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2019年1月30日(水)

ガッツリRPGとヒロインとの交流が楽しい『コンセプション プラス』をシリーズファンがレビュー!

文:まさん

 スパイク・チュンソフトより、いよいよ明日2019年1月31日に発売となるPS4用ソフト『CONCEPTION PLUS 俺の子供を産んでくれ!(コンセプション プラス)』。PSP版から本シリーズが大好きなライターによる、発売直前レビューをお届けします。

『コンセプション プラス』

 『コンセプション プラス』は、星の力を持った13人の巫女と“愛好の儀”を行い、産みだした星の子たちとともに冒険を行う“エンドレス子作りRPG”です。

 2012年4月にPSP用ソフトとして発売されたオリジナル版をベースに、グラフィックの強化や新キャラクターの追加といった新要素を施した作品となっています。

 他に例のないRPGではあるのですが、実は贅沢すぎてゲームの魅力がイマイチ伝わりにくいという弱点も。RPG的な育成やダンジョン探索、ギャルゲー的なヒロインとの交流と、さまざまな要素が混ざっていますが、どれか1つでも好きなら楽しめるようになっています。

育成と探索をヤリまくれる本格的なRPG! ヒロインは後回し?

 原作とは異なるテイストに振り切って視聴者から好評だったTVアニメ! そして、PS4で初代が復活と、シリーズファンとしてもびっくりしてしまったここ数カ月の急激な『コンセプション』シリーズ展開。TVアニメを見て気になっている人も多いと思いますが、ついにあの問題作が復活しましたよ!

 サブタイトルのストレートさ。下ネタしか言わないマスコットのマナ。やけに多いヒロインとPSP版の発売前から各界が騒然となり、実際に遊んでみたら想像よりもちゃんとRPGしていた。むしろ、よくまとまっていたという業界の暴れ馬みたいなゲームがPS4で復活ですよ。本当に驚きました。

『コンセプション プラス』
▲下ネタしか言わないマナ。このゲームで一番ゲスいマスコットだけど、とあるエンディングではカワイイ姿を見せてくれました。

 すでに体験版も出ていますし、カワチさんが書いた“体験版レビュー”でゲームの基本的な流れをつかんでいる人も多いと思いますが、製品版を遊ぶとまたちょっとプレイ感覚が違ってくるので、今回はそうした部分を中心に語っていきたいと思います。

 というわけで、まず断言しちゃいますが、このゲームはRPGです。女の子たちと交流できる要素もありますし、そのボリュームも多いのですが、ゲーム中でもっとも比重が多いのは迷宮探索とバトル。ヒロインを愛でるというよりも、ヒロインと一緒に作った星の子を愛でながら迷宮に潜り、強い装備を回収して戻るというハクスラ的なプレイ感覚が強い作品となっています。

『コンセプション プラス』
▲トラップだらけの迷宮に潜って星の子を育成。引率の先生になって一緒に冒険するようなゲームなのです。降ってきた石に何度足止めを食らったことか!

 もちろん、ヒロインたちとの交流も13人×好感度5段階分の会話(1段階の中で複数のパターンあり)が用意されていて、正気を疑うほどのボリューム。RPGとギャルゲーという違うゲームが2本入っているようなプレイ感なのです。

 迷宮の攻略もヒロイン攻略も好きなタイミングでやっていいのですが、本作特有の遊び方がわからないと進行が緩やかになりがちなので、まずは自分のおすすめプレイスタイルを伝授しちゃいます。

 それは、ヒロインの好感度を現時点の最大まで上げつつ“愛好の儀”で子供を作りまくること。本作は、画面の左上に月と週が表示されるので時間制限のあるゲームだと思われがちなのですが、実は時間制限はありません。1年経つとまた最初の月に戻り、ヒロインたちとの季節イベントも発生して時間が永久ループするので、あわてて攻略する必要はなし!

『コンセプション プラス』

 だから、好きなだけヒロインを愛でてから迷宮に潜ってもいいのです。ただし、各季節に対応した迷宮をクリアしないと好感度上限が解放されないので、いつかは迷宮を攻略する必要もあります。

 どうしてもゲームを始めると迷宮に潜ってチマチマと1週ずつ進めたくなる感じを受けますが、ぶっちゃけそんなルールはどこにもありません。最初の年はヒロインの好感度を1段階目の上限まで上げて愛好の儀を行い、その時点のレベル上限に近い子供たち(25~30くらいになる)をいっぱい作ってから潜ってもいいのです。かなり自由に進められます。

 本作は特殊な条件を満たさないと経験値入手量が少な目なゲームなので、早めにレベル上限が高めな子供を作っておくと育成がある程度ラクになります。

『コンセプション プラス』
▲レベル差がある敵は、ぶつかるだけで経験値と資金がもらえるシステムも健在。低階層から初めてゴリゴリ体当たりしながら進んでコツコツレベルアップを狙うのもポイント。

