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2018年7月26日(木)

『魔界戦記ディスガイア Refine』ついに発売。キャラやシステムの魅力に迫るプレイレビュー

文:電撃PlayStation

 日本一ソフトウェアの代表タイトルにして、やり込み系シミュレーションRPGの元祖ともいえる『魔界戦記ディスガイア』シリーズ。その原点である第1弾をベースに、グラフィックの強化などを施した『魔界戦記ディスガイア Refine』が、PS4でついに発売されました。『ディスガイア』シリーズ生誕15周年を祝うにふさわしい、この注目タイトルのプレイレビューをお届けします。

『魔界戦記ディスガイア Refine』
『魔界戦記ディスガイア Refine』

 レビューに入る前に、『ディスガイア』シリーズについてざっと解説しておきます。本シリーズは、凶悪な力を秘めた悪魔たちが住む"魔界"を舞台に展開されるシミュレーションRPGシリーズ。2003年1月にPS2で記念すべき第1弾が発売されて以来、多くのユーザーから支持され、ナンバリングタイトルや携帯ハードへの移植タイトルなどが多数作られてきました。

 シリーズの特徴としては、魔界の住人たちが織り成す破天荒なストーリー、パラメータを極限まで鍛えられる育成システム、“投げ&持ち上げ”コマンドをはじめとする多彩な戦術を駆使したバトルなどが挙げられます。

 第1弾は、傍若無人な“オレ様”主人公のラハール、ラハールの家来でありながら自由奔放で好き勝手に振る舞うエトナ、純真な天使見習いなのにかなりボケたところのあるフロンの3人がメインキャラクター。彼らの人気は非常に高く、『ディスガイア』シリーズどころか、ほかの日本一ソフトウェアタイトルにもゲスト出演するほどの活躍っぷりです。

 そんな彼らのキャラクター性に加えて、“万”どころか“億”越えのダメージをたたき出すバトルなどにド肝を抜かれたユーザーも多かったことでしょう。もちろん自分もそのうちの1人で、シリーズタイトルをすべてプレイするほどの『ディスガイア』ファンになりました。

『魔界戦記ディスガイア Refine』
▲ラハールたちの悪魔的(?)なかけ合いや、エトナによる次回予告はユーザーにも大好評。バトルの派手さと相まって、シリーズ人気の基礎を築きました。

 そんな『ディスガイア』シリーズの第1弾が、最新ハードでどのように生まれ変わったのか? こういった部分にも注目しつつ、レビューをしていきたいと思います。

進化したグラフィックと斬新なシステムが魔界の戦いを彩る!

 本タイトルをプレイしてまず目を引くのが、グラフィックの綺麗さ。以前のドット絵で描かれたグラフィックも味わいがあっていいのですが、高解像度で表現されたキャラクターモデルや背景の出来栄えもじつに見事なものです。とくにキャラクターモデルは、バトル時の攻撃モーションや、ダメージを受けたときも細部まで描かれていて、非常に"イイ感じ"に。ほかにも、フェイスウインドウやパラメータ表示などが一新され、より見やすくなったのはうれしいところです。

『魔界戦記ディスガイア Refine』
▲特殊技や魔法ではド迫力の演出が見られますが、こちらのグラフィックも大幅強化。演出スキップもできるのですが、思わずスキップせず繰り返し見てしまいます。

 次にシステム面について。こちらはオリジナル版から変わっていないのですが、改めてプレイしてみても、その斬新さに驚かされます。たとえば新しい味方を作成する“キャラクターメイク”ですが、選べる職業(種族)は豊富だし、それぞれの戦闘能力も千差万別。

 しかも、レベルをリセットして鍛えなおす“転生”を使えば、長所の強化から弱点の克服まで思いのままです。“キャラクターを鍛え直す”という概念自体はそれまでのゲームでもあったと思いますが、複雑な制約もなく、ここまで自由に行えるのは自分にとって『ディスガイア』が初でした。本タイトルでも相変わらずの自由度の高さで、キャラクター育成にも熱が入るってものです!

