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2018年3月24日(土)

『ソードアート・オンライン アリシゼーション』2018年10月開始。監督は小野学氏&新キービジュ、ティザーPV公開

文:てけおん

 TVアニメ『ソードアート・オンライン アリシゼーション』が2018年10月より放送開始となることが明らかになりました。

『ソードアート・オンライン アリシゼーション』
▲足立慎吾氏の描き下ろしキービジュアルも新たに発表されました。

 本作は、第15回電撃小説大賞《大賞》を受賞した川原礫先生が執筆、イラストをabec先生が手掛ける電撃文庫『ソードアート・オンライン』シリーズの新作TVアニメとなります。

 この発表に伴い、記事冒頭にあるキャラクターデザインの足立慎吾氏の描き下ろしキービジュアル、そしてティザーPV、イントロダクションが公開されました。

■『ソードアート・オンライン アリシゼーション』イントロダクション

 「ここは……どこだ……?」

 気づけばキリトは、なぜか壮大なファンタジーテイストの仮想世界にフルダイブしていた。ログイン直前の記憶があやふやなまま、手がかりを求めて辺りを彷徨う。

 そして、漆黒の巨木《ギガスシダー》のもとにたどり着いた彼は、一人の少年と出会う。

 「僕の名前はユージオ。よろしく、キリト君」

 少年は、仮想世界の住人――《NPC》にもかかわらず、人間と同じ《感情の豊かさ》を持ち合わせていた。

 ユージオと親交を深めながら、この世界からのログアウトを模索するキリト。そんな彼の脳裏に、ある記憶がよみがえる。それは、幼少期のキリトとユージオが野山を駆け回る想い出――本来、あるはずのない記憶。

 さらにその想い出には、ユージオともう一人、金色の髪を持つ少女の姿があった。名前は、アリス。絶対に忘れてはいけないはずの、大切な名前――。

『ソードアート・オンライン アリシゼーション』ティザーPV

 そして第3期より監督を務めるのは『魔法科高校の劣等生』『学戦都市アスタリスク』『境界線上のホライゾン』などで知られる小野学監督です。

 またこの記事では、小野氏と、TVアニメ第1・2期、そして劇場版の監督を手掛けた伊藤智彦氏との対談の模様もお届けいたします。

『ソードアート・オンライン アリシゼーション』小野学氏×伊藤智彦氏対談

小野学氏「これまでのアニメ『ソードアート・オンライン』から受け継ぎつつ、原作のおもしろさを大切に描きたい」

伊藤智彦氏「実績をお持ちの小野さんならば安心だと思いました」

――『ソードアート・オンライン アリシゼーション』のアニメ化がいよいよ具体的に発表されました。まず、伊藤さんがこの一報を聞いて思ったことをお聞かせください。

伊藤氏:そもそもアニメ化にあたり俺は原作をWeb版で全部読んでいたので、『ソードアート・オンライン』の第1期のアニメをつくる前から《アリシゼーション》編のことは知っていました。

 ただ、これを映像化するのは大変だろうなと感じていました。もちろん「《アリシゼーション》編までアニメ化できるといいですね」とは思っていましたけど……。だから、劇場版のラストシーンは誰がやってくれるのかわからないけれど「このバトンを受け取ってくれ」という想いでラストシーンをつくっていたんです。

――『劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-』のラストシーンにはそういう意味があったんですね。では、小野監督が《アリシゼーション》編の監督を引き受けた経緯をお聞かせください。

伊藤氏:話を聞いたのは、いつでしたか?

小野氏:劇場版の試写が行われている時期ですね。それ以前からアニプレックスのスタッフから「『ソードアート・オンライン』シリーズは原作の最後までアニメ化する予定です」とは聞いていました。

――小野監督が《アリシゼーション》編のアニメ化を引き受けた理由はなんでしょうか?

小野氏:TVシリーズも第1期、第2期とあって、劇場版もある人気のシリーズですし、引き受けた時のプレッシャーの大きさも当然考慮していました。ただ、このスケールの作品をやれるのは、今だけだろうなと感じたんです。

 TVシリーズの現場は大変ですが、気力、体力ともに今ならベストだろうと思えたのは、大きい理由になりましたね。

――お2人は原作の《アリシゼーション》編にどんな印象をお持ちですか?