 こんな感じでRPGとして進めていくことを考えがちな構造になっており、進めていけばいくほど産まれてくる星の子を厳選し始めたりして育成好きにはたまらないバランスとなっています。

『コンセプション プラス』

 もちろん、各迷宮を攻略していかないと街の品ぞろえが増えないので、ずっと同じ場所で育成し続けるだけではいけません。たまには街に帰ってヒロインに構ってあげつつ、キズナポイントをためることも重要です。キズナポイントをためれば星の子の合体攻撃“ガッシン”が使えて戦力アップ。

 本作のボス戦は“ガッシン”でゴリゴリ攻撃することがカギとなっているので、ヒロインと話してキズナポイントをためてからボスがいる階層に乗り込みましょう。また、RPG的な話になってしまった。

『コンセプション プラス』
▲ガッシンは超強い切り札。ヒロインと会話するだけで必要なポイントがたまるので、2カ月くらい会話してから乗り込むと攻略がかなりラクになります。

 そう、本作はただのギャルゲーではありません! 見た目でRPG部分はオマケなのかな……と思って、手を出せずにいたRPG好きのアナタ。得に、チマチマしたキャラの育成が好きな方にこそ、おすすめできるRPGなんですよ。

ギャルゲーとしての成分も過剰なほど多い! 愛好の儀でヤリまくれ!

 RPG的な話ばかりしてしまいましたが、じゃあヒロイン要素は薄いのかと言ったらそれはまったくの間違いです。むしろ、ヒロイン要素が濃い! ヒロインとの交流や会話も新キャラ含めた13人分がしっかり用意されており、「女の子とキャッキャしたいんじゃい!」という方も問題なく楽しめます。

『コンセプション プラス』
▲13人も女の子がいるんですよ! 流行りの異世界ハーレムが7年前からここにあったんです。

 しかも、みんなカワイイ。これは由々しき事態ですよ。1週に会話できる回数は最大5回ですが、迷宮に行くか休息を取れば即回復するし、会話し放題です。今回は選択肢の時点でセーブしてからロードできるので、邪道ですが正しい選択肢だけ選んで好感度をメキメキ上げることもできます。

『コンセプション プラス』
▲現実でもセーブ・ロードできたらいいのにと思う。

 続編の『CONCEPTION II 七星の導きとマズルの悪夢』では迷宮に女の子を連れていけたので、今回もそれがあるとよかったのですが、流石に13人もいるので高望みはしちゃいけませんね。一緒に来ないからこそ、たまに迷宮の中で通信してくれるのがうれしいわけですし。

『コンセプション プラス』
▲ずっと迷宮に潜っていると、ヒロインからたまに通信が。育成にハマっていると本当にヒロインのことを忘れていることもあったりなかったり。

 戦闘中に通信してくるのだけはやめてほしいけど! 13人の嫉妬の視線が痛い。それはともかく、キャラクターのモデリングもPSP版からかなりよくなって、女の子の印象がだいぶ変わりました。そもそも、PSP版から性格まで変わってしまった女の子もいますからね。

『コンセプション プラス』
▲マ、マヒルが全然罵ってくれない……誰だお前は! TVアニメ版から、万人受けするかわいさになっているようですね。

 PSP版で狂犬のようにプレイヤーを罵ってきたメインヒロイン、マヒルちゃんの性格がマイルド化されている! かなり誤解されているのですが、この子は当時でも早すぎたツンデレでした。『コンセプション プラス』では正統派ヒロインにチェンジ!

 PSP版でまず自分が真っ先に狙ったのがこの子だったのですが、メインヒロインとしてエンディングまで見ると、彼女のツンツンな理由がわかって好きになれるんですよ。

 正統派ヒロインもコレはコレでアリなのですが、さみしいよー。DLCでいいので“マヒル狂犬化パッチ”をください! なくなるとほしくなる、人間はワガママな生き物なのです。じゃなかった。話がズレすぎてしまった。

 とにかく、どのヒロインも魅力的なので交流がすごく楽しいんですよね。先ほども話しましたが、まったく別のゲームが2本入っている感じなので、このギャルゲー部分だけを延々と遊びたくなる時と、RPG部分だけを延々と遊びたくなる時があります。そこを自分自身でうまくバランスを取りながらプレイするのが『コンセプション』シリーズの魅力なんです。

『コンセプション プラス』
▲プレゼントをあげるとデレデレになる巫女たち。性格がハッキリしているのでプレゼントもわかりやすいです。

 RPG的なサイクルで考えると、どうしても能力値を基準にヒロインと交流して偏ったヒロインとばかり“愛好の儀”をしたくなりますが、ちゃんと会話を聞いていると満遍なく好きになれるんですよね。あと、今回は“愛好の儀”が超絶セクシーです。

 ゲームでの性的な表現についていろいろと厳しい昨今のご時世。シルエット表現だった“愛好の儀”がどうなるかと思いきや、キャラクターが肌色になってより危険度が増えました。じ、時代に逆行してる~! もう、スパチュンさんはすぐこういうことする~(うれしい)。

『コンセプション プラス』
▲思わず「エッッッッッ!」と言いたくなってしまう愛好の儀!

