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2018年6月2日(土)

『勇者ネプテューヌ』はカナダのクリエイター集団が制作。2Dを使った新たな世界観を生み出す

文:電撃PlayStation

 『ネプテューヌ』シリーズ最新作となるPS4用ソフト『勇者ネプテューヌ 世界よ宇宙よ刮目せよ!! アルティメットRPG宣言!!』

 本作の制作する、カナダ・ケベックの開発会社“Artisan Studios”のCEOであるマリオ・リーゾ氏、ディレクターのジュリアン・ブルジョワ氏、アートディレクターのナタリア・ルノー氏、モーション担当のシャルル・デュシェーヌ氏にお話をうかがった。

『ネプテューヌ』

⇒『勇者ネプテューヌ』概要紹介はこちら

⇒『勇者ネプテューヌ』キーマンインタビューはこちら

 ※本インタビューは4月26日発売の電撃PS Vol.661に掲載されたものの全文転載です。

とにかくビジュアルの美しいゲームを作ろう

――まず最初に、Artisan Studiosがどんな会社かを教えてください。

マリオ・リーゾ氏(以下敬称略):私たちはとにかく“2D”にこだわったスタジオです。もともとエレクトロニックアーツやソニー、UBIといった会社に在籍していたスタッフが集まって設立しました。私たちは日本のゲームが大好きで、日本らしいゲームを作ることを活動目的の1つにしています。

 具体的に言うと、『ヴァルキリープロファイル』、『ファイナルファンタジー』『オーディンスフィア』といったゲームが好きで、かなりの影響を受けています。

――今回『勇者ネプテューヌ』を制作されることになった経緯を教えてください。

マリオ:アイディアファクトリーさんとはとあるゲームイベントで初めてお会いしました。その後、何回かやり取りをしていくなかで「今度一緒にゲームを作れたらいいね」という話になりました。実際に初めて打ち合わせをしたときには、すぐに『ネプテューヌ』シリーズの話が出ました。

 しかし、正直に話すと、私たちが初めて手掛けるには大きすぎるタイトルだと感じました。最終的には『ネプテューヌ』の新作にチャレンジしようということになりましたが、じつは別のタイトルの企画書も出したりしていたんです(笑)。

――当初、『ネプテューヌ』シリーズへの印象はいかがでしたか?

マリオ:最初に見たのはアニメ版の『ネプテューヌ』でした。登場するキャラクターがほとんど女性なので驚きましたね。これは欧米では珍しいことなんです。そして、魅力的だと思ったのがユーモアの部分です。ネプテューヌが突然プレイヤーに話しかけたり、業界についての冗談を言ったりと、ネタが詰まっているのが気に入りました。とくにゲーム業界に関する冗談がおもしろいと思いましたね。

ジュリアン・ブルジョワ氏(以下敬称略):RPGについてのネタも多くて、私もRPGファンの1人としてすごく気に入りました。

ナタリア・ルノーさん(以下敬称略):私はとにかくキャラクターのデザインのかわいさが印象的でした。今回の制作にあたっては、キャラクターに負けないクオリティの背景を作ろうと思いましたね。

シャルル・デュシェーヌ氏(以下敬称略):私はゲーム機が擬人化しているというところに驚きました。欧米では擬人化というものはあまりない気がします。マスコットキャラならありますが、擬人化キャラクターが登場する作品はほとんどないんですよ。

『ネプテューヌ』
▲クオリティの高い背景によって、ダンジョンはこれまでと違った雰囲気に。

――『ネプテューヌ』作品は、日本的なネタがたくさん含まれていますが、みなさんは理解できましたか?

ジュリアン:チームの一部はフランス人なのですが、フランスと言えば漫画やアニメの市場がすごく大きいので、日本のネタには慣れていて、『ネプテューヌ』に出てくるようなネタもある程度は理解できます。もちろん、理解できないネタもありましたが(笑)。

――スタジオのみなさんの間で人気のキャラクターはいますか?

マリオ:私はノワールが好きです。

ジュリアン:私は女神化したキャラクター全般が好きです。デザインの組み合わせがおもしろいと思います。

ナタリア:私はノワールです。たまに見せるちょっと暗い部分が好きです。

シャルル:私はパープルハートとブランが好きです。最近毎日ブランのモーションを作っていて、かなり苦労しているんですが、それでも好きです。

マリオ:チームの中ではネプテューヌとノワールが人気ですね。

『ネプテューヌ』
▲ゲーム中のネプテューヌ。2Dにあわせた頭身になっている。
『ネプテューヌ』
▲ゲーム中のノワール。

――『勇者ネプテューヌ』の制作は、どのように進んでいったのでしょうか?

