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2018年10月27日(土)

『エクストリームバーサス2』はプレイヤーと店舗が安心して楽しめる作品に! EXバースト選択の新情報も

文:たく坊

 バンダイナムコアミューズメントが10月30日から稼働予定のアーケード用アクションゲーム『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2』の、開発者インタビューをお届けします。

『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2』

 本作は、2on2チーム対戦アクションゲーム『機動戦士ガンダムVS.』シリーズの最新アーケードタイトルです。従来の基本的な遊び方や楽しさを踏襲しつつ、新基板・新筐体の採用により、グラフィック表現やバトルシステムが進化。参戦作品は総勢36作品となり、新規参戦機体を含め、160機以上のMSが登場します。

 開発エピソードを伺ったのは、本作の制作プロデューサー・大久保人さんとプロデューサーの大石勇気さん。本作のシステムや参戦機体について、さらに新要素などを掲載していきます。

『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2』
▲左が大石さんで、右が大久保さん。

 なお、インタビュー中は敬称略。

機体数を維持しつつ、新鮮味を加える開発

――『エクストリームバーサス2』の魅力や特徴を教えてください。

『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2』

大石:特徴は、8年ぶりに筐体と基板がリニューアルされるということで、2010年のノアール筐体から筐体と基板が新しくなり、フルHDの画質になることです。他には、機体数・作品数が『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス マキシブースト ON』と比べて遜色ないボリュームとなっていること、引き続き全国オンライン対戦ができることです。

――フルHDに移行するにあたって、機体数を維持することはやはり難しいのでしょうか?

大石:新規で開発することは当然大変ですが、もとのデザインがあるとはいえ、あの数を作り直すのは大変です。機体数の維持についてはさんざん議論がありました。「新しい開発環境ではボリューム的に『マキシブースト ON』の数を維持することは困難だ」という議論から始まり、「機体をすべて一新して機体数を減らすか」という話も出ました。

 また、シリーズが長くなったため、ゲーム要素や武装が同じままで来ている。「ここは変えたほうがいいのか?」ということを含めて、数を減らしてタイトルを一新するのか、数をそのままにしてシリーズを続けるのか……どっちかかと。

 大きく2つの路線にすることに選択を迫られた中で、「減らしていいのか? 作品を絞るのか?」などいろいろな話が出たのですが、技術的にもいろいろ検証した後、最終的に「何とかして機体を減らさずに維持する!」という方針で落ち着きました。

――そのうえで、機体数を踏襲しつつ、武装を変えた機体もあるわけですね。

『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2』 『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2』

大石:それはそれでいろいろと議論がありましたが、ずっとそのままでもそれはそれで飽きてしまう方も出てきてしまうので、変化をつけているところもあります。

大久保:それこそ、「『マキシブースト ON』のままでいいよね」という話になってしまいますからね。これまで自分が使っていた機体があるうえで、今までつちかってきたテクニックを活用できて、新しいことができたほうがいいかなと。新鮮味を加えていきたいというところで、機体や武装の追加、システムの変更などを行っています。

――『機動戦士ガンダム ガンダムVS.ガンダムNEXT』から『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス』の時はシステムが変わりましたが、今回はそこまでの大きな変更ではなく、『エクストリームバーサス』シリーズの中での進化という認識でしょうか。

大石:開発側の意図やユーザーの要望で内容を変えて、よりおもしろくなることはいいこと。ただ、『エクストリームバーサス2』は、プレイヤーが安心して楽しんでもらえるタイトルとして打ち出すことを最優先としました。

 そのため、なるべく影響がない範囲で新鮮味や進化を出しつつ、安定したブランドというか、定番製品としての役割というか、期待されているところに答えたいと考えています。

大久保:『ガンダムVS.ガンダムNEXT』までのタイトルは、パスワードで機体を解放するといった要素はあり、それで盛り上がることはありましたが、1年の間に稼働率が右肩下がりになってしまうのが、アーケードゲームの宿命としてありました。その飽きを解消するために、また新しいタイトルを出して、新鮮な経験をしてもらう、昔はそういう風な流れだったのです。

 『エクストリームバーサス』からは運営という形に舵を切っており、期間ごとに要素を作り続けて、新鮮味をつないでいく形に変えていたことによって、稼働率が下がりにくくなっています。プレイヤーがずっとついてきてくれて、下がってはまた上がってをアップデートのたびに繰り返し、右肩下がりだった部分が横ばいになるような結果になりました。

