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2018年8月21日(火)

『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』試遊版をプレイ。新作和風アクションで戦国に忍ぶ【電撃PS】

文:電撃PlayStation

 ドイツのケルンで開催中の“gamescom 2018”に、フロム・ソフトウェアとACTIVISIONが共同開発する和風忍者アクション『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』がプレイアブル出展されました。ついに発売日が3月22日に決定し、注目度もさらに増した本作のプレイインプレッションをお届けします。

『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』
『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』
▲E3でも展示されていた破戒僧が来場者を出迎えます。
『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』
▲開場間もなくして行列が。さすがの注目度! 今回は48台も出展されているそうです。

皆が望む難易度にこれまでにない爽快感。これぞフロム・ソフトウェアの忍者アクション!

 フロム・ソフトウェアのアクションタイトルと聞くと、『DARK SOULS』シリーズや『Bloodborne』といった硬派かつやや重めのアクションを連想される方が多いかと思います。

 デモ版をプレイして間もなく感じたのは、『SEKIRO』はこれらのタイトルとは全く異なる作品だということ。主人公が忍者ということもあり動きはかなり俊敏。それはゲームのスピードにも直結し、『Bloodborne』よりもテンポよく感じられました。

 アクションについても、ジャストガードの導入に加え、ジャンプとステップ&ダッシュのボタンが独立したことで、戦闘時の操作のバリエーションが増加。それによって回避に下段の概念が生まれているなど、よりアクションゲームらしさがアップしています。スタミナの概念がないので、攻撃やダッシュ、ステップなどが使い放題なのも特徴といえるでしょう。

 戦闘は、右手に持つ刀を使用した剣戟が主ですが、刀単体ではそこまでの大ダメージは期待できません。そこで体力を削るのではなく、“体幹”というゲージを増やすことで体勢を崩し、一撃必殺の“忍殺”を繰り出すというのが、忍者流のスマートな戦い方。ほかにもしゃがんで草むらに隠れて敵を待ち伏せしたり、高所から急襲したりと、忍者らしいステルス要素を活かした忍殺の方法も確認することができました。

 忍殺は表示されている敵のHPゲージを0にできる技なのですが、複数のHPゲージを持っている敵もいるので、そういった敵には複数回忍殺を決めていくことになります。体幹のゲージはそこまで一気にたまらないので強敵との戦いは自ずと長期戦に。ジリジリとした削り合いは緊張感がありました。

『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』

 体幹のゲージは、攻撃やジャストガードをすることで徐々に増えていき、最大までたまると敵に赤い点が光り、忍殺が使用可能になります。もちろん自分にも体幹ゲージが設けられており、ガードを続けて攻撃をいなし続けていると体幹が増加し続け、やがて体勢を崩されてしまいます。自分と敵の体幹を管理しないといけないということが、戦闘に新たな読み合いを生み出していますね。

 基本的に敵の攻撃はガードができますが、“危”と表示されるガードが困難な攻撃も確認できました。これらには攻撃に応じた回避方法も用意されていて、例えば突き攻撃に対して前にステップ回避すると刀を踏みつけたり、下段のなぎ払いはジャンプすることで避けられたりなど、まるで敵の攻撃を見切るようなアクションが行えるのも、やり込みの見せ所になっていきそうです。

『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』

 戦闘にバリエーションを加える“義手忍具”は、遠距離攻撃が可能な手裏剣、強力な一撃を繰り出す斧、炎攻撃や刀へのエンチャントが可能な火炎放射と、特徴や効果、用途も異なる3種類が使用可能でした。義手忍具は地上と空中で使用時の動きが変わるほか、義手忍具から剣戟につなぐといったコンボアクションもあり、攻め方の種類と楽しみはかなりのもの。

 巨大な木盾を持った敵が居たら斧で盾を割ったり、炎に弱い敵は火炎放射で炎上させてから斬り刻むなど、義手忍具だけでダメージを出すのではなく、攻めのきっかけや弱点を突くための一手として活用できるのも義手忍具が持つ魅力でしょう。

