News

2018年5月26日(土)

『FF14』公式バンド“THE PRIMALS”のZeppライブツアーがスタート。東京での初日公演をレポート

文:電撃PlayStation

 『ファイナルファンタジーXIV』の公式バンド“THE PRIMALS”が結成されてからはや4年……。

 世界各国での『FFXIV』ファンフェスティバルに登壇し、直接、あるいはBlu-rayディスクやCDアルバムを介して数多くの“光の戦士”たちを魅了し続けてきた彼らの単独ライブツアーが、ついにスタート!!

『ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター』

 というわけで今回は、2018年5月25日にZepp DiverCity Tokyoで開催されたツアー初日のライブレポートを掲載。公演を終えたメンバーへの合同インタビューも全文掲載していますので、ぜひ最後までご覧ください。

『ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター』

 5月15日に発売されたCDアルバム“THE PRIMALS”はオリコンウィークリーで7位、デジタルチャートでも7位、そしてビルボードJAPANのウィークリーが9位……と素晴らしいセールを記録。

 ライブツアーはそんなアルバムをベースとした楽曲で構成されていますが、なんと今回の公演ではユウさん(チリヌルヲワカ)のゲスト参戦によって実現した初公開曲も奏でられ、来場したオーディエンスを大いに沸かせていました。

 とくに、美の謀略 ~蛮神ラクシュミ討滅戦~では、ゲーム内での記憶がよみがえった光の戦士たちが諸手を上げて波打たせ、ステージ上のメンバーとともに”魅了モーション”をする一幕も。

『ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター』
▲Zepp DiverCity Tokyoの入口で開場を待つ光の戦士たち。THE PRIMALSのTシャツに身を包み、戦闘準備は万端といった風情。
『ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター』
『ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター』
『ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター』
▲こちらは会場内の光景。今回のグッズは事前予約購入可能だったためか、当日の物販コーナーはさほど混みあわず、ほぼほぼ快適に商品を購入できたようです。
『ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター』
『ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター』
『ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター』
『ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター』
『ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター』
『ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター』
『ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター』
『ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター』
『ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター』
『ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター』
『ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター』

 今回のセットリストは下記のとおり。

01.原始の審判 ~蛮神イフリート討伐戦~
02.混沌の渦動 ~蛮神リヴァイアサン討滅戦~
03.英傑 ~ナイツ・オブ・ラウンド討滅戦~
04.逆襲の咆哮
05.雷光雷鳴 ~蛮神ラムウ討滅戦~
06.堕天せし者 ~蛮神ガルーダ討伐戦~
07.イマジネーション ~蒼天聖戦 魔科学研究所~
08.曲がらぬ刃 ~蛮神ラーヴァナ討滅戦~
09.メタル ~機工城アレキサンダー:起動編~

(インターミッションショー)
10.Secret1 女神 ~女神ソフィア討滅戦~
11.Secret2 美の謀略 ~蛮神ラクシュミ討滅戦~
(インターミッションショー)

12.アンブレーカブル ~博物戦艦 フラクタル・コンティニアム~
13.魔神 ~魔神セフィロト討滅戦~
14.過重圧殺! ~蛮神タイタン討滅戦~
15.忘却の彼方 ~蛮神シヴァ討滅戦~
16.指数崩壊 ~機工城アレキサンダー:天動編~
17.忘却の彼方 Never Let it Go
18.メタル:ブルートジャスティスモード ~機工城アレキサンダー:律動編~
19.ライズ ~機工城アレキサンダー:天動編~
20.ローカス ~機工城アレキサンダー:起動編~

 インタビュー中でもふれていますが、シークレット1~2の楽曲は、他会場で違うものが演奏される可能性もアリとのこと。韓国、名古屋、大阪、そして札幌……まだチケットは購入可能なようなので、東京公演に来られなかった方はもちろん、今回のライブに来場した方があらためて参加しても大いに楽しめるかと思います。

 何より、やっぱり“THE PRIMALS”の生音は格別! ゲーム体験も思い出しつつ、“迫力”というシンプルな単語では表せない感動を生む演奏を聴き、ともに叫び、飛び跳ね、爆音に酔う。

 この充足感はやっぱり“ライブ”ならではかと思いますので、筆者の個人的意見として、ちょっとでも興味のある方は本当に「せっかくの機会、参加しなきゃもったいないですよ!」と言わせていただきます!

