2018年9月8日(土)

ハイレゾで聴きたい“アニソン歌手”の名曲10選【おすすめ曲カタログ】

文:電撃オンライン

 アニソンやゲーム曲を中心に、ライター&編集者が思い出の曲を語る“おすすめ曲カタログ”。ハイレゾ音源配信サイト“e-onkyo music”協力のもと、高音質で聴ける名曲・名盤の数々を紹介します。

“おすすめ曲カタログ”

 9月は“アニソン歌手”を特集。数々のアニメ主題歌や挿入歌を手掛けるアーティストの中から各スタッフが1組を選び、イチオシの曲をピックアップしていきます。

※購入したハイレゾ音源を再生する際は、ハイレゾ対応機器が必要となります。ハイレゾ音源の再生環境についてはこちら。

『to the beginning』/ Kalafina

“おすすめ曲カタログ”
アーティストKalafina
作詞梶浦由記
作曲梶浦由記
編曲梶浦由記
関連作品『Fate/Zero』

神々しいコーラスが聖杯戦争を彩る

【文:宮居春馬】

 最近は、『Fate/Grand Order』にどっぷりハマり、これを執筆している現在もイベント周回に奔走中の私ですが、そもそも『Fate』シリーズを真剣に追いかけるようになったのは、アニメ『Fate/Zero』と出会ってからでした。

 『Fate/Zero』の制作は、劇場版『空の境界』の製作を手掛けた流れで、ユーフォーテーブルが担当しています。毎週テレビで放送される作品でありながら、毎回劇場版のようなクオリティに感動したことは、今でも鮮明に覚えています! 

 2ndシーズンからオープニングに起用された『to the beginning』は、高音低音のコーラスが響き渡る、実にKalafinaらしい楽曲です。神秘的な雰囲気にあふれ、もはや神々しいと言ってもおかしくないレベル。

 ハイレゾ音源では、メインパートのHikaruさんや、高音パートのWakanaさんの声がより透き通って聴こえ、低音パートのKeikoさんの声も力強くはっきりと聴こえるようになります。

 Kalafinaさんの楽曲は、パートの違いが単なる音だけでなく、歌詞も微妙に違っていたりと、独特な構成になっています。それぞれの声が鮮明になるハイレゾで聴く際には、各パートの違いに注意してみると新たな発見があるかもしれませんよ。

『だってアタシのヒーロー。』 / LiSA

“おすすめ曲カタログ”
アーティストLiSA
作詞LiSA、古屋 真
作曲渡辺 翔
編曲江口 亮
関連作品『僕のヒーローアカデミア』

「諦めないで頑張ろう」と思える1曲

【文:亀井ライダー】

 LiSAさんは、2010年に放送されたTVアニメ『Angel Beats!』の劇中バンド“Girls Dead Monster(通称:ガルデモ)”の2代目ボーカル・ユイ役の歌い手に抜擢され、ガルデモ名義でのシングル・アルバム累計40万枚以上をセールスしたことから人気を集めます。

 翌年、2011年春にミニアルバム『Letters to U』にてソロデビュー。その後、TVアニメ『Fate/Zero』や『ソードアート・オンライン』、『魔法科高校の劣等生』など数々の人気作品の主題歌を担当しています。

 今回紹介する『だってアタシのヒーロー。』は、TVアニメ『僕のヒーローアカデミア』第2期のエンディングテーマです。世界人口の約8割が超常能力“個性”を持つ超人社会において、“無個性”の主人公・緑谷出久(声優:山下大輝)が、ひょんなことから憧れていたヒーローの“個性”を受け継ぎ、ヒーローを目指して成長していく物語です。

 LiSAさんの圧倒的な歌唱力で奏でられる『だってアタシのヒーロー。』は、とてもポジティブな応援歌となっていて、“無個性”ということで馬鹿にされながらも努力し続け、夢を諦めない主人公にぴったり。

 頑張っている人を応援したくなる曲でもありますが、何かうまくいかなくて落ち込んでいる時も、この曲を聴けば元気になれるはずです。

『禁断のレジスタンス』 / 水樹奈々

“おすすめ曲カタログ”
アーティスト水樹奈々
作詞水樹奈々
作曲加藤裕介
編曲加藤裕介
関連作品『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』

紅白歌合戦でも披露された禁断の神曲!

【文:AO】

 アニソン歌手の定義は人それぞれだとは思いますが、自分の中では水樹奈々さんしか考えられません! あの国民的歌番組“紅白歌合戦”に何度も出場している時点で、伝説的なアーティストですよね。名曲が多すぎてどれを選べばいいか迷いに迷ったのですが、ここは自分の感性にしたがって『禁断のレジスタンス』を挙げさせていただきます!