 『マキシブースト ON』は、2年半稼働している現在でも多くのプレイヤーが遊んでくれている状況にあります。『エクストリームバーサス2』では、今のプレイヤーを切り捨てることはせず、その方々が入りやすい形になるように開発しています。

――アーケード市場全体を見ていても、これだけ人気があって根強いタイトルはかなり少ないと感じています。

大石:『マキシブースト』から『マキシブースト ON』になり、オンライン対戦になったところで人が増えたうえに、プレイ数が増え、だいたい倍近くになっています。一度離れた人が戻ってきてくれただけでなく、周辺で見ていたプレイヤーがプレイできる環境になっているという雰囲気、反響を感じます。

――今のプレイ層は、年齢や階級などはどのような分布になっているのでしょうか?

『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2』

大久保:年齢的には高校生くらいから若めの社会人という年齢層が多く、階級は少尉、中尉などの尉官が多いですね。イメージ的には、そこから階級が上がっていき、佐官~元帥と、だんだん分布人数が絞られていく流れですね。

 高校生とかが学校帰りにゲームセンターに行って、「一緒に遊ぼう」というコミュニケーションツールとして遊ばれている部分があるので、新しい若い子は入ってきています。対戦するにしても1対1ではなく、友だちと一緒にプレイできるタイトルなので、若い子もまだ入ってくると思っています。

 また、コンシューマ版『エクストリームバーサス』シリーズを遊んでいた人たちが成長して高校生になり、ゲームセンターで遊べるようになって、プレイしてくれるということもあると思っています。

――以前と比べると、会社からの期待もより大きくなっているように思えます。

大石:そうですね。会社だけでなく、ゲームセンターを運営しているオペレーターさんからの期待もより大きくなっていると感じていますね。オペレーターさんからは「売れないと困るタイトル」という声を多くいただいています。プレイヤーから期待されているのはつねに感じているので、『マキシブースト ON』までの好評をいただいている部分は引き続き残していきたいです。

 いいところは残しつつ、新しくリニューアルする部分は刷新するというのが『エクストリームバーサス2』の使命だと思い、大胆な冒険はしないというところになりました。

大久保:オペレーターさんとプレイヤーさんにとって、いい落としどころを探っていく、という考えですよね。

大石:開発のやりたいようにした結果、プレイヤーが求めていたものと全然違ったというものを作ってしまうというのは過去の製品含めて、たまに目にしますが、『エクストリームバーサス2』ではそこは絶対避けたいと。

 市場の期待は『マキシブースト ON』のアップデートを重ねていく中でわかっていたので、作り手側の変なエゴで変えていくというスタイルは絶対よくないと思い、これまで評価されている遊びの根幹については、大胆に変えることなく慎重に開発しました。

――『マキシブースト』に比べて『マキシブースト ON』の機体追加アップデートがより長い期間行われていたような印象がありましたが、いかがでしょうか。

大久保:稼働が2年半と長かったですからね。最初に少なくとも年単位での計画を日割りで作っています。内容は当然変わることがありますが、まずは決定して動き出さないことには何も始まらないので、いったん仮組みで「このようなスケジュールで、この機体を出していきましょう」ということを考えます。

『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2』
▲画像は『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス マキシブースト ON』のもの。

――『エクストリームバーサス2』でも、機体の解禁は定期的に行われる予定なのでしょうか。

大久保:今の所その予定ですが、まだ未定な部分も多いですね。

――『エクストリームバーサス2』の稼働タイミングが10月30日というのは、もともと想定されていたのでしょうか。

大石:そうですね、想定していた時期ではあります。

大久保:オペレーターさんへの商談プレゼンの時にも、10月下旬ということでお話させていただいていました。そこから、最終的に具体的な日付を調整した結果として、30日になりました。

――稼働日以降は、『マキシブースト ON』が順次『エクストリームバーサス2』に変わっていくのでしょうか。

大石:『マキシブースト ON』は現在約6,000台以上が稼働していますが、全部を一度に変更するというのは、いろいろな都合で非常に困難。『マキシブースト ON』は残りつつ、徐々に『エクストリームバーサス2』に変わっていくという状況になります。また、『マキシブースト ON』はそのまま残すお店や、一斉に入れ替えるお店があります。

