時代は変わっても、乙女ゲームの持つ魅力はいつまでも色あせることがありません。今遊んでも十分すぎるほど萌える＆燃える女性向けゲームを、王道からマニアックなものまで幅広く紹介していく連載企画“乙女ゲーム白書オンライン”。第9回目は元男子校で紅一点！　共学化を認めてもらうためにがんばるパワフルな主人公の恋物語に注目していきます。

第9回目のオススメ作品『ひめひび-Princess Days-』

　今回紹介する作品は、TAKUYOより2006年にPS2用ソフトとして発売。2008年にはPSP版、また2009年には新たな主人公と攻略キャラクターを迎えた続編『ひめひび -New Princess Days!! -続!二学期-』も発売されました。そして2017年7月にはPS Vita版として『ひめひび-Princess Days- Vita版』も発売された人気シリーズです！

　TAKUYOから発売されているゲームは、タイトル同士がさり気なくリンクしている作品が多いです。『ひめひび-Princess Days-』でも過去作のキャラクターの名前がちらっと登場したり、ポスターが貼ってあったり、ファンにはうれしい演出が!!　個人的にそういう繋がりを探すのが大好きな人間なので、そういう遊び心を発見するとニヤリとしてしまいます。もちろんお話はそれぞれ独立しているので、1作ずつじっくりと遊ぶことができますよ。

■ある日突然、男子校に転入することに!!

　両親が海外勤務になったため、一人暮らしをすることになった主人公。いつものように学校から帰宅していると、黒ずくめの怪しい2人組に声をかけられます。彼らは10年前に会ったきりの祖父の部下で、主人公のことを迎えに来たとか……。いきなりのことに不信感を募らせる彼女の前に、急な転校で連絡が取れなくなっていた憧れの先輩・速水尚仁が現れます。

　先輩の知り合いだという言葉を信じて、祖父に会いに行った主人公。そこで祖父に、彼が理事長を務める超エリート男子校・天城寺学園への転校を告げられてしまいます。最初はそれに戸惑いを見せていた主人公でしたが、共学化に反対して女性を馬鹿にする発言をした理事たちに怒り心頭。学園を変えるために、天城寺学園へ転校を決意するのです！

　天城寺学園は、小学校から大学まで同じ敷地内にあるマンモス校。教員まで男性しかいない、共学化決定まで女人禁制の地でした。さらに共学化は急遽決まったため、2学期からしかほかの女子生徒の受け入れが始まらない非常事態！　主人公は共学になって初、そして唯一の女の子として6月30日から7月21日までの約3週間生活することになります。そのなかで戸惑う男子生徒たちと交流して、共学化への理解を深めてもらうことに……。

　エリートが集う元・男子校に紅一点という状況で、「大丈夫なの？」と不安に思う方も多いはず。そこは頼もしいボディーガードたちもいるので、ご安心を！　最初は遠巻きにされますが、一緒に過ごすなかで少しずつ認めてもらえるのがすごくうれしくなります。体育の着替え現場に戸惑ったり、ラブレターをもらったり、ドキドキの展開もたくさん用意されていますよ。

　シナリオはコミカルな展開が多く、最初は恋愛というよりケンカ友だちのような関係になるお相手も。それが変化していくのが甘酸っぱくてたまりません。

　また共学化を巡るトラブルや人物同士の確執など、ときにはシリアスな物語になることもあります。ギャグとシリアスが絶妙なバランスで物語が進んでいくので、サクサク読み進めることができます。

■婚約者から先生まで頼もしい協力者たち

　女の子1人だけというのは何かと危険と言うことで、祖父がボディーガードや協力者を用意してくれています。その協力者たちが、主人公の恋のお相手に！　また共学化に反対している人物もいますが、仲よくなれば考え方を変えてくれるかもしれません。

　MAP画面で気になる人物のところに行くと、イベントなどが発生します。気になる人物がいるときは、必ず会いに行きましょう。

▼天城寺雅哉（声優：吉野裕行）

　主人公の従兄弟で、祖父が決めた許嫁。クラスメートで立場も近いことからボディーガードをしてくれていますが、素直になれない性格で口を開くと皮肉ばかり。そのため、気が強い主人公とは喧嘩ばかりしています。喧嘩するほど仲がいいというヤツです。尚仁とは兄弟なのですが、仲は良好とは言えない様子。素直になれないツンデレ好きには、絶対に刺さる人物です。

