2017年12月22日(金)
iOS/Android/PC用RPG『チェインクロニクル3(以下、チェンクロ3)』の特集連載企画をお届けします。
12月26日に『チェンクロ3』の“帰還篇”が配信決定。これを受けて、現在ゲーム内ではさまざまイベントやガチャフェス、そして豪華8大特典がもらえるキャンペーンが展開中です。
電撃オンラインでは、“帰還篇”の配信決定を記念して『チェンクロ3』の特集を大々的に展開! 今回は、『チェインクロニクル』の総合ディレクターを務める松永純さんのインタビュー後編をお届けします。
前編では、“帰還篇”を中心に『チェンクロ3』の各主人公のシナリオやキャラクターなどについて語っていただきました。今回は、ユーザーから届いたさまざまな質問に答えていただきました。これまで語られてこなかった設定についてもお話いただきましたので、ぜひぜひご覧ください!
▲『チェインクロニクル』総合ディレクターの松永純さん。 |
――前編では『チェンクロ3』や“帰還篇”についてお答えいただきましたが、後編では電撃オンラインの読者から募集した質問にお答えください。
■最果ての大陸にはユグド、2部の各大陸にもそれぞれ名前が付いていますが、『チェンクロ』の世界には名前があるのでしょうか? これは重要すぎて、まだ明かせない情報なのでしょうか!?(すずたさん)
これは重要すぎてまだ明かせないですね! 10年目までお待ちください(笑)。……っていうのは半分冗談ですが、でも今のところは出る予定はないですね。
たとえば地球っていう名称も、宇宙っていう広い場所から見るから地球っていう名前が必要になるわけで。今の視点で物語が流れるぶんには必要ないんじゃないかなと。いつか名前を出す必要ができたら、名前が出ることになるかもしれません。
■キャラクターの必殺技のセリフを決めるのはやはり大変でしょうか? またセリフはどのように決めていますか?(ミラーさん)
よくわかりますね、すっごい大変です!(笑) ストーリー・キャラまわりで何が一番大変って、この必殺技のセリフを決めるときです。はじめの頃はそうでもなかったんですが、キャラが増えるにしたがって、大変になっています。
なにしろ、キャラの魅力を一言に込めなければいけないので。どう決めていますかという質問に関しては、「みんなで血のにじむような思いをして決めています」という回答になります。
セリフを決めるうえで大切にしているのは、多少日本語としておかしくてもキャラ性とリズムを重視して、耳に残る、印象に残るセリフにするということです。「光をつかむ!」とか「どこまでも許さない」とかそういう。正しいセリフまわしでもボツになるので、シナリオを書くのとは違う感覚が必要になり、みな苦労しています。
■ぶっちゃけ開発スタッフの間で主人公は何と呼ばれているのでしょうか?(一ローさん)
イベントのときにもポロッと言ってしまったのですが、“ツカム”ですね。だってファンの皆さんが全員そう呼んでくれているので……。一瞬“ユーリ”にしようという運動もあったのですが、あまり定着しませんでしたね。
■現在、男性の刻印者がヴェルナーだけしか出ていないですが、男性の刻印者はヴェルナーだけなのでしょうか? それとも存在しているけどストーリーに出ていないだけでしょうか?(NEOさん)
必ずしもヴェルナーだけというわけではないので、今後登場する可能性はあります。
■炎の九領の鬼のキャラクターに、森妖精のように耳が尖ったキャラとそうでないキャラがいますが、彼らに何か違いがあるのでしょうか? 耳が尖った鬼のキャラはお隣精霊島の森妖精の血が混じっているとか……?(アプリコットさん)
鬼の耳の違いは、混血だからですね。鬼と呼ばれていますが、実は『チェンクロ』の公式設定としては、人間以外の亜人たちはみんな妖精族という定義なんです。だから正式には彼らは鬼妖精と呼ぶべき種族なんです。
ただ、誰も鬼たちのことを妖精だなんて呼びたくないので、本人らを含めて鬼族と言っているというのが実情です。だから尖っているのが正しくもあるのですが、閉鎖的な森妖精と違って鬼はよくも悪くも血統が雑で、長い歴史の中で人と交わったりしていて、それで耳の形に個人差があるんです。角が1本や2本ある鬼がいるのも、血の雑さゆえです。