ツアー初日を終えた”THE PRIMALS”の面々にインタビュー! 公演の手ごたえを聞く

『ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター』
▲祖堅正慶(Masayoshi Soken / Gt.&Vo.)
『ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター』
▲GUNN(Gt.)
『ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター』
▲イワイエイキチ(Eikichi Iwai / Ba.)
『ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター』
▲たちばな哲也(Tetsuya Tachibana / Dr.)
『ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター』
▲マイケル・クリストファー・コージ・フォックス(Michael Christopher Koji Fox / Vo.)
『ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター』
▲ユウ(Yuu / Vo.)

――ライブツアー初日お疲れ様でした! まずは皆様、初日公演を終えてのご感想をお1人ずつお願いいたします。

イワイエイキチさん(以下、敬称略):いやー、楽しかったです。まずは1回やれたんで、肩の荷が下りました。残りの公演も、もう大丈夫です。

祖堅正慶さん(以下、敬称略):明日の話、します?

イワイ:明日はね、自分のバンドで千葉なんで……がんばってやります。

祖堅:明後日は?

イワイ:明後日は(THE PRIMALS公演で)韓国……!

――すさまじいハードスケジュールですね……!

祖堅:今日はね、疲れたんですけれど……2日後は韓国なので、終わったあとすぐ反省会やりましたね。そしたら吉田直樹が入ってきて「もう反省会やってるのか!」って(笑)。

 韓国の後は名古屋、大阪とやって、次の週にロサンゼルスで『FF14』のオーケストラコンサートがあるんで、それをやりつつE3にも行きつつ、日本に戻ってきたら札幌でライブをやって、それが終わったら今度は店頭イベントの全国行脚をやって、それをやったら今度は京都F.A.T.E.があるので……今気を緩めるとダメですね。

 気合を入れ続ける感じで。ただ、今日はすごく楽しかったです。東京のお客さんに早く“THE PRIMALS”を見せたかったので……。それはすごく前から言われていたことなので、とりあえず、やれてよかったかなという感じです。

ユウさん(以下、敬称略):私は今回個人的に初めてのことがいっぱいあって、すごい心配だったんです。けど、お客さんがとても好意的で、暖かい感じだったから……すごく楽しくやれました。

 みんながとても“THE PRIMALS”を愛している感じが前面に出てたなあって。最初、ちょっと泣きそうでしたね。みんな1曲1曲に対する想いが強いから……。ああいう反応ってなかなか体験したことがなくて、思い入れがハンパないんだなっていうのがとても伝わってきました。

GUNN氏(以下、敬称略):もちろんみんな楽しくやらせてもらったんですが、始まる前まで“光の戦士たちがどういうふうに聞いてくれるのか”“どうノってくれるのか”っていうのを「こういうふうな曲でいけばこうなるんじゃ」って、みんなでたくさん考えたんです。それが伝わったというか、うまいこと行ったかなとなんとなく思いまして……。

 ちょっとホっとしたところもありますね。まあまだまだ続くので、以降もいいライブになるようにいろいろ修正もしていこうかなと思います。楽しかったです。「ヒカセンすげえな!」って思いながら……僕もヒカセンなんですけど(笑)。楽しくやらせてもらいました。ありがとうございました!

