2018年7月9日(月)
発売20周年を記念してシリーズ初期の名作『バイオハザード2』の魅力を振り返る【周年連載】
あの名作の発売から、5年、10年、20年……。そんな名作への感謝を込めた電撃オンライン独自のお祝い企画として、“周年連載”を展開中です。
第79回でお祝いするのは、1998年1月29日にカプコンから発売されたPlayStation専用ソフト『バイオハザード2』です。
1998年といえばスマートフォンどころか携帯電話の普及もそこそこで、ようやく漢字を使ったショートメールサービスが開始されたという年です。インターネットも現在ほど一般的ではなく、某巨大SNSすら誕生していませんでした。
今回の記事を機に改めて『バイオハザード2』と最新作『バイオハザード7 レジデント イービル』を見比べてみると、グラフィックの進化には目をみはるばかりです。
▲高精細グラフィックを見慣れている方にとっては驚かれないかもしれませんが、音や演出でゾワゾワします。 |
今でこそ、深い没入感を求められる作品では一人称視点が一般的ですが、『バイオ1』~『3』では定点監視カメラが次々と切り替わっていくようなカメラワークが採用されていました。
操作はいわゆるラジコン操作と呼ばれるもので、方向キーの上はキャラクターが向いている正面方向に前進、下が後ずさり、右は右旋回、左は左旋回でその場振り向きはなしという仕様。これが慣れを要する操作系で、20年ぶりにプレイした筆者もしばらくは戸惑いました。
ココがラジコン操作の利点
写真のように“キャラクターを正面からとらえるカメラ”が“キャラクターを背後からとらえるカメラ”へと切り替わるような場面でも、ラジコン操作なら上を押し続けることでキャラクターが前進し続けます。
キャラクターの向きに関係なく、画面に対して上下左右が固定された操作だと、カメラが切り替わった瞬間に方向キーの前進と後退が入れ替わってしまい、右往左往することもあります。
この切り替え方式のカメラ視点がミソで、カメラがとらえきれていない曲がり角や物陰から音はすれども姿は見えずといった状況が生まれます。お化け屋敷のごとく「そこにいるんでしょ?」とビクビクしながら歩を進めると案の定、ゾンビたちが「ゥヴ゛ォヲ゛ヲァア゛ァァァ……オォヲヲオォ……」と声にならないうめきを上げて襲い掛かってくるから、たちが悪いのです(褒め言葉)。
謎解きには多少の違和感が……
大前提として、単なるアクションゲームではないため謎解き要素があるのはわかります。日常生活で使いそうなトビラに奇妙な仕掛けを設けて、有事の際に敵の侵入を防ぐという設定もまあ納得しましょう。
そんな大人の事情を飲み込んだ今なお、「からくり屋敷かよ!?」と突っ込みたくなるのは筆者だけでしょうか。ゾンビたちに追い回された挙句、死に物狂いでたどり着いた先で「ダイヤのカギが必要です」とか言われた日には笑顔で蹴破りますよね。
▲再利用とか利便性は無視した、炎で炙るギミック。絶対に渡さないという無駄に強い意志を感じます。 |
▲苦労して仕掛けを解いてみたら、石像から謎の電源プラグが!? 署内の小物を整理した担当者は後ほど屋上まで来るように! |
一本で何度もおいしい『バイオ2』
少々個人的な偏見かもしれませんが、ホラー系のアクションゲームはプレイするたびに趣が変わるものだと思っています。何が待ち受けているのか分からない初回プレイでは、お化け屋敷を楽しむノリでビクビクと。展開を把握した2週目以降は、隠し要素を出現させるべくタイムアタック状態に。
強力な隠し武器などを手に入れたら、「汚物は消毒だ~!!」とばかりに敵を蹴散らしてストレスを発散できて、もはや別のゲームのような感覚を味わえます。
2人の主人公を使ったザッピングシナリオ形式で描かれる本作では、普通にクリアするだけでも2回。それぞれに裏シナリオが用意されているため、少なくても4回は楽しめます。
さらに条件を満たすことで出現する“The 4th Survivor”や“The 豆腐 Survivor”などのチャレンジモードも含めると、たっぷり楽しめるのではないでしょうか。ちなみに、出現させるのにもっとも手間のかかる隠し要素“The 豆腐 Survivor”は、使用武器がナイフのみというドM……かなりストイックな仕様でした。
▲クリア時の評価に応じて数種類の隠し武器を入手。周回プレイの魅力の1つです。 |
シリーズでおなじみの主要キャラが初登場
せっかくなので『バイオ2』の登場キャラクターについても触れておきましょう。以降のシリーズでも主役を務めることになるレオン・S・ケネディとクレア・レッドフィールドをはじめ、エイダ・ウォンやシェリー・バーキンなど、世界観を語るうえで欠かせない重要人物が登場します。
当時は警察署内に残されたファイルや写真から、いずれ続編でS.T.A.R.S.のメンバーと再会できる日が来るんだろうなと期待していたものの、よもやここまで息の長いシリーズになるとは予想外でした。
レオン・S・ケネディ
本作ではどこか頼りなさげな新米警官という印象だったのですが、これまた数年後には大統領直属のエージェントとして活躍する成長ぶりを見せてくれます。
ゲーム本編ではありませんが、2017年5月に公開されたCG長編映画『バイオハザード:ヴェンデッタ』の劇中でかなり人間離れした身のこなしを披露しているので必見です!
クレア・レッドフィールド
行方不明の兄を探す普通の大学生だったのに、アンブレラに関わったおかげで投獄されるわ、ついには南極に飛ばされるわと数奇な運命をたどっています。
しかもバイオテロの被害者を救済するNGO“テラセイブ”の職員になって以降、再び無実の罪で投獄されるなどよほど監獄と縁があるのでしょうか。
エイダ・ウォン
本作の裏シナリオや『バイオ3』の隠し要素を見て「われ、生きとったんか!?」と叫んだ人も多いのでは? 特に表シナリオのレオン編ではなかなかの高所から落下していて、これで生きていたらそれこそゾンビ級の生命力というもの……まあ生きていたわけですが。
産業スパイということで直接素性が描かれることも少なく、時には主人公と敵対し、時には力を貸すなど、女スパイ風の風貌も相まって峰不●子感がとめどなく溢れてきます。
シェリー・バーキン
本作で猛威を振るったGウイルスの生みの親であるウィリアム・バーキン博士の一人娘。本編では一時的に操作キャラとなるものの、さすがに本編のみのスポット参戦かと思いきや、レオンがエージェントに転向するきっかけとなったり『6』ではウェスカーの息子と出会ったりと、シリーズのキーパーソンとなっていきます。
今プレイしても時間を忘れるほどのめり込めて、魅力的なタイトルは色褪せないことを如実に物語ってくれる名作のひとつ。未プレイの方はぜひ……というところで、先日の“Electronic Entertainment Expo 2018(E3 2018)”でリメイク版『バイオハザード RE:2』が発表されました。発売日は2019年1月25日ということで、オリジナル版を遊びながら待ちたいと思います。
“周年連載”バックナンバー
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データ
- ▼『バイオハザード2』
- ■メーカー:カプコン
- ■対応機種:PS
- ■ジャンル:アクションADV
- ■発売日:1998年1月29日
- ■希望小売価格:7,140円(税込)
- ▼『バイオハザード2』(ゲームアーカイブス)
- ■メーカー:カプコン
- ■対応機種:PS3/PS Vita/PSP(ダウンロード専用)
- ■ジャンル:アクションADV
- ■配信日:2007年12月26日
- ■価格:617円(税込)