▼速水尚仁（声優：浜田賢二）

　主人公の前の学校の先輩で、密かに憧れていた人物。物腰柔らかで、いつも笑顔を絶やさない優しい性格をしています。やや天然で、目が離せない部分も。両親が離婚しているため、雅也と苗字が違っているそうです。側にいるだけに癒される優しい人。転校前からの知り合いというのも大きいですよね。

▼夏八木 光（声優：菅沼久義）

　まだ13歳ですが、飛び級で主人公と同じクラスになった天才児。学園の警備部に所属しており、主人公のボディーガードを担当しています。周囲が年上ばかりのため、少しでも追いつこうと努力しているとってもいい子です。年下でかわいいのに頼りがいがある将来性ナンバー1。

▼高城大和（声優：野島健児）

　主人公のクラスメートで、高等部の生徒会長をしています。とてもまじめで、礼儀正しい性格。学園の伝統と歴史を壊す共学化に反対していますが、追い出すような卑怯な行動はしません。敵対関係にありますが、憎めない、むしろ愛すべきキャラ。ある生物に対する反応は、必見です！

▼月元 忍（声優：石川英郎）

　警備部主任のほか、理事長の執事、寮父などさまざまな仕事を兼務。サングラスをかけているときは一言も話さないという独自のルールをも持っています。基本的には丁寧で親切でとてもいい人。今回のお相手のなかで、1番ギャップがある人物かも。

▼柏木林斗（声優：石田 彰）

　クラスの担任で、どんな教科もそつなく教えるオールマイティな先生。教師らしからぬ発言が多いですが、生徒たちからは話が分かると慕われています。ときには、主人公を誘惑するような発言も……。石田さんボイスのナンパキャラなんて、破壊力高すぎです（※あくまで個人の感想です）。

　恋のお相手によっては、三角関係のような展開になることも……。本命の彼と幸せな未来を掴むため、一途に思い続けましょう！　主人公が誰と仲よくなっているかは、メニューの“学園生活”で確認することができます。

■ミニゲームでファンを増やそう！

　学園のなかには、共学化に反対の生徒も少なくありません。そこでミニゲームでファンを増やし、主人公の支持者を増やしていくことが重要です。ファンが少なすぎるとゲームオーバーになることもあるので注意してくださいね！

ミニゲーム【ビラ配り】

　レーンを歩いてくる生徒たちに、ビラを配ってアピールするゲームです。生徒たちは“＋20”や“－8”など、それぞれポイントが設定されています。落ち着いてよく画面を見て、“＋”の生徒にだけ配っていきましょう。

　上の個性的な3人もビラ配りで登場します。彼らは主人公のファンなので、必ず“＋”のポイントを持っています。そのため、頭が見えた瞬間ボタンを入力して問題なし。また、すごい速さで駆け抜けてく生徒に渡すと高ポイントゲット。もしも余裕があったら、渡してみてください。

ミニゲーム【ファンサービス】

　終盤以降に登場するミニゲームで、画面左上に表示されるボタンと同じものを入力していきます。間違ったボタンを押してもペナルティはないので、落ち着いて制限時間内に正しく入力していきましょう。連続成功回数を増やして、ボーナスをゲットするとスコアの伸びがよくなりますよ。

今遊ぶならPS Vita版！

　2017年7月に、グラフィックやシステムがブラッシュアップされたPS Vita移植版が発売されています。ぜひ、紅一点のお姫様生活を本作で過ごしてみてください。

　そして本日公式HP及び公式Twitterにて、続編である『ひめひび 続！二学期-New Princess Days!!-』 のVita移植が発表になりました!!　2017年発売予定とのことなので、続報を待ちましょう。

　記念すべき次回の第10回目には、乙女ゲームの金字塔を打ち立てた名作シリーズがついに登場。異世界の京を舞台に、龍神の神子と八葉たちの戦いを描く『遙かなる時空の中で』の魅力をたっぷりと紹介していきます。

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