詳細レポート! セガがDC製造中止を含めた今後の経営戦略を発表!


 セガは本日31日午後6時30分、都内のホテルで「構造改革プラン説明会」と題したマスコミ向けの会見を行い、今後の経営戦略に関して発表した。
  会見には、明日付けでセガの共同最高執行責任者(CO-COO)に就任する香山哲氏を始めとするセガの首脳陣が出席。ゲーム業界以外からも多くのマスコミが押しかけ、広い会場はほぼ満席状態であった。その席上、セガ代表取締役副社長(COO)の佐藤秀樹氏より、同日行われた取締役会において、DC製造中止を決議したこと、製造中止の背景と業績予想の修正についての発表があった。それに続き、香山氏による収益回復策(簡単にいうと、今後セガがどうしていくかについて)等の発表を行い、質疑応答ののち、午後8時過ぎに閉会した。

 今回の発表でユーザーの皆さんが気になるのは、1)セガがこれからどうなるのか、2)DCはこれからどうなるのかの2点だろう。これについて、会見での発表を噛み砕いて以下、説明しよう。

1)セガはこれからどうなる
 コンテンツプロバイダー(ゲームソフト供給メーカー)として世界一を目指していく方針を打ち出している。ソフトを製作する技術力では、業界屈指のセガだけに、今後の展開は大いに期待できるであろう。具体的には、前記の記事にあったように、PS2、GBアドバンスへのソフト供給、Xbox、ニンテンドーゲームキューブへのソフト供給の協議のほか、PCソフト、iモードやJフォン向けコンテンツへの供給事業の強化を図っていくとのこと(DCについては、後述)。
 アーケードを含むアミューズメント事業については、従来にない新しいアミューズメント施設の開発&提供、各施設のネットワークステーションとしての機能を備えていく方針。アーケードゲームは、新タイトル&シリーズの開発を行い、世界のアミューズメント業界を牽引していく。また、業務用とコンシューマー双方の連動を考えた業務用ビデオゲームボード(基板)の供給を行っていく方針である(アーケードで開発したゲームを他社のハードに連動できるユーティリティの提供も含む) 。
 ネットワークゲームには、国内の他のメーカーと比較してのアドバンテージを活かし、積極的に取り組んでいくとのこと。具体的には、現在10タイトルの開発が進行中であるとも発表された(ただし、DC以外の他機種への移植は現時点では未定だが、SCEとはアプリケーションやサービスについて具体的な話し合いが進んでいるとも語っている)。
 まとめるとセガは今後、業界屈指のソフト開発力、ネットワークゲーム開発のアドバンテージを活かして 、いちソフトメーカーとして変貌を図っていくとのことだ。

2)DCはこれからどうなるのか
 現在、ハードの在庫が全世界で200万台あり、これを今期から来期にかけて販売していく予定であるとのこと。その際の販売戦略(例えば値下げなど)は、各地域の特性に合わせて行っていくと発表された。
 では、DCソフトのほうは、どうなんだろうか? これについては、今期同様の発売タイトル数を計画していると発表。具体的なタイトルについては、セガのサイトを見ていただければと思うが、ここには、カプコンなどサードパーティのソフトが含まれておらず、そのあたりの動向が気になるところ。今回の会見ではソフトメーカーがビジネスをしやすい環境作りに努力するとのコメントにとどまった。

 最後に、今日の説明会を終えて、記者の個人的な感想をまとめておきたい。今までの自分たちの非を認め、収益が見込めるソフトメーカーとして大変身するセガの姿勢はビジネス的には十分納得できるし、今後、市場規模の大きなハードでのセガのソフトの活躍には、今のなんだかわからないけれどモヤモヤしているゲーム業界やゲームユーザーには1つの明るいニュースのように思える。その反面、僕らの編集部の中にもいる元電撃DC編集部の人間、個人的にセガ好きな編集者、他のゲーム誌のDC関係者、ただのセガゲーム好きの編集者(会場にはかなり多くいたはず)、ましてやメガドラ以前からつづくセガユーザーにとって、今回の発表はどう写ったのだろうか。
  日経新聞の1月24日の記事中で、セガ代表取締役会長兼社長の大川功氏(今回850億円の個人資産を会社に贈与した)が、「セガは、出来の悪い息子と同じ。出来が悪いほどかわいいもの」と発言しているが、僕の周りのセガユーザーって、大川氏の足元にも及ばない貧乏な奴らばかりだけれど、気持ちは一緒だったような気がするんですが……。

■関連ホームページ
セガ ニュースリリース
http://www.sega.co.jp/sega/corp/news/nr010131_2.html
ユーザー向けリリース「SEGAを応援してくださるみなさんへ」
http://www.sega.co.jp/sega010131.html


会場は報道関係者などで埋め尽くされたが、ライセンシーの姿が見られることはなかった。
セガの構造改革をすすめる首脳陣。大川会長は自宅で療養中とのこと。
セガ共同最高執行責任者(CO-COO)に就任することとなった香山哲氏。
セガ代表取締役副社長(COO)の佐藤秀樹氏から、取締役会でDCの製造中止が決議したことが伝えられた。

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