マイケル・クリストファー・コージ・フォックス氏(以下、敬称略):今日、リハをやって……そのあと岸川さん(マニピュレーター。音響操作などによってTHE PRIMALSのクオリティをステージの裏から支える重要な役どころ)に怒られたんですよ。「全然動いてないじゃない! もっと動いてくださいよ!」って(笑)。

 そんなふうにリハのときは照れちゃってあんまり動けないんですが、ヒカセンの前に立つともう「〇×△※■☆!」ってなって、顔も上がって、「うぉぉぉぉ!」ってなって体も「〇×△※■☆〇×△※■☆!!」ってなって。ゼェ、ゼェ、ヤバいまだ2曲目なのにこれヤバい……っていう感じでした。

 そういう意味でもプレイヤーからもらうパワーっはすごいなって本当に毎回思います。毎回毎回すごいんですけど、数えたらファンフェスなどもあわせてこれでライブ10回目なんですよ。「これで10回目だよ? 10回も聴いてて飽きないかな大丈夫かな」って思うんですけれど、みんな飽きずに「うぉぉぉ」ってなってくれて。

 それに反応してこちらもテンションが上がって。本当に、ファンあっての“THE PRIMALS”だなって思いますね。

たちばな哲也:ツアーの初日としては非常によかったんじゃないかなと思います。個人的にはちょこちょこありますけれど。とても盛り上がっていましたので、「来られなかった人、残念!」……と書いておいてください(笑)。

――ファンフェスとあわせると今回で10回目、というお話がさきほど出ましたが、”THE PRIMALS”として、“ライブ会場で”やった回数自体はあまり多くないかと思います。ファンフェスなどと比べて、ライブ会場ならではの“熱”というのはございましたか?

祖堅:ありましたね!

GUNN:うん、あったね。

祖堅:ファンフェスのライブは、音楽自体ににあまり興味のない方々ももちろんいらっしゃるわけです。

 ゲームですからゲーム体験が一番であって、“音楽”っていうのはそれに付随しているものなので、2番か3番か4番か5番なわけですけれども、今日はそれがなくて“音”だけっていう興行だったにもかかわらずこの熱量だったので。

 いつもとやっぱり違う空気は感じましたね。すごい熱だな、と。

GUNN:ビシビシ来てたよね。声とかも「あんなでっかい声出るんだ!」っていうくらい。正直言うとそういうのも少し心配だったんですよ。「声出しちゃいけないのかな……」っていうふうに思っている方もいるかもしれない、と。けど、一体感がすごかったですね。

――みなさんもそれに応じて爆音でしたね。

祖堅:“THE PRIMALS”ちょっとうるさいんですよね、レコーディングもうるさいしね(笑)。

――“THE PRIMALS”のCDもつい爆音で聴いちゃうんですよ。

祖堅:ありがたい! やっぱり大きい音で聴いてほしいですしね。ありがたいっすホント。

――せっかくの機会なので、今回ユウさんがゲスト参戦するにいたった経緯などをお聞きしてもよろしいですか?

祖堅:じゃあ、それはぜひGUNNさんのほうから。

GUNN:そうですね、いつも歌ってくれている方がいらっしゃったんですけれど(『FFXIV』ローカライズ部・村田あゆみさん)、今回はちょっとできないということで「どうしよう」となっていたんです。

 そこで「あの人がいいんじゃないか、この人が……」っていうのをメンバーに何人か挙げてもらって、そのなかで話し合っていたんですけれど、最後に祖堅くんと話して、「やっぱりユウさんだ」と。声の感じが合うと思うし、独特の世界観もあるので……もちろんやってみないとわからないけど、でもたぶん行けると思う! ということでお願いしたんです。

祖堅:シヴァのように、バラードとロックテイストとで2極性がある曲を両対応できる歌声の方って、そうはいらっしゃらないんですけど、ユウさんはそこにバチッとハマッってたんです。そしてイワイさんが同じバンド(チリヌルヲワカ)なんで、「あのー……」って言ったら「ん、じゃあ声かけてみる」って言ってくれて。