 前作を全国で一斉に稼働できていたのは、基板が一緒でソフトだけを変えることができたためです。『エクストリームバーサス2』は筐体ごと、または基板ごと入れるタイプなので、生産と物流も含めて調整する必要があり、設置に際してはお店への負担も大きいのでどうしても順次設置という形になってしまいます。

大久保:生産ラインは今も動いているのですが、10月30日時点では全数の生産はまだ終わっていないのです。初代『エクストリームバーサス』の時にも、9月28日に初回分が稼働し、段階的に順次稼働という形をとらせていただきました。

強みがわかりやすい“Mバースト”と固定向きの“Lバースト”

――本作『エクストリームバーサス2』でEXバーストを2つ加えた経緯について説明してください。

『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2』 『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2』

大久保:『マキシブースト ON』での3つのEXバーストは好評をいただいている状態です。『エクストリームバーサス2』になり、ゲームシステムを複雑にはしたくなかったので、引き継いだ際にどういう形にもっていくか考えた時、大きな変更を行わないという前提があるならば、ある程度使い方をわかっている3つのEXバーストは残す形を選択しました。

 いきなり新しいEXバーストが5つあったら混乱してしまいますが、今の形に2つを追加する形であれば対応できると考えました。2つのEXバーストが加わることで、今までになかった戦略や新しい遊びが出てくるのではないかと。各機体の武装や機能にプラスして、システム面でもいろいろなバリエーションが生まれてくるのではないかと思っています。

――それぞれのEXバーストの内容は?

『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2』

大久保:モビリティバースト(Mバースト)は、機動力が上がるということで、非常にわかりやすいEXバーストとなっています。目に見えて加速するので、先日行われた“極限感謝祭2018”でも、「速い~!」という歓声が上がっていました。

 低コストが瞬間的に高コストを追いかけられるようになったり、高コストの瞬発力がより上昇したりと、これまでにない駆け引きや局面が生まれるのではないでしょうか。

『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2』

 リンケージバースト(Lバースト)は、相方のブーストゲージを回復したり、EXゲージをためられたりするこれまでにない強みがあります。お互いにLバーストを使う、組み合わせ次第でEXバーストの回転率が上がるなど、今までであった「コストはこれとこれが鉄板だよね」というところに対しての変化とか、「こういう組み方もありだよね」と新しいものが考えられるのではないか、ということで導入しました。

 『エクストリームバーサス2』からは僚機のEXゲージが可視化されるので、発動タイミングを見定められるといいと思います。

大石:現状では僚機の弾数の回復は一定量のみです。それでもEXバーストする回数を増やせる、相手のEXゲージを考えるなど、戦術がだいぶ変わってくると思います。固定でチームを組む場合は、Lバーストであわせるのもおもしろいかもしれませんね。

――ロケテスト段階では「Mバーストが強いのではないか」という意見が出ていましたが、そこは想定されていたのでしょうか。

大久保:発動してから時間内は単機でも強く動けるので、強みがわかりやすいEXバーストなんですよね。Lバーストは、どちらかというと僚機とタイミングを合わせたり、立ち回りの技術が必要だったりと、使用タイミングに意思疎通が入ってくることになり、固定でうまく使うと化けるものになっています。Mバーストはシャッフルでも自分自身が頑張れますからね。

――高コストが使っても攻めやすいし、低コストが使っても活用しやすいしで、わかりやすく強いEXバーストだと感じました。

大久保:ファイティングバースト(Fバースト)が格闘、シューティングバースト(Sバースト)が射撃、Mバーストが機動力というように特徴を振っているので、どれを使うかは機体ごとに変わってくるかなと思います。Mバーストは比較的汎用性の高いEXバーストなのですが、FバーストとSバーストは特化されているので。

――ロケテスト時のパンフレットには、Mバーストのダメージ上昇の欄に矢印マークがついていたと思いますが、Mバーストも一応火力が上がるという認識で問題ないでしょうか?

『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2』

大久保:そうですね。ですが、あくまでざっくりとした表記ですので、ほんの少し上がるだけでも矢印を記載しています。通常時に比べて上がりますという、あくまでイメージですね。

バルバトスルプスレクスやトライバーニングガンダムなど新機体を解説!

