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2018年11月19日(月)

『FFXIV』北米ファンフェス最終夜を駆け抜けた“THE PRIMALS”ライブレポート【電撃PS】

文:電撃PlayStation

 拡張パッケージ『漆黒のヴィランズ』が発表された『FFXIV』ファンフェスティバル2018 in Las Vegasの2日目、北米ファンフェス最後のステージを飾るのは、サウンドディレクター・祖堅正慶氏率いる公式ロックバンド“THE PRIMALS”のスペシャルライブ――! 今回は、過去のどのライブとも一味違ったラスベガスステージの様子をレポートしていきます。

 
『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)

 あと10分、あと5分。設営された柵ギリギリに詰め寄ったオーディエンスが今か今かと待つなか、ステージが暗転。おなじみの“雷鳴”がバックに流れ、影を背負ってまずGUNN(Gt.)が、たちばな哲也(Dr.)が、イワイエイキチ(Ba.)が、祖堅正慶(Gt&Vo.)がステージ上に立つ。自らの得物を手に取るメンバーたち。

 しかしこの日の彼らはいつもと違った。アシエンの黒ローブを着ていない……? これまではアシエンに扮したTHE PRIMALSが最初に“ 原始の審判 ~イフリート討滅戦~”を奏でるのが常だったが……。

 そして最後に、マイケル・クリストファー・コージ・フォックス(Vo.)がステージへ。コージ・フォックスがはじめから? 今夜のステージは何かが違う! そんな想いもつかの間、ステージが青い光に染まった。

(※メンバーいずれも敬称略)

『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)
『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)

1.ローカス ~機工城アレキサンダー:起動編~

『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)

 初っ端、ローカス! ローカスと言えば、単独でPVとなるくらいTHE PRIMALS楽曲の中で押しも押されぬ人気曲。それをド頭にぶつけられて、観客は大歓声。祖堅氏がステージ端でギターをかき鳴らしオーディエンスを乗せるシーンも見られた。そしてその興奮覚めやらぬまま……。

『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)
『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)

2.ライズ ~機工城アレキサンダー:天動編~

『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)

 立て続けにライズ!! 出だしから超人気曲2連続。ソニックブーム最・大・火・力! 今日のTHE PRIMALSは、完全に音で我々をブン殴りに来ている。時間停止ギミックからの演奏再開もズバッと決まり、観客のボルテージも一気に最高潮へ。

『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)
『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)
『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)
『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)
『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)

 ……と、ここで演奏が終わって舞台は暗赤色に。メンバーが動きを止め、コージ・フォックス氏の口からはもう1人のボーカルを待つといったコメントが為された。はたして新たなボーカルとは……。

3.天つ風 ~白虎征魂戦~(Vo.YOSHI)

『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)
『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)

 ステージの上手側から悠々と歩いてきたのは……まさかの吉田P/D。白虎をあしらった着物に身を包み、懐手で仁王立ちするその姿は貫禄十分。THE PRIMALSとしては初めて披露される“天つ風”の冒頭「猛れども……」のフレーズから、迫力の低音で歌い上げた。

『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)
『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)
『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)

 曲目終了後には軽いトークが入り、吉田氏の衣装がこの日のために京都の着物屋に特別注文した本格的なものだと明かされた。背面も凝っている。ちなみに、吉田氏による「『FFXIV』、いろいろやらされるんですよ。1つだけ言いたいんだけど……俺、自分からやるなんてひとことも言ってないんだよ。全部祖堅の計画だから!」とのコメントに対し、観客は「祖堅さんよくやった!」とばかりのSOKENコールを巻き起こした。対して祖堅氏はこの笑顔。

『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)

 その後、「さあ、コミックバンドなのはこの曲だけ。ここからはロックバンドに戻りますよ」とのコメントを残し、吉田氏はステージ下手へ歩み去った。

― メンバー紹介 ―

吉田氏が去った後、圧巻のパフォーマンスとともにあらためてレギュラーメンバー各自の紹介がなされた。

GUNN(Gt.)
『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)

 実演家、作曲家、編曲家。ソロアーティストとしてメジャーデビュー後、さまざまなバンドにギタリストとして参加。プロデューサーとしての顔も持ち、多数のアーティストへ楽曲を提供している。たちばな哲也さんとのユニット“ultraUB”としても活動中。“THE PRIMALS”の楽曲や、『FFXIV』ゲーム内BGMなどの編曲も担当しており、自身も同作のプレイヤーであることを公言している。

イワイエイキチ(Eikichi Iwai / Ba.)
『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)

 実演家、音楽プロデューサー。椎名林檎、スネオヘアー、ELTなど、さまざまな日本を代表するアーティストのレコーディングやライブに参加。楽曲提供などを行なっている。

たちばな哲也(Tetsuya Tachibana / Dr.)
『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)

 北海道倶知安町から上京し、前身バンド“BE MODERN”として1986年にデビュー。解散後1990年に“SPARKS GO GO”を結成。数々の作品を発表し、ライブ活動を続けている。

 “SPARKS GO GO”と奥田民生さん、松浦善博さんとの“THE BAND HAS NO NAME”や、同じく“THE PRIMALS”のメンバーでもあるGUNNさんとソロユニット“ultraUB”などでも活動。その他、さまざまなミュージシャンとのレコーディング/ライブにもドラマーとして参加。

マイケル・クリストファー・コージ・フォックス(Michael Christopher Koji Fox / Vo.)
『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)

 『FFXIV』ローカライズディレクター。アメリカ合衆国出身。スクウェア・エニックス所属。愛称はコージ。『FFXIV』においては、ローカライズ、パッチタイトル考案、世界設定、作中のオリジナル言語の設定などをメインで担当するかたわら、BGM制作においては作詞や歌唱なども担当しています。“THE PRIMALS”結成後は、コアメンバーとして国内外でのライブへの参加を続ける。

