツい作詞家座談会特別編を公開

文:ヨウ

 好評発売中のガルスタ8月号の特集“2017年上半期総括 2Dアイドルエンターテイメント!”。そのなかに掲載されている企画「真崎エリカさん&松井洋平さん&結城アイラさん/作詞家CROSS TALK」より、誌面に載りきらなかったトークをガルスタオンラインで公開しちゃいます♪ アツくリリカルな座談会をお見逃しなく!

『作詞家座談会』

――「キャラクターソング」と「アイドルソング」の違いはどういったところだと思われますか?

松井:キャラクターソングは、キャラクター本人たちが歌うことを前提にしていないと思うんです。明日死ぬかもしれない戦士たちが歌ったりするわけじゃないですか(笑)。ミュージカルやオペラ的な要素が強いと思います。

真崎:ある種のパラレルですよね。

松井:少なくとも僕はキャラクターの持つ要素を隅から隅まで、語尾や考えていることを歌詞に詰め込みます。要は作品の中でのキャラクターの性格や立ち位置を抽出して、濃縮するような作業だと思っているんです。でも、アイドルの場合はちょっと違っていて、彼らはキャラクターである前に、やっぱりアイドルなんです。アイドルとして伝えたいことと、そのなかでどれぐらいキャラクター性を乗せていくか。それこそ作品によって変わる気がします。

結城:そうですね。王道のアイドルソングだと、個性が出ない場合もあると思います。

松井:作品によって全然違いますが、そのアイドルが初めて出すCDは、自己紹介的な役割があるから少しキャラクターソングに近いかもしれません。僕たち作詞家は、音楽を通してキャラクターのことを知ってもらうための歌詞を書きます。キャラクターソングは、作品きっかけで興味を持ってもらったキャラクターが歌っていることに意味があるんです。

 でもアイドルソングは、そのアイドルの持ち歌なんですよね。「この曲を歌っている人たちはどんなアイドルなんだろう?」と、歌をきっかけにキャラクターに興味を持ってもらう。

真崎:たとえば、グループ名がデビューソングのタイトルになる場合も多いと思うのですが、そのギミックと一緒なのかなって思います。そのアイドルにとって「名刺代わりになる曲」というイメージです。

松井:あと、アイドルソングの作詞では、彼らのパブリックイメージもかなり意識しますね。

結城:世間でどう見られているのかなって考えます。

松井:この世界の人たちは、どの程度そのアイドルについて情報を得ているんだろうって想像します。

真崎:駆け出しなのか、ベテランなのか。何曲目のリリースなのかとか。いろいろ考えますね。

――アイドルソングの醍醐味は、どういったところでしょうか?

松井:たとえばアニメのオープニング曲だったら、物語を俯瞰でみたときに伝わる強いテーマを歌詞にします。そしてエンディングでは、その裏にある切なさや楽しさといったように、オープニング曲とは別のエッセンスを歌詞に落とし込みます。でもアイドルソングでは見方が変わって、作品じゃなくてアイドルという生きている存在が歌う曲を作る必要があるんです。

 彼らが楽しいことはなんだろうって、頭のなかでキャラクターと話をしたり、一緒に遊んでみたりするときが楽しいと思う瞬間ですね。あとはスタッフさんやファンの人たちと一緒に作っているっていう感覚も、醍醐味の1つです。

真崎:たしかに、ファンの人や周りの人と一緒に作っている感覚はありますよね。あとアイドルソングは、ガヤ(※かけ声)を書くのがとっても楽しいです。

結城:ライブでお客さんが一緒に言ってくれたらいいな、なんて想像しながら作れるので楽しいです。

真崎:ここはアイドルが言うから、こっちはお客さんが返すポイント……とか、コールアンドレスポンスをしたら、きっと楽しいよねって考えながら書いています。

――ライブでどう歌うかということを意識されるのですね。

松井:ライブはかなり意識します。こういうふうに盛り上がってほしいという意図をもって書きますね。僕の場合、飛んでほしいと思ったら素直に「ジャンプ!」って書いちゃう(笑)。あとこれも楽しみの1つなのですが、ライブで自分たちの書いた歌詞に沿って振り付けがついたときはすごくうれしいです。

結城:歌詞に沿って振りをつけるって言われる、振り付け師の方って多いですよね。

松井:言葉を動きに昇華するイマジネーションは、本当にスゴイと思います。

真崎:音と言葉が一体となった光景を見て、私たちがインスピレーションを受けて、それが次の歌詞につながっていくと思うので、助けられているなって、ありがたい気持ちになります。

――遊んでみた歌詞はありますか?

結城:『アイナナ』の「男子タルモノ!~MATSURI~」です。シャッフルユニットの楽曲だったので、男祭りというテーマで自由にやらせていただきました。「ワッショイ」ってガヤが間奏で連続15回も出てくるんです。

『作詞家座談会』

真崎:私は『アイナナ』でいうと「ピタゴラス☆ファイター」ですかね。不思議なカタカナ5文字を入れてくださいと言われて「ピタゴラス」にしました(笑)。タイヤキ食べたいなって言う部分も、自由に書いて大丈夫とおっしゃっていただいたので、遊んでしまった部分ですね。(笑)

『作詞家座談会』

結城:でも“タイヤキ”をエリカさんが書いてくれたから、「NATSU☆しようぜ!」のIDOLiSH7 ver.のときに、ピタゴラスの3人がかき氷の味でもめるっていうくだりを書けたんですよね。

『作詞家座談会』

真崎:そうだったんですね(笑)。ほかに思い出深いことといえば、「THE IDOLM@STER SideM ST@RTING LINE」の収録曲を書いている間は、すごく背筋が伸びていました。アイドルたちの出発点とユニットのバックボーンが描かれる2曲だったので。

松井:1曲はガッツリ、ストレートにメッセージ性を出そう。もう1つは変化球を出そうって、イメージがつけやすかったよね。

真崎:CafeParadeの曲も大好きです。

『作詞家座談会』

松井:彼らの曲をライブで観たときに、すごくうれしかったです。これからいろんなユニットがライブをしていくんだろうな……なんて、期待で胸がふくらむのっていいですよね。

結城:アイドルソングの場合、どの曲もライブ想定で書いているので、まだ一度もライブをやったことがないコンテンツやユニットもいつの日か……と願っています。

松井:やっぱりどの曲も思い入れは深いです。

結城:『ドリフェス!』は、洋服とブランドのイメージで歌詞を書くこともあったのでおもしろかったです。

松井:やっぱりアイドルソングはおもしろいね!

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