ジュリアン:当初は、私たちの強みを生かせる“2Dゲーム”を作ろうと考えていました。また、とにかくビジュアルの美しいゲームを作ろうというイメージを持っていましたね。

マリオ:実際に動き出す段階では、まず最初に、すでに『ネプテューヌ』シリーズをプレイしていたジュリアンが、簡単な世界観の案を用意しました。また、ゲームジャンルとしていくつか提案もしました。アイディアファクトリーさんと協議をした結果、今回採用されたのが2DバトルのRPGです。

『ネプテューヌ』

――『ネプテューヌ』を2DのRPGに落とし込むうえで苦労した部分はありましたか?

ジュリアン:バトルシステムをどう構成するかはかなり悩みました。ナンバリングなどの『ネプテューヌ』作品では、行動範囲内でキャラクターを動かし、位置取りをして敵を攻撃するシステムになっていますが、2Dではどうするべきか。これまでの『ネプテューヌ』に近いながら、2Dでの操作性の気持ちよさをどう出せるかなどが、制作当初の課題でしたね。

『ネプテューヌ』
▲ブランもゲーム中では2Dにあわせたビジュアルに。
『ネプテューヌ』
▲頭身の低いベールはより新鮮な印象。

――バトルシステムはどのような形で制作されていますか?

ジュリアン:まずは、これまでの『ネプテューヌ』シリーズのバトルにおける重要な要素をなくさないようにしようと考えました。ですので、女神化やキャラクターごとのスキルは実装しています。また、ちょっとだけ頭を使うような要素を入れようとしました。基本的にはシンプルな操作でプレイできるのですが、頭を使って戦略を立てるような戦い方も可能です。敵の弱点や各キャラクターの強みを考えると、より報酬がよくなるシステムを考えています。

『ネプテューヌ』

――ダンジョンのビジュアルが非常にきれいで、アート性を感じますが、こちらはどのように制作されましたか?

ナタリア:2Dだから表現できることや、背景をどう描けばキャラクターが美しく見えるのか、といったことを考えて制作しました。また、2Dの手描きだから出せるテイストも意識しました。このテイストが加わることで、ゲームにさらに命を吹き込める気がします。

――ビジュアル面でアイディアファクトリーさんからのオーダーはありましたか?

マリオ:最初はどちらかというと、今までの『ネプテューヌ』シリーズと同じような現代的な世界観で作ろうとしたんですが、アイディアファクトリーさんと話し合った結果、ファンタジー風のものに変えました。アートディレクションや背景に関しては、けっこう自由にやらせていただいていたので、アイディアファクトリーさんにはとても感謝しています。

――ダンジョン内のギミックはどのようなものがありますか?

ジュリアン:パズル要素や、まだ詳しくは言えないのですが、プリンが出てきます(笑)。正確にはプリンに似たものを使ったギミックですね。

――キャラクターのモーションについてはいかがでしょうか? 2Dになったことでこれまでのシリーズと違う部分があるかと思いますが。

シャルル:つなこさんのデザインを生かすためには、今まで使っていた技術を進化させる必要がありました。つなこさんの絵はとても繊細で、細かいところまで描かれています。

『ネプテューヌ』
▲ゲーム中のクロム。本作の新キャラで、詳細はまだ明らかになっていない。

シャルル:それをきれいに表現しようとしたことが、これまでの私たちのモーション技術を進化させるきっかけになりました。今まで表現できなかったものができるようになり、キャラクターに命を吹き込むことができたんじゃないかと思っています。

『ネプテューヌ』
▲ゲーム中の鳶八クケイ。
『ネプテューヌ』
▲ゲーム中の神村まい。
『ネプテューヌ』
▲ゲーム中の出田すらら。

――最後にユーザーにメッセージをお願いします。

ナタリア:今回の『ネプテューヌ』では、新しいテイストの世界観を作れたと思います。日本のファンのみなさんに気に入っていただければと思います。

シャルル:ユーザーさんが新しいゲームの魅力を感じてくれたらうれしいです。そして、このゲームをきっかけに、2Dのゲームを遊びたいと思っていただければうれしいです。

ジュリアン:私たちが一番こだわっているのはアートです。最高のアートをユーザーさんに届けたいと思っています。また、私がゲームをプレイする理由は、何かを感じられるからです。ユーザーさんにも同じような楽しさ、そういう気持ちを感じていただきたいです。「Wow!」とユーザーさんに言っていただけるように、いい作品にしていきたいと思います。