イワイ:はい。そこからでしたね。

GUNN:そこからは話が早かった。でも、思い起こせばだいぶ前からその話もちょっと出てたんですよね。海外公演の後とかに。「お願いしたいけど、やってくれないんじゃ……」みたいな話を。

祖堅:してたしてた(笑)。

――この流れでユウさんにもお聞きしたいんですけれど、ゲームの楽曲って今だとボーカル付きのものもそこまで珍しくはないんですが、『FFXIV』の場合はとくにボーカル付きのものが多いと思うんです。そういった曲を最初に聴いたときの印象はいかがでしたか?

ユウ:私もゲームはよくやっているんですが、ボーカル付きのものって言われてすぐには思いつかなかったから、「え、歌入りのものとかあるんだ」っていう感覚はありました。けど、単純にまず曲が全部かっこよくて……テンションが上がる曲っていうか、ゲームの世界観にマッチした曲調を絶妙に突いているような。

 普段私が作っている曲とはまた違う世界観だな、という感じました。じつは私も前々からゲームのBGをやってみたいと思っていたので……じつは夢だったんです。

――これは……!!

祖堅:おお……! やってもらおうかな(笑)! 

ユウ:あこがれだったんです。

――これは来る流れでは……!

祖堅:ちょっと……そうっすね(笑)。よっし!

ユウ:こんなきっかけができるとは思っていなかったので、けっこう私はうれしかったですね。

祖堅:俺は大量の発注を少しでもさばいてくれる人がいれば「ああ、助かるな」みたいな感じなので……!

――女性ボーカルの曲がやりやすくなるかもしれませんね! 純粋に楽しみです。ちなみにもし実際に出演されるとしたら、ユウさんどんなボスがいいですか?

ユウ:歌うなら……。

マイケル:ゾンビとか?

ユウ:おお……。でもゾンビ、いいかもしれない(笑)。そういうめっちゃ醜いやつ(笑)。

祖堅:醜いやつ!? グロ系みたいな。

ユウ:はい。そういうので、メタルっぽい感じで……やってみたいですね。

――そういえばユウさんの今日の第一声は「やっつけてやる!」でしたね。

ユウ:ええ。私たち今日はそういう、やっつける側なので(笑)。

祖堅:蛮神ですからね。まあ僕ら(ユウさんに、ラクシュミで)やられちゃいましたけど(笑)。

ユウ:あのときはホントにみんな昆布みたいで(笑)。“海底!”みたいな。

――事前にお客さんと打ち合わせがあったわけでなくあそこで一斉にあの動きになったっていうのはスゴかったですね。

ユウ:ね(笑)。そんななかで、たった1人で歌ってるっていうのも生まれて初めての体験でした。

――突然あんな感じで、笑っちゃいそうになりませんでしたか?

ユウ:そこはバンドのみんなに助けられました(笑)。1人で歌ってるだけじゃなくてみんな参加してたから、それで助けられたなと思います。

祖堅:僕らも魅了されました(笑)。

――今回はユウさんがいたからこそラクシュミと女神ソフィアの楽曲が実現したかと思いますが、あれはシークレットということで、ほかのライブ会場ではまた違う曲が入ってくるのでしょうか?

祖堅:じつはそれを今から決めようかなっていうところなんです。ラクシュミは、今日のその様子を見て「やったほうがいいかも」と思いましたね。みんなテンパードになってて。

――ライブの冒頭でもふれていましたが“2時間”という尺の長さについて、やり終えたみなさんのご感想をぜひ聞かせてください。

イワイ:まあ、体力的に不安だったんですけど。まあやれてよかったな、というか……“や、やれるんだ”という。“もう大丈夫だ”って、次の自信にもつながった感じです。

祖堅:今までずっと1時間だったので、まわりのスタッフに「大丈夫なんですか?」って聞かれてて……で、答えはいつも「たぶんダメだと思う」だったんです。

 だけどやってみたら、お客さんのパワーがすごいんですよね。毎回同じこと言っちゃって申し訳ないんですけど……ホントにお客さんからもらえるパワーがすごくて、芍薬甘草湯とか飲むよりも“クる”んですよ。なんだろうな、独特の感じですけど……それで2時間乗り切れたって感じですね。

――ファンの応援が一番の薬、ってことですね。

祖堅:そうですね、ホントそうです。

――ちなみに、筋トレの効果はありましたか?