『魔界戦記ディスガイア Refine』
▲”転生”を含め、さまざまな願い事を”議題”という形でかなえていく”暗黒議会”の存在も印象的。最終的にはすべての議員を倒す”力づくで可決”ばかり行ってしまうのも、まさしく『ディスガイア』ならでは、といったところです。

 システムの斬新さはバトルでも同じです。“持ち上げ&投げ”コマンドで味方を素早く前線に送ったり、敵を味方キャラクターの出撃ポイントである“ベースパネル”付近に投げ、味方全員でフルボッコにしたりと、シミュレーションRPGにあるまじきハチャメチャぶり(笑)。

 攻撃などの行動を行う前なら、何度でも移動先を変えられる“移動キャンセル”なんてものも使えます。これを利用すれば、攻撃する味方のそばに移動させて連携攻撃に参加させたあと、もとの位置に戻って別の敵に向かわせるなど、既存のタイトルではありえなかった戦術も採ることが可能です。

『魔界戦記ディスガイア Refine』
▲フィールド上の地形効果=“ジオエフェクト”は見た目にも斬新でした。パネル上に乗っている”ジオシンボル”によって効果が変わり、シンボルを破壊したり、持ち上げて移動させたりすることで、効果の除去や移し替えも可能。これによって敵味方の有利不利も思いのままです。

 バトルシステムはこのあと、シリーズを重ねるごとにどんどん進化していくわけですが、その基礎は第1弾ですでに固まっていたのだと、本タイトルをプレイして改めて実感しました。むしろ、システムが充実しすぎていないこれくらいのバランスが、個人的には好み。久しぶりの『ディスガイア』ということも手伝って、夜通しプレイしちゃいましたよ!

やり込みにつぐやり込みプレイで果てなき最強の座を目指せ!

 さて、『ディスガイア』を語るうえではずせないのが、育成を含めたやり込みプレイ。好みのキャラクターを極限まで鍛えたり、最強の武器を作成したりと、さまざまなやり込みが本タイトルでも可能です。

 キャラクター育成については、本編を進めていくなかで経験値を稼ぎやすいステージがありますし、最終的には"練武の洞窟"という最高の経験値稼ぎの場にも行けるようになります。“練武の洞窟”で勝利するにはある程度の強さが必要ですが、その強ささえあれば、最高に効率のいいレベルアップが可能です。

 “暗黒議会”で敵全体の強さを上げる議題を可決したりすれば、一度の戦闘でキャラクターのレベルを数百、数千も上げることまでできます。そのうえで"転生"を重ねれば、パラメータもウナギのぼり。キャラクターをガンガン強くしていけるこの快感は、一度知ったらやめられません!

『魔界戦記ディスガイア Refine』
▲”練武の洞窟3”には、”経験値アップ”のジオエフェクト効果がある3×3の9マス上に敵が配置され、特定の特殊技や魔法で一網打尽にできます。最高の育成環境に心が震える!

 アイテムの強化も、アイテムごとのランダムダンジョンに挑んでレベルを上げる“アイテム界”があります。ダンジョンの階層クリアや、10階ごとに出現するボスの撃破、ダンジョン内に住む住人=“イノセント”を倒して服従させるなど、さまざまな方法でアイテムの強化が可能です。

 ダンジョン内は構造が毎回変わるため、慣れないうちは戸惑うこともありますが、クリアのコツさえつかんでしまえばアイテム強化が思いのままです。基本的にランクやレアリティの高い装備を鍛えるのが正解ですが、武器のグラフィックが凝っていることもあって、見た目で鍛える装備を選んでも楽しめると思います。

『魔界戦記ディスガイア Refine』
▲服従させたイノセントは、ほかのアイテムに移住させることも可能です。主力キャラの装備に有用なイノセントを集めることで、より強力なアイテムにしていきましょう。

 正直、“練武の洞窟”をクリアできるようなキャラクターは、ラスボスすら一撃で倒せる強さです。しかし、そんな強さに至っても、まだ上があるのが『ディスガイア』シリーズ。“暗黒議会”の議題を可決すれば“超魔王バール”など、ラスボスすら話にならないほどの凶悪な敵と戦うこともできます。