――“ガンダム・バルバトスルプスレクス”ですが、機体のコンセプトを教えてください。さわったところ、“ガンダムバルバトス”と“ガンダムバルバトスルプス”のいいところが組み合わさっていると感じました。

『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2』 『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2』

大久保:“ガンダム・バルバトスルプスレクス”もあくまで“バルバトス”なので、まったく違う機体にならないように、そして“バルバトス”と“バルバトスルプス”との差別化を行いながらバランスをとっていき、今の性能に落ち着きました。

 また、“ルプスレクス”の最大の特徴は“テイルブレード”なので、そこはしっかり作りこみました。自動で攻撃してくれるので、攻める際だけでなく、自衛の際にも使えると思います。

――発表時の反響はいかがでしたでしょうか?

大久保:“ルプスレクス”自体の感想としては「おもしろい」と言っていただけているようです。

――“トライバーニングガンダム”は、再現度が高い武装が多いという印象を受けました。

『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2』 『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2』

大石:原作含めて技の見た目が派手なので、そういうイメージが付きやすいかもしれませんね。

大久保:どの機体も原作再現は気を使っているところですが、わかりやすく派手な技を出せる機体になっています。“トライバーニング”は『ビルドファイターズトライ』から最初の参戦機体ということで、しっかりと原作再現をしましょうという話がありました。

 原作の特徴でもありますが、基はガンプラで、いわゆる『ガンダム』世界と別の設定。アニメでもあるような自由度の高い動きやアクションをしっかりと出しています。担当スタッフもかなり力を入れて作っていました(笑)。

――“ガンダムマックスター”参戦は予想していませんでした。要望は多かったのでしょうか?

『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2』 『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2』

大久保:シャッフル同盟をもっと出してほしいというのは、『エクストリームバーサス』のころからありました。とはいえなるべく作品が偏らないように、いろいろな作品から参戦させていたので、やっと参戦したという感じですね。

大石:開発当初のアイディアでは、「アニメ終盤で見られたネオ・アメリカの兵器“自由の女神砲”をバーストアタックで撃つのはどうか?」という話もありましたが、いろいろあって今の形になりました(笑)。

――“ガンダムアストレイ ブルーフレームD”も以前からかなりの要望があったのではないでしょうか。

『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2』 『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2』

大石:“ブルーフレーム”はバリエーションが多いにもかかわらず、“ガンダムアストレイブルーフレーム セカンドL”以外のブルーフレームがいませんでした。人気があるということで、この機会に参戦させました。

大久保:『機動戦士ガンダムSEED ASTRAY』は派生作品ということもあって、他の機体が出ていない状態でそこだけさらに充実させるわけにはいかないんです。そのため、他の機体も出しつつ“ブルーフレームD”も出そうという形でバランスを取り、参戦させることができました。

 “ブルーフレームD”は軽くさわるだけでもなんとなく戦える機体です。しかし、やりこんでいくと、やりごたえの部分が出てくるかと。

――“ガンダムAGE‐1 フルグランサ”についてもご説明いただけますか。

『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2』 『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2』

大久保:参戦の経緯は、先ほどまでと一緒です。参戦作品を拾っていく中で、『機動戦士ガンダムAGE』枠で参戦できる機体はどれだろうと。 機体やパイロットの人気、メジャー度などから判断し、“フルグランサ”を選びました。

大石:“フルグランサ”は火力重視の機体になっていて、高火力な照射系の武装が多いです。イメージ的には“ZZガンダム”のような感じかと。

――“モンテーロ”はCOST:2000の万能系になるのでしょうか?

『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2』 『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2』

大石:万能系といえば万能系ですが、中距離で戦うタイプですね。ジャベリンの扱いがキモになってくると思います。COST:2000の機体なので、ずば抜けて強いわけではないのですが、特徴的なアクションは結構入ってるので、それを生かしながら戦うスタイルになると思います。

大久保:そこまで多くの武装を持っている機体ではありません。ジャベリンを投げるとか、ジャベリンを振って衝撃波を飛ばすとか、ある程度中間距離で差し合いをしていくイメージです。参戦の理由としては、“クリム・ニック”の機体を考えた時に、イメージとしてはまず“モンテーロ”が最初かな、というところですね。