祖堅:……大してないですね(笑)。

GUNN:2時間で、そこそこ久しぶりの“THE PRIMALS”ということで、もちろん体力的なものとか心配もあったけれど、意外とみんなちゃんといけて……それはやっぱりさすがだな、と。

 みんなここに向けて、ここに合わせてきてるんだなと感じました。偉そうにするわけじゃないですけど、いちおうみんなのことちらちらずっと見てたんですよ。やばいかな、大丈夫かな、って。

 でもみんなちゃんとやれてたので、さすがやなと。やっぱりお客さんが……光の戦士が喜んでくれるというのが一番なので、僕もそれを見て「今日を迎えられてよかったな」という気持ちでやれました。

たちばな:わりと僕の自分のバンドでは2時間半くらいやってるので……“THE PRIMALS”の場合は途中で何度か間も空くし、ちょっと楽でした(笑)。休憩がありがたい。

――ユウさんとコージさんは全曲というわけでなくピンポイントでの出演となりますが、2時間いかがでしたか?

ユウ:こういう形でやることってないので、単純に楽しませてもらいました。お客さんはとにかくどの曲にも思い入れがあって、どれも聴きたいだろうから、全然長く感じないだろうし、たぶん物足りないってくらい“もっと聴きたい”って思ってるんだろうなーと感じてました。

マイケル:いや、完全にナメてました。リハでもやったし、いけるかなー、と。けど、ステージ上でパワーをもらってはりきって歌ったりすると「うぉぉ! ……おぉぉ……ああやばいやばいやばい」って何度もなって(笑)。

 テンション上がりすぎて、はりきりすぎて、ゼェゼェゼェゼェと。「このフレーズ歌い切れるかな大丈夫かな」っていう場面がけっこうあって……。曲と曲の間に楽屋に戻ったときにタウリン3000飲んでました(笑)。

 まあでも祖堅さんも言ってましたが、みんな盛り上がってるから「とにかく歌わなきゃ。このフレーズ最後まで歌い切るぜくぅぅぅぅぅ! ふぅぅぅぅぅ! ゼヒュー……!」みたいな感じで最後までがんばりました。そしたら足つりそうに(笑)。

祖堅:しかし文字に起こしにくいことばっかり言うよねさっきから(笑)。

――それだけ想いがこもっている、ということで(笑)! ……そういえば、冒頭のアシエン衣装はかなり久しぶりでしたね。

祖堅:2014年のファンフェスティバルでの公演で作ってみたものですね。で、思いのほか暑いし重いし「やだねコレ」って敬遠してたんです。

 で、今回みんなで話してるときに「あのローブはどうするの?」っていう話題がでてきたときも、僕らは「暑いし動きにくいしいらないんじゃないの」って言ってたんですが、バンドメンバーの意見を無視してもスタッフたちが「アレは着たほうがいいんで……」って盛り上がって、勝手に決まってました(笑)!

――ホントは着たくなかったと(笑)!

祖堅:あれ暑いんですよホントに(笑)。着にくいし、前も見えないし。すごくやりにくいんで。でもあれでお客さんが……喜んだかどうかはちょっとわからないんですけど、1つの演出としてできたんだったらアリかな、という感じですかね。

――ブルートジャスティスで祖堅さんが吹いていたトランペットは、ご自分で「吹こう」と思ったんですか?