■『チェンクロ』の種族ごとの平均年齢はどれくらいなんでしょうか? 鬼族、火鬼や火妖精、ケ者のキャラクターたちはどれくらい生きるんでしょうか? 森妖精でも千河、海風、大樹、黄果で氏族ごとに平均寿命が変わったりしますか?(アーサーさん)
火鬼も森妖精も寿命は長いですが、どちらが長いかは比べたことがないのでわからないですね~。ケ者、鬼族は人と同じくらいという設定です。
森妖精の氏族ごとというところでは、生き物としての寿命はそれほど変わらないのですが、戦闘民族という理由で千河の平均寿命は短いです。これは戦死するという理由からです。そういう意味では、大樹とか黄果のほうが長生きですね。純粋に生き方の差で、寿命は明確に違います。
ちなみに究極的にいうと、我々の世界の1年と向こうの1年が本当に同じかどうかというところも明確ではないので、そういう意味でも物語中の1年という単位も、僕らの感じている長さとは微妙に違うと思っておいてもらったほうがいいかもしれないです。
ちなみに設定上は、ユグドの一年は13カ月あるということになっています。一度『チェンクロ』のカレンダーを作るという話があって、13月まであるカレンダーを作ったことがあります。
各キャラクターの誕生日も入っているんですが、13月生まれだと祝ってもらえないという(笑)。そのせいじゃないんですが、結局そのカレンダーはお蔵入りになってしまいました。残念です。ちなみに13月生まれのキャラクターは、ソリティーだけという設定になっています。
■ヘリオス篇の登場人物、ヘリオス、トロメア、アポロ、シャロンの名前は、何かモチーフになったものがあったのでしょうか?(Nastarさん)
これまであんまり引用元は明言していなかったのですが、ツカムは自分自身であるので、比較的中庸的な存在というのに対して、ヘリオスは三人称視点で見たときに明るさや陽性の主人公にしようというところから“太陽”のイメージがあって、ギリシア神話の太陽神である“ヘリオス”という名前が使われています。
本作のキャラ名は二重三重の意味がある名前が多いです。トロメアはギリシャ神話以外からも取っているんですが、遺伝子学の用語“テロメア”にも掛けていて。なぜ遺伝子の用語とかかっているかは、本編を読んでいただければと思いますが……。
ピリカも、アイヌ語の“エトピリカ”から取りつつも、宗教用語からも取っていたりして。フィーナも、リヴェラも、皆そうですね。どの由来もストーリーの役割に関わってくることがあるので、いろいろ推測してもらって、ニヤリとしてもらえればうれしいです。
なので、主要キャラの名付けはとても大変です。でも、誰かひとりが書くだけではなくて、みんなが使っていくキャラクターでもありますし、何年もつきあっていくキャラクターなのであまり意味のない名前はちょっとというのがあるんです。ちゃんとテーマの入った名前、そして響きのバランスは大切にしようというのは気を付けています。
ただアリーチェ篇のキャラクターについては、電撃さんのコラムにもちょっと出たことがありましたが、まず台本にA子、B子……と仮付けしていて、そこから“アリーチェ”や“ベルタ”と名付けられていますが(笑)。
■ワーグマンは弓使いではなくガンマンにならないのですか。(クランさん)
運営の都合が合えば、いつでも書きます! ガンマンになることも可能です!
■ラザフォードを知りませんか?(遥さん)
いつの間にか姿を消していましたね。去り際もアサシンギルド長らしいと言うべきでしょうか。僕も彼が今どうしているのかは知らないですが……。でも、もうどこにも二度と描かれないかというと、そんなことはないと個人的には思っています。
――あと「ヨシツグはどうなったのか」という質問が、ものすごくたくさんきていました。
ユグドを舞台にしたメインストーリーを描いていて、彼が二領を治める重要人物である以上、出てこないということは決してないです。期待していただければと。
■バレンタインにカインくんにチョコレートを送りたいです。松永さんならユグドに送れる方法をご存知だと思うので託したいです。宛先を教えてください!(すずたさん)
■ヴェルナーさんにバレンタインチョコを送りたいです。セガさんに送れば開発のおっちゃんがヴェルナーさんに届けてくれるのでしょうか?(ぱんだの実さん)
セガに送っていただければ、責任をもって本人にお渡しします!
