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2018年6月19日(火)

【おすすめDLゲーム】なにかと話題の大統領が大暴れする『America’s Retribution』を紹介

文:豊臣和孝

 ダウンロード用ゲームから佳作・良作を紹介する“おすすめDLゲーム”連載。今回はSteamにて配信中のアクションシューティングゲーム『America’s Retribution』を紹介する。

『America’s Retribution』

 2017年1月20日の正式就任以降、世界中に多大な影響を与え物議をかもし続ける第45代アメリカ合衆国大統領ドナルド・トランプ氏。その余波はゲームジャンルにも及び、Steam上では選挙期間中からトランプ氏をテーマにしたゲームがちょいちょい配信されてきた。ただ、その多くはゲーム内容よりも“出オチ”あるいは“(話題性があるうちに)スピード勝負”に重点を置いたものばかりで、正直「買う人がいるんだろうか」といぶかる稚拙なものばかりであった。

 そんななか、ついに……と言うべきか、王道パロディ路線のゲームが登場。タイトルは『America’s Retribution』で、悪の戦争屋により滅亡の危機に瀕したアメリカを救うべく、独裁者とその支援者を倒すためアーバンジャングルの奥深くまで、マシンガン片手にトランプ氏が単身攻め入るといったストーリー。まさに“アメリカの報復”(『America’s Retribution』)だ。

 何やら物騒な感じがするかもしれないが、8bit全盛期のアクションゲームを彷彿とさせるレトロなグラフィックにより生々しさは感じられない。火炎放射器で敵が燃えたり撃たれて血が噴出したりする演出もあるが、ドット絵なのでどちらかといえばギャグテイスト寄りだ。

『America’s Retribution』
▲世界観やストーリーは物騒だが、レトロ感あふれるグラフィックにより全体にコミカルな印象が強い。

 システムは横スクロール型の2Dアクションシューティング。操作はキーボードとコントローラに対応しており、方向キーでトランプ氏の移動(しゃがみ)、ボタンでショット、ジャンプ、ボムを使い分けられる。ゲーム中のアイテム“スマートフォン”取得後にYキー(コントローラのYボタン)を押すと“Smartphone Rage”が発動。F-117ステルス戦闘機が飛来し爆撃で画面内の敵を一掃してくれる。

『America’s Retribution』 『America’s Retribution』
▲全5ミッション構成。最初のミッションは暴動とテロで混乱するワシントンが舞台だ。

 画面中央上にあるスコアは、いわゆる得点ではなくアメリカが抱える赤字(負債)で、ゲーム中に登場するアイテム“金色の袋”を取ると赤字が減少する。“銀色の袋”を取ると逆に赤字が増えて、初期値の190兆ドルを超えるとコンティニュー不可となってしまう。

 道中で路頭に迷う市民に接触して仕事を与えると武器や弾薬をもらえたり、赤ちゃんの救助や好物のハンバーガーやピザなどの食物で体力が回復したりと、エピソードを踏まえた要素がきちんと組み込まれているのが好印象だ。

『America’s Retribution』 『America’s Retribution』
▲文字どおり、路頭に迷っている市民を雇用すると武器や弾薬が手に入る。

 見た目から察せられるとおり、本作の操作性は8bit全盛期のゲームそのもの。レベルデザインや敵の出現パターンなどは結構シビアで、トライ&エラーの学習で先に進んでいくことになる。本来味方のはずの友軍機のランダム補給アイテムにハズレの借金袋が含まれていたり、金の袋や体力回復アイテムはすぐ消えるのに、取ると体力が減るビール瓶はマップ上からずっと消えないなど、基本的に意地悪な作りは若年層よりも“ファミコン世代向き”ではないだろうか。体力ゲージがなくなるとゲームオーバーとなるが、ステージなかばまで到達していればそこからコンティニューできる。

『America’s Retribution』
▲金色の袋を取るとアメリカの赤字が減る。消える前にゲットだ!
『America’s Retribution』
▲赤ちゃんを救出したり、ダイエットコーラをはじめとする好きな食べ物アイテムを取ったりすると体力回復。ただし、酒やペプシなど好物ではないものを取ると逆に体力が減ってしまう。
『America’s Retribution』 『America’s Retribution』
▲ステージごとに特色がきちんと打ち出されているのがいい。ボスに至るステージ構成も長すぎず、爽快に遊べる。

 パロディの極めつけはボス戦で、いずれもモチーフが明らかなブラックジョーク。一部には「これは大丈夫?」と思うものもあるが、大部分は公人に対するパロディとして「欧米で許される範疇……かな?」といった印象。

『America’s Retribution』 『America’s Retribution』
▲ボス戦はまさにハイライト。ただし特別に凝っているわけではなくパロディを楽しむイメージ。

 この手のパロディ作品は勢いやノリで終わってしまいがちだが、その点で本作は一見イロモノながら「ちゃんと遊べるものを作ろう」という意志が感じられる。やや雑な作りは散見されているものの、骨子は至極マジメというか手堅い作り。往年の8bit系アクションが好きな人はチェックしてみてはいかがだろうか。

『America’s Retribution』 『America’s Retribution』
▲イロモノ感あふれる体裁ながら、根っこのゲーム部分はマジメに作られている。懐かしいアクションがお好きな方はぜひ。

データ

▼『America’s Retribution』
■メーカー:Ed Findlay
■対応機種:PC(ダウンロード専用)
■ジャンル:ACT
■配信日:2018年4月22日
■価格:620円(税込)

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