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2019年4月30日(火)

【おすすめDLゲーム】『ユグドラ・ユニオン』スマホ版をレビュー!! 名作が完全版となって帰ってきた

文:カワチ

 ダウンロード用ゲームから佳作・良作を紹介する“おすすめDLゲーム”連載。今回は『ユグドラ・ユニオン』を紹介します。

『ユグドラ・ユニオン』

 『ユグドラ・ユニオン』は、2006年3月23日にGBAで発売され、2008年1月24日にPSPで発売されたシミュレーションRPGをスマ―トフォンアプリにしたもの。こだわりのゲームメーカー・スティングの作品ということで、今回も単なる移植ではなくさまざまな改良がおこなわれているのが特徴。

 まさに“完全版”といえる内容になっているので、オリジナルをプレイした人もはじめてプレイする人も楽しめる作品になっています。ここではその魅力について語っていきましょう。

『ユグドラ・ユニオン』
▲帝国に国を滅ぼされた王女が仲間を集めて、帝国に反撃する戦記物のストーリーが展開します。
『ユグドラ・ユニオン』
▲きゆづきさとこさんの描くかわいいキャラクターが魅力。ストーリーはそのかわいいキャラクターからは想像できないぐらい重く、思わず引き込まれます。

今なお色褪せない独創的なシミュレーションRPG!

 GBAとPSPで発売された10年以上前のゲームということで、プレイしたことがない人も多いと思うので、まずは『ユグドラ・ユニオン』の内容について説明していきましょう。ちなみにゲーム中には親切なチュートリアルがあるため、プレイしながら自然に覚えていけるので安心です。

『ユグドラ・ユニオン』
▲オーソドックスなシミュレーション画面ながら、独特なシステムを搭載している本作。少しずつ新しいシステムが解禁されていくので、順を追って覚えることができます。

 本作のジャンルはシミュレーションRPGで、大きな特徴に“タクティクスカード”の存在があります。本作では毎ターンごとにタクティクスカードを選択し、各カードに設定されている歩数を全ユニットで共有することに。

 例えば、選んだカードの動けるマスが12だった場合に、ひとりのユニットが最初に12マス移動してしまうと、他のユニットは移動することはできなくなります。戦闘前に持ち込んだカードをすべて使ってしまうとゲームオーバーになってしまうので、無駄のないように動く必要があります。

『ユグドラ・ユニオン』
▲カードごとに移動できる歩数や攻撃力、使用できるスキルが決まっています。
『ユグドラ・ユニオン』
▲カードは使うごとにレベルが上がり性能が上昇します。

 また、本作では敵味方ともに1ターンに1度しか攻撃のコマンドを選択できないのが特徴。“ユニオンシステム”という陣形(ユニオン)を組んで戦うシステムが搭載されており、仲間と同時に敵を攻撃することが可能になっています。

『ユグドラ・ユニオン』 『ユグドラ・ユニオン』
▲男性ユニットは斜め、女性ユニットは縦と横にいるユニットとユニオンを組み、攻守側ともにユニットを組んだ状態で戦闘がスタートします。
『ユグドラ・ユニオン』
▲多くのユニットで単独のユニットを狙うのが基本です。

 戦う時にユニオンの数が少ないほうは、同じユニットで連戦することになって不利になります。ユニットが戦闘不能になって陣形が崩れると一気にピンチになるので、いかに有利な陣形を維持しつつ敵の部隊を殲滅していくかがカギに! この“ユニオンシステム”のおかげでかなり従来のシミュレーションRPGとは異なる感覚でプレイできるので楽しいです。

『ユグドラ・ユニオン』
▲ユニオンによる連携があるため、従来のシミュレーションRPGよりもさらに仲間の陣形が重要になります。

 さらに、もうひとつ重要なのがタクティクスカードのスキル。カードにはそれぞれ“敵を猛毒状態にする”、“敵メンバーを裏切らせ自分の戦力にする”、“敵を一人残らず倒す”といった強力な効果が存在。このスキルを活用することで有利な戦闘を可能に。使用条件はありますが、使い方次第で陣形を組んでいなくても単身で敵を蹴散らすことなども可能です!

『ユグドラ・ユニオン』
▲使用条件が厳しいものもありますが、その分、効果は絶大です。

 戦闘に関しては地形や武器タイプによる相性が重要になってくるので、相関関係を把握することが重要。さらに戦闘中は見守るだけでなく、ゲージを消費して攻撃力を上げたり、攻撃力を下げてゲージをためたりといった指示ができます。不利な地形や武器でも指示次第で逆転のチャンスがあります。

『ユグドラ・ユニオン』
▲ゲージをためることでスキルが使用可能。
『ユグドラ・ユニオン』
▲敗北したユニットは士気が下がり、士気が0になるとマップから離脱します。

EASYモードの追加で開口の広い作品に!

 続いて、スマートフォン版の特徴を紹介していきます。操作はタッチに対応しているうえに、コントローラで動かすこともできます。自分はiPad proの大きめの画面でプレイしていることもありタッチの操作にはまったく不便を感じませんでした。あえて言うなら、1マスずつキャラクターを動かすのではなく、目的地をタッチしたらそこまで自動で移動してくれたらうれしかったかな? と思うぐらいですね。

『ユグドラ・ユニオン』
▲キャラクターはスワイプで移動。指を動かした方向と逆の方向のどちらに移動するかはオプションで変更できます。

 また、新たに追加された“巻き戻し機能”がとても便利。本作ではマップにある町に訪れた時やドロップアイテムを拾った時、キャラクターごとに異なるセリフが表示されるのですが、巻き戻し機能を使うことで簡単にチェックすることができるようになりました。

 さらに戦闘を5倍速まで上げることができたり、イベントを早送りしたりスキップしたりすることも可能。最新のスマホRPGと比べて遜色がないぐらい快適にプレイできます!

『ユグドラ・ユニオン』
▲PSP版にも倍速はありましたが、本作では5倍速まで設定できます!

 なによりうれしいのが新たな難易度“EASYモード”の追加です。『ユグドラ・ユニオン』はGBAからPSPに移植された時に難易度が軟和されましたが、それでも歯応えがあって難しいゲームでした。

 しかし、本作の“EASYモード”は相手からクリティカルを食らうことがなく、相性が有利な状態でバトルが行えるという恩恵があるのでかなりサクサクと進むことができます。もともと本作はリトライをすると難易度が下がるという仕様ですが、“EASYモード”で始めればあまりゲームオーバーになることもなくストーリーを中心に楽しむことができます。かわいいキャラクターや重厚なストーリーを楽しみたいという人はぜひEASYでプレイしていただければと!

『ユグドラ・ユニオン』
▲難しめのゲームなので、EASYでも歯ごたえのあるバトルが楽しめます。逆にいきなりのHARDはおすすめしません(苦笑)。

 ということで、『ユグドラ・ユニオン』は完璧な移植というだけでなく、さまざまな改良がなされてさらにクオリティの高い作品に仕上がっています。もともとファンの多い人気作を今の時代に遊べて、手軽にさわれる本作。続編の『ブレイズ・ユニオン』、『グロリア・ユニオン』も同じように移植してくれたら(ボクが)うれしいので、ぜひみんなで

『ユグドラ・ユニオン』を応援しましょう!

データ

▼『ユグドラ・ユニオン』
■メーカー:スティング
■対応端末:iOS/Android
■ジャンル:RPG
■配信日:2019年4月11日
■価格:1,800円

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