■性能面で、こんなにいろいろ言われるとは思っていなかったよ! ってキャラクターがいたら教えてください。(鎮子さん)
カインは強すぎると言われましたよね。レジェンドのキャラクターはちゃんと強くしようね、という運営コンセプトにのっとった結果ではあるのですが。あのときはレジェンドが少なかったというのもあるのかもしれません。
――カインは、最初のレジェンドキャラクターでしたからね。現在はツルやテレサ、ヴェルナーなど、他にも強いレジェンドキャラが出てきましたし。
みんな強いですよね。ちなみに僕、まだテレサ持ってないんですよね。立場上、シナリオを書くスケジュールってもらえないんですが、無理やりテレサとリリスのシナリオを書いた結果、仕事がよくわからない忙しさになって、気がついたらテレサのレジェフェスが終わっていたんです……。
それでこの前、復刻をやっているときに回したんですが、ツルを完凸してさらに2枚余ったんですけど、テレサが出なくて。自分の書いたシナリオを読めないのはやはり悔しいですね。……質問と関係ない話ですみません(笑)。
――まさか松永さんがテレサを持っていなかったとは……。『チェンクロ』の場合、どのキャラを絆に付けるかで強さが変わってきますよね。あとから出てきたキャラによって、既存のキャラの強さが引き上げられることもあったり。
そうですね。そういう組み合わせを探すのは楽しいのですが、キャラが多すぎて大変すぎる部分もありますからね。その部分をユーザーさんにどう楽しんでいただけるかというのもテーマだと思っています。自分でピッタリな組み合わせを見つけられたらたまらないですが、難しいですよね。
■過去に魔神として登場したアルカナは、5年経った今、後日談的な話は実装される予定はありますか? また、その時のガチャ限定アルカナ(特効キャラ)のレジェンドは実装されるのでしょうか?(あーるわいさん)
はい。魔神だから登場しないということはありません。しれっとレジェンドフェスに登場したりするとおかしいかもしれないですが、分け隔てなく登場の機会が作れればなと思います。
■もうSR以下のキャラクターが追加されることはないのでしょうか?(淡雪さん)
確かに最近SSRばかりですからね。SRを追加したいという声は開発チームの中でもあります。とはいえ、するのであればSRのキャラが輝ける場所みたいなものがゲームの中にもう少しあったほうがいいのだろうなと思っています。難しいですが、いつか追加したいなと思っています。
■アニメ『チェインクロニクル ~ヘクセイタスの閃~』の主人公のアラムや、ノベライズ『チェインクロニクル・カラーレス』の主人公のシセラは、ゲーム世界のキャラクターとしては実装されないのでしょうか?(セピアさん)
■アニメの登場する聖王女の堅牢なる盾・ブルクハルトの実装を心待ちにしています。彼に登場の機会はあるのでしょうか?(ふゅーねるさん)
基本的に別の物語とも言える存在なので、難しいですが、要望が多ければ、あり得ることです。不可能ではないです。
■ストーリーを読んでいると、炎や煙が出たりキャラが揺れたりといった演出がありますが、これはシナリオの方からの指定があったりするのでしょうか? それとも演出担当の方が考えているのでしょうか?(ナナミさん)
これはどちらもです。作家のほうが熱量を持って、こういう演出にしたいという場合もありますし、演出担当のスタッフがこうしたい!と入れることもあります。この辺は切磋琢磨しながら作っています。
■第3部がそろそろ収束していきそうな感じがしていますが、さらにその先はあるでしょうか?(ヒカリさん)
3部は、今が前半のクライマックスという感じです。まだまだ『チェンクロ』の物語は続きます!
