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2019年4月14日(日)

『ロケットパズル』『テンピーポーテンカラー』『テトラバッシュ』でパズルゲーム三昧【TOKYO SANDBOX】

文:キャナ☆メン

 4月6日・7日に、都内のベルサール秋葉原で開催されていたインディーゲーム展示会“TOKYO SANDBOX”。会場に出展されていたゲームの中から、パズル系ゲームの『RocketPuzzle(ロケットパズル)』、『テンピーポーテンカラー』、『テトラバッシュ』について、試遊レポートをお届けします!

『ロケットパズル』

「シンプルさは究極の洗練である」楽しさと奥深さを備えた『ロケットパズル』

 『ロケットパズル』は、ニカイドウレンジ氏ときゅぶんず氏の2名から成るゲーム開発スタジオ“29Games”の無重力パズルゲームです。筆者が立ち寄った際には、プログラムを担当するきゅぶんず氏から話を伺いながらゲームを試遊することができました。

『ロケットパズル』

 ゲームの基本的なルールは、プレイヤーキャラを操作して、ステージ内に存在するすべてのロケットをゴールに導くとクリア。プレイヤーキャラができるのは、『倉庫番』のように押すことだけですが、同作と異なるのは、押す対象であるロケットは遮るものがなければその推進力で直進してしまう点です。

『ロケットパズル』
『ロケットパズル』

 ルールがいたってシンプルで、ステージ内に存在するロケットの数もそれほど多くはないため、パッと見は簡単にクリアできるように思えるのですが、これが意外と難しい。

 ロケットが勝手に直進する点が非常に厄介で、些細な一手で簡単に“詰み”の状態を迎えてしまいます。けれどルールはわかりやすいために、「これならクリアできるはずだ」という先入観が働き、ついムキになってリトライし続ける……そんな中毒性のあるゲームになっています。

『ロケットパズル』
▲前述したもの以外にもいくつかルールがありますが、1つか2つステージをプレイすると覚えられる範囲のシンプルさです。
『ロケットパズル』
▲ロケット1つと動かせるブロック1つがあるだけのステージ。なのにおもしろい。

 きゅぶんず氏にそんな感想を漏らしたところ、「そこが狙いです」と満面の笑み。最初はもっと複雑なルールを考えていたそうですが、ルールを複雑化すると難しくはなるものの楽しさに欠け、試行錯誤の末、現在のシンプルなルールに行き着いたそう。

 まさに「シンプルさは究極の洗練である」というレオナルド・ダ・ヴィンチの格言を思い出すゲームで、試遊の最後まで濃い時間を楽しむことができました。

『ロケットパズル』

 その洗練された奥深さゆえ、ステージのバリエーションもたくさん作れるそうで、製品版は100ステージほどを予定しているとのことです。難しくてクリアできない際は、一旦飛ばしてプレイできるように、ある程度、ステージを選択できる形を考えているのだとか。

 販売は売り切り型になる予定で、iOS/Android向けに2019年リリース。可能であれば、ステージの追加パックをリリース後に出したいとも話していました。

 なお、会場では試遊版とは別に“激ムズステージ”も用意されていたのですが……。

『ロケットパズル』

 きゅぶんず氏いわく「製品版に入れた時は、だいぶ後半になると思います」という程の難度で、筆者も粘りに粘りましたがクリアできず。「ヒントはいりますか?」と聞かれたのですが、本気で悔しかったので丁重にお断りしました。製品版にてリベンジできる機会を、首を長くして待ちたいです。

思考とタイミングでパズルを解く『テンピーポーテンカラー』

 『テンピーポーテンカラー』は、たアケイク氏が開発する、レミングスのようにひたすら前進し続ける“ピーポー”をゴールに導くスマホ用パズルアクションゲームです。

『ロケットパズル』
『ロケットパズル』

 特徴的なのは背景の色がステージギミックと直結しているところで、プレイ中は任意のタイミングでカラーホイールを呼び出し、8色の中から好きな色を指定して背景カラーを変更できます。

『ロケットパズル』
『ロケットパズル』

 背景カラーと同色のピーポーや足場、足場を固定する部品は、背景に溶け込んで透明化するので、これによって特定のピーポーの足を止めたり、足場をなくしたり、さまざまな形でゴールまでの道を切り開いていきます。

『ロケットパズル』
▲背景を緑に変えれば、緑の土台が消え、黄色のピーポーが落下してゴールへたどり着けます。その後、背景を黄色にすると緑のピーポーを導けます。

 そして、ギミックの中でも特に頭を悩ませるのが、足場を固定する部品を透明化させる場合。固定部分だけが透明になることによって、“両側の固定が外れた足場を落下させて、穴を作ると同時に落下部分に新たな足場を設ける”、“片方だけ固定が外れた足場が振り子運動をして、カタパルトのようにピーポーを打ち出す”といったユニークなギミックが存在するのです。

 こうしたギミックのバリエーションにより、単に“どの色を背景にすればいいか”という選択だけでなく、“どのタイミングでカラーを変えるか”ということもゲームとしてカギになってきます。

『ロケットパズル』

 どのタイミングでカラーを変更すればいいのか、それに気付くのは段階的な試行錯誤が必要になって、試遊の中では1番やり甲斐を感じたところです。それだけに、クリアした時には「よし、これでよかったのか!」という納得感と達成感があり、後半のステージにいくに連れてじわじわとおもしろさを感じるようになりました。

 なお、本作のリリースはAndroid向けに2019年春の予定で、そう遠くない日に配信開始される模様。iOS版はまだ開発に時間がかかるそうで、リリース時期は未定とのことです。

新たな形でよみがえるパズルアクションゲーム『テトラバッシュ』

 『テトラバッシュ』は、『コープスパーティー』シリーズで知られるチームグリグリが出展していたサイドビューのPC用アクションパズルゲームです。

『ロケットパズル』

 なお、過去に販売されていた同名タイトルのリメイクなのかを尋ねたところ、本作は完全な新作に近いため、オリジナル版を再現するという一般的な意味でのリメイクとは言い難く、タイトルについては変えることも検討中とのことでした。

 ゲームの流れとしては、持ち上げられる木箱を使って足場を築いたり、スイッチの重しにしたりとギミックを攻略し、投げナイフで敵を倒しながら、ステージにちらばっている“マテライズキューブ”という玉をすべて集めると、次のステージに進むための門が開きます。

『ロケットパズル』
▲木箱はさまざまなギミックに活用できて大活躍!
『ロケットパズル』 『ロケットパズル』
▲黄色の玉、マテライズキューブをすべて集めて次のステージへ。

 また、ステージ中に配置された看板を調べることで、ギミックのヒントや敵に対する注意などが見られたものの、箱をどのように使えばいいか、敵をどのように攻略すればよいか、プレイから“気づき”を得やすい作りになっていると感じました。

 試遊バージョンということも大きいでしょうが、“ほんの少しだけ悩んだり失敗したりすることで気付く”という適度な塩梅で、パズルアクションの醍醐味を楽しめたように思います。

『ロケットパズル』

 なお、本作についてはコンパクトにまとめることを想定しているとのことで、夏ごろに完成させてitch.ioやBOOTHで配信する予定であるそうです。とはいえ、ステージ数はなかなかのボリュームを計画している模様。ゴールとなる扉が2つあって分岐するステージも用意されるなど、遊び応えもあるゲームになりそうでした。

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