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2017年9月21日(木)

【電撃PS】『シュタゲエリート』志倉千代丸氏へのインタビューを掲載。フルアニメーションの動画も初公開!

文:電撃PlayStation

 “CHIYO-ST. LIVE 2017 -GENESIS-”にて、発表され、大いに話題となった『STEINS;GATE ELITE』。本作はすでにPS4、PS Vitaでの発売が発表されていますが、本日Nintendo Switchでの同時発売も発表されました。

 そんな本作ですが、一体全体従来作の『STEINS;GATE』から何が変わったのか。本作に賭ける熱い想いともども生みの親である志倉千代丸氏にいろいろとお聞きしてきました!

『STEINS;GATE ELITE』

『ELITE』シリーズが目指すもの。“今だからこそ作れる至高のフルアニメーションアドベンチャー”

『STEINS;GATE ELITE』

――2009年にXbox 360で『STEINS;GATE』が発売されてから、じつに8年。とても完成度の高いテキストアドベンチャーゲームとしてさまざまなハードに移植され、スピンオフ作品、アニメや小説などいろいろなメディアミックスもなされてきた通称『シュタゲ』ですが、今回発表された『STEINS;GATE ELITE』は従来作とどこが異なるのでしょうか?

志倉千代丸氏(以下、敬称略):今までの“キャラの立ち絵+背景+テキストウィンドウ”で構成されるテキストアドベンチャーではなく、全編アニメーションで進行できるアドベンチャーゲームへと進化したのが大きな相違点です。テキストアドベンチャーゲームでは、時々ムービーや一枚絵が見られるタイミングもありますが、基本の画面構成は常に変わらない。そのスタイルを脱却し、より気軽に遊べるアドベンチャーゲームができたらどんなにいいだろうと10年以上前から構想があり、ずっと「こんなゲームを……」と妄想していました。その構想がようやく本作で、“フルアニメーションアドベンチャー”として形になりました。

――正直、最初は「アニメの素材を使ったただのリメイクなのでは?」と、少々ネガティブな印象も抱いていたのですが……。実際にプレイしてみると、その斬新さに驚きました。「なるほど、これをやりたかったのか!」と直感的に理解できましたよ。

志倉:『ROBOTICS;NOTES ELITE』で蓄積したノウハウも生かしつつ、今回も開発チームから上がってくるものをチェックするたびに予想以上に遊び心地がよくて、僕自身もとても手応えを感じているところです。

――テキストアドベンチャーに対して拒否反応のあるユーザーや、動画で当然な環境で育ってきたデジタルネイティブ世代にも、本作ならばすんなりと届きそうな気がしますね。

志倉:アニメーションで伝わりやすくなっているからといって、そのぶんテキストを削ったりしているわけではありません。ゲーム版のフルボイスもそのままですし、ユーザーのペースで自由に読み飛ばすことだって可能です。アニメだけでは伝えきれなかった心情表現はテキストで読めるし、テキストと立ち絵だけではなかなか伝わらなかった状況や表情の変化はアニメーションで体感できる。これまでのあらゆる媒体の『シュタゲ』のなかでも、とびきりぜいたくな体験ができることは間違いありません。

――開発にはかなりの手間がかかるのでは?

志倉:アニメにはアニメの制約や作法があって、ゲームにはゲームの制約や作法がある。アニメに使った7000カット以上の素材を、バラバラに一度分解したうえで改めて組み立て直し、ゲームのテキストに合わせていく……。結局のところ、全部まるごと独自の演出をつけ直しているので、地味ながらとてもたいへんですね。最終的には、アニメでは描かれなかった別ルートの分岐などについても、WHITE FOXによる新規アニメを追加してお届けするつもりなので、ぜひご期待ください。

『STEINS;GATE ELITE』
『STEINS;GATE ELITE』
▲上が従来作で下が本作の画面。

――本作で想定している客層は?

志倉:貪欲にあらゆるユーザーがおもしろいと思ってくれるものを目指しています。はじめて遊んでくれる人も、従来作のファンも、アニメ版だけ見たことがある人でも、すべて楽しめる。それだけのポテンシャルを秘めていると思うので。それに、僕はこの『フルアニメーションアドベンチャー』を冠するシリーズをもっと作りたいと思っているんです。個人的には略して“フルアニADV”と呼んでいるのですが。

――『CHAOS;CHILD』や『OCCULTIC;NINE』などが候補になるのでしょうか。

志倉:いいえ。僕が手がけてきたゲームのみならず、これまでにアニメ化されているたくさんの名作を“フルアニADV”システムに落とし込み、新しい“メディア”として、アニメーションのもう一つの出口を作りたいと思っています。このシステムは“アニメで遊ぶ”がコンセプトなので、DVDやBlu-rayでビジネスとしては一巡した数多くの名作をフルアニADV化出来たら最高だなと勝手ながら既に妄想をしているんです。ちょっとした分岐があってミニエピソードが見れて、もちろん物語はオリジナルに収束する。さらにTipsがあって、高速スキップ、もちろんセーブやロードもできる。“ゲーム性”としてはこれで十分です。さらに言えばTVシリーズのアニメがゲーム1本の中に収まってるお得感だけでもコストパフォーマンス的に凄いことになっていますからね。

――それは夢が広がりますね! まずは今回の『STEINS;GATE ELITE』がなによりも楽しみなんですが、『ELITE』シリーズそのものの未来にも期待が高まります。

志倉:今回の作品が評価され、システム的にもそれなりの市民権を得ることができれば、さまざまなビデオメーカーさんも興味を持ってくれると思います。「あの名作アニメが!? フルアニADV化決定!」みたいな奇跡を繋げていきたいですね。つまりこの“フルアニADV”シリーズとしては今回の“シュタゲELITE”にかかっていると言っても過言ではありません。そのために科学ADVシリーズを代表する『シュタゲ』とそのファンの皆さんのパワーをお借りしたいと思っています。アニメーションもテキストアドベンチャーもまだまだ進化の過程です。是非その“可能性”を本作で体感してほしいです。よろしくお願いします!

『STEINS;GATE ELITE』

 今回、特別に実際このフルアニメーションアドベンチャーがどのようなものなのか、動画でお見せしたいと思います!

 文字と画像だけではなかなか伝えづらいフルアニメーションアドベンチャーの凄さをぜひ動画で確認してみてください! 場面ごとのシチュエーションが瞬時に、かつ直感的に把握できる斬新さはすばらしいの一言です。

■『STEINS;GATE ELITE』プレイムービー(TGSバージョン)

 そして、この『STEINS;GATE ELITE』は幕張メッセにて開催中の東京ゲームショウ(TGS)2017にて9月23日(土)、24日(日)にTGS特別バージョンの体験版がプレイ可能です!

 椎名まゆりを救い出せるか? そのプレイ結果によって変わる“シュタインズゲートの選択”カードを体験者にプレゼントいたします。ぜひこの機会にフルアニメーションアドベンチャーを体験してみてください。

 また、こちらの志倉千代丸氏へのインタビューの全文は9月28日(木)に発売される電撃PlayStation Vol.647にて掲載予定です。そちらもあわせてチェックしてみてください!

(C)MAGES./5pb./Chiyo St. Inc. (C)2009 MAGES./5pb./Nitroplus 協力 未来ガジェット研究所

データ

▼『電撃PlayStaton Vol.646』
■プロデュース:アスキー・メディアワークス
■発行:株式会社KADOKAWA
■発売日:2017年9月14日
■定価:694円+税
 
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