――ザクアメイジングはCOST:2000の射撃寄り機体とのことです。

『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2』 『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2』

大久保:そうですね、射撃武装中心の機体です。ハンドガンやランチャーなど、基本的には実弾武装が揃っています。とにかく射撃を当てていく戦い方になるかなと。

大石:そのうえで復活変形もあって、“リ・ガズィ”のように飛行することも可能です。

――“ザク”は数多く参戦していますが、既存のザクとの差別化も考えているのでしょうか。

大石:もちろん考えています。とはいえ、原作での特徴的な武装やそれぞれのコンセプトに沿って再現していけば、他との違いはおのずと出てくるかなと。

大久保:そういう点では、作品が違っていても武装がまったく同じ場合は参戦させづらいですね。

――今回の新規参戦機体の7機体は、稼働時から参戦するということでよろしいでしょうか?

大久保:はい。稼働時から参戦しています。使いやすい部類の機体は、ブルーフレームDやフルグランサですかね。

――エクストラ枠の機体は稼働時には入っていないと発表されていましたが、今までとは違う形で参戦していくのでしょうか?

大石:そうです、エクストラ機体の枠は用意しています。プレイを頑張れば機体を追加したり遊べる要素を増やしたりなど、そういったやり込むうえでの楽しみも用意しています。

――今後、エクストラ枠の機体が増えることもある?

大石:それはもちろんです。これまでに参戦していない機体も検討しています。

――機体数がどんどん増えて、アクション性が高くなった反面、操作が複雑化していると思いますが、それについてはどうお考えでしょうか。

『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2』

大久保:操作はなるべく複雑にならないように作るようにしています。例えば、今ある既存の武装がどれも有用な技で、どれも削るものがない、でもなにか新しい武装がほしいという時は、割り当てを変えてみようとなる場合はあります。

 結果的に多少複雑になってしまう場合はあっても、基本方針としては複雑にはしない方向です。

――その一方で、よりアクションを楽しみたい、派生があった方が楽しいといった意見もありますからね。

大石:重箱の隅のような細かい要素は楽しみとしてあってもいいと思っています。ただ、それが強すぎなければいいのかなと。要は対戦バランスを考えたうえで、それがあるべきかどうかを判断しています。

大久保:機体の特徴にもよりますね。誰でも使いやすいシンプルな機体から玄人向けのテクニカルな機体まで、さまざまな機体バリエーションを用意するようにしています。

勝率5割以下のプレイヤーを助ける“プラスコインモード”とは?

――プラスコインモードについて教えていただけますか?

『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2』

大石:初心者や中級者を手広くサポートしていこうということで導入しました。プラスコインモードの中には、必ず3戦までは遊べるモードがあります。勝率が低い人、2戦目以降は先に進めない、1戦目に勝利しても次で負けてしまうという人でも、200円入れておけば必ず3戦まで対戦できます。

大久保:ゲーム終了の条件としては3敗するか、5勝するまでとなります。これはオンライン対戦の場合で、店内対戦の場合は無制限です。

 通常プレイであればオンライン対戦は連勝で継続プレイできるのですが、この恩恵は勝率が低いと受けられない。バランスとしては、勝率5割超を保てている人であれば普通に遊んだほうがお得ですが、勝率が5割に満たない人の場合、特に3割前後の人であればこちらを活用したほうがお得です。

 プラスコインがあるなら「もう少しプレイしてみようかな」、「お得だしお店にプレイしに行こうかな」といったような、初心者や中級者の後押しになるような施策を入れたかったのです。

大石:なるべくこまめに稼働施設に来ていただき、プレイしてほしいというのが我々の考え。ゲームセンターからしたらより人を呼び込めて、プレイヤーからしたら前向きにプレイに励めるというところで、いい落としどころになっていると思います。

――より楽しくゲームをプレイしてもらうきっかけを、ゲーム側で作るということですね。

大久保:勝って勝率が上がってくると、継続してプレイするモチベーションがどんどん上がるじゃないですか。ただ、負け続けると苦しい部分があるので、そういった部分でなるべくフォローしてあげられないかなというところで導入しました。

――トレーニングモードが新たに生まれ変わったのも、そちらの一環でしょうか?