 ちなみに、義手忍具を使うには敵を倒した際などに得られる“白形代”というアイテムが必要。道中はともかく、強敵と戦う際、むやみに乱発すると白形代がなくなって一気に攻め手が……という事態に陥ることもあったため、見極めて繰り出していくことが重要そうです。

 鉤縄による移動アクションは何かを消費したりすることもなく、自由なタイミングで使用が可能。引っ掛けられる場所はある程度決まってはいるものの、屋根や木など多くのポイントが用意されているので、比較的自由に飛び回れます。慣れてくると、次々と鉤縄を引っ掛けて、地面に足を着くことなく一気に移動することもできました。

『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』

 この立体的なアクションの導入により、攻略の幅はかなり増えたように思えます。他の人のプレイを見ていたら全く異なるルートから進んでいる人がいて、こんな道もあったのかと気付かされることもありましたし、大勢の敵に囲まれた際も、とりあえず上に逃げて戦略を練ったり、行く手を阻む強敵をスルー出来たりと、プレイの自由度は高いです。

 探索しがいのあるフィールドも本作の注目ポイントであり、遊びの幅を広げてくれる要素の1つ。一見すると行けないと思えるような遠い場所や崖下の洞窟などにも鉤縄や崖を伝って行くことができ、さまざまな場所をまわってみたいと思わせてくれました。デモ版の範囲でも進行とは関係ない寄り道的なルートも多く、そこには特別なアイテムがあったり、めちゃくちゃ強い敵がいたりと、ただ広いだけではなく、意味を持って用意されている場所ばかりだったのも印象的でした。

 と、ここまでしっかりプレイできた感を演出してきましたが、プレイは死に次ぐ死! 一撃が結構痛く、雑魚とはいえ1対多になるとすぐにやられることは必至。強敵相手だとなおさらです。今回のプレイで何度死んだことか……。

『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』

 ただ本作には“回生”と呼ばれる復活できるシステムがあります。回生はストック制となっていて、敵を倒していくとストックが回復していきます。主人公が死亡すると敵は立ち去っていくので、そのスキに回生を発動し、背後から忍殺を決めるなど、延命に限らず、攻略の方法としても有効。死亡した際に絶対に回生しないといけないわけではないので、ストックを節約するために死を選ぶこともできました。

 今回のデモ版では、名前が表示されるの中ボス~ボスクラスの敵が4体確認できたのですが、誰もがとにかく強い! プレイすると多くの人が最初に相対することになるであろう侍大将という敵は、非常にタフかつ刀での攻撃が強力で、「これで最初の敵かよ!」と突っ込みたくなるぐらいに強いです。それはもう別ルートから進んで、避けたくなるほどに……。

 ほかにも、デビュートレーラーで主人公を投げ飛ばしていた赤鬼はドロップキックをかましてきたり、道中を寄り道気味で探索していたときに遭遇した首なしは、そのまま戦うとダメージが通らない上、Bloodborneにあった“発狂”のような状態異常が発動……。デモ版のトリを飾るボス・破戒僧は、薙刀の一振りが大ダメージなのはもちろん、ボスの体力が一定を下回ると強力な分身攻撃を使うようになるなど、初見でクリアさせる気はゼロ。プレイヤーの心を折る気しか伝わってきません(笑)。

『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』

 ただ、この手ごわさこそ、求めているものだといえる部分もあるはず。サクサクと進むようなアクションは、身体が求めてないですよね!? 相手の攻撃を覚えて、対処法を見いだして……と、トライ&エラーを繰り返して難所、難敵を攻略していくというだいご味は、きちんと本作にも受け継がれているといえるでしょう。

 また、演出面もかなり特徴的で、倒されたときに画面に大きく表示される“死”という一文字は、シンプルながらもインパクトは絶大。今回は行く手を阻む障害物のようなポジションで巨大な白蛇が登場したのですが、近くに寄ってきたときの威圧感が本当にスゴイ! 蛇ににらまれたカエルとはこのことか、と思わせてくれる迫力がありました。

 『ソウル』シリーズを感じさせる部分はありつつも、世界観やシステム、アクションと本作独自のものが多く、新たなゲーム体験ができる作品に仕上がっている本作。心を折られることが好きなゲームファンはきっと満足できるものになっているはずなので、触れられる機会を心待ちにしておきましょう。

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