 この曲はTVアニメ『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞(ロンド)』のオープニングテーマであり、2014年の紅白歌合戦で水樹奈々さんが熱唱した曲でもあります。毎日公式サイトをチェックするほど『クロスアンジュ』に期待していたこともあり、この曲を初めて聴いた時はマジで感動しました!

 水樹奈々さん自らキャラクターボイスを担当する、主人公・アンジュの心情を描写した歌詞と、激熱で疾走感あふれるメロディ……。こんなもん聴いたら、原始人でも心が震えますわ。紅白で披露された時「high!」の部分で叫んだ人は自分だけじゃないはず。あそこのフレーズは、本当に鳥肌立つからね! 

 本当に神曲なので、まだ聴いていない人たちはぜひ試聴すべし。そして、可能ならば『クロスアンジュ』のアニメも見てほしいです。アンジュの気高い生き様に感動するはず。あああああ、俺もエンブリヲになってアンジュに罵倒されたい!!!!

『コネクト』 / ClariS

“おすすめ曲カタログ”
アーティストClariS
作詞渡辺翔
作曲渡辺翔
編曲湯浅篤
関連作品『魔法少女まどか☆マギカ』

繰り返す。この曲のリピートを何度でも繰り返す

【文:にじ】

 本楽曲はTVアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』のオープニングテーマ。アニメは今でもなお人気の作品です。

 かわいらしいキャラクターデザイン、見たことがないような映像表現、豪華な声優陣、幻想的なBGMとどこを見てもクオリティが高く、当時リアルタイムでアニメを見ていた私は毎週の放送を心待ちにしていました。

 その毎週の初めに聞くことができる『コネクト』は、キャッチーなテンポにClariSの透き通る歌声、口ずさみたくなるようなメロディで何度もリピートしたことを覚えています。ただ、歌詞についてはあまり注目していなかったんですよね。はじめは……。

 アニメの話が進むにつれて、歌詞の意味を知ることができる回があるのですが、その意味を理解した時は本当に鳥肌が立ちました。まさか、ここにも伏線を張っていたのか! と。

 全12話で綺麗にアニメを完結させ、なおかつオープニングにまで意味を持たせるという、練りに練りこまれた作品はそうそうないと思いますので、ぜひ楽曲とアニメをともに楽しんでみてください!

『BLAZING』 / GARNiDELiA

“おすすめ曲カタログ”
アーティストGARNiDELiA
作詞メイリア
作曲toku
編曲toku
関連作品『ガンダム Gのレコンギスタ』

腹の底から衝動を与えてくれる力強い一曲

【文:kbj】

 『Gのレコンギスタ』を思わせる歌詞が1番だけでなく、全体に散りばめられていて、作品を最後まで見た後に聴き直すと、より一層好きになる曲です。特にラストのサビの前の「何が正解で間違いか、そんなこと誰にもわからないけど、自分の胸に生まれたこの想いは嘘じゃない」という歌詞にグッときますね。

 静かなイントロから始まるも、激しいドラムで心を激しくノックしてくるためか、目覚めの曲や気合いを入れる曲にピッタリ。どこか急かされるような躍動感あるメロディラインを耳にすると、無性に走り出したくなります。

 何度聴いても飽きないのは、ストリングスやピアノ、ベースのリズミカルな演奏に加えて、メイリアさんの力強い歌声があってこそ。ボーカルの入る場所に特徴があり、カラオケで初めて歌おうとした時には、入るところが難しくうまく歌えませんでした。

 前回のテーマであった“テンションの上がる曲”にも向いているかと。まだ暑い日が続いていますが、腹の底から生まれたチカラを使って、今日も乗り切りたいと思います。

『赤と黒[original ver.]』 / ALI PROJECT

“おすすめ曲カタログ”
演奏ALI PROJECT
作詞宝野 アリカ
作曲片倉 三起也
関連作品『NOIR(ノワール)』

かつてのALI PROJECTの楽曲からの変貌に衝撃を受けた思い出の1曲

【文:ユート】

 『赤と黒』は、2001年に放送されたアニメ『NOIR』で使われた楽曲の1つ。同アニメ作品の主題歌『コッペリアの柩』とあわせ、“黒アリ”路線になったALI PROJECTの最初の曲といえる楽曲です。

 自分は当時『NOIR』自体は観ていなくて、アニラジで初めてこの曲を聴いたんですよ。ALI PROJECTといえば、自分のなかでは『LABYRINTH』で聴かせてくれたさわやかな曲調の印象が強く、『赤と黒』を聴いたときは「同じグループ名なだけで歌手は別よな!?」と思ったくらい、衝撃を受けた記憶があります。