『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2』

 CPU戦を用意してくれている店舗はいいのですが、そうでない場合はオンライン対戦が導入されてから、1人でプレイする人や新しく始める人が練習する場所がなかったんですね。新しい機体が出ても、いきなり対戦でなじませていくことになる。そこで、乱入されずにプレイできるトレーニングモードを導入しました。

 ダメージ値が見えるようになっているので、いろいろと調べられるようになったと思います。例えばアップデートが入る際には、前日とかにプレイヤーがダメージや性能を調べておき、アップデート後に変更点をチェックするという流れがよく見られますので、そういった部分も含めて使っていただけるかなと。

 コンボの練習を含めて、初級者・中級者だけではなく、上級者でもちゃんと利用できる形になっています。

大石:時間制限以内であれば機体をすぐに切り替えられ、CPUの強さや動きもある程度変えられるので、実はトレーニングモードをさわっているだけでも長い間遊べるんですよね。我々としてもトレーニングモードを遊んでいると、「これはこれで、1人でも結構遊べちゃうかもしれない」と稼働前から感じています(笑)。

 この機体をやめてこちらをプレイしてみようとか、コンボ練習をしようとか家庭用のような遊び心地を実現できました。

――入れようとしていたけど、入らなかった要素はありますか? もしくは今後に追加しようとしている要素はありますか?

大久保:追加していく要素であれば、グループプレイモードを考えています。現在店舗でやっている時間貸しなどの要素をソフト側のシステムを使って、ゲームセンター側の負担を軽減しつつ、自動化した形で行える機能になります。

 あとは、ゲームセンターが運営していた大会モードを、プレイヤー側で使える機能を追加することも考えています。なお、アップデートでの対応時期は検討中です。

――筐体にゲームパッドが付属していることに驚きました。

『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2』

大石:『エクストリームバーサス2』からは筐体についているゲームパッドでプレイできるようになります。「家庭用をやっていました」や「これから始めます」といったプレイヤーは、プラスコインとトレーニング、ゲームパッドなどを使ってみてください。

 なお、すべての新筐体にゲームパッドが付いていますが、プレイヤーが自分で持ってきたものは刺さらず、筐体備え付けのものだけを使用できます。

大久保:『エクストリームバーサス2』は家庭用シリーズを遊んでいた人でも入りやすい作りになっているので、まだゲームセンターで遊んでいない方もぜひこの機会にやってみてください。

――ヘッドフォン端子を付けてほしいという要望はあったのでしょうか?

大石:こちらは要望ではなく、聴けたほうがより快適なのではないかというところで導入しました。

大久保:実際にどこまで使っていただけるかは、稼働してからでないとわかりません。チーム固定でのプレイの際に「相方の声が聞こえなくなる?」とか、プレイの回転が速いので「付ける時間があるのか?」というような問題もあるかなと。

 一方で、曲を聴きながら遊びたいという人がいることも事実です。トレーニングモードやCPU戦、また貸し切りでのプレイなど、じっくり遊ぶ機会もあると思いますので、ニーズにあわせて使っていただければと思います。

今後の大会運営やモバイル会員について語る

――2018年はGGGPという賞金制の大会が開催されましたが、今後も開催される予定でしょうか。

『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2』

大石:GGGPの主催は創通様で、筐体の貸し出し協力という形でやっていました。法律の問題もあり、今は我々主催での賞金大会はできない状況です。

――プレミアムドッグファイトやユーザー大会などは今後も開催されますか。

大石:そうですね、大会はあればあるほどいいですし、前向きに検討していきたいと思います。

――先日、開発者と対戦するイベントがありましたが、視聴者やプレイヤーから開発者が強い、やりこんでいるというような意見がありました。開発陣はどの程度遊ばれているのでしょうか?

大久保:担当している部門によって違いますね。例えばビジュアルデザイナーであればそこまでやりこんでいるわけではないです。機体のコンセプトから武装や構成を考えるスタッフから、最終的な数値などを設定し、バランスに問題がないかを調整するスタッフになるほど、よくプレイしますね。

 機体のチェックについては、当然店舗でのプレイ状況やいただいた意見は見ています。そのうえで自分たちで使ってみて、その情報は正しいのか、本当に強いのか、そういうことを判断したうえで調整内容を話しあっています。そこからまた「本当にその調整であっているのか?」をみんなでチェックしています。

――社内で対戦会のようなことをするんでしょうか?