 もちろん、コレは不純な行為ではなく神聖な行為であり、産まれてくる子供もマトリョーシカからポーンと誕生するのであって厳密に言えば子供じゃないのですが、まあ、自分が中学生だったらドキドキしてしまうかもしれませんね。

 PSP版で実装されていたカーソルを動かしてヒロインと触れ合えるタッチコミュニケーションが諸事情で削除されていますが、愛好の儀はパワーアップしていると言っていいでしょう。よかった。本当によかった。

 ちなみに、13人目の新キャラであるアーフィー(TVアニメにも出てきましたね)は、街にある“育て屋”を使っていると登場するキャラクターになっています。ゲームサイクル的に使わない手はない施設なので、たぶんRPG重視で遊んでいる人なら早めに会えるのではないでしょうか。

『コンセプション プラス』
▲星の子を預けておくと、いつの間にか育っている便利な育て屋さん。

 アイドルポーズがかわいらしいアーフィーですが、他の12人とは違うチョッピリ重たい設定も垣間見えて……まあ、野暮なんでやめておきますね。どうせ、みんな13人全員狙うでしょ!?

『コンセプション プラス』
▲アイドルポーズ、カワイイ。
『コンセプション プラス』
▲泣き顔、カワイイ。
『コンセプション プラス』
▲愛好の儀、カワイイ。

 いわゆる普通のギャルゲーって、時間制限とか選択肢による好感度の増減とか結構厳しいじゃないですか。でも、本作は1年が延々とループするので、1周目で全員と仲よくできます。終盤でセーブを残しておけば個別のエンディングも見られますし、1周だけでガッツリ全キャラルートが楽しめるギャルゲーと考えるとお得な気もしませんか。

『コンセプション プラス』
▲もちろん、好みの子に絞って遊ぶのもアリ。自分の好みはフェミルナさんですね。フェルミナじゃないぞ。フェミルナだから!

 そう、本作はただのRPGではありません! RPG部分が濃くて女の子たちはオマケなのかな……と思って、手を出せずにいたギャルゲー好きのアナタ。特に、年上ヒロインやマイナーなヒロインが好きな方にこそ、おすすめできるギャルゲーなんですよ。

 ん? 結局、RPGとギャルゲーのどっちなんだって? そりゃ、どっちもですよ!!

見た目に反してストイック! ヤリ込みたい人向けかも?

 本作は、風変わりな見た目やタイトルに反して意外と硬派な部分があります。迷宮に潜って星の子を限界まで鍛え、街に戻って女の子と交流しつつ“愛好の儀”で子供を作る。この繰り返しが、序盤だとなかなかうまくサイクルに乗らないので、楽しさのポイントが見えにくいかもしれません。

 ですが、遊んでいくうちに少しずつ本領を発揮してくるタイプのゲームだと思います。例えば、迷宮内で“捧げもの”をすることでアイテムを交換できるシステム。これは、序盤だとレア度の低い物しかないので意味がないのですが、中盤以降ならアクセサリーを捧げて武器や防具をゲットする楽しみが出てきます。

 愛好の儀を繰り返して星の子を厳選したり、チマチマと育成、厳選したりする要素は育成好きにはたまらないものがあるでしょう。

『コンセプション プラス』
▲厳選して新しい職業が生まれるとメチャクチャうれしい! これも本作のだいご味です。

 実際に遊んでみると、PSP版から戦闘バランスなどは変わっているように感じました(PSP版は攻撃がスカスカ外れたのが、命中するようになっているなど)が、よくも悪くもゲーム全体の進行バランスはPSP版の感覚そのまま。

 サクサク進むというよりも、じっくり遊んでいくタイプのゲームなので、時間をかけてRPGを遊びたい人に向いたゲームかもしれません。星の子をどんどん入れ替えていくサイクルなのも育成ゲーム的。もう少しデフォルトの経験値入手量を多くしてもらえれば、自分は満足ですね。

『コンセプション プラス』
▲レベル上限になったら独り立ちさせて街を強化! しかし、全員送ってしまうと戦力がダウンするので悩みどころ。

 強い星の子と弱い星の子でパーティを組み、少しずつ強化しながら迷宮の奥を目指していく。3DダンジョンRPGのような“行って戻ってを繰り返して強化する”プレイスタイルが基本なので、そういったRPGが好きな人にも向いています。

『コンセプション プラス』

 女の子との交流とRPGのバランスが3:7くらいのゲームなので、個人的には育成RPGが好きな人でギャルとの交流もしたい、という感じの方におすすめします。もちろん、ヒロイン13人分の会話はボリュームたっぷりですし、ギャルゲーとして遊んでも満足できるはず。TVアニメから入って、ゲームでのヒロインたちが気になる人もぜひプレイしてみてください!

『コンセプション プラス』
▲迷宮に潜り続けて、こいつに愛着が持てるようになるとハマった証拠です。

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