 こういった敵を倒すことこそ、『ディスガイア』の醍醐味。強敵なぶん、撃破できたときの感動もひとしおなので、自軍をしっかり鍛えて挑んでみてください。ちなみにやり手のプレイヤーなら、こういった強敵の装備品を盗み、それを強化することでより強力なキャラクターを作り上げる……というのも、よくやること。ともかく、最強への道に果てはないのです。

『魔界戦記ディスガイア Refine』
▲規格外の強さを持つ“超魔王バール”や、同じく日本一ソフトウェアから発売された『ラ・ピュセル』からのゲスト“魔王プリエ”などの強敵とは、“EXダンジョン”で戦えます。

すべてが衝撃! "エトナ編"に『ディスガイア』の真髄を見た!?

 本タイトルは、厳密にいうと『魔界戦記ディスガイア』のPS2版ではなく、PC版をベースにリファインされたタイトルです。そのため、PSP版で追加された要素もすべて網羅されています。追加要素はいろいろありますが、一番大きいのがエトナを主人公とした"エトナ編"がプレイ可能なこと。エトナは個人的にもすごく好きなキャラクターで、彼女の物語を据え置きの大画面で見られるだけでも、本タイトルをプレイする価値はあると思います。

『魔界戦記ディスガイア Refine』

 “エトナ編”は本編と同じプロローグからスタート。ですが、本編なら眠り続けるラハールをエトナがたたき起こすところで、誤ってラハールを倒してしまうことに……(汗)。そんな逆境にもめげず、エトナは魔王の息子であるラハールの地位や財産、さらには魔王の座まで奪ってしまおうと画策。魔界各地で大騒動を起こしていくことになります。

『魔界戦記ディスガイア Refine』
▲用意したさまざまな手段でラハールをたたき起こすはずが、勢い余ってトドメを刺してしまう事態に!?

 ラハールがいないことも手伝って、エトナの傍若無人ぶりは本編以上! 歯向かう者には容赦せず、部下のプリニー隊には無理難題を押し付け、章の合間の次回予告は自分への質問コーナーに差し替えるなど、ひたすら自分の野望に邁進していきます。……あれ、普段とあまり変わらないような……? ま、まあともかく好き放題のやりたい放題なのです。

 そんな物語のなか、謎の美少女仮面こと“ジャスティス・フロン”との対決や、エトナの過去に迫るエピソードなどもあり、全4章とは思えないほどの充実の内容に仕上がっています。久しぶりのプレイでいろいろ思い出しながら遊びましたが、ときにコミカル、ときにじんわりと来る感じが、じつにいい。エンディングで流れる"悪夢のヒロイン"も名曲なので、ぜひ聞いてほしいところです。極論、これをやらずに『ディスガイア』ファンは名乗れないですね!

『魔界戦記ディスガイア Refine』
『魔界戦記ディスガイア Refine』
▲デモシーンでは、じつにエトナらしい会話の応酬に。質問コーナーや“ジャスティス・フロン”との対決シーンなども必見です!

 そんな見どころ満載の“エトナ編”。プレイするには、本編で魔王城にあるエトナの隠し部屋の日記を全部読んだ状態で、エンディングを迎える必要があります。セーブデータ引き継ぎの際に本編とどちらを遊ぶのか選べるようになるので、ぜひチャレンジしてみてください。各ステージも完全新規になっており、やりごたえは十分ですよ!

 以上、『魔界戦記ディスガイア Refine』のプレイインプレッションをお届けしました。普通に本編をプレイするだけで盛り沢山の内容なのに、最強を目指してのやり込みも楽しめるし、"エトナ編"などもプレイできます。PS4になってグラフィックもキレイになったことですし、とくにこれまで『ディスガイア』に触れてこなかった方に、ぜひ遊んでほしい1本です。ラハールたちのハチャメチャストーリーや、極限のキャラクター育成を、本タイトルで存分にお楽しみください!!

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