祖堅正慶(Masayoshi Soken / Gt.&Vo.)
『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)

 言わずと知れた『ファイナルファンタジーXIV』のサウンドディレクター、コンポーザー。スクウェア・エニックス所属。これまでに『ロードオブヴァーミリオン』シリーズや『ナナシノゲエム』シリーズなど、数多くのゲームサウンドの制作に携わり、『FFXIV』では作曲、効果音など、音にかかわるすべてを担当している。

4.メタル ~機工城アレキサンダー:起動編~

『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)

 吉田P/Dの言葉通り、この日のライブはTHE PRIMALSのなかでもとくにロックテイストの強い楽曲で構成されているようだ。4曲目は、2つ目のレイドシリーズとして機工城アレキサンダーが実装された当時、レイド民を大いにノセた名曲・メタル。

『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)
『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)

5.エスケープ ~次元の狭間オメガ:アルファ編~

『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)

 そして満を持して、THE PRIMALSが2つ目の新曲をお披露目。直近で実装されたばかりのレイド、次元の狭間オメガ:アルファ編3層でループ的に流れる中毒性の高い楽曲“エスケープ”! 実装されたばかりの曲をこんなに早期にTHE PRIMALSが演奏するのは、これまでになかった試みと言える。

『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)
『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)
『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)

6.過重圧殺! ~蛮神タイタン討滅戦~

『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)

 「THE PRIMALSと言えば?」と訊かれてこの曲を挙げる人も多いであろう、タイタン討滅戦の“過重圧殺!”。演奏前に祖堅氏は「2年振りだから忘れてないかな?」と言っていたが、その心配をよそに会場の光の戦士は盛大な“Under The Weight!!”コールで演奏に応えていた。

『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)
『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)
『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)

7.忘却の彼方 ~蛮神シヴァ討滅戦~

『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)

 “Answers”“Dragonsong”“Revolutuions”と『FFXIV』のメインテーマを歌い続けてきたスーザン・キャロウェイ氏がここで登場。一昨年のドイツファンフェスでもTHE PRIMALSと共演した“忘却の彼方”を久しぶりに歌い上げた。

『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)
『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)
『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)

― アンコール ―

 “忘却の彼方”を終え、メンバーはステージ下手へ退場。しかしこれで終わりなわけがない! 盛大なアンコールを受けて戻ってきたとき、祖堅氏の手には白銀に輝く“偉大なる”トランペットが握られていた。つまり、最後の曲は……。

『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)

8.メタル:ブルートジャスティスモード ~機工城アレキサンダー:律動編~

『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)

 今年行われたZeppライブツアー“TRIAL BY SHADOW”で初めて奏でられ、一気にTHE PRIMALSの看板楽曲となった“メタル:ブルートジャスティスモード ~機工城アレキサンダー:律動編~”がこの日の締めの曲となった。

 祖堅氏がトランペットで曲のキャッチ―なフレーズを奏でるたびに場内大歓声。事前に何も合わせていないのにちゃんと「ブルートジャスティストランスモード!」の大合唱が合わさるのは、さすが光の戦士たちといったところ。

『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)
『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)
『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)

 こうして、怒涛の高揚のうちに北米ファンフェスでのライブは閉幕。今回のライブは曲数こそ少なかったものの、THE PRIMALS楽曲のなかでとくにロックテイストの強いヴォーカル楽曲を束ね、怒涛の勢いで繰り出した疾走感あふれる内容だった。

 爆音で揺さぶられる、まさに“ロックバンド”THE PRIMALSの真骨頂といった風情。場内割れんばかりの歓声と、不意に数人の口を突いて出た「ありがとう」の叫びが、オーディエンスの満足度を物語っていたように思う。

 こののち、欧州ファンフェス、そして最後に控える日本ファンフェスでも彼らはステージに登壇する。ライブは生き物とよく言うように、今回とまったく同じ内容、同じ演目となることは決してないはずなので、ファンフェスに当選した方はどうか最大限の期待を胸に来場してほしい。THE PRIMALSはその期待を軽々と超え、光の戦士たちに、心の臓が爆音で揺れるほどの高揚を与えてくれるはずだ。

『FFXIV』北米ファンフェス2018 THE PRIMALSライブセットリスト

1.ローカス ~機工城アレキサンダー:起動編~
2.ライズ ~機工城アレキサンダー:天動編~
3.天つ風 ~白虎征魂戦~(Vo.YOSHI-P)
― メンバー紹介 ―
4.メタル ~機工城アレキサンダー:起動編~
5.エスケープ ~次元の狭間オメガ:アルファ編~
6.過重圧殺! ~蛮神タイタン討滅戦~
7.忘却の彼方 ~蛮神シヴァ討滅戦~
― アンコール ―
8.メタル:ブルートジャスティスモード ~機工城アレキサンダー:律動編~

 その後は、吉田氏、祖堅氏、コージ・フォックス氏、室内氏、横澤氏がステージに集合し、締めの挨拶を行った。新拡張パッケージ『漆黒のヴィランズ』をめぐる“FINAL FANTASY XIV FAN FESTIVAL 2018-2019”の口火を切った北米ファンフェスの夜はこのようにして更け、吉田P/Dの、光の戦士たちとの再会を誓うコメントとともに終わりを告げた。

 『ファイナルファンタジーXIV』はこのあとも直近のパッチ4.5を含め数々の新展開が待っている。次なる、新たな冒険への期待を抱きつつ今後を待ちたいと思う。

『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)
『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)
『ファイナルファンタジーXIV』(FF14)

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