 でも曲自体はすごくかっこよくて、その影響で観だした『NOIR』により、『コッペリアの柩』にもドはまり。今でもたまにカラオケで歌ったりするんですけど、まくしたてるようなサビでいつも息切れになってます(笑)。

 ちなみに、本楽曲が収録された『COLLECTION SIMPLE PLUS』には前述の『コッペリアの柩』の“Noir Ver.”をはじめ、『月蝕グランギニョル』や『亡國覚醒カタルシス』の“orchestral crowd ver.”など、アニメファンにはおなじみの曲も収録。

 今のALI PROJECTからは想像できないような曲調の『Wish』も収録されているので、こちらもぜひ聴いてみてくださいませ。たぶん、自分が初めて『赤と黒』を聴いた時の衝撃を理解してもらえるはずなので(笑)。

『LOVE MEN HOLIC』 / 西沢 幸奏

“おすすめ曲カタログ”
アーティスト西沢 幸奏
作詞西沢 幸奏
作曲WEST GROUND
編曲WEST GROUND
関連作品『ラーメン大好き小泉さん』

音、歌詞が二重に美味しい一曲

【文:ゲゲン】

 今回おすすめするのは、2015年にTVアニメ『艦隊これくしょん -艦これ-』のED曲『吹雪』でデビューし、アニソン新世代の訪れを感じさせた衝撃も記憶に新しい、西沢幸奏さんの5th シングル『LOVE MEN HOLIC』です。

 こちらはTVアニメ『ラーメン大好き小泉さん』のED曲で、ハイスペックな女子高生・小泉さんが、さまざまなラーメンをひたすら食べる青春物語に寄りそう楽曲としてバッチリなのはもちろん、楽曲単体で見た時のおもしろさも見逃せません。

 小泉さんは、“ラーメン中毒”と言えるぐらいにラーメンが大好きなのですが、ここで思い出して欲しいのが曲のタイトルです。『LOVE MEN HOLIC』は日本語に訳すと“恋愛中毒”あたりになりそうですが、英語風に音をつなげると「ラーメンホリック」に近く、「ラーメン中毒」とも読み取れます。

 気づいた瞬間、「おもしろい!」と感動したものですが、歌詞もまたおもしろい! 恋愛の駆け引きを歌っているようで、単語はラーメンに関するものがたくさん。恋愛している人への想いなのか、ラーメンへの想いなのか、どちらにも取れるエッセンスがふんだんに盛り込まれています。

 また、心地よく軽快な音に加え、ボーカルもラーメンに親和性の高いワードで韻を踏んだラップと、伸びやかでパワフルなポップスから成り立っており、さまざまな顔を見せてくれます。

 楽曲単体の完成度と、アニソンとして作品への親和性も両立させている、アニメファンならニッコリしてしまう曲です。アニメとあわせて聴けば、きっとあなたもラーメンが食べたくなるはず!

『ラピスラズリ』 / 藍井エイル

“おすすめ曲カタログ”
アーティスト藍井エイル
作詞Eir、加藤裕介
作曲加藤裕介
編曲加藤裕介
関連作品『アルスラーン戦記』

作品の世界観に寄り添う『アルスラーン戦記』EDテーマ

【文:カズ】

 アニソン歌手と聞いて一番に思い浮かぶのが藍井エイルさんです。少し前まで活動を休止されていましたが、8月16日の復帰公演では弾き語りを披露するなど更なる進化を遂げられ、今後の活動に期待が募ります。

 今回おすすめする『ラピスラズリ』は、どこか物悲しい曲調なのに、心を奮い立たせてくれる稀有な曲。メラメラと燃えるのではなく、静かに燃える感じが最高にカッコイイんですよね……。カラオケランキングで上位に入り続けるのも納得です。

 また、この曲を語るうえではアニメ『アルスラーン戦記』に寄り添った“歌詞”が欠かせません。主人公・アルスラーン殿下が国を取り戻すため苦難の旅に出るという作品なのですが、荒野を駆けるアルスラーンの姿、彼が抱える葛藤、責任、夢などを連想させるフレーズが全面に推し出され、さまざまな感動シーンが思い起こされます。

 中でも秀逸だと思うのが2番のBメロです。地位や名誉を求める人たちの裏切りと決別――そうした悲しみを何度も乗り越え、笑顔で前に進む。そんな『アルスラーン戦記』の人間ドラマを見事に表現した一節ではないでしょうか。このパートの物悲しさは、ハイレゾ音源でより鮮明に聴いてほしいと切に思います。