大久保:やはり対戦ゲームですので、実際に集まって対戦してみないと分からないことは多いですからね。

――イベント“極限感謝祭2018”で『エクストリームバーサス2』の発表や試遊がありましたが、驚きの声が上がっていました。

『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2』

大久保:「なんらかの新情報はあるかもしれない」ということは想定していても、試遊については想定外だったかもしれませんね。参加してくれた方々、みなさん喜んでくれていたようです。中には沖縄から来てくれた人もいて、ありがたかったですね!

――プレイヤーカードを交換するという試みは、最初からやろうと考えていたのでしょうか?

大石:前回と同様にプレイヤー同士の交流を重視するという趣旨のイベントだったので、何らか新しい試みを追加でやってみたいとは考えており、具体的に準備していく中で発案されました。オンライン対戦が行える環境になってから1人で遊ぶプレイヤーが増えているので、そういったソロプレイヤーさんにも仲間内で遊ぶ楽しさを訴求していきたいと日々考えています。

 今後はコミュニティをつなげる役割をどうするか、ということが課題だったので、こういったイベントを機に、直接会話をして、プレイヤー同士が繋がることのできるきっかけとなる様な施策として考えました。

大久保:話しかけるきっかけのような、便利なツールとして名刺的なものがあればいいだろうと。今まで自分が遊んできたゲームのプレイヤーネームやお気に入り機体というものは、ある意味無形なもの。でもそれがプレイヤーカードという形でちゃんと物として存在するという部分が、よかったのではないかと考えています。もらってうれしいアイテムにはなったのかなとは思っています。

――交換してみたら有名プレイヤーだったとか、逆に有名プレイヤーだから交換したいとかというのはあると思います。他に印象的な意見はありましたか?

大石:当日は我々もプレイヤーカードを準備して参加したのですが、予想以上にプレイヤーカードを交換してくれたことがうれしかったです。あまり交換してくれずに、ただただ「ふーん」で終わるのが怖かったので(苦笑)。

大久保:1人50枚くらいしか用意していなかったので、一瞬にしてなくなってしまいました。「これからも遊ばせていただきます」など温かい声をいただいて、すごくうれしかったです。

大石:イベントが終わった後にTwitterで「こんなに交換しました」と写真を上げてくれる方も結構いて、とてもうれしかったです。

『エクストリームバーサス2』の開発でもっとも大変だったのは“ロゴデザイン”!?

――改めて『エクストリームバーサス2』の注目ポイントをお話いただけますか。

『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2』

大石:キービジュアルやオープニングムービーも注目です。キービジュアルは“東京ゲームショウTGS”のイラストや『Gのレコンギスタ』のモビルスーツのデザインをやっている形部一平さんにお願いしました。ポップな色使いが特徴的な方で、素晴らしいデザインにしていただきました。

――“ネクストリーム”というキャッチコピーは前から考えられていたのでしょうか?

大石:これはすごい会議があったんですよ。

大久保:そもそも「タイトルを何にしよう」という話し合いがありました。ただ、どんなタイトルに変えても「遊んでみたら、これって『エクストリームバーサス』だね」ということになるのであれば、一番わかりやすい『エクストリームバーサス2』にしましょうと考えたのです。

 会議では、「キービジュアルのイメージはこんな形でいきましょうか」や「そこに載せていくキャッチコピーとかどうしましょうか」というのを順立てて並べていった時に、『エクストリームバーサス』から『エクストリームバーサス2』に、次の“エクストリーム”になる。そこから“ネクストエクストリーム”、“ネクストリーム”という形で“先へ、次へ”というように作っていきました。

大石:刷新感もありつつ、『エクストリームバーサス』というブランドのゲームでもある感じを出したかった。それを表現できたと思います。

――ロゴデザインは左右対称らしさが際立っていて、第一報の時にかなりいいと思いました。

『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2』

大久保:“ガンダム”のゲーム、『エクストリームバーサス』シリーズ、『2』という続編もの……以上の3つの要素がロゴをぱっと見ただけでわかるデザインとしました。

大石:最終的にいいロゴになりましたが、ロゴはかなり悩んだところです。『エクストリームバーサス2』の要素である意味一番大変だったことの1つじゃないかと(笑)。

大久保:『エクストリームバーサス』、『フルブースト』、『マキシブースト』、『マキシブースト ON』という流れのイメージが出る部分はもともとありましたが、残すべき部分と変えていくべき部分の両方が必要だと考えました。そのバランスをとって、こうなりました。