伊藤氏:まずボリュームが大きい。ストーリーも長いし、戦争も描かなくちゃいけない。「(アニメ化するには)どうしたらいいんだ?」という印象がありました。おそらくアニメ化するには一期からのべ10年はかかるだろうと、原作を読んだ時には感じていましたね。

小野氏:僕も伊藤さんと感想は同じで、スケールが大きくて大変な内容だなと感じていました。ただ、伊藤さんが原作をお読みになったころには「10年かかるだろう」と感じた表現が、昨今さまざまな技術が向上したことでTVアニメでも表現できるところまで来ている感覚がありまして。「チャレンジはできるだろう」と思っているところもあります。

伊藤氏:新キャラクターも登場するし、物語としてはちょうど切れ目になる展開もあるので、ここで監督を交代するのもいいんじゃないかと(笑)。アリスとユージオの見せ方は小野監督の色に染めていただいていいと思っています。

小野氏:ありがとうございます。伊藤監督がおっしゃるとおり、《アリシゼーション》編で作品のカラーがガラッと変わるところは僕が今回引き受けた理由のひとつでもあります。とはいえ、キャラクターデザインは前作から引き続き、足立(慎吾)さんなので作品の背骨は変わりません。新しい設定やキャラクターの見せ方に自分なりの思いを込めていきたいと思います。

――これまでのアニメ『ソードアート・オンライン』については、小野監督はどんな印象を受けていらっしゃいましたか?

小野氏:僕はリアルタイムで第1話を拝見していて、すごく興味を引く、理想的な第1話だなと思っていました。キリトやアスナの魅力やアクションのカッコよさや、ストーリーのアイデアがおもしろいなと。

 全体としては、キャラクター同士が素直に感情をぶつけあうところにおもしろさを感じていました。ある種の「生っぽさ」ですよね。《アリシゼーション》編にもそういう生っぽさはあるので、そこは自分なりにチャレンジしてみたいところだと思っています。

伊藤氏:実績をお持ちの小野さんに監督を引き受けていただけて、安心しました。これまでいろいろなところで「《アリシゼーション》編を期待しています」と言われていたので、やっと「監督、俺じゃないんですよ」と言えるようになったなと胸のつかえが取れたような気持ちです。

小野氏:第1期、第2期、劇場版の流れを受け継ぎつつ、あくまで『ソードアート・オンライン』という作品のおもしろさを追求していきたいと思っています。

――小野監督は《アリシゼーション》編を具体的にどんな作品にしたいと考えていますか?

小野氏:原作の《アリシゼーション》編の序盤はキリトとユージオの友情を中心に描いていくので、アニメ版でも男の友情をしっかりと描いて、見ている人たちの心を熱く動かしたいなと思っています。キリトについては11歳の姿を描くので、11歳らしさをどう表現していくかがひとつのポイントになりますね。作品を見た人たちが、「一体どんな展開になるの?」と感じてもらえたらいいなと思っています。

――最後に伊藤さんから小野監督に贈る言葉があればぜひ、お聞かせください。

伊藤氏:『ソードアート・オンライン』の現場は、意識を失って救急車に運ばれる監督がいたり(笑)、骨を折ったりするキャラクターデザイナーがいるような、怪我人、病人が多い現場なので、くれぐれも身体にお気をつけください!

小野氏:ありがとうございます、本格作業の前に人間ドックに行っておきます(笑)。

伊藤氏:小野監督による《アリシゼーション》編を楽しみにお待ちください!

■TVアニメ『ソードアート・オンライン アリシゼーション』
【放送時期】2018年10月

【スタッフ】(※敬称略)
原作:川原 礫(電撃文庫刊)
原作イラスト・キャラクターデザイン原案:abec
監督:小野 学
キャラクターデザイン:足立慎吾、鈴木 豪、西口智也
制作:A-1 Pictures

【出演声優】(※敬称略)
キリト(桐ヶ谷和人):松岡禎丞
アスナ(結城明日奈):戸松遥
アリス:茅野愛衣
ユージオ:島崎信長

(C)2017 川原 礫/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/SAO-A Project

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