聴くなら“椅子の中”がオススメ!? 『文アル』朗読CDシリーズ 江戸川乱歩役・斉藤壮馬さんインタビュー
文豪転生シミュレーションゲーム『文豪とアルケミスト』(通称:文アル)より、キャストによる朗読CD第3シリーズが2019年5月29日に発売されます。
第3弾は「江戸川乱歩(声優:斉藤壮馬)」「小泉八雲(声優:内田雄馬)」「夢野久作(声優:浪川大輔)」の3タイトルで、キャストによる作品の朗読や3人の掛け合いによるミニドラマ「緊急座談会」を収録しています。
ここではCDの発売を記念して第3シリーズの出演陣に収録後の感想をお聞きしました。第1回目は、斉藤壮馬さんのキャストインタビューをお届けします♪
『文豪とアルケミスト』朗読CD第7弾「江戸川乱歩」:斉藤壮馬さんインタビュー
――作品について、ご感想をお願いします。
もともと江戸川乱歩作品は結構好きなんですけど、仕事でも、趣味でも朗読するのはおそらく初めてで。今回読んでみてわかったんですけど、乱歩は理知的な文章だなと改めて思いました。特典では個人的にも好きな「指」を読ませていただいたのですが、今は文学を聴くという楽しみも可能な時代ですから、これをきっかけに乱歩作品であったり、他の作品であったり、どんどんハマっていく人が増えたらいいなと思いながら収録させていただきました。楽しかったです。
――収録の際にキャラクターへ寄せるか、斉藤さんご自身として朗読するか悩まれた部分はありますか?
僕個人としては自分がどうしたいというよりは、乱歩さんが朗読しているように持っていきたいのか、そこから離れて聴きやすさを重視するのかは制作サイドで決めていただくものだと思っています。同じ話を収録前にお伺いしたら「出来上がりがしっかりしていれば、方向性はお任せします」と言っていただけたので、今回は乱歩さんが朗読をするという意識でやらせていただきました。
今回読ませていただいた作品“人間椅子”は、オチを読ませないようなどんでん返しがあって、煙に巻くような構造になっています。『文アル』の中の乱歩さんも外連味(けれんみ)のあるキャラクターなので……本の中に乱歩さんが出てくるわけではないのですけど、1つのアプローチとして「江戸川乱歩というキャラクターが朗読をしている」といったイメージで収録させていただきました。
――“人間椅子”は、『文アル』のキャラクターの江戸川乱歩と雰囲気が非常にマッチしているように思います。
江戸川乱歩本人としては、本格派の探偵小説を書きたかったけど怪奇小説のほうがよく受けた……という方ですよね。こうした作品を書いているからといって乱歩本人がこんな感じだったとは思いませんが、たまたま今回は内容と『文アル』のキャラクターがリンクしていて、ありがたかったなと思います。
――現代ではあまり聞かないような表現もあったかと思います。難しかった、苦労した部分があればお聞かせください。
今でも使う言葉だけど少し意味合いが異なる……例えば「人間椅子」に「一体なら」という文章があって、文脈としては「ひとつ」とも「普段」とも取れる……というような。これは文脈判断をしていかなければならなくて。
普段小説を読む場合は、前後の類推でなんとなくの意味がわかれば話は読めるじゃないですか。でも朗読する時は1つの読みを明確に決める必要があるので、そういう意味でよりチェックに厳密性が要求されました。自分では結構チェックしたつもりだったんですけど(収録中に)「チェックしそびれていたな」という部分もあったので、第7弾ぐらいでリベンジしたいですね。
――印象に残ったフレーズはありますか?
2作品ともオチが印象的というところはありますが、キラーフレーズを1つ入れるというタイプの作家とは少し違っていて……文体的には平易というか読みやすくはあるんですけど、それで雰囲気を作っているのがおもしろいと思います。1番おもしろいなと思ったのは、恋について自分を卑下した言い方があった部分ですね。
――改めて、演じているキャラクターの魅力を教えてください。
『文アル』の中の乱歩さんはトリックスターというか、本心が読めないところというか……そもそも、この『文アル』の世界って本心が読めない人が結構いるじゃないですか。そういう人たちとの会話で腹の探り合いをするのもおもしろいし、意外と乱歩さんが話を進めるパターンもあったりして「もしかしたら、この人はわりと常識人なのでは?」とか。たぶん本当にたがが外れているのではなくて、異質なものに対して興味がある人という感じが素敵なんじゃないかと思います。
――この朗読CDをご自身で聴くとしたら、どんなシチュエーションが思い浮かびますか?
小泉八雲の作品はそうでもないんですけど、夢野久作や江戸川乱歩は人から隠したいものというか……“人間椅子”もそうなんですけど、人の特殊な嗜好を綴ったというような作品なので、布団の中に潜って、手元しか見えないようなわずかな明かりの中で聴く……みたいなのがいいんじゃないでしょうか。通勤中などに「瓶詰地獄」を聴いたら「まるで我々はこの社会という瓶に囚われた哀れな存在なのだ……」みたいになってしまいそうですしね(笑)。
やはり、じっくり聴ける場所がいいんじゃないでしょうか。周りの音がなくて集中できるほうがいいと思いますので……自分の心音と呼吸しか聞こえないような、暗い密室とか……それか“椅子の中”で!
――ファンの方へメッセージをお願いいたします。
もともと「本が好きです!」という話を各所でしていましたが、こうして乱歩さんの声を担当させていただいて、ついに朗読までやらせていただいて。一役者としても乱歩作品の朗読はすごく楽しかったです。
もしかしたら文章で読み通すのはハードルが高いんじゃないかなと感じてらっしゃる方もいるかもしれませんが、例えばこういったCDを入口にして、もっと奥深い文学の世界へ誘われたらより楽しんでいただけるのではと思います。引き続き『文アル』をよろしくお願いします。
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CD情報
■タイトル:「文豪とアルケミスト」朗読CD 第7弾「江戸川乱歩」
■価格:3,000円+税
■発売日:2019年5月29日
■発売元:フロンティアワークス
■販売元:フロンティアワークス
■収録内容
・「人間椅子」
・オマケドラマ「緊急座談会その7~江戸川乱歩を語る編~」
(C)DMM GAMES
- ▼『文豪とアルケミスト』
- ■対応機種:iOS/Android/PCブラウザ
- ■ジャンル:女性向け文豪転生シミュレーションゲーム
- ■配信時期:配信中
- ■価格:基本無料(アイテム課金方式)