マリオ:『勇者ネプテューヌ』のようなゲームを作る開発会社は、最近少なくなってる気がします。流行っているのはリアル志向な作品やモバイルゲームなどです。2Dゲームを作ることはある側面でリスクのあることですが、そのリスクを取って私たちは2Dゲームを作っています。

 ですので、このゲームを開発する機会をいただけて、とても感謝しています。ユーザーさんが楽しみにしてくれているのを感じていますので、みなさんの期待を裏切らないように一生懸命仕事をして、『ネプテューヌ』らしいゲームを作りたいと思います。

【予約受付中】『勇者ネプテューヌ』電撃スペシャルパックには超豪華特典が付属!

 『ネプテューヌ』シリーズ最新作、PS4用ソフト『勇者ネプテューヌ 世界よ宇宙よ刮目せよ!! アルティメットRPG宣言!!』の電撃スペシャルパックが、電撃屋にて予約受付中です。

 電撃スペシャルパックには、4月26日発売の電撃PlayStation表紙を飾ったつなこさん描き下ろしイラストを使用したB2タペストリー、オリジナルDLC、特製スチールケース、特別小冊子が付属します。

『勇者ネプテューヌ』
▲タペストリーに使用されるイラスト。ネプテューヌと謎の女性キャラが印象的な、つなこさんが手掛けた渾身の1枚です!

 さらに今回は、超特別な特典が付いた“ファイナルアルティメット版”もご用意! こちらは、これまで最上位だった電撃スペシャルパック限定版のさらに上位にあたる究極バージョンで、予約特典、限定版(ヒーローエディション)特典、電撃スペシャルパック特典に加え、ファイナルアルティメット版特典が付いてきます。

『勇者ネプテューヌ』
▲ファイナルアルティメット版特典の1つ“復刻版プレミアムTシャツ”。電撃PS 555号記念に掲載した『ネプテューヌ』イラストをあしらったTシャツがプレミアム復刻版として特典に!

 もう1つのファイナルアルティメット版特典“特製アナログゲーム”もファン必携のアイテムになること間違いなし! その詳細は続報をお待ちください。

電撃スペシャルパック ファイナルアルティメット版 同梱内容

◆ ゲームソフト

◆限定版(ヒーローエディション)
特典1:つなこ描き下ろし特製BOX
特典2:ビジュアルアートブック
特典3:サウンドトラック

★電撃スペシャルパック特典アイテム
特典1:オリジナルDLC
特典2:B2タペストリー
特典3:特製スチールケース
特典4:特別小冊子

★ファイナルアルティメット版特典アイテム
特典1:特製アナログゲーム
特典2:復刻版プレミアムTシャツ

◆予約特典
プロダクトコードカード:「オリジナルダイナミックテーマ」が手に入るプロダクトコード付きイラストカード

電撃スペシャルパック 限定版(ヒーローエディション) 同梱内容

◆ ゲームソフト

◆限定版(ヒーローエディション)
特典1:つなこ描き下ろし特製BOX
特典2:ビジュアルアートブック
特典3:サウンドトラック

★電撃スペシャルパック特典アイテム
特典1:オリジナルDLC
特典2:B2タペストリー
特典3:特製スチールケース
特典4:特別小冊子

◆予約特典
プロダクトコードカード:「オリジナルダイナミックテーマ」が手に入るプロダクトコード付きイラストカード

電撃スペシャルパック 通常版 同梱内容

◆ ゲームソフト

★電撃スペシャルパック特典アイテム
特典1:オリジナルDLC
特典2:B2タペストリー
特典3:特製スチールケース
特典4:特別小冊子

◆予約特典
プロダクトコードカード:「オリジナルダイナミックテーマ」が手に入るプロダクトコード付きイラストカード

 なお、1次予約の締切は7月8日(日)まで。『勇者ネプテューヌ』の展開とあわせて、刮目せよ!

⇒4月26日発売の電撃PS『勇者ネプテューヌ』特集の告知はこちら

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