祖堅:そうなんですけど……なにぶん30年ぶりに吹くもんで、そもそも鳴るか鳴らないかっていう大問題があって。で、GUNNさんに「これはショーとして成り立ってないんじゃ」って聞いたんですよ。そしたら「そっちのほうが見た目的におもしろいからやれ!」って(笑)。

GUNN:そう、「おもしろいからやろう?」っていいました。絶対そうやってトランペット持って走り回ってるほうが楽しんでくれる人もいるから、それはやろう、って。

祖堅:で、それやろうって言ったのが3日前です(笑)。楽器はもともと家にトランペットがあったのでそれを使ったんですが、マウスピースもなかったし、楽器自体も真っ黒で大変なことになってたので、まず掃除グッズを買ってくるところからスタートでしたね(笑)。

――ライブ3日前ということは、CDアルバム”THE PRIMALS”のブルートジャスティスのトランペットは……。

祖堅:あれは僕じゃなくて、生音をエディットして入れてますね。

――でも、トランペットいい音出してましたよ。一番楽しそうに演奏してらっしゃるなという感じもしました。

祖堅:あ、そうですか? まあギターは重いけど、ラッパはこう振り回せるし(笑)。……そう言っていただけるなら、やってよかったのかな。

――今回はアルバムの曲がメインとなっていたかとは思いますが、どういった感じでセットリストを組み立てていたのかお聞きしてもよろしいでしょうか。

祖堅:ファンフェスティバルのときは“ゲームでの体験”を念頭に置いたうえで、ゲームのストーリーにそったセットリストというのを考えるんですけれど、今回はその縛りを外してみようというトライアルをやりまして。

 イフリート→リヴァイアサンといういつもの流れから、その後にいきなりナイツ・オブ・ラウンドが来たりとか。そこはもう曲調で、「こういうリストならお客さん飽きないんじゃないか」だとか「ここの4曲はくっつけて一気にやったら盛り上がるんじゃないか」とかいうのをバンドメンバーと相談しながら作っていきました。

 ファンフェスでやるイメージとは違って”THE PRIMALS”っていうバンドがライブをやるならどんな感じかなっていうのを考えながら組んだつもりです。成功したかどうかはわからないですけど、こんな感じなのかなと。

――ライブを収録したBlu-rayなどが出る予定は……?

祖堅:どうですかねー? うーん、海外の光の戦士からは「板を出してくれ」という声が大きいので……前向きに検討します、と。お約束はまだちょっとできないですけれど、盛り上がってもらえたら可能性はゼロじゃない、という感じですかね。今のところ。

――“ライズ”のベースはやっぱり一番の聞かせどころという思いがありますが、イワイさんの今日の“やってやった感”はいかがでしたか? あのタイミングで前に出て演奏されている姿はやっぱり格好いいなと。

イワイ:まあ、80点くらいかな。あのタイミングだけですけどね、前に出るの。

祖堅:お客さん、めちゃくちゃ沸いてましたねあそこ。”THE PRIMALS”はね、ベースが歌うんですよ。すごい大変なので、いつも申し訳ないなと。

イワイ:いえいえ全然(笑)。

――韓国含めてあと4公演、まとめとして祖堅さんぜひ意気込みをお願いします。

祖堅:そうですね。一番大事なのは、みんな年も年なのでやられないよう気を付けつつというところですが……。

 ただ、イベントってなるとやっぱり東京が多くなってしまうので、「どうしてバンドやオーケストラを地方でやってくれないんだ」っていうのは地方のイベントに行ったときに4~5年間ずっと言われていたことなんです。

 やっとその恩返しができることになったので、楽しんでもらえればすごくうれしいなと。最大限、みなさんからの期待の声にこたえられるようにがんばりたいなと思っています。

――ありがとうございました!

『ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター』

(C)2010 – 2018 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.

■ライブ写真
Takanori Tsukiji
Junichiro "ZUN" Ootani

データ

関連サイト