『蒼穹』 / angela

“おすすめ曲カタログ”
アーティストangela
作詞atsuko
作曲KATSU
関連作品『蒼穹のファフナー HEAVEN AND EARTH』

angela節炸裂! 本編とリンクした歌詞に聴いているうちに自然と涙が……

【文:げっしー】

 2003年にデビューしたangelaは、atsukoさんとKATSUさんによる2人組のユニット。『蒼穹のファフナー』をはじめ、『生徒会役員共』、『K』などさまざまなTVアニメ、映画、ゲームの主題歌を担当しており、日本を代表するアニソンアーティストとして今なお進化し続けています。

 そのangelaの楽曲の1つである『蒼穹』は、映画『蒼穹のファフナー HEAVEN AND EARTH』の主題歌として使用されました。壮大な伴奏の中、語りにも似たイントロから一気に盛り上がりを見せ『Shangri-La』に似た雰囲気を持つ本楽曲ですが、本編とリンクしつつ登場人物の1人である皆城総士の心情を綴ったとも取れる歌詞には、テンションが上がりながらも自然と涙が流れてしまいます。

 『蒼穹のファフナー』シリーズは、最新作『蒼穹のファフナー THE BEYOND』が2019年より劇場先行公開されることが決定し、主題歌をangelaが担当することも発表されています。『蒼穹のファフナー』ファンであり、angelaファンとして作品はもちろん、主題歌がどのような曲になっているのか今から楽しみで仕方がありません。

 2018年でデビューから15周年を迎えるangela。そのangelaを知る上では切っても切れない関係であるのが『蒼穹のファフナー』シリーズです。関連楽曲の中でも筆者イチオシの本楽曲をぜひ聴いてください。

『翼を持つ者 ~Not an angel Just a dreamer~』

“おすすめ曲カタログ”
アーティストi☆Ris、井上あずみ、Wake Up, Girls!、内田真礼、串田アキラ、GRANRODEO、ささきいさお、下野紘、JAM Project、鈴木このみ、鈴村健一、竹達彩奈、茅原実里、TRUE、豊永利行、中川翔子、羽多野渉、堀江美都子、Minami、水木一郎、三森すずこ、May’n、米倉千尋
作詞畑 亜貴、藤林聖子
作曲田中公平、上松範康
関連プロジェクト“ア二メNEXT_100”

豪華アーティストが夢の共演! アニソン版『We Are The World』

【文:斎藤ゆうすけ】

 1917年に漫画家の下川凹天が、黒板にチョークで描いた絵を少しずつ消したり描き変えたりしながら撮影する手法で、日本初のアニメ映画『凸坊新畫帖 芋助猪狩の巻』を制作してから100年……。国産アニメ誕生100周年の年となる2017年から2018年にかけては、NHKが企画した特別番組『ニッポンアニメ100』をはじめ、さまざまな記念企画が実施されました。

 中でもアニメ業界が一丸となり「アニメのチカラを世界へ」をテーマメッセージに推進された“ア二メNEXT_100”プロジェクトは、資料の編纂(へんさん)や人材の発掘育成、新たなアニメフィルフェスティバルの開催といった数多くの実績を残してきました。

 そんな“ア二メNEXT_100”の公式ソングが今回紹介する『翼を持つ者 ~Not an angel Just a dreamer~』です。この曲は、長年に渡りアニメソングを手がけてきた作曲家の田中公平さんが、アニソン版『We Are The World』をコンセプトにプロデュースされた楽曲で、作詞は畑亜貴さんと藤林聖子さん、作曲は田中公平さんと上松範康さんと、今をときめくアニソンアーティストが集結して製作されました。

 この布陣だけでもアニソンファンにとっては驚きなのですが、この楽曲を歌うレーベルの垣根を越えて集まった23組のアーティストがスゴい! 水木一郎さんや堀江美都子さんといったレジェンドから、i☆RisやWake Up, Girls!といた人気声優ユニットに、アニソンの歴史を体現しつづけるJAM Projectまで、アニソンファン垂涎のメンバーが参加しているのです。

 アニソンの持つ力強さやメッセージ性はもちろん、コミカルな部分や可愛らしい部分まで、古今東西あらゆるアニソンの魅力を約8分間にギュギュッと圧縮したこの一曲……。全23組のアニソンアーティストたちそれぞれに見せ場が用意されたこの楽曲をハイレゾ音源で聴くことで、それぞれの息づかいはもちろん、アニソンに込められた深い想いを全身で感じることができるはずです!

 この機会にぜひ、この曲をじっくりと味わっていだたき、日本が誇るアニソン文化の魅力をあらためて堪能してみてください!

バックナンバー

関連サイト