大石:タイトルについて“エクストリーム”をやめようかという話もありました。でも、最初にもあったプレイヤーやオペレーターが安心してプレイ、購入できるタイトル作りを考えると、“エクストリーム”は残して、『エクストリームバーサス』の感じも残して、刷新感あるものを作りたいということが、話し合いの中で決定しました。

大久保:本作は刷新感と安定感でバランスを取るのが大変でした。オープニングムービーもキービジュアルのイメージを生かして作っていますので、トゥーンっぽい感じの煙だったり、冒頭の色使いだったり、新しい試みを行っています。

『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2』

大石:『ガンダム』の原作はアニメ作品が多いので、全体的なビジュアル表現としてアニメ的な表現のよさを引き出すことも考えました。

大久保:結果として、CGとアニメらしさをうまく融合できたと思っています。

大石:オープニングムービーでは“coldrain”さんの楽曲もご注目ください。今回の製品イメージともピッタリな正統派かつ洗練された新しさを感じる楽曲に仕上げていただけたと思います。

『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2』

――まだ公開されていない情報はあるのでしょうか?

大久保:プレイヤーの階級が一定以上あがった場合に限られるのですが、対戦時にEXバーストを再選択できるようになっています。例えば、最初にEバーストを選んだけど、対戦する時に対戦相手や僚機にあわせてLバーストに変えようとか、次の対戦ではSバーストに変えようということができます。

大石:連戦するタイミングでチェンジできる仕様ですね。僚機がLバーストにしたから自分もLバーストにしようとかも可能ですね。

大久保:最初に選んだものがベースになるので、CPU戦の時は最初に選んだEXバーストが設定されますが、対戦が成立した時に再変更できます。『フルブースト』のころから「相方や相手によってバーストを変えたい」という声は出ていました。『エクストリームバーサス2』でなんとか実装できないかと考えて、実現できた要素となります。

『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2』

大石:実際にプレイした際に「これは便利だ」と感じてもらえると思います。

大久保:あとは、来店ポイントのようなシステムがあります。店舗に来てプレイするか、ゲーム筐体に自身のカードをかざすと、その日のポイントが付与されるものです。

大石:オンラインゲームやアプリのログインボーナスみたいなイメージですね。

――そのポイントでは何ができるのでしょうか?

大石:一定のポイントを貯めることで、エクストラ機体を手に入れることができて、連動サイトに登録していればさらにさまざまな報酬も得ることも可能です。

――会員サービスについて、引き継がれるものはありますか? ポイントや好感度などはすべてリセットされるのでしょうか。

大久保:『マキシブースト ON』の時は『マキシブースト』の連作ということで引き継ぎが行われていましたが、『マキシブースト ON』と『エクストリームバーサス2』は別作品なので、また1から積み上げていく形になります。

大石:『マキシブースト ON』でのキャンペーンに参加していた場合、初期状態でプレゼントをもらえたりします。

――本作でナビは新たに追加されているのでしょうか?

大石:そうですね、新しいナビは追加されています。

大久保:基本はこれまで同様に、GPをためてレンタルしていただきます。

『機動戦士ガンダム エクストリームバーサス2』

――では、最後に一言ずつお願いします。

大久保:『エクストリームバーサス2』では、機体、システムの追加、新しい対戦の駆け引きや戦略にかかわる要素など盛り込んでいますので、引き続きお店に足を運んでいただき、プレイしていただけると幸いです。また10月30日の稼働開始が近づいてきましたが、『エクストリームバーサス2』は順次稼働となっておりますので、『マキシブースト ON』とあわせて両製品ともよろしくお願いします。

大石:『エクストリームバーサス2』では、追加要素はもちろんですが、ゲームパッドの対応やプラスコイン、便利になったトレーニングモードなど、これから始めるプレイヤー向けの要素も充実しております。『エクストリームバーサス2』をより楽しむためにも、この機会にぜひ新しいお友だちを誘って一緒にプレイを楽しんでいただければと思います。稼働後も、引き続き皆さんにより楽しんでいただくための施策をたくさん準備しておりますので、これからも『エクストリームバーサス』シリーズをよろしくお願いいたします。

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