■自分は“チェンクロ学園”が好きだったのですが、ああいった進行しているストーリーとは違う世界線の、ネタに振り切ったストーリーはもうやらないのでしょうか。また見たいです!(闇のカス子さん)
またやりたいですね! 僕もこういうのは好きです。
■“絆の軌跡”で年代記の大陸篇は配信されますか? 成長したミンミちゃんが見たいです!(サイフィスさん)
すみません。年代記の大陸は今回用意されていません。というのも、主人公一行を探す航路に沿った場所の物語という形なので。ミンミちゃんとかは、いずれかの機会を見つけて外伝という形できっちりできればと思います。
■メインストーリーの進行的に難しいかも知れませんが、3部のキャラクターたち(特にR)の日常的なストーリーも読みたいです。3部チェインストーリーや番外編のようなものが今後配信される予定はありませんか?(しらたまさん)
タイミングは少し重なっていますが、3部のサービス開始から1周年のタイミングでちびキャラに紐付けて日常といいますか番外編なのですが、ああいったストーリーとかもどうかなと今回提供させてもらいました。反響はとてもよかったので、またやりたいなと思っています。個人的には、ショートストーリーズのような、もっと日常よりで、誰でも遊べるものもやりたいなと。
――3部主人公たちのちびキャラは、衝撃でしたね。
運営チームから、普段とは違うガチャフェスをやりたいんですという話があって。ああいうちびキャラを出したいというアイデアが出たときに、だったらストーリーもネタっぽくてファンの方が喜んでくれるものをやろうよというノリで実現できました。
ああいうのをやると開発チームもノリノリになるので、結果的にクオリティの高いものを提供できたのかなと。機会があれば今後も提供していきたいですね。
■“ダスティの実戦販売”、“変態賢者のゴーレム戦”など、ショートシナリオイベントは今後復活しますか?(ロイyさん)
最近できていないなという話はチームでも出ていて、検討はしてもらっています。
■3部酒場でキャラクターピックアップの実装予定はありますか?(葉月さん)
3部のキャラクターが増えてきたら、当然欲しいキャラを迎えやすくする対応が必要になってきますので、予定があるといえばあります。とはいえ、これまでとは違った楽しさがあるような変更ができたらいいなと思っています。
■3部ストーリーマップ上にいる魔物について教えてほしいです。(ヘタみんとんさん)
これはすみません! 正直なところ、実はうまく機能していないんです。そのうちちゃんとします。もうちょっとストーリーが盛り上がる演出として生かしたいんですが。本当にごめんなさい。
■第3部のメインストーリー2章以降に、難易度の上級を追加する予定はありますか?(のびたろうさん)
あります。僕も今、追加してほしいという熱烈な要望をチームに出しました。今の既存ユーザーさんから見ると、やり応えが足りないという状況なので、そこに対して何かしら手を入れたいと思っています。
■パーティ枠は今後増えないのでしょうか?(黒船さん)
そうですね。そこは触っていても課題だなと感じるので、どこかのアップデートでやらなきゃねとチームで話してくれています。
■深淵の渦、年代記の塔、アリーナとエンドコンテンツが充実してきた印象ですが、開発的に手応えはありますか?(ぷにこさん)
いろいろ追加はできましたが、ハイエンドすぎる部分が出てしまっているのかなと感じています。なので、より多くのメインユーザーさんが遊びやすくなるよう、それぞれのコンテンツを調整していかなくてはいけないなと思っています。
■“絆の大出撃”にはイベントシナリオが存在しないため、誰が報酬になってもおかしくないと思います。ラティとサビオが選ばれた理由がありましたら、ぜひお聞かせください。(アキラさん)
あり方として気軽に参加できるコンテンツであるべきなので、運営チームのほうで、ヴェルナーがもらえるとか逆に重すぎる感じにはしないようにしてくれています。
■第2部の後半ストーリーは、なぜあれほど敵のレベルが高いのでしょうか?(クロノさん)
――この質問についてですが、個人的にあのシビれるような難易度の高さに、セガ魂を感じました!
当時としてはやりきるとこまでやりきったという感じです。正直、開発チームの魂が高まっちゃったというのが、本当のところです。なので、一緒に楽しんでもらえた方には感謝を伝えたいですし、あのときこれ難しすぎだよ無理だと感じた方は、本当にすみませんでした!
12月26日に“帰還篇”アップデートと合わせて、第2部後半ストーリーの大幅な難易度修正をさせていただきます。もっとストーリーを読みたいのにと思っていた皆様に、改めて遊んでいただいて、義勇軍の軌跡を追ってもらえればと思います!
⇒次回は、“開発者インタビュー シナリオ編”をお届けします!
(C) SEGA
データ